バースト! 人間行動を支配するパターン

  • NHK出版 (2012年7月27日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (440ページ) / ISBN・EAN: 9784140815540

みんなの感想まとめ

人間の行動を理解するための新たな視点を提供する本であり、歴史やネットワーク理論を巧みに織り交ぜながら、複雑なテーマに挑んでいます。読みやすさを感じる一方で、構成や論理展開に対しては意見が分かれるようで...

感想・レビュー・書評

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  • なにを血迷ったか、とても読みづらい構成。
    論理展開も中途半端で消化不良。

  • 図書館に無し

  • 歴史に擬えながら、ネットワーク理論を混ぜていく

    読みやすいのに、読み落としたところが多そうな不思議な本

  • バースト べき法則=ポワソン分布+優先順位

  • なるほどビッグデータ時代の何が面白いのかというと、大量のデータの蓄積と取り回しが可能になることで、ランダムでないバースト・パターンがそのまま扱えるようになるから、なのか・・以下監訳者あとがきからほぼそのまま拝借。

    人間行動には、驚くほど普遍的なパターン-バースト‐が見られるということだろう。バーストとは、短時間に何かが集中的に行われ、その前後に長い沈黙の時間が存在するというパターンのことだ。
    このパターンが発見された背景には、我々の行動は実のところ「ランダムではない」という、ある意味ではあたり前のことが、近年、ようやくまともに取り扱えるようになってきたという事情がある。科学者は従来、物事はランダムに生じると仮定することにより、大きな予測力を手に入れてきた。本当にランダムならいっそ話が簡単になり、統計的な見地からいろいろなことが言えるようになるのだ。しかしその先に歩みを進め、規則性やパターンを探ろうとすると、とたんに大きな壁が目の前に立ちはだかる。その壁を乗り越えるためには、膨大なデータが蓄積され、それを扱う方法が開発されるのを待たなければならなかったのである。人間は溜まった仕事を処理する際に、先着順ではなく、何らかの重要性に基づいて優先順位をつける。それがバーストを引き起こしているのでは?

    ただ、やや過度に装飾的な文章はちょっと読みづらいのが残念。

    [more]<blockquote>P67 ちょっとした思いつきや普通の人々やありふれた出来事が見過ごされる寸前で拾い上げられてスポットライトを浴び、ひと時世間のあこがれや反感や熱狂の対象となった後、本格的に忘れられるといったことが起きている。こうした新しい種類のニュースや娯楽は、マスメディアに作られたのではない、自律的な『生態系』をなしている。

    P182 時間は最も貴重な、再生不可能な資源なのであり、もしこれを大事にしたければ、優先順位をつけるしかない。そしてひとたび優先順位をつけたなら、べき法則とバーストは避けられないのである。

    P260 ドル札がレヴィ軌跡のような足取りを示すのは各人間がレヴィ軌跡をたどっているからではなく、大勢の人間の中に外れ値が混じっているからだということだ。【中略】社会にはいろいろな人がいるために、ドル札はある近辺にずっと留まっていたかと思うと、時折急に大陸をひとっ飛びに移動する。奇妙ではあるが、ごく自然なパターン、これがディルクのもともとの発見の核心なのである。

    P285 冗長性を説明する例「この文○ら約半○の○字を削○ても、そ○で○なお意○は読み取○る」
    いいかえると、冗長性のない言語とは、すべての文字の組み合わせに意味があり、したがって誤字脱字があると単語の意味が全く変わってしまう言語である。

    P324 (ハサン・エラヒ)「ある意味で、僕はすべてを公開しているとも言えるし、なにも公開していないとも言えるでしょう」「あれだけデータのノイズに埋め尽くされると、どれほど生活をオープンにしても、どれほど大量の情報を流しても、極めてプライベートな生活が送れるものですね。【中略】僕は自分のプライバシーを完全にあきらめることで、それを守っているんです。」

    P351 生命はよどみなく現れるわけでもランダムに現れるわけでもなく、バーストがあらゆる時間尺度を支配している。【中略】バーストは生命の奇跡の欠くべからざる一部であり、適応と生存を目指しての絶え間ない格闘の証拠なのだ。

