MAKERS 21世紀の産業革命が始まる

制作 : 関美和 
  • NHK出版
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本棚登録 : 3023
レビュー : 332
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140815762

感想・レビュー・書評

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  • まず私は著者に詫びないといけない。
    本書を読む前、メディアから漏れ聞く情報で、
    「3Dプリンタの入門書」程度なのではないかと想像していたことを。

    とんでもない。本書は、まさしく「新たな産業革命」を
    確かに描き出した、ものづくりの過去から現在、未来に至るまでの
    マイルストーンとしての記録と言えるようなものであり、
    また著者クリス・アンダーソンの家族と個人の過去から未来への
    メイカー・スピリットの継承を記憶した書でもある。

    まとめなどは下記リンク先に譲って、
    とりあえず私の所感をメモっておくと。

    ウェブという手段と、オープンソースという思想が
    不可分に結着し、低コストで国境や言語を超えた情報交換を可能にした結果、
    まずさきに情報の世界に革命が起こり、
    しかしものづくりについては、技術進歩や文化普及がボトルネックで
    進んでいなかったのだが、
    3Dプリンタ(これだけを取り出すと、本書を読む前の私のような誤解が
    生まれやすいので気をつけないといけないが)のような卓上成形ツールや、
    あるいは少数受託生産というビジネス方式が続々と発展したことで
    ボトルネックが解消されていき、
    そして資金調達という、数千年来の人類がビジネスを営むうえで
    課題であり続ける部分を、ウェブ先導のクラウドファンディングという
    文化の成熟によって、イニシャルで多数の個人からお金を集めるという
    モデルが成り立ったことによって、
    ついに「メイカー」なビジネスが、既存の大量製造方式で応えられなかった
    課題、顧客需要を満たすものとして、世界を変えるフェーズに
    入ってきた、というところかと思う。

    このムーブメントは本物で、本当に世の中へのインパクトをもたらすだろうと
    思う反面、
    しかし、私は日本からあんまり出たことがないのもあって、
    たとえばアメリカのITカルチャーの強いところでのみ騒がれているだけなのか、
    もっと広いレベルで今時点でインパクトがあるのかがよくわからん、とも思う。

    たとえば日本で見ると、やっぱり大企業のものづくりへの信仰が篤いし、
    さもなくば、本書で出てくる「エッツィー」的な手作りを讃える文化、というところで
    その間を切り開いていくようなメイカーな感じはまるで見られない気がする。

    ウェブをはじめとした情報のみで完結する世界と違って、
    現実のものが動くのは、その摩擦力の大きさ、そして既存のリプレイスの
    コストが壁になって、なかなか変わらない。
    もちろん、著者はそんなことはよくわかっていて、それでもなお、
    今世紀はどんどんメイカー的な流れが、これまでのビジネスのあり方を変え、
    大企業が人件費の安いアジアに製造拠点を移すだけ、という手法ではなく、
    デザインから、ロボットを駆使した生産(受注委託も含め)によって
    製造の拠点は先進国に戻ってくるだろうと予測している。

    さて、日本だとそのあたりはどうなのだろう。

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    まとめ-「MAKERS―21世紀の産業革命が始まる」に出てくるサービスや会社や人物を調べてみた。
    http://bit.ly/1bfMaA5

    『MAKERS』を1章140文字でまとめてみた - NAVER まとめ
    http://bit.ly/1fvjvbC

    ///

    http://www.amazon.com/dp/B0083DJUMA
    Makers: The New Industrial Revolution [Kindle Edition]
    Chris Anderson (Author)

    ///

    (レビューは
     http://evolution.edoblog.net/
     に投稿のもの)

  • ドローンで有名な3D Robotics社のCEOであるクリス・アンダーソンによる、製造業のこれからを綴った本。

    今後は大企業による大量生産ではなく、個人や小企業による多品種少量生産の時代がやってくると予言しています。

    時代は正にクリス・アンダーソンの言う通りになりつつあります。

    その分企業でエンジニアをしている人にとっては選択が迫られている時期なのかもしれません。

  • 急にメディアが3Dプリンター推しになったと、NHKニュースを見ながら思っていたが、この本はNHK出版だった。
    ともあれ時代を映したテーマ。アンダーソンはロングテールやフリーミアムを言い当てた人だ。「一家に一台3Dプリンター」は決して夢物語ではない。
    彼が言うメイカー・ムーブメントは、・個人が製造する・個人向けに製造する・ベンチャーが製造する・ベンチャーに出資する個人・オープンソースをソーシャルに共有しながら製造する、など多岐にわたる。どれも有機的につながっており、新しい時代を示唆する。
    折しも、先日日本でFabLabを立ち上げた若き才人、田中浩也氏の講演を聞いたところだったので面白さ倍増。彼は「ジョブズがパソコンを作り始めたときと似ている。私はジョブズになる。」と豪語した。気持ちいいし期待する。
    良著。こういう本はタイムリーに読まないといけない。

