あなたが世界のためにできるたったひとつのこと <効果的な利他主義>のすすめ

Kindle版

β運用中です。
もし違うアイテムのリンクの場合はヘルプセンターへお問い合わせください

  • NHK出版 (2015年12月24日発売)
3.26
  • (5)
  • (15)
  • (30)
  • (4)
  • (3)
本棚登録 : 389
感想 : 31
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784140816929

みんなの感想まとめ

他者への貢献を最大化するための「効果的利他主義」がテーマとなっている本書は、寄付やボランティア活動における新たな視点を提供します。著者は、自己の利益を超えて、他者の幸福を考慮した行動を促し、具体的な事...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 効果的利他主義とは、他者への貢献を定量化し、その効果が最も高くなるように行動するべき、という考え方。例えば自分が大きく稼いで寄付するのと、ボランティア活動をするのでは、前者を選ぶべきと考える。
    また著者は、自分の効用が恵まれない者の効用と同じになるまで寄付をするべき、と提唱している。さらに他者貢献には、寄付だけでなく臓器提供も含まれる。これらはかなり急進的な考えだと思う。
    効果的利他主義は、選好功利主義にあたるとのこと。古典的な快楽功利主義が全体の快楽の最大化を目指すのに対して、これは全体の選好充足の最大化を目指す。
    本書は啓蒙的な内容で即実践できるという意味では優れているが、理論的な根拠が弱い。
    著者が「功利主義とは何か」という本も出版しているので、それも読んで学問的系譜を抑えて、理論的側面をもっと学びたい。

  • 「効率的な利他主義」への推薦、とある本書。利他主義(altruism) とは、「社会や他人のために尽力し、自分の利益に執着せず行動する人」を広義の“利他主義者”とみなす、と言う。一般的に日常で実践できる「一つのこと」の具体案は貧困対策、感染症対策、教育機会の拡大などの慈善団体等への「寄付」することである、と言う。近年の日本の成長率は低迷しているが、1990年半ばまで日本は米国に次ぐ国連への負担金の援助大国だったこと、国内では75歳以上の高齢者には多くの資産が眠っており、今後遺産相続など多くを納税負担することではなく「寄付」での行動が見られる気がする。その理由の一つは、この種の税金の使途不明が多いこと、それよりも存命中に「慈善団体等への寄付」であれば「個人の社会貢献:直接お役に立てる」として遺されることになる。

  • 「効果的な利他主義」とは寄付者の情けに訴えるチャリティではなく、費用対効果の高い方法で命を救い苦痛を減らすことを証明できるチャリティに寄付を行うことを指している。本書の中で紹介されている事例として、収入の大半を寄付する人、より多くの寄付を行うために高収入を得られる職業に就くもの、腎臓等身体の一部を赤の他人に提供するもの等々があった。これらは極端な例だとは思うが、少なくとも自己満足ではなく、命を救うために最も効果的なチャリティを選んで寄付をすべしという提言は納得。私は本書でいうところの「寄付することで気分が良くなり、その効果は問わない」寄付者で、さらに「こうした寄付はたいてい10ドル以下の少額で、それを処理する費用が寄付の効果を上回ることは、よく考えればわかるでしょう。」にまさに該当したので、とりあえず寄付額の引き上げをするところから始めることにします。

  • 私たちは自分にできるいちばんたくさんのいいことをしなければならない。盗まず、騙さず、傷つけず、殺さないと言う当たり前のルールに従うだけでは不十分で、世界をよりよいものにするために尽力すべしと言う 「効果的な利他主義」の話

    与えるために稼ぐ、腎臓提供をする等 他者を気にかけ、そのために自分の人生を大きく変えることをいとわない人達。 度が外れていると感じるケースの紹介もあり、感心する。


    慈善団体が効果的にチャリティーを使っているかを評価する組織、ギブウェルを調べてみたが、英語しかなく、チャリティー先としてもあまり私に合うなと言うものでは無かった。

    【今後私が頑張ること】
    私に出来ることを考えらた(そして実行しよう)
    ・おこずかいの3%を寄付する
    ・献血に行く
    ・ボランティアに参加する

    と思ったが、こう決めてただ毎年ルーチンとしてやるのではなく、「世界を良くするために自分はなにが出来るだろう?」と継続的に考えることが一番大切なのではないだろうかと思い至る。

