MAKERS 21世紀の産業革命が始まる

制作 : 関美和 
  • NHK出版
3.95
  • (227)
  • (359)
  • (192)
  • (26)
  • (7)
本棚登録 : 3022
レビュー : 332
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140815762

作品紹介・あらすじ

『ワイアード』US版編集長で世界的ベストセラー『フリー』『ロングテール』の著者クリス・アンダーソンが、新産業革命の最前線へと読者を誘う。今日の起業家は、オープンソースのデザインと3Dプリンタを使って製造業をデスクトップ上で展開している。カスタム製造とDIYによる製品デザインや開発を武器に、ガレージでもの作りに励む何百万人という「メイカーズ」世代が、製造業の復活を後押しする。ウェブのイノベーション・モデルをリアルなもの作りに持ち込むことで、グローバル経済の次の大きな波を起こすのだ。世界規模で進行する「メイカームーブメント」を決定づける一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりに大きな感銘を受けた。
    Wiredは読んでいるし、3Dプリンタも知っていた。しかし、本書を通して読むことで、今まさに産業が改革されているのだと感じられた。
    誰でも物を作るようになるという予想は外れるだろうが、ビットとアトムの相互変換というフレームワークは頭に入れておく必要がある。本書で取り上げられたサービスや事象の例は、今後5年の世界を占う上で参考になる。
    是非とも読むべき一冊。

  • ものづくりのデジタル化の動きを追った本。

    その特徴は以下の3つで表せられると思う。
    ①多様性はフリーになる(ひとつひとつ違うものを作っても、全部同じものを作るのとコストは変わらない)
    ②複雑さはフリーになる(精巧で手間のかかるものを作っても、シンプルなものと同じコストで作ることが出来る)
    ③柔軟性はフリーになる(生産が始まったあとで商品に変更を加える場合も、指示コードを変えるだけでよい)

    ものづくりにおけるctrl+zの導入はまだか

  • まず私は著者に詫びないといけない。
    本書を読む前、メディアから漏れ聞く情報で、
    「3Dプリンタの入門書」程度なのではないかと想像していたことを。

    とんでもない。本書は、まさしく「新たな産業革命」を
    確かに描き出した、ものづくりの過去から現在、未来に至るまでの
    マイルストーンとしての記録と言えるようなものであり、
    また著者クリス・アンダーソンの家族と個人の過去から未来への
    メイカー・スピリットの継承を記憶した書でもある。

    まとめなどは下記リンク先に譲って、
    とりあえず私の所感をメモっておくと。

    ウェブという手段と、オープンソースという思想が
    不可分に結着し、低コストで国境や言語を超えた情報交換を可能にした結果、
    まずさきに情報の世界に革命が起こり、
    しかしものづくりについては、技術進歩や文化普及がボトルネックで
    進んでいなかったのだが、
    3Dプリンタ(これだけを取り出すと、本書を読む前の私のような誤解が
    生まれやすいので気をつけないといけないが)のような卓上成形ツールや、
    あるいは少数受託生産というビジネス方式が続々と発展したことで
    ボトルネックが解消されていき、
    そして資金調達という、数千年来の人類がビジネスを営むうえで
    課題であり続ける部分を、ウェブ先導のクラウドファンディングという
    文化の成熟によって、イニシャルで多数の個人からお金を集めるという
    モデルが成り立ったことによって、
    ついに「メイカー」なビジネスが、既存の大量製造方式で応えられなかった
    課題、顧客需要を満たすものとして、世界を変えるフェーズに
    入ってきた、というところかと思う。

    このムーブメントは本物で、本当に世の中へのインパクトをもたらすだろうと
    思う反面、
    しかし、私は日本からあんまり出たことがないのもあって、
    たとえばアメリカのITカルチャーの強いところでのみ騒がれているだけなのか、
    もっと広いレベルで今時点でインパクトがあるのかがよくわからん、とも思う。

    たとえば日本で見ると、やっぱり大企業のものづくりへの信仰が篤いし、
    さもなくば、本書で出てくる「エッツィー」的な手作りを讃える文化、というところで
    その間を切り開いていくようなメイカーな感じはまるで見られない気がする。