    P370  このいつの間にかそうなったデータ豊富な社会において、思いも寄らなかった副作用は、我々の生活がかつてないほど詳細に記録されていると言うことだ。その過程で、新たに出てきた科学が人間のすることをすべて定量化するようになり、自由意志の問題からプライバシーの問題まで、これまで当然のように受け止められてきた多くのことに再考を迫っている。【中略】我々の生活を数字や公式やアルゴリズムにどんどん分解していけば、やがて我々は互いに区別がつかないくらい、それこそ自分では認めたくないほどに同じようなものになっていく。【中略】われわれはみなバーストを生じさせていながら、それと同時に、極めて規則的なのである。一見するとランダムでも、根本的には予測可能だ。
    </blockquote>

  • 前作「新ネットワーク思考」で"ベキ分布"の大家となった作者が、更に人間行動を支配するパターンを思索する模様を綴った本。科学者が新たな課題に目覚めそれを探求するプロセスを知るという意味では参考になるかもしれないが、全般的に難解で独りよがり感が強く、「もう少し研究が練れてから出せばよかったのに」と思わざるを得ない内容だった。"バースト"とは人間行動におけるあるパタン(何かが起こると連続的、飛躍的に起き、静まると次のバーストまではほとんど起きない)のようだが、これを理解させるための事例として作者の故郷であるトランシルバニアの英雄であるジェルジュ・セーケイの十字軍譚を別章的に使うのだが、これも話しになじみがなく複雑で成功したとは思えない。電子メールの事例の方がむしろ分かりやすかったので、こういう人間の行動パターンがあるということを理解してこの先、役立てていけばこの本を読んだ意味もあったということだろう。

  • 社会学なんて役に立つのだろうか?
    と比較的感じてしまう本。二つの軸で書かれており、読ませる。

  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
    http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784140815540

  • 複雑系でお馴染みのべき乗則について、その根源を突き止めようと奮闘する研究者の書いた著書。人間の行動や社会に関する現象について、優先順位付け行動をモデルに入れてシミュレーションするとうまく説明できる、というのが結論。

    内容自体は中世の十字軍にまつわる話、著者の研究に関連する逸話、著名な学者のサイドストーリーなどが章ごとに織り交ぜられていて、面白いんだけど、流れをつかむのが大変。なんでこの話が?みたいな状態で読み進めないといけないので少し疲れる。というか、学者なのに妙に文才があって、ちょっとしたエピソードが活き活きと描かれていて、変に気が散ってしまう(いや、物語に集中してしまう?)。それと、具体的な数式なんかは注釈以外には一切出てきません。この辺は割り切ってる。最終的には、これらのストーリーは優先順位によってべき乗則に従う現象が見られた例とわかるのだけど、その辺の伏線が見えてくるのは後半でした。最後もぼやっと終わってしまうので、論点は見えにくいです。

  • 本書籍によらず、人間の行動に関する書籍、特に行動経済学関連の本に目を通した事がある人間ならば、本書で取り上げられている「べき乗則」の話は既知である可能性が高い。
    ただ日常生活の何気ない人間行動も、やはり双曲線関数でフィッティングするとうまく説明が付く事がある、ということを確認する意味では有意義であろう。

    スマートフォンやウェアラブル端末の発展により益々人間行動がデータ化、ログ化され監視される中で、自らの行動モデルをカオス的にしたいのならば、本書を歴史的小説を読む気持ちで軽く眺めれば良い。

  • 人間の行動はどの程度予測可能なのか?という問いに対して、分かりやすく解説されていた。途中で、全く関係ないような、十字軍の話が挟まれているのだが、だんだんまとまってくるのも、質のいい小説を読んでいるかのよう。
    メールを送るのがバーストになるのは、実体験に照らし合わせてもそうだなと思った。

  • 集中と沈黙。人間の行動には16世紀でも、コンピュータ時代の現代に於いても共通するパターンがある。それがバースト。

    マクロにみれば人間の行動パターンは既に予測可能である。原子レベルのランダムな動きを熱統計力学的にマクロな視点でとらえれば十分に記述可能であるというアナロジーが面白かった。

