パスカル『パンセ』 (100分 de 名著Books)

  • NHK出版 (2013年3月26日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (160ページ) / ISBN・EAN: 9784140815892

みんなの感想まとめ

哲学的な深みと人間存在についての考察が詰まった一冊であり、特に「人間は考える葦である」という有名な一節が印象的です。著者は、17世紀のフランスの哲学者パスカルの思想を通じて、我々が持つ思考の力や尊厳に...

感想・レビュー・書評

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  • 特別企画「上皇上皇后様御夫妻ブルーレイ65巻セット婚記念!陛下の愛読書を読んでみようのコーナー!(何かが違う)」

    はい、そういったわけでね
    先日4月10日に65回目の結婚記念日を迎えられた両陛下にちなんで、両陛下が毎日音読しているという愛読書、17世紀のフランスの哲学者パスカルの『パンセ』を読んでみよう!と、思ったんですが『パンセ』そのものはちょっと難しそうだったので『100分de名著』に逃げましたw

    うん、なんとなく理解できたような気もしなくもないんで逃げて正解だったかなw
    『パンセ』と言えば、有名な「人間は考える葦である」ですよね

    この一節がある章の全文はこんな感じ
    「人間は一本の葦にすぎない。自然の中でも最も弱いものの一つである。しかし、それは考える葦なのだ。人間を押し潰すためには、全宇宙が武装する必要はない。蒸気や一滴の水でさえ人間を殺すに足りる。しかし、たとえ宇宙が人間を押し潰したとしても、人間は自分を殺す宇宙よりも気高いと言える。なぜならば、人間は自分が死ぬことを、また宇宙のほうが自分よりも優位だということを知っているからだ。宇宙はこうしたことを何も知らない。
    だから、わたしたちの尊厳は、すべてこれ、考えることの中に存する。わたしたちはその考えるというところから立ち上がらなければならないのであり、わたしたちが満たす術を知らない空間や時間から立ち上がるのではないのだ。ゆえに、よく考えるよう努力しよう。ここに道徳の原理があるのだ。」

    人間てすげーんだぜ!だって「考える」ことができるんだからね
    だから、一生懸命「考えて」明るい未来を引き寄せようぜ!ってことだと思う(思うてw)

    はい、そして結婚65周年は正しくはブルースターサファイア婚です
    ブルーでスターでサファイアって『リボンの騎士』か!

    • 1Q84O1さん
      それは離婚を意味するということでよろしいでしょうか…
      それは離婚を意味するということでよろしいでしょうか…
      2024/04/28
    • ひまわりめろんさん
      イチキュウオマエモカー
      イチキュウオマエモカー
      2024/04/28
    • 1Q84O1さん
      うちは大丈夫!
      我が家のトップ、ツマデス・カエサルを裏切るわけにはいきません
      うちは大丈夫!
      我が家のトップ、ツマデス・カエサルを裏切るわけにはいきません
      2024/04/29
  • 「幸福とは何か」
    暇になると、人間は不幸になる。なぜなら生きている意味を否定されるから。忙しい方がまだマシ。忙しいから、気晴らしができる。気晴らしこそ人生。

    地位が上がると、真実から遠ざけられていく。なぜなら、耳触りが良くて口当たりがいいことしか言わない部下がまわりに集まってくるから。

    真実は人を傷つけるから、たいていの人は「真実という薬」をくれた人にひそかな恨みを抱くようになる。
    →職場で上司の悪口がよく出るが、ほとんど改善されることがないのがいい例。実際言えないし、言った所でその人との関係性が悪くなり自分が不利になるってことが殆どだから。この「上司」を自分に当てはめると、非常に怖い。自分の欠点に気づかず、周りには裏で言われながらも「自分はうまくやっている」と思いながら過ごし、死んでいくのか。まぁそれも悪くはないが…自分で自分の真実に気づくのは非常に難しい。

    ↑この諸悪の根源は「自己愛」である。自己愛があるから、自分の欠点や自分が弱くて醜い人間であるという事実を、自分と他人の目に触れないように覆い隠そうとして全力を尽くす。それを人から指摘されるのもいやだし、人に見破られることも我慢できない。自己愛を満たすものは、他者からの尊敬である。他者から「すごい!」と思われたいという願望は、人間の心の最も消しがたい性質なのである。

