植物は〈未来〉を知っている―9つの能力から芽生えるテクノロジー革命

  • NHK出版
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レビュー : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140817339

感想・レビュー・書評

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  • 植物は
    記憶力がある、オジギソウを馬車に乗せると次第に閉じなくなる
    小麦、米、とうもろこしは、人間の主食となることで、大規模に栽培され、拡張した
    レンズ豆の種子に似た植物がいる
    オランダフクロは、動物が触れて刺激で、種子が爆発し、動物の毛に纏わり付き、範囲を広げる
    カマバアカシアは、蜜を作りアリを呼び寄せ、そのアリは周辺を食い尽くし、日光や栄養を独り占めする。悪魔の庭と呼ばれる
    植物は、エネルギー使って、無駄なものは作らない
    唐辛子や麻薬は、人間の脳に作用する物質を作り、栽培植物として、広がる
    オオニバスの花は、熱を発し、蜜蜂を呼び寄せ、重層な花弁で、一晩閉じ込め、花粉だらけにして、翌日花弁を開放する
    サボテンの中には、寒暖の差を生かして、夜露をキャッチし、水分を得ているものがいる
    乾燥地帯の構造物も水滴を得るためのものである
    海の温室で、海水が蒸発した、水をキャッチし、植物の、成長に充てるなどしている。

  • おもしろい。植物の構造の解き明かしと、人間の社会生活にどのように転用でき、近い将来どのように課題を解決できかを語った本。読みやすい。大学教授の学術的な文章なのに、スラスラ読めます。

  • 植物は人との関わりが本来は深い。農産物だけでなく、あらゆる植物がである。
    植物の構造が動物とは大きく違う点から、それをヒントに人間活動に取り込めないかと提案、実践していく著者の熱量、そして本当にそうなればという思いと、意外と世論はそれを求めていないのだなという残念な感情を残す。
    ジェリーフィッシュ・バージなんかは特に当時もっと話題になってもよかったレベルのものだと思ったのに…。
    植物は面白くて、すごいものなのだと再認識するためにぜひ。

  • 二年あまり前にも『植物は<知性>をもっている』を読んでいるがこの本もいい。より人間社会や営みにむけたメッセージが強い内容である。
    前著がどうだったか記憶がないが、この本はカラー写真の色の出し方が独特だなと、愉快なイタリアのセンセイである著者の個性を生かしているように感じた。

    P103 植物の運動には、内部エネルギーを利用する能動的な運動と、環境中に存在するエネルギーを利用する受動的な運動がある。
    【中略】受動的な運動は、細胞壁の構成要素が持つ吸水力の差によって引き起こされる。(受動的な運動は風変わりなものばかりで、実行しているのが、内部エネルギーをも全く使わない”死んだ組織”なのだから驚きだ)

    P140 スコヴィル辛み単位1600万SHU(純度100%のカプサイシンの値)は唐辛子の辛みの最大絶対値を表し、光速や絶対零度のような物理定数と同じ意味を持つ。【中略】カプサイシンは、神経末端と接触するとTRPV1という受容体を活性化させるアルカロイドだ。TRPV1は熱センサーで、体に害が及ぶほどの温度を感知すると脳に危険を知らせる働きがあり通常は43度で活性化する。【中略】唐辛子にとってカプサイシンの本当の利点は、哺乳類を遠ざけることではなく、人間即ち絶対的に優れた運び屋を異常な依存状態に陥らせ、自分たちから離れられなくする能力だったのだ。

    P164 "運動"は動物にとって決定的手段なので―危機的状況におかれた時こそお決まりの"逃走"反応をするー【中略】そう考えると、動物にとっての最適な身体構造は、あらゆる決定を下す指令センターを頂点としたヒエラルキー的身体構造といえるだろう。一方、植物にとって動物のようなスピーディな対応は全く意味がない。大切なのは、効果的な解決策を見つけることだ。つまり、熱さや寒さ、捕食者の出現”にもかかわらず”生き延びることができるような解決策である。この難しい課題にうまく対応するには、集中した構造より分散型の組織構造のほうがはるかに望ましい。より革新的な対応ができ、文字通り“根付く”ことで環境をより正確にとらえる力が得られるからだ。【中略】要するに、動物が周囲の環境の変化に"運動"によって対応し、変化を避けるのに対して、植物は絶え間なく変化する状況に対し"適応"によって対応する。

