NHKさかのぼり日本史 江戸“天下泰平”の礎 (6)

  • NHK出版 (2012年1月28日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (128ページ) / ISBN・EAN: 9784140814901

みんなの感想まとめ

歴史の重要な転換点を描く本作は、江戸時代のさまざまな出来事を通じて、日本の社会や文化の変遷を深く掘り下げています。鎖国政策がもたらした繁栄や、幕藩体制の変化を引き起こした自然災害、さらには政治改革がも...

感想・レビュー・書評

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  • ロシアのサンクトペテルブルクの博物館に、この露寇事件の際に、ロシア側が日本から略奪した兵器などが多数収蔵されていることが確認されました。1つは文豊後大分の戦国大名、大友宗麟が使用した国崩しと言われるもので、もう一つは豊臣秀吉の朝鮮出兵の際に、大阪城に持ち帰ったさはりの大ハラカンと呼ばれる大砲だと推測されています

  • 江戸幕府二百六十年の基礎を作ったTerning Pointを見せてくれる。

  • 綱吉の治世や寛政の改革は批判的に扱われがちだが、今の日本人の道徳観を形作った、素晴らしい面があることを知れた。

  • 「百姓を牛馬のように扱うのはまかりならぬ。百姓を大切にしないと反乱が起き、将軍によって領地が召し上げられて国が亡びる(池田光政日記)」「犬ばかりに限らず、惣て生類人びと慈悲の心を本といたし、憐れみ候儀肝要事(御当家令条)」「眼前ノ繰廻シニ百年ノ計ヲ忘スル勿レ(渡辺崋山・八勿の訓)」 現代にも通ずる大切な教えだな・・・

    • Zさん
      「百姓を牛馬のように扱うのはまかりならぬ。百姓を大切にしないと反乱が起き、将軍によって領地が召し上げられて国が亡びる(池田光政日記)」「犬ば...
      「百姓を牛馬のように扱うのはまかりならぬ。百姓を大切にしないと反乱が起き、将軍によって領地が召し上げられて国が亡びる(池田光政日記)」「犬ばかりに限らず、惣て生類人びと慈悲の心を本といたし、憐れみ候儀肝要事(御当家令条)」「眼前ノ繰廻シニ百年ノ計ヲ忘スル勿レ(渡辺崋山・八勿の訓)」 現代にも通ずる大切な教えだな・・・
      2016/01/10
  • 徳川綱吉リスペクトです

  • サクサク読める

  • (2014.03.25読了)(2014.03.21購入)
    副題「“天下泰平”の礎」
    戦乱の無い時代が260年も続いたのはなぜなのかを探った本です。
    江戸時代というと、武士による切り捨てごめんがまかりとおったり、地方では、悪代官による農民いじめが当たり前に行われていたというイメージですが、この本を読むとそのイメージがだいぶ変わってきます。
    犬公方といわれた綱吉でさえ、理不尽な町民いじめとは、少し違った見方があるとのことです。
    歴史の史料から、何をどう読み取るかは、だんだん違ってきているようです。
    中学、高校の頃の歴史の時間というのは、ひたすら寝ていた身にとっては、最近の歴史書には、目を見張らされます。

    各章の扉ページにポイントが書いてありますので、拝借しておきましょう。
    第1章、ターニングポイント1806年、露冦事件
    ロシア船の襲撃という対外的危機を越えて「民を守る」政策が再浮上し江戸の庶民文化も花開いた。
    第2章、ターニングポイント1783年、浅間山噴火・天明の飢饉
    死者100万人にものぼる未曾有の大飢饉は「民のための仁政」という意識を幕府に芽生えさせた。
    第3章、ターニングポイント1707年、宝永の地震・津波
    大震災に遭遇した江戸社会は量的拡大から質的充実へと価値を大転換することで豊かな農村社会を築いた。
    第4章、ターニングポイント1637年、島原の乱
    武力による恐怖支配は領主側にとっても痛手になると知ったとき、生命尊重の社会へと踏み出した。

    【目次】
    はじめに
    第1章 「鎖国」が守った繁栄―1806年
    第2章 飢饉が生んだ大改革―1783年
    第3章 宝永地震 成熟社会への転換―1707年
    第4章 島原の乱 「戦国」の終焉―1637年
    参考文献
    年表

    ●「民命」(30頁)
    松前奉行が「民命」という言葉を用いて人命尊重の考えを示しているように、身分制度に縛られた当時の世の中で、「民の生命や財産を守る」という価値観が社会のすみずみまで共有されていた―という事実です。
    ●吉宗と田沼(42頁)
    将軍吉宗にしても田沼にしても、その施策の根本は、幕府の財政難をいかに解決するかということでした。極論すれば、幕府の金蔵を満たすことが、彼らの目標だったといっても差し支えないでしょう。新田開発も商業・流通への注目も、その目的はあくまでも幕府財政を好転させることであり、領民福祉の実現が最終目的ではありませんでした。
    ●福祉行政(59頁)
    天明の飢饉をきっかけとした国家的な危機を経験したことで、幕藩体制は単なる軍事政権ではなく、不完全とはいえ、福祉行政の機能をもった政府へと転換していきました。
    ●宝永地震(1707年)(65頁)
    宝永地震は、江戸時代最大の地震であり、東日本大震災が起きるまでは、日本史上最大級規模の大災害でした。地震の揺れだけでなく、沿岸部を襲った津波が甚大な被害をもたらしたということでもこの二つの大地震は共通しています。
    ●江戸初期(99頁)
    年貢が払えなければ、領民を捕まえて拷問にかける。それでも払わなければ農民の家屋を取り壊して、その廃材を売って払わせるといったことも平気で行われました。また、年貢を払わないということを前提として、年貢時になると庄屋や村の有力者の娘を人質としてとり、年貢を払ったら解放するというような、現代から見ればとても政府や国家権力がするとは思えない暴虐な仕打ちがまかり通っていました。
    ●島原の乱の教訓(108頁)
    領民を殺戮しすぎると領地から年貢を納めてくれる農民がいなくなり、その地を治める武士たちが食えなくなる