    ビッグデータの時代では個々の人間の行動も予測可能になってしまうのだろうか。監視社会と相まって自分の動きが捉えられ、恣意的に誘導されてしまうのは心外であるが、既に始まっているともいえる。

    予測する側は楽しいだろうが、予測される側はなんとなく虚しい。

  • 現実と歴史が交錯する。興味深いのは、そのスリルに満ちた現実が、「空想ではない」ということ。いつもドキドキしながら読んでいるあの空想世界は、現実にありうるということ。そして人間という存在のあり方、人間関係というネットワークと行為は人間に普遍的なものなのか、ただのゆらぎに過ぎないのか。思考が思考を呼ぶ本。

  • ーーーーーーーーーーーーーーーー
    巨大ネットワーク企業が「ビッグデータ」を駆使して、顧客の購買活動を予測できるようになったのは、バラバシの『新ネットワーク思考』を実践に移した結果である。
    今回のテーマは、パターンなどなさそうな人間行動に出現する「バースト現象」だ。
    「バースト」とは、短時間に集中して何かを行うことで、そのあとには長い沈黙の時間が訪れる。そして、それはすべての人にあてはまる行動パターンだ。人は自分が数学的に解明されるほど単純な生き物だとは思ってもいないだろう。しかし、中世の十字軍騎士の人並み外れた行動にも、アインシュタインが書く手紙の頻度にも、そして現代人のeメール送信にも、みなバーストのパターンが現れていた。著者のアルゴリズムによる解析が、その衝撃の結果をいま明らかにする。
    複雑な数式を一切使わずに最新の複雑ネットワーク理論を展開する、知的好奇心を大いに刺激する一冊。
    ーーーーーーーーーーーーーーーー(カバーより引用)

    文系でも楽しめる理系の本。
    「物質世界を説明するのと同じ正確さで人間行動を説明する」(p.80)ことができるのか、コンピューターサイエンスと物理学・生物学の専門家が挑んだ記録。
    そのこになぜか、中世騎士の物語が差し込まれ、小説のような学術書のような不思議な一冊になっています。
    平易な表現で人間の行動が予測可能であることを論じるその展開には、文系の私でもわくわくしました!

    ビッグデータによって、自身の行動履歴を把握されてしまう現代、過去の行動だけでなく、未来の行動すら予測されてしまうとは…。私たちが人たるゆえんをどこに求めるべきか。
    これまでの常識をひっくり返してしまうような進化が続く情報の時代、私たちは何を指針に生きていけばよいのでしょうか。
    著者は言います。
    「つまるところ、人間力学の予測力は、クレジットスコアやナンバークランチングなど、そんなみみっちいもののためにあるのではない。この力がいつかわれわれの住む星をもっとよい住処にしてくれる、そんな希望を持って、われわれの歩を進めさせていってくれるものなのだ」(p.379)

    人間の行動が優先順位によって決まる予測可能なものであることがわかった以上、人々はリーダーの個人的な優先順位で振り回されるのではなく、知識の探求を優先順位リストの指針とした平和な社会をつくるものであって欲しい…著者のそんな思いがつまった一冊です。

    【今月のおすすめ/2014年2月】

  • 人間の行動は予測可能かというテーマで書かれた著作。
    「バースト」とは、短時間に何かが集中的に行われること。その前後には、長い沈黙の時間が存在するという。それは、何らかの重要性に基づく優先順位をつけることによって引き起こされるとのことだ。
    読みながら、「ひょっとしてこんなことに応用できるかもしれない」などと想像を巡らせることもできた。興味深い著作である。
    一見関係なさそうに思える十字軍の挿話は、なくてもよかったように思うが、それは読む人によって意見の分かれるところであろう。