    ウェブをはじめとした情報のみで完結する世界と違って、
    現実のものが動くのは、その摩擦力の大きさ、そして既存のリプレイスの
    コストが壁になって、なかなか変わらない。
    もちろん、著者はそんなことはよくわかっていて、それでもなお、
    今世紀はどんどんメイカー的な流れが、これまでのビジネスのあり方を変え、
    大企業が人件費の安いアジアに製造拠点を移すだけ、という手法ではなく、
    デザインから、ロボットを駆使した生産(受注委託も含め)によって
    製造の拠点は先進国に戻ってくるだろうと予測している。

    さて、日本だとそのあたりはどうなのだろう。

    -----------------------------
    まとめ-「MAKERS―21世紀の産業革命が始まる」に出てくるサービスや会社や人物を調べてみた。
    http://bit.ly/1bfMaA5

    『MAKERS』を1章140文字でまとめてみた - NAVER まとめ
    http://bit.ly/1fvjvbC

    ///

    http://www.amazon.com/dp/B0083DJUMA
    Makers: The New Industrial Revolution [Kindle Edition]
    Chris Anderson (Author)

    ///

    (レビューは
     http://evolution.edoblog.net/
     に投稿のもの)

  • 専門用語が理解しにくくて読みずらい
    未来では誰でももの作り出来る話

  • 大量生産の時代から個々人の多様性に合わせたオーダーメードの時代へ。この流れはなんとなく共通認識となっているが、どのように製造業が変化していっているのかわかっていなかった。この本を読むことで、新しい製造業の形がみえてきた。この本で紹介されているスタートアップには既に頓挫しているものもあるが黎明期特有の熱気みたいまものを感じることができ、わくわくした。3Dプリンターとレーザーカッターが安価に手に入るようになった今、モノづくりのハードルはぐっと下がっている。オープンイノベーションにより世界の知を取り込むことができればとてつもない発明ができそう。キックスターターが流行っている理由もこの本を読めば納得。

  • 産業界で起こっている大きなムーブメントを俯瞰しつつ、将来の展望を示しており、現在の立ち位置が客観的に描かれている。たとえば、『メイカームーブメントは安い労働力よりも、イノベーションを促す文化に有利に働く』という表現などは、言い得て妙と思わされる。
    3Dプリンタなどの登場により、ビットをアトムに変えるプロセスが個人レベルで可能になってきた。そうなることで、新しい時代は大ヒット作がなくなる時代ではなく、大ヒット作による独占が終わる時代となる。
    そういうムーブメントの詳細な描写もさることながら、この本の最大の魅力は、何かを作りたくてうずうずさせられることだと思う。

  • ドローンで有名な3D Robotics社のCEOであるクリス・アンダーソンによる、製造業のこれからを綴った本。

    今後は大企業による大量生産ではなく、個人や小企業による多品種少量生産の時代がやってくると予言しています。

    時代は正にクリス・アンダーソンの言う通りになりつつあります。

    その分企業でエンジニアをしている人にとっては選択が迫られている時期なのかもしれません。

  • 急にメディアが3Dプリンター推しになったと、NHKニュースを見ながら思っていたが、この本はNHK出版だった。
    ともあれ時代を映したテーマ。アンダーソンはロングテールやフリーミアムを言い当てた人だ。「一家に一台3Dプリンター」は決して夢物語ではない。
    彼が言うメイカー・ムーブメントは、・個人が製造する・個人向けに製造する・ベンチャーが製造する・ベンチャーに出資する個人・オープンソースをソーシャルに共有しながら製造する、など多岐にわたる。どれも有機的につながっており、新しい時代を示唆する。
    折しも、先日日本でFabLabを立ち上げた若き才人、田中浩也氏の講演を聞いたところだったので面白さ倍増。彼は「ジョブズがパソコンを作り始めたときと似ている。私はジョブズになる。」と豪語した。気持ちいいし期待する。
    良著。こういう本はタイムリーに読まないといけない。

  • ものづくりのロングテールすげー

  • ものをつくる。本能に根ざした行為。大人になるにつれていつしかできない理由を探すようになり、ありものですませるようになって久しい。これまで趣味、ビジネスでのモノづくりの制約になっていたものが徐々になくなっていく世界が克明に描かれている。これまであきらめていたものを作ってみようかなぁと思わせてくれる一冊。

