MAKERS 21世紀の産業革命が始まる

制作 : 関美和 
  • NHK出版
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本棚登録 : 3023
レビュー : 332
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140815762

感想・レビュー・書評

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  • ニッチな製造企業
    オープンソースの製造業
    DIYムーブメント

  • マスコミはソフトウェアと情報産業ばかりに注目するが、そこから生まれる雇用は人口の本の数パーセントに過ぎない。僕たちが「オンラインの世界に生きている」という人もいるが、日常の出費や生活となると、それは誤りだ。僕らはモノに囲まれたリアルワールドに生きていて、食べ物や服、車や家が欠かせない。人間の脳だけが身体から切り離されてタンクの中で生きるようなSF敵未来が訪れない限り、それは続く。ビットの世界は刺激的だが、経済のほとんどはアトムでできている。
    リアルなもの作りのプロセスがデジタルな創作のプロセスに似てきたのだ。有能な少数の人々がインターネット接続とアイデアだけで世界を変えるというイメージは、製造業にも当てはまるようになってきた。
    今や個人で、普通の人がマウスのクリック一つで工場を動かせるのだ。アマチュアと企業家の違いは、ソフトウェアのオプション一つにまで縮まった。一個作るか1000個創るかは、どちらのオプションをクリックするかと、いくら支払えるかだけの問題なのだ。
    手作業から機械への移行は、余暇を生み出した。より少ない人数で、衣食住にかかわる生活必需品を生産できるようになったため、より多くの人々が必需品以外のことに時間をさけるようになり、それが文化を形成していった。アイデア、発明、学習、政治、芸術、そして創造性。こうして近代が幕を開けた。
    コンピュータが、本当の意味で僕らの部下を変え始めたのは、それがネットワークにつながったとき、最終的にはすべてのネットワークのネットワークであるインターネットにつがなった時だった。
    自動車業界には、これまでもニッチな自動車会社や小規模なサプライヤーが存在した。しかしその立場はどんどん脆弱になっている。イギリスのニッチな自動車会社が次第に衰退し、ほぼすべてが多国籍企業に回収されたことを見ても、それは明らかだ。歴史的にも、自動車産業はイノベーションの育ちにくい環境であることは間違いない。
    ブログは本とは違うけれど、結局、娯楽と情報の一手段であることには変わりない。この10年間に起きた最大の変化は、人々がプロのコンテンツの代わりにアマチュアのコンテンツを楽しむようになったことだ。フェイスブック、タンブラー、ピンタレスと、そのほかの似たようなありとあらゆるサービスの台頭は、20世紀の商業的コンテンツ企業から、21世紀のアマチュアコンテンツ企業へと人々の関心が大きく移った証拠に他ならない。今、物質的なモノにも、同じことが起きている。
    ニッチ商品はたいてい企業のニーズではなく、人々のニーズから生まれる。
    アダムスミスが「国富論」で唱えた、効率的な市場を支える専門家の行き着く姿。それは、人は自分が最も得意なことだけを行い、それをほかの人が作る品物と交換すべきだ、と彼は言った。
    今注目を浴びている「幸福の経済学」によると、人間はある水準まで満ち足りると、高給でもやりがいのない仕事より、給料は劣っても(といっても生活が保障されれば)やりがいのある仕事を、むしろ積極的に選ぶという。シカゴ学派のエリック・ハーストの研究では、企業家の半数は、金もうけのためでなく幸福を追求するために起業するという。
    今後2,3念の間に、ウォルマートやコストコで100万台単位で販売されるような3Dプリンタが主流になるだろう。そのときにはHPやエプソンの恐るべき規模の経済が発揮されるに違いない。3Dプリンタは99ドルになり、一家に一台の時代がやってくるだろう。
    第一次産業革命以来、製造業が低賃金の諸国へ流れることは、国際貿易の宿命とされてきた。しかし、新しいオートメーションのおかげで安い人件費のメリットは縮小し、そのほかの要素ー最終消費者との距離や輸送のコスト、柔軟性、品質、信頼性ーが重要になってくる。
    僕は何も、中国やそのほかの低コスト諸国への生産委託がなくなるだろうと言っているのではない。広東省に存在する比較的安い労働力と集中したサプライヤー群の組み合わせは、多くの産業にとって非常に魅力的だ。だからこそ、携帯電話はアメリカで生産されないし、中国が世界のおもちゃ王国にもなれる。だが、それが唯一の選択肢でないことも明らかだ。
    エッツィーは趣味か芸術性のためのもので、それほどもうからなくても、ファンを見つけることがやりがいにつながっている。
    産業ロボットは今後ますます安く高機能になり、人間はますます高くなる。
    キャドソフト:グーグルのスケッチアップ、オートキッド