    ・ 「世界を良くするために自分はなにが出来るだろう?」と継続的に考える

  • 実践がめっちゃむずい。伝え方もわかりづらい。日本人向けにモチベの上がる伝え方、やり方をローカライズしないと絶対に実践不可能だし、ウォークな思想だと思われそう

  • 「人口減少社会のデザイン」を読んで、より多角的で広い視野で物事を考えた方がいいかな、と思い手始めに拝読。
    利他主義が世の中にどういう好影響を与えるかについて述べた書籍。

    一般的には、利他主義=ボランティア・募金、みたいなイメージだけど本書ではこれをより深掘りして、<いちばんたくさんのいいこと>を望む考え方を利他主義と呼んでいる。
    では、何が<いちばんたくさんのいいこと>になるかというと、同じ金銭でより多くの人を救う(命を救う、劣悪な環境から救うなど)ことがより良いことであり、いちばん多く救えるものが<いちばんたくさんのいいこと>であるとしている。
    この部分を読み、今までは募金といった時、それがどのように使われるか・どれだけを救えるかまで考えたことはなかったが、本当に<いちばんたくさんいいこと>をしようとするならば、募金したお金が何に使われ、どれだけの助けとなったかを測定する必要があるのだと感じた。この部分は考えさせられるところが多かったように思う。

    また、利他主義といった場合、大なり小なり自己犠牲という言葉が同時に思い浮かぶが、本書では必ずしも自己犠牲が利他主義に必要だとは述べていない。効果的な利他主義を実践する人々は自己を犠牲にしているという思いなどなく、むしろ自分にとって気持ちいこと(=自分にも利のあること)をしているという感覚だというのも非常に新鮮であった。

    最後部では、人類滅亡という非常に大きな、そして非現実的にも思えるテーマが取り扱われていたが、ここでは未来の人類がどれだけ価値があるものか、ということをテーマとしている。
    目の前にいる人と、これから生まれてくるかもしれない人とだったら、どうしても目の前にいる人の方がイメージできるし、目の前にいる人の方が価値が高いように感じるが、本書では必ずしもそうではなく、価値は同等という立場をとっている。そう考えると、非常に小さな確率であっても、人類が滅亡するようなリスクは非常に大きな損失を被ることになるため、ある程度のコストをかけてでも何らかの形で立ち向かうべきだ(=ある程度コストをかけたとしても十分ペイする投資になる)ということを主張している。
    このように言われてもやはり強くイメージできない部分ではあるものの、未来の人類まで想いを馳せて考えを巡らすということが大切なのではないかということを感じたし、当初の目的であった「自分の視野を広げる」ということに大きく寄与したので、大変参考になった部分だと感じた。

    近年、単なる消費が限界を迎えつつあるように感じている。
    では、余ったお金がどこにいくのかということであるが、本書を読み、利他主義的発想をより多くの人が持つことにより、お金が余っているところから不足しているところに配分するということを実践・体験するような世の中がくるのではないかと感じている。今後、利他主義が主流になり、お金の価値がもっと高いレベルのものになるのではないか、と感じさせる書籍であった。

  • そろそろシンガーの本でも読むかと思ったので

  • ミニマリスト界隈に読んでほしい本。

    利他主義と幸福の部分で、ミニマリストになって、稼いだお金をhednic dreadmillに巻き込まれないようにするための手段として、自分がいいと思うことにつかうみたいな記述があるよね。

    ギブウェル系の指標も面白かった。もっとお金稼いでから戻ってくるね。

  • オーストラリアの倫理学者である著者が効果的な利他主義とは何かについて自身の見識やデータをもとに書いた一冊。

    本書を読んで、利他主義の素晴らしさや効果的な利他主義の様々な選択肢を知ることができました。
    同じ寄付でも多くの人を救うことのできるものを選ぶことの大切さを学ぶことができました。

    そんな本書の中でも先進国よりも途上国に寄付する方が効果的であることは印象に残りました。

    本書を読んで、効果的な利他主義という新しいムーブメントを通して自分に何ができるのか改めて問い直すきっかけとなり、他人を助けることについて多くの示唆を与えてくれる一冊でした。

  • ☆効果的か否かの判断基準が問題となると思う。

  • 一気読みの面白さ。エビデンス・ベースドの寄付。理性と科学的アプローチの下に全てが数値化されていく。ランキングは作ったもの勝ち。こうして世界は征服される。

  • "合理的な利他主義であることを考察した書物。
    社会の役に立つために行動するのであれば、より効果の大きいものを選びたい。
    社会福祉を担う組織も多々あり、どの団体を選ぶべきなのか?
    寄付をするなら、どこに?
    社会への貢献という点では、貧困、動物保護、環境など多岐にわたる。
    いろんな方法があることも学べる本だった。"