  • FREEと同義なのではあるが、オープンソースによるイノベーション。文明発達スピード向上の論理はとてもとても納得できる。鈍重な大企業組織のスピード感では新しいイノベーションを生み出せない時代がやってきたのだと、昨今の大企業の凋落をみていると、つくづく感じる。
    もっともっと、インターネットインフラが進み、3Dプリンタのようなイノベーションを形にできるデバイスが普及し、大企業レベルの販促プロセスが汎用的に一般でも活用できるシステムが普及し。。。資金力がなくとも社会にイノベーションが起こせるツール群が普及する。もっともっと社会が面白くなるのではないかと、ワクワクできる本でした。

  • すでにあらゆる事柄が創造されていて新しい考え方ではないような気もするし、3Dプリンターの今後は輝かしいというのも分かっている事なので、
    あらゆる方がスゴイとおっしゃっているのが、良く分からなかった。

    スゴイと言えるとすると、
    物として技術開発が進んでいる製品や、考え方としてテクノロジーやビジネスが進んでいるサービスなどを、
    きれいにまとめあげてモデルとして考え、時代を先取りしているという部分は素直にスゴイと思った。

    そこを考えられるかの差が、人としての違いを生み出しているのだろうけど。

  • 世界規模で進行するモノのロングテール、3DプリンタやCNC(コンピュータ数値制御)で可能となった新しい時代の家内工業の事例について説明した一冊。ビットではなくアトムの世界でもロングテールが進行しつつあること、製造手段の借り手としてDIYなモノづくりがビジネスとして成立しうること、クラウドファンディングを通じて資金調達と市場調査を同時に出来る環境になりつつあることを示す。メモ。(1)ジョイの法則。一番優秀な奴らは大抵外にいる…。webのお蔭で人は教育や経歴に関わらず能力を証明することが出来る…。会社はより小規模にバーチャルにカジュアルになる。…彼らは所属意識や義務からではなく能力と必要性に従って離散集合する(2)要するに数百万個ではなく数千個単位で販売される特殊な電子製品ならアメリカで製造することは可能なのだ…。中規模の製造企業にとってそれは理想的なニッチ市場だ。(3)パブリックなモノづくりは製品開発をマーケティングに変える。

  • フリーの著者、クリスアンダーソンの最新作。

    この著者は今まで書いた本にハズレがない。最新技術の潮流を的確に捉えて、少し先の未来に起こりうる事象を見事に言い当てる。まさに経営者に相応しい人物だと思う。実際自ら会社も興していて急成長を遂げている。

    新規事業を模索している経営者は確実に読むべき一冊。

  • 最近wiredではよく話題に上るメイカーブーム、実際にそのムーブメントの中に身を置き趣味のラジコンヘリでキット販売会社を作ってしまったクリス・アンダーソンが何が変わって来ているかを紹介している。ビットとアトムと言う言葉で説明しているが例えばビットの代表がfacebook,twitterなどのSNSやLinux、Androidなどのオープンソースプラットフォームなどその環境と様々なサービスや3Dプリンター、レーザーカッターなどの小型化、廉価化、扱いやすさなどでものづくりの生態系が変わって来ている。

    大量生産でのものづくりが無くなる訳ではなく、作る物の種類やマーケット、特にニッチな市場によってはどこにいても製造業=メイカーズになれ販売先は世界中になる。インターネットや流通の生態系が変わったことでこういうことが可能になって来ている。

    クリス・アンダーソンの3DRoboticcsは実際に後に紹介するようなサービスを通じてラジコンヘリのコミュニティから出発しメイカーになった。このときLinux同様オープンソースの知恵を拝借している。
    http://store.diydrones.com/

    主役のひとつ3Dプリンター。なんと卓上サイズ。昔の仕事で紫外線硬化の樹脂を使った3Dプリンターをさんざんやってたのでこういうのが出てくると感慨深い。
    http://www.makerbot.com/

    ponokoとshapewaysデザインしたデーターを送付すると実際にものを作ってくれる会社やサービスも有る。CADを一からデザインしなくても3次元の物を撮影してCADデーターを作ってくれるサービスも有るので障壁が下がっている。
    https://www.ponoko.com/
    http://www.shapeways.com/