    映画「幸せのきずな」

  • 151010 中央図書館
    そんなにエポックメーキングな内容か? 3Dプリンタが身近なものになったからといって、本当に有用な「モノ」を手にいれるためのハードルが、それほど低くなったようには思えない。

  • 誰もがMaker

  • オープンハードイノベーションが面白かった!

  • ちきりん著『マーケット感覚を身につけよう』参考文献

  • 「ロングテール」や「フリー」といった著書でデジタルやネットの技術が社会や経済にもたらす価値を鋭く描き出してきた著者が、一見それらの世界とは真逆とも思える「ものづくり」に着目し、自身の実体験もふまえ、新たな産業革命に繋がる可能性を秘めた「モノのロングテール」を提唱する意欲作。

    デジタル化されたCADなどによる設計情報を個人が企業に送信し、それをもとに高度にオートメーション化された工場が低コストで少量生産したり、個人が3Dプリンタなどで「DIY生産」することができるようになった。このことは、企業と工場が一定の規模を前提に独占してきた開発や生産を、個人が規模の制約を受けることなく「デスクトップで」行えることを意味する。著者はこれを「生産手段の民主化」と呼ぶ。さらに、作り手が設計情報をネットを通じてオープン化することでコミュニティが生まれ、オープンソースのムーブメントがものづくりの世界でも起こっているという。

    著者はこれらの動きにより、あらゆるニッチに対応した製品がグローバルにデザインされ作られるという意味で「モノのロングテール」の時代の到来を予言する。ほしいものが何でも作れる、そんなSFのような世界が現実になりつつあることを実感できるエキサイティングな一冊。

  •  3Dプリンタなどのハイテクノロジーとネットが製造業の根本を変える。

     クリス・アンダーソンのこの本は「ロングテール」と「FREE」という前二作を踏襲している。「ロングテール」で語られたニッチへの参入チャンス。「FREE」で語られたアトムからビットへの可能性。3Dプリンタによる革命は製造業とこの二つを結びつける。まるで三部作のようなスカッとする収まり方だ。

     起業を考える人はその業種に限らず必ず読んだ方がいい三冊。

  • 全体を通してロングテールやコミュニティ、オープンソースといった言いたいことを何度も繰り返してるのでさくっと読めます。
    フリーもそんな感じだったと思うので、スタイルなのかもしれない。

  • マッチョな本、読み終わった。
    "今"読めて良かったなというのが最初の感想。2012年に出版された本だけど、多分当時じゃ先進的すぎて何もわからなかったと思う。(それはそれでワクワクしたのかもしれないけれど)今だからこそ、ここに書いてあることの凄さがわかるし、これからの可能性をリアルに感じることができたのかな。

    先日発表されたトヨタの特許公開の裏側に透ける思惑から、3Dプリンタによる臓器製造まで最近のホットトピックが線でつながった気がする。

    でも、最後の方で少し触れられてたけど、知的財産権の問題は根深いんじゃないかなと。意図的なオープンソースと不可抗力的に開示される不法なオープンソースではその先に同じイノベーションが待っていたとしても全く意味合いが違うと個人的には思った。

    ただ、今までぼんやり感じていたウェブの違和感とかつまらなさ(「アトム」と「ビット」の間の大きな壁)が大きく変わる予感にワクワクし、ウェブを中心としたテクノロジーが経済を巻き込んで世の中を大きく動かし、そして手に触れられるものまで変えていくんだなと期待せずにはいられない。

    ずっと考えているアレとアレの組み合わせを、いよいよ作る時期が来たのかな(笑)

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