  • 森の図書館で読んだ。内容的に少し難しい。あなたができることを自分で考えようと提言するものだった。最も効果的に世の中にとって貢献できるのは?と考えさせられる。

  • 副題の部分〈効果的な利他主義〉はEffective Altruismの訳。
    寄付行為に投資の発想を用いて自分にできる最大限の倫理的行為を為そうというアメリカ発のムーブメントへの誘い。現代のアメリカ社会らしい発想を教えてくれた本。自らの短い人生をどの程度効果的に使えるか考える手助けをしてくれそうに思う。ラディカルで刺激的だった。

  • 「効率的な利他主義」の紹介本。
    「効率的な利他主義」は、「私たちは自分にできる<いちばんたくさんのいいこと>をしなけれはならない」というシンプルな考え方から生まれてきている。
    世界を良い方向に進めるためのムーブメントとして紹介されている。

  • 利他=>無私。 これから、すこしずつ流行るとおもう。ポスト資本主義の動きの一つかと思う。

  • プリンストン大学教授の哲学者、倫理学者による「寄付」についての本。端的に言えば「同じ寄付をするなら、そのお金が一番人や動物の苦痛を減らし、幸福を増やす施策に寄付すべき」ということでしょうか。

    読み終わって思ったことは3点。
    1. 寄付というマーケットのアメリカでの大きさと、寄付って何なんだろうということ
    2. ベジタリアニズムを選ぶ理由は「動物の苦痛を減らすため」ってどうなの?ということ
    3. 何でも定量化して、比較できるようにしようというチャレンジは大事だなぁということ

    1.については、「寄付のやりかた」が議論されるくらい、アメリカでは寄付というものが一般的だということ。訳者あとがきでは、日本における寄付も決して少ないわけではないということが触れられていましたが、アメリカとは寄付への考え方が違うような印象を受けました。
    昔読んだマンガで、「良い大人が、本当に人を助けたかったら自分で働け」なんてセリフがあったのですが、本著の例は自分で高給の仕事に就いて寄付を増やしている訳で。ただ、理想の形は働くことのその内容が社会貢献になっていることでしょうか。

    2.については、本著ではそんな主張があったのですが、だったら動物を苦痛なく殺せるのなら食肉は問題ないということ?そもそも食事だけが環境負荷を与えているわけではないでしょうに、肉は食べないけど豪華なバスルームの家に…とか。あるいは、肉を全く食べなくなったら家畜は絶対量が激減したり、廃墟となった農場周辺の環境が変わるだろうし、種も無くなるかもしれない。結局は、環境に与える負荷の罪深さを認識しながら生きていくことが大事なのでは。

    3.については、本著で取り上げたような寄付の施策の比較は物理的にかなり難しいことで、どうやるの?って話になるのですが、それを実際にやり遂げた例が挙がっていて、最初から諦めるのではなくて、まずは取り組んでみることは大事だな、と感じました。

    個人的には、本著の主張に全面的に賛成!という感じではないのですが、それでも色々なことを考えるきっかけになる本でした。

  • 効果的な利他主義は間接的に自分に恩恵がある。
    収入の1割を貯蓄、1割を寄付。

    ビーガンになることも世界のためにできること。

    貧しい人がなくなることが大事、貧富の差が開くことが悪いわけではない。

    他者への臓器提供。
    費用対効果の高い方法でチャリティに寄付する。
    情に訴えるチャリティではない。
    共感的関心は低いほうが効果的な利他主義になりやすい
    トロッコのジレンマでも冷静に判断できる人。
    数字を重要なものと認識する=共感ではなく理性で寄付する。
    特定の人を助けるのではなく、多くの人数を助けることに興味がある。
    小口の寄付者は、心のぬくもりを求める、だけ。

    消費における快楽の踏み車。寄付は失うものが多いとは感じない。快楽の踏み車から抜け出す方法。
    チャリティに寄付した人と幸福度の高さには相関関係がある。臓器提供者の自尊心が高まる。
    他者への思いやりから生まれた行動であれば、その人の得になることでもいい。

    同じ金額でも、貧困国のほうが救う命の数は多い。
    他の人が気にかけないところに寄付する。

    失明治療と美術館建設への寄付を比べる。
    どちらが恩恵を受ける人数が多いか、恩恵の量が多いか。

    ギブウェルと動物チャリティ評価協会。チャリティーの効果の評価。
    途上国への寄付のほうが効果が高い。数多くの行為を行う団体は効果全体がはっきりしないので評価しない。

