NHK「100分de名著」ブックス 柳田国男 遠野物語

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  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140816769

感想・レビュー・書評

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  • 「遠野物語」再読(自信無い)前テキストとして。
    遠野物語が文語体で、読みとる自信がないんです。
    はじめに、で柳田国男が執筆にあたった経緯と、遠野地方の地勢を。
    第一章民話の里・遠野 柳田にその元ネタを提供した遠野出身の佐々木氏との出会い。作品に付けられた序文の真意について。
    一五 オクナイサマ 五六 河童の子殺し 一一 親殺し 解説
    第二章神とつながる者たち 二 神の始 一〇二山の神 一八 座敷童 六九 オシラ様 九六 予知
    六三 マヨイガ 解説
    第三章生と死 魂の行方 一一一 デンデラ野とダンノハナ 二二 幽霊 九七 死に際 八 神隠 九九 津波の死者の霊 解説
    第四章 自然と共生 三六・三九 狼 四三 熊 五三 鳥になった姉妹 解説
    特別章 世界の中の「遠野物語」当初から作者が外国に在る人々に呈すると献辞している事。海外での評価も高い事。
    牧歌的な民話昔話という側面ばかりでなく、生活していく上での何かを隠蔽する役割もあったり、教訓があったり。著者が、聞いたまま書いたのではなく、感じたまま書いたというところが、民話に深みが出たんだろうと思います。

  • 一度読んでみたいと思っていた柳田国男。
    昔は知的障害者や精神的な病を抱えた人達を神に近い存在として捉え、社会の一員として存在していたという話が興味深かった。
    特別視するけど差別ではない。共生について考える上での大事な視点だと思う。

  • 「遠野物語」は、いつか読んでみたいな、と思っていました。
    単純に、遠野に何度か行ったことがあるからなんですが。それだけの興味。
    (あんまり、おどろ系の話に愛着は、ないのです)

    全体にもちろん「遠野物語」のダイジェスト的な紹介と、書籍としての「遠野物語」の成り立ちについて書かれている本です。

    「遠野物語」は岩手県遠野地方に伝わる多くの民話を、柳田国男さんがまとめた本。
    1910年、柳田さん35歳のときの本。
    実は中身は遠野出身の佐々木喜善さんという若者が、柳田さんに語った内容なんですね。それ自体、柳田さんも何も隠していません。
    一応、柳田さんが後追いで確認取材的なことをして本にしている、ということだそうです。

    お話としては、

    姥捨ての話とか。
    間引き、子殺しみたいな残酷系。
    動機や理由が不明な殺人、みたいな不条理系。
    そしてお化け。幽霊。座敷童...

    というあたりから、ほんわかした?童話的おとぎ話まで。

    実に多岐に渡る。
    2017年現在ぼくらが、「ディープ日本の田舎のおどろ系のおはなし」をイメージしたときの原型がほぼ入っています。

    #

    そういう意味では、さすが「100分で名著」、お手軽で読み易く良かったのですが、
    もう一歩踏み込むと、この本を書いている学者さん?の筆致は、正直かなり不親切ではありました。
    本の(番組の)ありようからすると、もっと親切に、もっと入門編であるべきなのに、中途半端だなあ、と、正直感じました。

  • ランチのアッコちゃんから

  • 旧約聖書の後だったこともあり、とても入り易かった!日本人の持つ、死生感や自然との共生等、一度遠野を訪れてみたくなりました。

  • 日本なんだけど、異世界のような。不思議な空気感が感じられる。

  • この本を読んで、柳田国男や「遠野物語」の内容を知ることができて良かった。「遠野物語」に心の病を患っている人や、知的障害のある人が出てくる話が意外だった。凄惨な事件の話も掲載されていて以外だった。この本を読んで遠野に行ってみたくなった。

  • 引用省略

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著者プロフィール

東京学芸大学教授、一橋大学大学院連携教授、柳田國男・松岡家記念館顧問、韓国比較民俗学会顧問。日本文学・民俗学専攻。
最近の単著に『100de名著ブックス 柳田国男 遠野物語』(NHK出版)、『ビジュアル版 日本の昔話百科』(河出書房新社)、『昔話の読み方伝え方を考える』(三弥井書店)、編著に『博物館という装置』(勉誠出版)、『昔話を語り継ぎたい人に』(三弥井書店)、『現代に生きる妖怪たち』(三弥井書店)、『外国人の発見した日本』(勉誠出版)がある。

「2018年 『文学研究の窓をあける』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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