    「人間というものは、どれほど悲しみで1杯でも、なにか気晴らしになるようなことに引き込まれたら、そのあいだは幸せになれるのだ。」逆に、気晴らしがないと、人間は悲しみに落ちていく。

    「人間とは考える葦である」
    →人間は葦と同じような弱い存在である。自然の力には全く叶わないし、力も弱く、すぐ傷つく。そして全員必ず死ぬ。宇宙から見たら、塵同然の存在であり、人間など、認識すらせずに消し飛ばすことができる。
    要するに、人間というのは悲惨な存在である。
    その一方で、人間は偉大な存在である。
    なぜなら、考えることができるからだ。宇宙や自然は、人間よりもはるかに強大な力をもっている。しかし、考えることはなく只そこに在るだけだ。しかし、人間は「自分は吹けば飛ぶようなちっぽけな存在だ」と、自分のことを認知できる。それは、人間に許された「考える」という、偉大な行為である。「考える」ことこそが、人間を人間たらしめる。また一方で、考えるからこそ人間は悲惨なのである。

    私たちがどれほど考えても、この世界、この宇宙のすべてを知り尽くすことはできない。それでも、考え続けなければならない。未完成であることが考え続ける唯一の契機になっている。

  • ブレーズ・パスカルは17世紀のフランスの数学者であり、哲学者です。パスカルの定理や、パスカルの原理といった自然科学分野でも大きな足跡を残すと同時に、「人間は考える葦である」といった有名な言葉でも知られています。

    仏文学者の鹿島茂は、パスカルの哲学者としての思想のエッセンスをわかりやすく抽出しています。人間の考えるという行為が人間の尊厳の中心にある、と主張するパスカルの思考の背景を、彼のキリスト教への信仰から辿っています。

    他にも、パスカルの言葉が随所に散りばめられています。

    「人間のあらゆる不幸はたった一つのことから来ているという事実を発見してしまった。人は部屋の中にじっとしたままではいられない、ということだ」

    37年の生涯を駆け抜けたパスカルを突き動かしていた思いが凝縮されている言葉のように感じました。

  • パスカルといえば、「人間は考える葦である」が有名。というかもはや、それしか知らなかったんだけど、それしか知らないのは勿体無いくらい含蓄ある言葉を残していた!
    特にこの本は、パスカルの人となりから始まり、講師・生徒の対話形式のような形で進むので、理解しやすかった。
    「子供は中学受験させた方がいい?」のような、よくある疑問にもパスカルと筆者の考えから答えを明示してくれる。

  • 次に進みたい。

  • 悪の箴言からさらに理解を深めたくて読んだ!

    かなり易しく読み解いていく感じで、誰が読んでも何かしら刺さる部分がありそうな本だった。
    からこそやや物足りなさはあるかもだけど、フランス哲学初心者の私にとってはかなりありがたかった!

    より幸福を追い求めるから人間は不幸なんだって、仏教に傾倒してた私にとってはすごく受け入れ難い考え方だなと思いつつ、妙に納得することがあった
    満ち足りているって信じることは幸せだけど、そのために抑え込もうとしてきた嫉妬とか欲望とか羨望とかは向上心の源だったのかもって最近気がついて、まさにパスカルが言っていることに近い気がする
    もっと色々読んで理解を深めたくなった

    あと最後の解説がめちゃくちゃ良い
    デカルトや現代的な考え方とパスカルを比較していてかなりわかりやすくコンパクトにまとめてあった
    世界というものに対する謙虚さと諦観を持っていたパスカルに対し、なんでも合理的に解明できるという現代的な考え方はある種傲慢だって、個人的には首肯せざるを得ないなという気持ち

  • 寝る前5分のパスカルを読んで、よりパンセへの見識を深めたくなり、出会う。
    前書に比べ、キリスト教義や専門用語などだいぶ省かれ、現代日本の事例に落とし込まれておりとてもわかりやすい。ただし、おそらく簡素化しすぎて大まかに解釈がされすぎているところもあるように感じる。
    内容はもちろん前書とも重複するが、より幅広く、少し深く、理解を持てたことに加え、最後の寄稿で、パスカルとデカルトの違い、パスカルの思想が現代社会にもたらす意味合いがとても共感を覚え、刺激を受けた。完璧な自分、一貫性、完成させることにとらわれるのではなく、日々自分も世界も変わるものと受け止め、フラットに新しい取り組みをしていくことに勇気をもらえる。
    やはりパスカル、パンセ自体からのエッセンスには学びが非常に多く、前書と合わせて、つまづいた時、凹んだときに立ち戻る書としたい。