    資金を集める新しい仕組みキックスターターはあるアイデアに賛同すれば予約販売の形で資金をはらい、予定額に達しなければプロジェクトは発足しない。資金集めとマーケティングをかねた仕組みだ。
    新しいスマートウォッチpebbleは1000万円の資金を集めた。ソニーも同じ製品を発売したがわずか5人のペブルチームの売り上げが勝った。
    http://www.kickstarter.com/projects/597507018/pebble-e-paper-watch-for-iphone-and-android
    http://wired.jp/2013/01/10/kickstarter-backers-2012/
    他にクラゲ専用水槽プロジェクトも成功している。
    http://www.jellyfishart.com/

    MITメディアラボの元所長フランク・モスは実際に手と頭を使って失敗を繰り返すことの大事さを訴えている。ものづくり体験が可能な ファブラボは増えて来ているようだ。
    http://wired.jp/2013/01/03/vol5-frankmoss/

    面白いのはこの本にも出ていたがアメリカのメイカームーブメントと重なるのが中国の山寨革命。下の本を読んだときには知財権を無視して革命とは何を勝手なと思ったが、オープンソースの製造業は知財権特に特許を放棄しておりよくにた構造になっている。モノマネされては困るのでブランド=商標権は守るが追加的なアイデアでよりよい物ができたり、程度は悪いが安い物の存在は認めている。
    中国の優位は人件費ではなく全ての物が揃っていると言うインフラに移ってくるようだ、アトムの世界では物流や在庫は依然として大きな力を持っている。
    http://www.amazon.co.jp/中国モノマネ工場――世界ブランドを揺さぶる「山寨革命」の衝撃-阿甘/dp/4822248771

    ほとんど本の紹介にはなっていないのでこういう中身です。
    http://wired.jp/conference/maker_01.html

  • CADを主体とする設計図のデジタル化とオープンソース化がもの作りに与えるインパクト。それで完成したものを少量外注、発売できる。それが市場に受け入れられるかどうかを、キックスタートという商品を買いたい人からお金を先に集める仕組みで調べ、資金調達する。アメリカのこのもの作りの流れは、必ず日本にも来るだろうと思う。国民性にも合っているし。

    ・コンピュータが本当の意味で僕らの文化を変えはじめたのは、それがネットワークにつながったとき、最終的にはすべてのネットワークのネットワークであるインターネットにつながったときだった。それでも。究極の経済的インパクトが感じられるようになるのは、ソフトウェアによって様変わりしたサービスの分野ではなく、二度の産業革命と同じ領域、すなわちもの作りの世界が変わったときだろう。
    …「無重力経済(ウェイトレス・エコノミー)」、つまり情報、サービス、知的財産といった形のないビジネス(「足の上に落ちても痛くないもの」からなる経済)は、何かと話題になりやすい。しかし、現在、ビット経済の大部分を占めるのはこの形のない情報産業で、大きいといってもまだアメリカのGDPの五分の一に過ぎない。そのほかのすべての産業、たとえば、サービスセクターのもっとも大きな部分を占める小売業はものを作り、運び、売る活動にほかならない。

    ・このモデルが強力なのは、それがすでに僕らの周りに存在する「隠れたエネルギー」(作家のクレイ・シャーキーは、これを「知力の余剰」と呼んでいる)を利用しているからだ。

  • 「ロングテール」という言葉をつくったり『フリー』が話題になった作者。書評にも取り上げられていた。
    これからはだれでも「メーカー」になれると。
    「Maker」は日本的には、製造業という感じがするが、
    昨夜、外国人と別件で話していると、
    「Maker」はより積極的で、どちらかというと「クリエーター」に近いと。
    3Dプリンタやインターネットなどを使い、
    サプライチェーンのすべてを個人で出来る時代が来ていると。
    車を個人が作る事例などでているが、日本ではできるかどうか・・・
    こんな時代が間近に迫っているのかも。

  • 全く知らない分野だが、読んでいてワクワクしてくる。
    現時点で実現できることは限られるかもしれないが、3Dプリンターの進歩によりSCMの変化から産業構造、人々のWork Life Balance まで変えうる可能性がある。
    そうした時代の変革の萌芽を感じられる内容であった。
    一方で、時代に呑まれた人材にとっては苦難の到来になる可能性が高い。呑まれる側に回らないよう、益々個人の努力が問われると思う。

