- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140815793
作品紹介・あらすじ
なぜ習近平は"中華民族の偉大なる復興"と訴えるのか?今、日本人の心の構えを問う。
感想・レビュー・書評
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漢民族は海外に展開しても、自分たちの文明、文化にたいする強烈なまでの自信があるから、食文化も含めて、簡単には多文化になじまない。
宗教民族たるユダヤ人とは違うので、共通の宗教的IDがあるわけではなく、華僑、華人だからといって簡単に手を組むわけではない。
中国政府は華僑華人が持っている民主主義指向については常に悩みながらも、それとうまく調和して行かなければならない。
シンガポールを批判して、笑顔の北朝鮮と言われているようだが、中国はリークアンユーの独裁主義を目指している。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
経済大国日本と言えなくなって、
自信をうしなっている現在、
日本の自主独立を唱え、
アジア諸国(中国、韓国を含む)との融和を優先し、
バランスがとれた政治家としての安部首相は、
寺島実郎のようなブレインがついているのだろう。
期待したい。 -
経済産業的に実体化してきた大中華圏に向き合い、刺激として、より高次元から日本の進路、アイデンティティを考えるべし。
固定観念や先入観でなく、現実、現状をどれだけ見られるか、読み解けるか。 -
ネットワークとしての中国および中国人の実態を最も鮮明に描いた本。シンガポールが、大中華圏の南端とユニオンジャックの矢の交差する接点に位置しているという指摘は面白い。
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■チャイナ
A.中国は、アフリカやアジアの途上国などに無償でパラボラアンテナを寄贈して、CCTV(国営放送局)の国際放送が視聴できるエリアを急激に拡大している。そして、一方的な中国の主張だけを打ち出した情報を流している。
B.2012 年9 月、タイのバンコクやニューヨークで尖閣問題に関する華人のデモが起こった。この出来事が示すように、中国と向き合う際、中華人民共和国の人々と対峙じするだけでは不十分だ。大中華圏という概念を理解することが欠かせない。 -
大中華圏、greater china 陸の中国(中華人民共和国 漢民族)、海の中国(香港、台湾、シンガポール 華僑)
1900年に漱石がロンドンに行く途中で、上海、香港を通る。「上海も香港も広大にして立派なこと、横浜や神戸の日ではない」シンガポールでのからゆきさん。香港シンガポールは当時、大英帝国の植民地。
ネットワーク型の発展 中華思想 「国性爺合戦」の鄭成功がオランダ植民地からの独立を果たす。
華僑の僑は仮住まいの意味。17世紀の明が倒れて満州族の清が中国制服。それを嫌った漢民族たちが、大量に海外へ移住。
1840年のアヘン戦争後、1842年の南京条約により、香港は英国へ永久割譲。
CCTVはアフリカではケニアのナイロビに中継拠点をつくりパラボラアンテナを林立させている。
経済成長の陰で格差と腐敗を抱え込んだ中国。腐敗はひどいみたいだ。成長力によって、内部の矛盾を押さえ込んで来た。格差と貧困と官吏の腐敗。2011年には20万件のデモが。
人口の一割、一億人以上が、最低貧困層で一日1ドル以下での生活を送る。格差の中での汚職や腐敗。
今や、経済の相互依存が深まって、いかなる国も自己完結できる国はいない時代。米中の覇権時代ではなく全員参加型秩序の時代。「相互依存の過敏性」