NHK「100分de名著」ブックス 夏目漱石 こころ

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  • NHK出版
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本棚登録 : 111
レビュー : 19
  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140815953

作品紹介・あらすじ

自由と孤独の時代に生きる「人間の自意識」を描いた、漱石不朽の名作『こころ』。それは今からちょうど百年前に、現代人の肥大化する自我を見通した先駆的小説でもあった。「あなたは腹の底から真面目ですか」。功利的な生き方を否定し、あえて"真面目さ"の価値を説いたこの作品を通して、人との絆とは何かを考え、モデルなき時代をより良く生きるための「心」の在り方を探る。

感想・レビュー・書評

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  • 作品にはいろんな解釈があっていい。
    この作品をKと先生の同性愛小説と見る人もいるくらいなのである。
    看取り人の存在は、確かに大切でKの話しは先生に、先生の話しは、私に繋がっていくのである。私の口から、Kと先生の話しが伝えられ、それは続いていく。

  • このシリーズをはじめて読みました。一度は読んでみたい、でもとっつきにくいしなぁなんて思う作品がたくさん紹介されていて、更にとても読みやすくて。これはシリーズ読破したいなと思いました。
    今回は、夏目漱石の『こころ』
    「私」が託されたもの。それは「先生」の人生だけでなく「先生」が看取ったKの物語も受け取っているのだ。命は尽きるものだけれど、彼らの物語は真面目な人(すべて託せる人)によって受け継がれていくんだということ。
    それらをこころに留めてこの作品を読めば、また違った風景が見えるんじゃないかと思いました。

  • 夏目漱石の他の作品や評論文なども引用し「こころ」という小説が本格的に論じられていてしかもわかりやすく書かれた良書だと思う。自分の分身を殺すことにより自分自身を殺すエドガー・アラン・ポーの「ウィリアム・ウィルスン」のように、Kは「先生」の分身であったとも読めること、「夜と霧」のフランクルがいう「態度価値」(自らの努力では逃れられない運命とも呼べるような事態に陥ったときに、その運命を受け止める態度によって実現される価値のこと)により「先生」はKの死後ぎりぎり生きていたという部分が印象に残った。

  • 小説「こころ」の書かれた時代背景や、教え子であった藤村操の死、下宿先の推定図などが盛り込まれており、より深く作品を味わえる内容になっている。
    「個人」の時代の訪れとともに、自己責任のロジックが動き始め、それがうつや引きこもり、自死を増やしているように思えてならないという著者の言葉が響いた。
    怠け者でもなく、優柔不断でもなく「真面目」。
    「真面目」であればあるほど迷い、生きづらくなるのだろう。

  • 漫画で「こころ」を読んだので、あらすじも掴めたしよりストーリーを深く掘り下げるために読んだ本です……が、失敗した! 当たり前ですが漫画では表現の仕方が違うので、やっぱり原作の方も読んでおけばよかった! 原作の「こころ」+本書の解説の組み合わせがベストです。
    「こころ」は複雑な三角関係の恋愛話だと思い込んでいたのですが、本書を読んで「こころ」が教養小説、純愛小説、友情小説、同性愛小説と様々な角度から読めることを知り、驚かされました。
    「先生」の「あなたは真面目ですか」「あなたは腹の底から真面目ですか」という問いに、深く考え込んでしまう。
    ああ、先に原作も読んでおけばもっと本書の解説が楽しめたんだろうになあ!

  • 以前、姜尚中の講演会で聞いた話と重複する部分があった。
    改めて夏目漱石の描いた「近代的自我」と「孤独」について考えさせられた。
    さらに「死」と「死にいくものが物語る」こと、「物語を受け取る者」といったことまで描かれているという指摘は興味深い。

  • 筆者の「こころ」愛が存分に伝わる一冊。
    ちょっとそれは思い込み過ぎでは…というところもあるが、読みやすいので、どんな説があるか軽く読んでみたいという時には向いていると思う。
    放送も見たかったなー。

  • on TV

  • kと先生の関係に「ドッペルゲンガー」という視点は少々奇抜でありながら、ハッとさせられた。こうも読めるし、ああも読めるしという多角的な構造こそが夏目漱石。一人の学者はこう読むという一事例にすぎないが、「こころ」について想いを馳せるという時間だけでも楽しい。

  • 誰もが持っているだろう人間の醜い部分をみた。

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著者プロフィール

姜尚中(かん さんじゅん)
1950年、熊本県熊本市生まれの政治学者。専攻は政治学・政治思想史で、専門はポストコロニアル研究。国際基督教大学準教授、東京大学大学院情報学環・学際情報学府教授などを経て、聖学院大学教授、同学長を歴任。東京大学名誉教授。
主な著作に『マックス・ウェーバーと近代』、『反ナショナリズム』、『在日』、『母―オモニ』など。特に亡き息子との共作とも語る『悩む力』、そして震災や生死、亡き息子への思いをテーマにする『心』などが代表作。

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