    P176 少数の個体やグループが、集団全体の意思決定を行うヒエラルキーなど、自然界ではまれである。そうしたヒエラルキーがあちこちにあるように見えるのは、わたしたちが人間の目線で自然を見ているからだ。先にも触れたように、わたしたちの目は、自分に似ていると思うものしか識別しない。

    P187 重要なことにもかかわらずどうしていいかわからない状況におかれたとき、<道徳的代数>、つまり”理由のバランスシート"を実践する。それは数学的に必ずしも正しいと言えないが、十分に役に立つ。

    P195 秩序が優れていると考えるのはごく普通のことだ。秩序付けることは組織化すること意味する。つまり、全く類似性を持たないものを、無理やり一緒に押し込める牢獄を作ることだ。そして、ヒエラルキーを、階級を、集団を、下位集団を作ることだ。わたしたちが何かを分類するときには、それが物質的な分類であれ精神的な分類であれ、動物の体のヒエラルキー構造を繰り返し模倣し、それを再生産しているのである。【中略】動物のモデルは効果的で安定しているように見えるだけで、実際はギプスで固められたモデルなのだ。【中略】人類の未来は、植物のモデルに基づいて作り出す以外にはありえないはずだ。

    P269 地球の三分の二は水で覆われていて、そのうちの97%は塩水だ。地球の外を開拓するよりも、海を人類の新しいフロンティアにするほうがずっと早い。

    P281 肥沃な土壌を必要とせず、淡水を必要とせず、太陽以外のエネルギーを必要とせずに食物を清算する。これほど素晴らしいことがあるだろうか。【中略】きちんと機能するプロトタイプが完成すれば、興味を持ってくれる投資家はいくらでも見つかるだろうと思っていたのだ。【中略】だが市場とうまくやって行くのは本当に難しい。市場とは閉じた世界であり、しばしば偏狭で、約束事ばかりに縛られ、大半の研究者たちを怖がらせる要求だらけの世界なのだ。【中略】それでも私たちはくじけない。遅かれ早かれ、いつか食糧生産のために海を耕すことが必要になるだろう。

  • オジギソウは記憶する。開花はエピジェネティクスな記憶力と関係している。
    植物の適応力、システムを解明して、利用する。

  • 2018/12/25 詳細は、こちらをご覧ください。
    『あとりえ「パ・そ・ぼ」の本棚とノート』 → http://pasobo2010.blog.fc2.com/blog-entry-1157.html
     
    植物、特に雑草のような身近な野草が大好き。
    これまでにも植物の思いがけない能力や環境への適応力、逆に絶滅危惧種のことなど 本やTVで見てきました。

    本書は、そういう情報のはるか先を行っている。
    読み始めた時は、独断的な文章に引っかかることもあったけれど、
    とにかく内容が興味深く 読み進みました。

    先に進むにつれ 話はどんどん面白くなります。
    特に、7・8章ではユニークな事例が、これからの社会に役立ちそうです。
    最後には、「持続可能な未来のために、植物が教えてくれること」等 共感することが多かった。

  • 植物に対する認識が変わる。生物、生命全体という視点で物事を考える必要に迫られる。非常に刺激的な本。

  • 植物、特に雑草のような身近な野草が大好き。
    これまでにも植物の思いがけない能力や環境への適応力、逆に絶滅危惧種のことなど 本やTVで見てきました。

    本書は、そういう情報のはるか先を行っている。
    読み始めた時は、独断的な文章に引っかかることもあったけれど、
    とにかく内容が興味深く 読み進みました。

    先に進むにつれ 話はどんどん面白くなります。
    特に、7・8章ではユニークな事例が、これからの社会に役立ちそうです。
    最後には、「持続可能な未来のために、植物が教えてくれること」等 共感することが多かった。