  • 結論ではなく仮説を提示した本。ネットワーク論の中で、あるできごとが線形的に発生するのではなく、一定のタイミングで「極値」とでもいえるようなものが発生し、それによってネットワークが大きく変化するということを様々な分野の実証研究をもとに論じていく。「シグナル&ノイズ」と同様、最近の予測モデル、統計モデルについての最新の研究を紹介している。例としてとりあげられる、渡り鳥の事例はおもしろい。渡り鳥が、徐々に場所から場所に移動するのではなく、一定期間周辺にとどまり、その後長距離移動を行うというサイクルがみられるのではという研究が紹介されている。本論の中ではその研究方法には不備があったとした実証研究を紹介して終わるが、説そのものの可能性は残っているとのこと。より多くのデータが世の中で収集され、実証研究に使われるようになったことで、統計モデルの考え方そのものがチャレンジされている。それについてのひとつの方向性「バースト」を紹介してくれる素晴らしい本。

  • 研究を紹介する読み物としては、実に上手く書けていると思います。こんな風にわくわくするように面白く自分の研究を紹介できるのが才能豊かな証しだとは思う。でも、その研究内容については何だかなぁ、という印象。そんなの当たり前じゃん、っていうことばっかり。研究とか専門家っていうのは結果だけ聞けばそんなものかもしれないし、まぁ実際、ネットワーク社会、ビッグデータ社会の時代の流れに上手く乗っていて、ビジネスにもなるのだとは思うけど。ベキ乗ベキ乗って、周期関数じゃなけりゃ、指数関数かベキ乗のどっちかしかないじゃないか、などと思ったりもしてしまいます。交互に挟まる、中世ハンガリーのお話しはそれはそれで面白いし歴史の勉強になったんだけど、この本の内容と関係あるとはあまり思えない。

  • 人間の行動、ネットワークで接続されたもの、自然の動きはランダムではなく、バースト的であるということを説明する本である。歴史パートは読み飛ばした。

  • 読みながら非常に想像力をかき立てられ、何度かこの知見を身の回りに当てはめてみたりした。本書は良質な社会科学書でありながら、歴史小説も読めるという一粒で二度美味しい本。単に科学研究者が余暇に書き上げた物語ではなく、人気小説家も真っ青の歴史エンタメ本になってるところが凄い。著者のルーツでもあるし、最後には本筋の分析とも密接に関係してくるのだが、あとがきで訳者が述べている通り、この部分だけを拾い読みしたい衝動にかられた。それと、幕間に挟まれる挿し絵が印象的で、過去の物語と現代の分析とが効果的に切り替わっている。

    最後で明かされる、いかにしてこれほど的確に予言できたかの種明かしには正直ズッコケたけど...。

    迷宮入りの事件の解決に必要なことは、これまで何度も調べた現場周辺からはいったん離れ、つながりが遠いと思われた場所で当たりを見つけ、そこから小刻みな調査を再開する方が効率的であることが、アホウドリの採集戦略やDNAの転写因子研究によってわかっている。

    過去や現在を検索することはできるが、未来の検索はまだできない。しかし、未来を正確に知るためには、過去を知らなければならない。

    現在と過去の個人情報がわからなければ未来を正確には予測できない。通信記録や所在地記録はすでに携帯電話会杜が握っているし、消費傾向は銀行に知られている。個人的な興味についても電子メールのプロバイダに記録が残されるし、行動や同伴者についても監視カメラが定期的に映像を記録している。

    あと足りないのは、それぞれの場所で収集された個人に関するあらゆるデータを集約して、それをプログラムにかけて未来を予測させること。

    あぁあと遺伝子情報と健康診断に関する情報も詰め込んでやれば、1週間後に風邪をひく確率は70%だとか、次のiPhone5に飛びつく確率は10%などさまざまな予測が可能になる。

    情報の価値が過去よりも未来の方が貴重なのは当たり前だ。むしろ問題なのは、自分たちの未来の情報を、自分たちが利用できないいまの現実にある。過去同様、誰がそれらを握っているのか?

  • 人間行動の予測可能性と不可能性を題材として、十字軍の話と人間行動を関連させている。べき法則だけでは行動が表せないということであろう。卒論のテーマとしては面白いと思われる。

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