  • 3Dプリンターが各家庭に1台持てるようになったら。
    年賀はがきを自宅で印刷するのがあたり前のように、
    近い将来そうなる可能性は高い。
    年賀はがきを自分でデザインするようになって見出された能力。
    3Dプリンターはものづくりを身近でよりレベルの高いものにしてくれそうです。
    オープンイノベーション。個の力が正当に評価される時代になります。
    好きなことが仕事になる時代がますます近づいているように感じます。

    多くのものづくりに携わる方に読んでほしい1冊。
    お勧めです。

  • オープンハードウェア。到達点と、未来の話が、どうも頭の中で混ざってしまうのだけど、グローバルなメイカーじゃなくたって、ローカルなメイカーになる。そういう選択が出来る時代が来たのだと。
    他人事ではなくて、自分のこととして強く語りかけてくる。それ故に、僕にも何か出来るような気にさえなる。
    思ってもみなかった、来るはずのない未来が来た気がする。
    痛快である。

  • ワイアードUS版編集長、ベストセラー『FREE』の著者でもあるクリス・アンダーソン氏の著書です。

    物を設計し、製造し、販売するという20世紀のビジネスモデルでは、その世界に参入するためには多額の設備投資が必要であり、非常に高い参入障壁がありました。

    しかし、インターネットの発達、オープンソースデザイン、3Dプリンタ等の機器の開発により、そうした過去の参入障壁は劇的に下がりました。
    実際にCADソフトで図面を作成し、3Dプリンタで物を造るのは個人でもできます。
    オープンハードウェアとして顧客に手伝ってもらいつつ向上させることもできます。
    もう参入障壁はありません。
    みんなで新しい物を造る楽しい世界に足を踏み出しましょう。
    という内容の本になっています。

    エンジニアとして大手や中小の企業で物造りに携わってきた私としては、ホントに自由な時代が来たなと思います。
    無償で使えるCADソフトも沢山ありますし、インターネット経由で小ロットの物造りを依頼することも可能ですし、街中には機械を使用させてくれるラボも増えてきました。
    ハードウェアエンジニアをワクワクさせてくれる本です。

  • 3Dプリンタは一つの例に過ぎないのだろう。要はインターネットと、プログラミングで生産製品を変更できるような安価な機械(3Dプリンタ)とが組み合わさることで、製造業に変革が起きる、ということなのかな。
    このプログラミングによる製造機械の利点は、①金型への設備投資不要であるため少量でも製造コスト安であり参入障壁が低い、②カスタムが容易であるため消費者の多様性にアピールしやすいし、物によっては販売後でさえソフトウエア更新が可能。
    あとは製造業に限らずインターネットのオープン性/プラットフォームを活かして、会社はより小規模になり外部リソースの活用に重きをおくようになる。例として製品開発に隠れた供給を活用する、またはセールスにネットの口コミを利用する。資金調達のためのクラウドファンディングもその一つ。

  • 時代は製造業。そんなことを感じさせ、実にワクワクさせる本。

    Linuxなどオープンソースのことを初めて聞いたときの高揚感を思い出す。
    ワタクシ的には10年に一度くらいレベルで inspire されました。
    もっとも、本文を読む前に、付録の「21世紀の工房」を見て、ワクワクしないと、そこまで感じないかも知れません。

    アンダーソンのすごいのは自分で製造業の会社を起こしていること。
    (製造業のロングテールとか謙遜していますが、なかなか大したものです。)

    「付録」
    1.CAD入門 
    推奨2Dデザインソフト Inkscape, Adobe Illustrator
    推奨3Dデザインソフト Autodesk 123D,Tinkercad 、ソリッドワークス
    推奨3Dプリント・ソリューション プリンタ(MakerBot Replicator、Ultimaker);サービス(Shapeways, Ponoko)
    推奨3Dスキャニング・ソリューション ソフト(Autodesk 123D Catch)、ハード(MakerBot 3D Scanner, MeshLab)
    推奨レーザーカット・ソリューション 業者(Ponoko) ソフト(Autodesk 123D Make)
    2.CNC装置入門
    小型工具(ドレメルツール)MyDIYCNC セミプロ用 ShopBot Desktop
    3.エレクトロニクス入門
    初心者向けキット Adafruitの格安Arduinoキット(部品一式、チュートリアル、コミュニティ)
    はんだごて ウェラーWE51はんだ装置
    回路計 SparkFunデジタルマルチメーター