    次は 同じ著者の 「植物は〈知性〉をもっている 20の感覚で思考する生命システム」を読むつもりです。
     → https://amzn.to/2LYZ1RC

    次は 同じ著者の 「植物は〈知性〉をもっている 20の感覚で思考する生命システム」を読むつもりです。

    ・ 「トウガラシ食らい」の話に衝撃を受け調べてみたがわからなかった。
    参考 http://www.tsujicho.com/oishii/recipe/letter/totteoki/calabria.html 南伊カラブリア食紀行 ― 辛くて美味しい唐辛子王国へ - 辻調グループ
    ・ https://www.travel.co.jp/guide/article/24738/唐辛子王国・南伊「カラブリア州」驚きの辛い特産品に迫る! 更新日:2017/02/26 18:25


    2018/06/10  予約 6/22 借りる。7/30 読み始める。8/5 読み終わる。

    植物は〈未来〉を知っている―9つの能力から芽生えるテクノロジー革命

    <i>内容と目次・著者は</i> → [more]

    <span style="color:#009900;">内容 :</span>
    記憶力、特殊な運動能力、擬態力やインターネットのような分散化能力…。
    動かずに生きる植物は、さまざまな能力を磨いてきた。
    最新の科学で<植物と人間の驚異の未来>を刺激的に描く。
    「植物は<知性>をもっている」の続編。

    <span style="color:#009900;">目次 :</span>
    [第1章] 記憶力 ~脳がなくても記憶できる
    動物と植物、経験から学ぶのはどちら?/ オジギソウの風変りな実験/オジギソウの記憶力/開花のエピジェネティックな記憶

    [第2章] 繁殖力 ~植物からプラントイドへ
    ダ・ヴィンチとバイオインスピレーション/植物のすごさとは何か?/複数の個体からなる一つの集合体/プラントイドの夢/火星探査へ

    [第3章] 擬態力 ~すばらしい芸術
    モデル、役者、受信者/擬態の女王/植物の視覚/《生ける石》リトープス/植物の資源としての人間/人間と雑草の物語

    [第4章] 運動能力 ~筋肉がなくても動く
    それでも、動く!/植物研究の〝革命〞/松かさと、カラスムギの芒/オランダフウロと惑星調査/運動モデルのデータを集める

    [第5章] 動物を操る能力 ~トウガラシと植物の奴隷
    ペテンの技術/蜜の密売人/《トウガラシ食らい》との最初の出会い/地球でもっとも辛いトウガラシを求めて
    マゾヒズム、ランナーズハイ、奴隷/化学的な調合

    [第6章] 分散化能力 ~自然界のインターネット
    植物の体に関するいくつかの予備的考察/問題を解決する植物、問題を避ける動物/
    根のコロニーと社会性昆虫/古代アテネの民主制/動物たちの民主主義/
    陪審定理、インターネット、集団的知性/合理的な思考を守る砦/
    机の上のカオス/インターネット時代の協同組合へ

    [第7章] 美しき構造力 ~建築への応用
    《葉序タワー》/イギリスの貴族を魅了したオオオニバス/オオオニバスの葉は、初の万国博覧会をどうやって救ったのか?/
    砂漠を生き抜く植物たち/青銅器時代から未来まで

    [第8章] 環境適応能力 ~宇宙の植物
    宇宙旅行の道連れ/世紀の放物線飛行実験/天ののけ者

    [第9章] 資源の循環能力 ~海を耕す
    地球の水のわずか2%/増えつづける食料需要を満たす/海水で生きる/
    海上に浮かぶ温室で育つレタス/持続可能な未来のために、植物が教えてくれること

    <span style="color:#009900;">著者 :</span> ステファノ・マンクーゾ
    イタリア、フィレンツェ大学農学部教授、同大学付属国際植物ニューロバイオロジー研究所所長。
    フィレンツェ農芸学会正会員。
     

  • 流読。
    植物のすごさ、新鮮な視点。

    塩生植物に関心。

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