    学校の普及には、教育で賃金が上がることを親に納得させることが一番効果的。

    女性は男性ほど攻撃的ではないため、女性の発言力が高くなれば、核戦争のリスクも減る。女性の教育で、子供の数が減り、子どもたちは健康的になる。



    効果的な利他主義のすすめ
    多くの組織に少額の寄付をすることは心のぬくもりを求める、だけ。効率的ではない。
    メイクアウィッシュ財団は、相手の顔が見えるため多くの人が寄付をするが効率的ではない。
    工場を建てて貧困から救い出し、その利益をさらに投資に回すなら、効果的な利他主義者といえる。

    受けての受け取るべきものより多くを失うまで寄付するか。
    ギブウェル=チャリティーの評価をして効率的な寄付ができるサイト。
    ギブダイレクトリー=アフリカに使い道を公開して寄付を募る。
    慈善団体で働くよりも、金融業界などで働いて得たお金を寄付するほうが効果的。

    費用対効果が高い寄付をするべき。=先進国の貧しい人よりアフリカの子供たちが先=効率的。
    トロッコのジレンマ=功利主義と考え方は同じ。
    共感よりも論理に動かされるべき。お金の使い道を考える。自分の子供と他人の子供と同じ。
    特定の誰か、を助けるより助ける人数を知りたがる。人数が多いほうが幸せになれる。
    自分の寄付は犠牲ではない。快楽の踏み車から抜け出して、人を救うことに喜びを見出す。=自己犠牲ではなく自己の欲求に従っているだけ。

    乞食にものを与えたホッブスと同じ論理。自分がいい気持ちになるために与える。利他主義と同じこと。

    ロックフェラーフィランソロピーアドバイザーズは間違っている。貧困緩和が入っていない。
    事前活動家なら、最も効果的な寄付をするべき。貧しい国のほうが、より多くの人を救える。
    誰かの人生を永続的に大きく変えられる、ことこそ大きな喜びである。

    ペットの犬猫を救うより、畜産動物を救うほうが効果的。工場畜産動物を減らす=ビーガンになる、か無駄に死なない家畜を救う。

    巨大な隕石に当たる可能性は、10万年に一度かそれよりも低い。

    目に見える命と目に見えない誰かの命を同じに扱うためには、論理的客観的な思考能力が必要になる。直感に従ってはできない。
    自分ができるいちばん大きな影響を与えられる分野を選ぶ。

  • 被災地に募金したり、恵まれない子供たちへのチャリティー活動に参加した事がある人は多いと思うが、自分が行った寄付が実際どのように使われているのか、調べる人少ないはずだ。本作はチャリティーの定量的効果を、哲学的な視点を用いて考察した一冊である。

    アメリカには、同じ額の募金をするならどの団体に寄付すれば効果的なのか、そのような事が気になるあまり、慈善団体を評価する会社を立ち上げてしまった人がいる。また、より多額の寄付を行いたいために、高額な報酬が得られるウォール街の金融企業に勤める人もいるらしい。

    そもそもアメリカ人と日本人の間には、寄付に対する考え方の違いのようなものがあるのではないかと感じた、上手く説明できないが国の成り立ちや宗教なんかも大きく影響しているのかもしれない。施しの気持ちが美徳であるという日本人的感覚からすると、神主に賽銭の使い道をたずねるような話で、効果的な利他主義という考え方には少し違和感を覚える。

    でも慈善事業やチャリティー活動に積極的な国民性など、アメリカに見習うべき点も多いのかなと思った。

全23件中 1 - 20件を表示

著者プロフィール

1946年生まれ。オーストラリア出身の哲学者。プリンストン大学名誉教授。専門は応用倫理学。動物の解放や極度の貧困状態にある人々への支援を提唱する代表的な論者の一人。著書に『新・動物の解放』(井上太一訳、晶文社、2024年)、『なぜヴィーガンか?──倫理的に食べる』(児玉聡・林和雄訳、晶文社、2023年)、『飢えと豊かさと道徳』(児玉聡監訳、勁草書房、2018年)、『あなたが救える命──世界の貧困を終わらせるために今すぐできること』(児玉聡・石川涼子訳、勁草書房、2014年)、『実践の倫理 新版』(山内友三郎・塚崎智監訳、昭和堂、1999年)など。『ザ・ニューヨーカー』誌によって「最も影響力のある現代の哲学者」と呼ばれ、『タイム』誌では「世界の最も影響力のある100人」の一人に選ばれた。

「2025年 『道徳は進歩する』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ピーター・シンガーの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×