  • 手軽に読める。
    最後の福岡伸一教授のパスカルとデカルトとの対比構造の説明が1番読み応えがあった。
    アオアシ読み直したい。

  • 現代人の悩みを対話形式で描き、その悩みについてパスカルのエッセンスから学んでいく本。
    各章ごとに筆者なりの結論を出してくれているので、ひとつのパンセの読み方として参考になった。

  • 就職で悩むA君、激務に追われるB子さん、定年退職したEさんなど架空の人物のお悩みにパスカルの言葉を通して答えていくスタイルでとてもおもしろく、パスカルの「パンセ」の言葉が今の私たちに伝わってきます。

    子供の教育について、というある親からの質問へのパンセの言葉が、本当にしっくりくる回答でなるほど!

    「パスカルの理論では、人は忙しい忙しいとぼやきながら、なにごとかに熱中しているときには、人生の虚しさについて考える暇がないので、けっこう幸せでいられる。」
    なるほど、その通りだわ。

  • 鹿島先生のわかりやすい文体による解説本で非常に好奇心が湧く内容となっており原書を読みたくなった。
    特に子供に受験勉強を強いた方が良いかという設問に対して、人間は暇になると人生の虚しさを感じるので、忙しい方が幸せでいられる→よって受験勉強を強いらないより強いた方が良いという説は自分の中で想定してなかったので腹落ちできた(もちろん反対意見もあるとは思うが)。
    政治家に鬱がいないのは忙しくて自分のことを考えられないからという話も興味深い。自分もプライベートで色々あり人生辛い辛いという状況であるが、人生1度きりしか無いのであえて自分から忙しい状況を作り出すことで、前に進んでいきたいと思う。そのように思えただけでも読んで良かったと思える。


  • このシリーズの中での、最高傑作だと思います。とにかく今の自分に腹落ちしました。養老先生の考えの根底にあるものと感じました!感謝、感激!

  • 人は必ず死ぬ
    存在と死を考える
    死ぬことが不孝、そのことを考えないように多忙の方がいい
    死ぬまでに〇〇をしたい、知らずになくなりたい
    いろんな価値観がある
    決めるのは本人  
    でもそれを叶えられるように周囲を整えられているのか

  • パスカルが『パンセ』を書いた目的、内容、普遍性が手堅くまとまっている。学生時代に拾い読みしかしていなかったが、改めてパンセを紐解く気持ちになった。

  • 人間は考える葦である、このワードしか知らなかったが、パスカルという人間が合理的思考を持ちながらも、デカルトのように、ロジック一辺倒ではないことに共感した。内容のエッセンスは理解したつもりだが、何度も読むごとにみかたあが変わる本なのだと思う。

  • 言っていることはわかるが、一抹の胡散臭さが漂う。そのわけが何となくわかる。

  • フランスの哲学者にして数学者のパスカルの「死後、書類の中から発見された、宗教およびその他の若干の主題に、関するパスカル氏のパンセ(思索)」所謂「パンセ」のエッセンスを簡潔にまとめ、またその「パンセ」に関わるという物語によって、現代の問題に上手に当てはめて、より理解を促進してくれる体裁を調えている。
    それにしてもこの「パンセ」が、キリスト教護教論のためのものであっても、その人間の真理を冷徹に見透し、未定稿という体裁であったが、書き上げられ、時代を生き抜いた名著となり、現代人の悩みの根底にも通じていることをまじまじと思い知らされた。
    「人間のあらゆる不幸のたった一つのことから来ているという事実を発見してしまった。人は部屋の中にじっとしたままいられないもいうことだ。」
    「虚栄というものは人間の心の中に非常に深く錨を降ろしている。だから、兵士も、従卒も、料理人も、港湾労働者も、それぞれに、自慢ばかりして、賛嘆者を欲しがるのだ。さらに哲学者たちも、称賛してくれる人が欲しい。」
    「人間の最大の卑しさは、名声の追求にある。…人は、人々から尊敬されていなければ満足できないからだ。」
    まさに確信を得ている言葉であろう。時代を得てもそう思うからこそ名著なのだ。