  • ものづくりのロングテールすげー

  • ものをつくる。本能に根ざした行為。大人になるにつれていつしかできない理由を探すようになり、ありものですませるようになって久しい。これまで趣味、ビジネスでのモノづくりの制約になっていたものが徐々になくなっていく世界が克明に描かれている。これまであきらめていたものを作ってみようかなぁと思わせてくれる一冊。

  • FREEと同義なのではあるが、オープンソースによるイノベーション。文明発達スピード向上の論理はとてもとても納得できる。鈍重な大企業組織のスピード感では新しいイノベーションを生み出せない時代がやってきたのだと、昨今の大企業の凋落をみていると、つくづく感じる。
    もっともっと、インターネットインフラが進み、3Dプリンタのようなイノベーションを形にできるデバイスが普及し、大企業レベルの販促プロセスが汎用的に一般でも活用できるシステムが普及し。。。資金力がなくとも社会にイノベーションが起こせるツール群が普及する。もっともっと社会が面白くなるのではないかと、ワクワクできる本でした。

  • 世界規模で進行するモノのロングテール、3DプリンタやCNC(コンピュータ数値制御)で可能となった新しい時代の家内工業の事例について説明した一冊。ビットではなくアトムの世界でもロングテールが進行しつつあること、製造手段の借り手としてDIYなモノづくりがビジネスとして成立しうること、クラウドファンディングを通じて資金調達と市場調査を同時に出来る環境になりつつあることを示す。メモ。(1)ジョイの法則。一番優秀な奴らは大抵外にいる…。webのお蔭で人は教育や経歴に関わらず能力を証明することが出来る…。会社はより小規模にバーチャルにカジュアルになる。…彼らは所属意識や義務からではなく能力と必要性に従って離散集合する(2)要するに数百万個ではなく数千個単位で販売される特殊な電子製品ならアメリカで製造することは可能なのだ…。中規模の製造企業にとってそれは理想的なニッチ市場だ。(3)パブリックなモノづくりは製品開発をマーケティングに変える。

  • CADを主体とする設計図のデジタル化とオープンソース化がもの作りに与えるインパクト。それで完成したものを少量外注、発売できる。それが市場に受け入れられるかどうかを、キックスタートという商品を買いたい人からお金を先に集める仕組みで調べ、資金調達する。アメリカのこのもの作りの流れは、必ず日本にも来るだろうと思う。国民性にも合っているし。

    ・コンピュータが本当の意味で僕らの文化を変えはじめたのは、それがネットワークにつながったとき、最終的にはすべてのネットワークのネットワークであるインターネットにつながったときだった。それでも。究極の経済的インパクトが感じられるようになるのは、ソフトウェアによって様変わりしたサービスの分野ではなく、二度の産業革命と同じ領域、すなわちもの作りの世界が変わったときだろう。
    …「無重力経済(ウェイトレス・エコノミー)」、つまり情報、サービス、知的財産といった形のないビジネス(「足の上に落ちても痛くないもの」からなる経済)は、何かと話題になりやすい。しかし、現在、ビット経済の大部分を占めるのはこの形のない情報産業で、大きいといってもまだアメリカのGDPの五分の一に過ぎない。そのほかのすべての産業、たとえば、サービスセクターのもっとも大きな部分を占める小売業はものを作り、運び、売る活動にほかならない。

    ・このモデルが強力なのは、それがすでに僕らの周りに存在する「隠れたエネルギー」(作家のクレイ・シャーキーは、これを「知力の余剰」と呼んでいる)を利用しているからだ。

  • 「ロングテール」という言葉をつくったり『フリー』が話題になった作者。書評にも取り上げられていた。
    これからはだれでも「メーカー」になれると。
    「Maker」は日本的には、製造業という感じがするが、
    昨夜、外国人と別件で話していると、
    「Maker」はより積極的で、どちらかというと「クリエーター」に近いと。
    3Dプリンタやインターネットなどを使い、
    サプライチェーンのすべてを個人で出来る時代が来ていると。
    車を個人が作る事例などでているが、日本ではできるかどうか・・・
    こんな時代が間近に迫っているのかも。

  • 全く知らない分野だが、読んでいてワクワクしてくる。
    現時点で実現できることは限られるかもしれないが、3Dプリンターの進歩によりSCMの変化から産業構造、人々のWork Life Balance まで変えうる可能性がある。
    そうした時代の変革の萌芽を感じられる内容であった。
    一方で、時代に呑まれた人材にとっては苦難の到来になる可能性が高い。呑まれる側に回らないよう、益々個人の努力が問われると思う。

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