  • ー こうした動きには、共通の背景がある。人々がこれまでにないツールを使って協力し、製造革命を生み出していることだ。

    21世紀の産業構造は、20世紀とはまったく違うものになるだろう。世界的な大企業によるトップダウンのノベーションではなく、アマチュアも、起業家も、プロも含めた、無数の個人によるボトムアップのイノベーションが、いままさに生まれている。

    初期のPC愛好家からウェブコミュニティの参加者まで、ビットの世界では個人がイノベーションを起こしてきた。いま、アトムの世界で、ふたたび同じことが起きる条件は整った。しかも、その規模はより広く、深いものになるはずだ。 ー

    確かに、なんだか、もの作りがしたくなる作品。

    ちょっとしたアイデアをすぐにでも形に出来る新しい時代が来ているのに、何もしようとしないなんて、なんてもったいない時間の過ごし方をしているのか…。

    とはいっても、実際には、いろいろ勉強しないといけないし、パソコンでいろいろする十分な時間も必要だし、作業するスペースとか道具も必要だし…そう言い訳を言っている人間は、所詮プラットフォームで消費する小人にしかなれない。

  • 12.11.9
    WBSで紹介されていた。


    こんにちは、土井英司です。

    処女作『ロングテール』、ベストセラー『フリー』に続き、
    「WIRED(ワイアード)」US編集長のクリス・アンダー
    ソンが、またやってくれました。

    今回のテーマは、デジタルが変える製造業の未来ということで、
    これからの先進国のモノ作りについて論じています。

    『フリー』はマーケティングの話でしたが、この『MAKERS』は、
    産業の話であり、キャリアの話です。

    それだけに、『フリー』以上に多くの人を巻き込むムーブメン
    トになることは、間違いないでしょう。

    あらゆる人材、生産手段がネットでつながり、スクリーン上の
    図形をオブジェクトとして出力できる「3Dプリンタ」が登場
    した現在、資本や生産設備の制約を越えて、ついに個人がメー
    カーになる時代がやってきました。

    本書ではこの、世界規模で進行する「メイカーズムーブメント」
    の全貌を、実際に自らも「メイカーズ」となって300万ドルの
    売上を叩き出した著者が、まとめています。

    個人のモノ作りを支援する、メイカーボットのシングオマティ
    ック[Thing-O-Matic]、3Dデザイン共有サイトのシンギバーズ
    [Thingiverse]、オリジナルデザインの車のみを扱い、巨大な中
    央工場ではなく、顧客が住む場所に近い工場で注文に応じて作
    るローカルモーターズなど、さまざまな企業事例を紹介しなが
    ら、このムーブメントの全貌を明らかにしています。

    ウェブで調べたところ、この「3Dプリンタ」は、既に相当安
    価になっているらしく、今後モノ作りに革命を起こすことは間
    違いなさそうです。

    「(3D印刷は)二〇一五年から二〇二五年のあいだに世界を
    変えるテクノロジーになるかもしれない」
    (フォーブス誌の発行人、リッチ・カールガード)

    沈みゆく大企業にしがみつくより、いっそ自らが「メイカー」
    となって、グローバル市場相手に戦う。

    そんな新たな時代のキャリアも見えてきそうな一冊です。

    ぜひチェックしてみてください。

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    ▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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    「メイカームーブメント」が生み出す最大の力は、小規模でも
    グローバルになれる能力だ。職人肌でありながら革新的。ハイ
    テクながら低コスト。小さく生んで、大きく育てる。そしてな
    んといっても、世界が望む製品、古い大量生産モデルに添わな
    いためにこれまで世に出なかった、優れた製品を作ることがで
    きるようになる

    いまなら3Dプリンタがある。それがメイカーボットのシング
    オマティック[Thing-O-Matic]だ。おかげで、今回の結末はい
    つもとは違った。まずは、3Dデザイン共有サイトのシンギバ
    ーズ[Thingiverse]を訪れた。すると、そこはザ・シムズと同
    じ世界だった。フランスのルネッサンス風から、『スター・ト
    レック』に出てくるような近未来風のものまで、ありとあらゆ
    る家具が揃っていて、ダウンロードし放題だった。僕たちは、
    すごく繊細なビクトリア様式の椅子とソファを取り込み、クリ
    ックひとつでそれをドールハウスにぴったりと収まるサイズに
    縮小し、「作成」ボタンをクリックした。二〇分後には、それ
    が手の中にあった。無料で、お手軽で、リアルな世界よりもは
    るかによりどりみどりで、アマゾンでさえこれにはかなわない。
    これからはもう、ドールハウスの家具を買うことはないだろう。
    自分がおもちゃ会社の立場だったらと思うと、ぞっとする