  • 『パンセ』本文を読む前にウォームアップ。

    人生いかに暇潰すかってことが主眼の一つになっている。
    自分はその一つが読書で、それは好奇心に突き動かされていると思っている。

    しかしパスカルによれば、好奇心は虚栄心である。僕は虚栄心に突き動かされて読書しているのか・・・?
    完全に違うと言い切れないところに、自分への懐疑心が芽生える。

    レオナルド・ダ・ヴィンチは好奇心による犠牲者の一人だが、パスカルに言わせれば彼は虚栄心の奴隷だったのだろうか?
    そうは思えないけどなー。

    その他いくつか気になった点を以下にまとめる。

    ・「人は精神が豊かになるにつれて自分の周りに独創的な人間がより多くいることに気づく」
    → 僕には「みんな違ってみんないい」という信念があり、それが形成されたのは自分なりに精神が豊かになった現れの一つだと思った。

    ・人間は目的よりも手段の興奮に重きをおく。
    → パチンコに通う人はパチンコで得る報酬よりも、それを得るまでの過程にある興奮を求める。
    生計を立てる目的の上で興奮できる仕事をすることが一つの幸せに生きる解ではないか?

    『パンセ』を読むことは人間の本質に迫る良いきっかけになるだろうな!

  • 人間は考える葦である、という有名な言葉を残したパスカルについて、含蓄ある彼の他の言葉が紹介されていました。以下、心に残った部分です。


    「暇は人間を腐らせる」
    無為ほどつらいものはないという言葉はとても心に残りました。


    「人間はどんな職業だろうと生まれつきあらゆる職業に向いている。」「向いてないのは部屋の中にじっとしていることだけだ。」最初は向いていないと思った職業でも続けているうちにいつしか向いていると感じ始めることがある、という話は興味深かったです。


    「自然は私たちを不幸にする。たとえ快楽に到達しても幸福にはならない。私たちはその新しい状態にふさわしい別の願望を持つに至るからだ。」「人間は常に現実と願望の追いかけっこをするものだ」やっと捕まえたと思った幸福は次の瞬間にこれは幸福ではないと判断されることはよくあると書かれていました。人間はさらなる幸福を追求し続ける生き物なのだと思いました。


    「人間の最大の卑しさは名声の追求にある。しかしそれこそが人間の卓越さの最も大きな印なのだ。人は人々から尊敬されなければ満足できない。」
    確かに人間の承認欲求は根源的なものだと感じます。


    「理由はあとからやってくる」「好きになった理由はわからないけれど、好きにならなかった理由はよくわかる。」なるほど。恋愛について私自身は逆のような気がします。好きになった理由はわかるけれど好きにでなくなった理由がわからない。


    「人間は気晴らしがあるからこそ、悲惨、死すべき運命について考えなくてすむ。」「人間はどれほど悲しみでいっぱいであっても、何か気晴らしになることに引き込まれたらそのあいだは幸せになれるのだ」
    やることがたくさんあり忙しすぎる状況の方が雑念が浮かぶこともなく実は幸せなのかもしれない、と思いました。


    「人間はすべて幸福になろうとしている。これに例外はない。ありとあらゆる人間の行動の動機である。」

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著者プロフィール

鹿島 茂(かしま・しげる):1949年、神奈川県横浜市生まれ。フランス文学者、評論家、作家。東京大学文学部仏文学科卒業。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得満期退学。明治大学名誉教授。1991年『馬車が買いたい!』でサントリー学芸賞、1996年『子供より古書が大事と思いたい』で講談社エッセイ賞、2000年『職業別パリ風俗』で読売文学賞を受賞。膨大な古書コレクションを有し、東京都港区に書斎スタジオ「NOEMA images STUDIO」を開設。2017年、『神田神保町書肆街考』を刊行、同年、書評アーカイブサイトALL REVIEWSを開始。2022年、神田神保町に共同書店PASSAGEを開店、現在4店舗を構える。

「2026年 『『共同幻想論』に挑む 家族人類学的考察』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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