    ☆関連図書(既読)
    「NHKさかのぼり日本史①戦後」五百旗頭真著、NHK出版、2011.07.25
    「NHKさかのぼり日本史②昭和」加藤陽子著、NHK出版、2011.07.25
    「NHKさかのぼり日本史③昭和~明治」御厨貴著、NHK出版、2011.09.30
    「NHKさかのぼり日本史④明治」佐々木克著、NHK出版、2011.10.30
    「NHKさかのぼり日本史⑤幕末」三谷博著、NHK出版、2011.12.30
    「八代将軍 吉宗 上」ジェームス三木著、日本放送出版協会、1994.12.15
    「八代将軍 吉宗 中」ジェームス三木著、日本放送出版協会、1995.04.25
    「八代将軍 吉宗 下」ジェームス三木著、日本放送出版協会、1995.10.30
    「おろしや国酔夢譚」井上靖著、文春文庫、1974.06.25
    「龍馬史」磯田道史著、文藝春秋、2010.09.30
    (2014年3月29日・記)
    (「BOOK」データベースより)amazon
    歴史には時代の流れを決定づけたターニングポイントがあり、それが起こった原因を探っていくことで「日本が来た道」が見えてくる。二百六十年以上にわたる長期安定社会を築いた「徳川の平和」の根底にあったものとは―。1806年→1783年→1707年→1637年の危機を社会構造改革の場とした“転換”の発想を見る。

  • 江戸時代の日本が人命重視に変わって行く過程、そのターニングポイントを四つの時代をさかのぼりながら解説したテレビを元にした本。
    東日本大震災と重なるような津波による被害が大きかった宝永地震、92万人もの餓死者を出した天明の大飢饉、天草の乱などは今読んでる一揆の本ともリンクする内容だった。財政破綻寸前の幕府建て直しのために吉宗が取った改革の中身は結局年貢米を重くするっていうひたすら農民にはつらい政策だった実態や、新田開発という自然破壊の乱開発が地震や災害によって行き詰まり、経済成長後の国のあり方に今のこの国の進むべき道を感じさせたり...歴史に学ぶって面白いなと改めて思った。
    沖新田の姿は江戸期の新田開発によって今回液状化した地元の姿と重なる。
    それにしても飢餓の規模のすごさは慄然とする物がある。
    太平の世と言われる長い徳川の世をつぶさにみると、その時代時代の為政者の改革や農民たちの努力、戦国の人命軽視から価値観が変革されていくさま、今日極端に描かれがちな生類憐みの令の実態など人の想いや変革によって今の日本人があるんだなと実感した。

  • 鎖国はロシア船打ち払い時に作られた「祖法」で、鎖国を選んだ幕府は民命を重んじ、結果的に江戸後期の文化繁栄をもたらした。

    民を重んじる意識は天明の飢饉時の治安の荒廃に一端があり、これをきっかけとして幕府の施策が収奪式から、税金を得た分民にも施しを与える民富論に転換していった。

    江戸時代の安定した農業社会は、東日本大震災並の、宝永の大地震がきっかけであり、バブル的な新田開発から環境配慮の農村社会へと成熟させていった。

    そもそも、江戸が平和な時代になったのは島原の乱における住民大量虐殺、それによる支配階級の困窮があったためで、「平和な江戸時代」は、生類憐みの令によって完成される。

    わかりやすい本。

  • ≪目次≫
    はじめに
    第1章  「鎖国」が守った繁栄
    第2章  飢饉が生んだ大改革
    第3章  宝永地震 成熟社会への転換
    第4章  島原の乱 「戦国」の終焉


    ≪内容≫
    NHK”さかのぼり日本史”の第6巻。①19世紀初めのロシアの接近 ②天明の飢饉 ③18世紀初めの「宝永地震」(元禄時代) ④島原の乱 の4つを取り上げ、それぞれそこから幕府の政策が変わった。その結果、260年続く「パクス・トクガワ」が作られた、との分析。まあ、目新しいことはなく、妥当な内容。わかりやすい記述で、読みやすいと思います。

  • 論点がシンプルで非常に読みやすいです。
    とはいえ、これまで5巻かけて200年をさかのぼって来たものが、いきなり1巻で江戸時代全てを扱っているので、内容的にはこれまでで一番薄いとは思います。
    ただ、この位の薄い内容で総論的な話をしてくれる方が好きなので、個人的には全く問題はありませんでした。
    人に薦めるにはこの巻が良さそうです。

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著者プロフィール

磯田道史
1970年、岡山県生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(史学)。茨城大学准教授、静岡文化芸術大学教授などを経て、2016年4月より国際日本文化研究センター准教授。『武士の家計簿』(新潮新書、新潮ドキュメント賞受賞)、『無私の日本人』(文春文庫)、『天災から日本史を読みなおす』(中公新書、日本エッセイストクラブ賞受賞)など著書多数。

「2022年 『日本史を暴く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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