    自分で作ったイケア家具を買う場合は、そうでない場合より六
    七パーセントも高い値段をつけることがわかった。レゴのセッ
    トでも、紙の折り紙でも結果は同じだった。どんな場合でも、
    自分が骨を折ったものにはより高い金額を支払う。これが、
    「メイカーズ・プレミアム」と呼ばれるものだ

    デジタルなファイルをだれでも「編集(リミックス)」できる
    ことが、コミュニティを動かす原動力になる

    未来の可能性は明らかだ。僕らは現実をコピーできる。少なく
    ともハリウッド映画の小道具くらいには、現実に近いものができる

    コミュニティが存在するのは、僕らの製品が使いにくいからだ

    ローカルモーターズの車は、巨大な中央工場ではなく、顧客が
    住む場所に近い工場で、注文に応じて作られる(中略)ローカ
    ルモーターズはオリジナルのデザインしか作らない。名車を真
    似るのではなく、理想の車をゼロから生み出すのだ。コミュニ
    ティは製品を開発し、また顧客にもなる

    オープンイノベーションのコミュニティが、隠れた供給(その
    分野でいまだ雇われていない人材)と隠れた需要(通常の手法
    で作るとコストがかかりすぎる製品)を結びつけている。しか
    も、コミュニティの中で素晴らしいデザイナーだと認められれ
    ば、自動車会社に就職できる可能性もある

    「いちばん優秀な奴らはたいていよそにいる」
    (ビル・ジョイの法則)

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    『MAKERS─21世紀の産業革命が始まる』
    クリス・アンダーソン・著 NHK出版

    <Amazon.co.jpで購入する>
    http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4140815760/businessbookm-22/ref=nosim

    <楽天ブックスで購入する>
    http://bit.ly/RKO02A

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    ◆目次◆

    第一部 革命
    第1章 発明革命
    第2章 新産業革命
    第3章 未来の歴史
    第4章 ぼくらはみんなデザイナー
    第5章 モノのロングテール
    第二部 未来
    第6章 変革のツール
    第7章 オープンハードウェア
    第9章 巨大産業を作り替える
    第9章 オープンオーガニゼーション
    第10章 メイカーズの資金調達
    第11章 メイカービジネス
    第12章 クラウド・ファクトリー
    第13章 DIYバイオロジー
    エピローグ 製造業の未来
    付録 二一世紀の工房

  • ビットからアトムへ:1990年台にインターネットが普及して普通の人がウェブサイトを手作りしたり、高度コンピューティングを行うことが可能になったのと同じような、技術の開放が、実物の製造で起きている。3Dスキャナーや3Dプリンターにより、大規模な製造設備に巨額の設備投資をしなくても、相当な製造を行うことが可能になってきている。

    経済規模を比べると、ビットの世界の規模は、大きくなったとはいえアトムの世界の数分の1にすぎない。アトムの世界での経済の個人への開放は、様々な分野で経済を変えていくだろう。

  • 「デザイン」「アマチュア」に興味を持って読みました。

  • いまさら…と思いつつ、内容的には数年前の内容なのは承知の上で手にとってみた。

    日米の「生産」への捉え方、ものづくりへの考え方の違い、そして重要なビジネスとの関係などをざっくりと捉えられてよかった。

    実際は優秀な人材を見つける手段としての「ものづくり」という視点もありそうな気もしてくる。

    https://twitter.com/prigt23/status/1107959054930894848

  • インターネットが一般化し、様々なインフラが作られ、情報(ビット)での起業障壁はほぼ0になった。
    ネット上のサービスの大手企業は、ほぼガレージ・スタートアップだ。

    現在、ディスプレイの中に収まっているこのビットの経済圏が、数十倍の規模を誇るモノ(アトム)の経済圏に徐々に移行しようとしているという内容。

    <i><b>・設計情報(CAD)の共通フォーマットが出来、それがネットで流通できるようになった。
    ・3Dプリンタ、3Dスキャナ、NC旋盤等のデスクトップ製造装置が安価になった。
    ・そして、世界の工場はよりロボット化、ライン可変化、ネットワーク化され、個人のPCから、プリンタに出力するかのように、工場でのマテリアルのライン生産が出来るようになった。
    ・テクノロジーは巨大メーカーが囲い込むものから、シェアされていくオープンなものになってきた。
    ・知識はストックされ、受け身に学ぶものではなく(プッシュ型学習)、検索して動的に取得する(プル型学習)になってきた。
    ・これにより、人材の質の担保は、学歴や職歴ではなく、「なにを作ったか」で一目瞭然になった。抽象的な学歴ではなく、具体的な「マテリアル」がWeb上ででェアされ、一目瞭然である。
    ・アメリカは一度製造業をほぼ手放した。それにより国内の製造サプライチェーンはほぼ壊滅し、海外にその拠点は移った。
    ・海外移転の大きな要素の一つであった「人件費」の問題は、ロボットによる省人化、自動化でほぼクリアになり、製造業は国内に戻りつつある。
    ・個人製造業(MAKERS)は、マスプロダクションでフォローできないロングテール市場をカバーする。
    ・そして、それはマスプロダクションメーカーが終わるという意味ではない。マスプロダクションを補完する。(iPhoneとアクセサリーメーカーの関係のように)
    ・資金的な問題も、kickstarterのようなクラウドファウンでィングにより解消されている。
    </b></i>

    kindleでの最初の本をこれにしたのは偶然なんだけど、これをkindleで読む意味は大きいとおもった。
    AmazonはECの最大の覇者だけど、アマゾンは「情報」を売っているわけではなく、「マテリアル」を消費者の元に「ビット」のような速度で届ける事で地位を築いた。
    Amazonの最大の強みは、サービス内容というよりも、消費者へのリーチの障壁を可能な限りなくす事で、一般にネット起業が避けたがる「物流」「在庫」という泥臭い部分にフォーカスして得た地位だと思う。

    だから、個人が製造業になれる、という事がこの本の趣旨ではなく、現在ではモノ(アトム)をさけては、情報産業自体がなりたたなくなってきているのだ。

    ※皮肉な事に、90年代後期までは、モノ(アトム)に拘る情報産業は衰退すると言われていた。


    本書への疑問と意見

    本書では、従来型の製造業では、顧客が製品に合わせる必要があったという話になっている。画一的な製品を大量に売る事で、製造業はなりたっていたと。
    だけど、それは、1970年代以前、T型フォードから延々続いた、アメリカ式の大量生産方式の時代の事のように思える。
    トヨタ生産方式は、オイルショックの時代に発想を切り替えて、多品種少量生産に切り替えた。
    いわば、顧客毎のカスタム化の走りだ。
    個人に製造業のインフラと柔軟性が開放されていくなら、やはり巨大メーカーも、そのメリットを取り込んでいくと思うし、以前のトヨタのように発想を切り替えられえないと、巨大メーカーは成立しえないと思う。

    中国に集積した工場は、投書は人件費の安さだったが、現在では町工場に至るまで、ネットワーク化され、自動化されている。
    そして、自動化、ネットワーク化された小規模工場同士のサプライチェーンは、強力な生態系だ。
    なので、アメリカ国内でのインフラが向上しただけでは、なかなか国内回帰は難しいのではないかと思う。
    だけど、製造業、情報と物流インフラが整った日本だと、競争優位に働く可能性がある。

    以前、セッションで話し合った内容
    トヨタ生産方式は、ユーザーのニーズに合致した多品種少量生産を目指したのに、現代ではiPhoneのような、単一精進を大量に製造する事が競争優位になっている。これはなぜか?

    ・スマートフォンは「スマート」である。つまり、カスタマイズはソフトウェアの領域でカバーしている。
    ・ハードウェア的なカスタマイズは、アクセサリーメーカーの生態系がカバーしている。

    そう、現代の自動車には「スマート」な要素がない。それは伝統芸のような部品の「すり合わせ」で作られる匠の技だ。
    安全性がとても重視される自動車が、安易にスマホのようになるとも思えないが、スマートが残された最後の領域かもしれない。

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