これからの本屋読本

著者 :
  • NHK出版
4.15
  • (20)
  • (14)
  • (11)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 318
レビュー : 19
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140817414

作品紹介・あらすじ

個性的な本屋が、全国に生まれている。本書は、その最前線にいる著者が、人を引き寄せる本屋を分析し、そのこれからを展望する。本とは何か。本屋とは何か。その魅力の原点に立ち返りながら、本と本屋の概念を一変させ、その継続のためのアイデアを鮮やかに示す。本を愛する人が、本を愛する人のために何ができるのか? 本と人とをつなぐ本屋の可能性を照らす、著者の集大成。「本の仕入れ方大全」も収録。

「本書は、本の仕事をしながら、本屋についてこの15年間にわたってぼくが調べ、考えてきたことを、いま、本と本屋を愛する人たちに伝えておきたいと思って書いた本だ」

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 下北沢で本屋B&B筆者の本屋を始めたい人向けの指南本。

    筆者が本屋への愛で満ち溢れているところが良いです。

    厳しい現実もきちんと見つめた上での現実的な情報、戦略が書かれているところも、本屋を開業したい人にとってはありがたいでしょう。

    本屋の売り上げは1996年をピークに2018年は半分になっているとのこと。またamazonなどのネット書店の隆盛によりリアル本屋は次々になくなっている。

    そんな中、あえて本屋を始めるとはどういうことかがリアルに書かれている。その中であえて本屋をはじめるために、はじめ方の様々な可能性を含め教えてくれる。

    前半は本屋という形態にたいする哲学的ともいえる色々な考え方が書かれている。

    これは、何故自分は本屋をやるのか?を突き詰めるために必要な考え方なのだと思う。
    昔のようになんとなく本屋を開いても、amazonなどにはかなわなく、月の最低限の売り上げも上げられず、つぶれてしまうから、

    後半は本屋の様々な形態を紹介。
    ダウンサイジングと掛け算というのが筆者のキーワードとしてなるほどと思う。
    いかに個性的な店を作り、自分が実現したいことを第一に、利益を出すことは目的とせずに実施していく。

    後半の本屋さん同士の対談、本の仕入れ方の別冊などが特に面白い。

  • 本を取り巻く状況が厳しくなるにつれて、意識的に本そのものを題材に扱う本が多くなってきました。そしてそういう本を読む人は基本相当な本好きだと思う。
    知らないうちに著者の内沼氏の関わった書店に行っていおりました。
    下北沢のB&B、長野上田のNABO。特にNABOについては2回行きました。上田という町自体が何故か書店が妙に多くて、文化的な香り漂う大好きな町であります。

    さて、この本は本屋になりたいと願う世の中の本好きの心をちくちくと刺激する本です。本屋というものの定義は彼にとってとっても広く、本を売らなくとも本を人に勧めていくだけでも広義の本屋と思ってくれているようです。僕も出来れば、音楽演奏と読書の勧めを一緒にする事が出来ないかなといつも思っています。
    色々なものと掛け算できるのが本であるという言葉には胸が熱くなります。そうか、どんなものでも書物のつながりが有るという事は、掛け合わせることによって相乗効果が見込めるのか。僕にとってはそれは音楽にあたるよなあきっと。

    大資本でないと従来型の書店としてはビジネスとして成り立たず、小規模で特色のある書店を目指している人達が増えているようです。僕としても大型書店とセレクトショップ的な書店の存在意義は別なのでどちらも変わらず是非発展して頂きたいものです。
    それにしても彼のような生き方というか、本との関わりを生きていく糧に出来ているっていうのはすごい事だ。ある意味出版危機である今だからこそ求められているのだろうと思います。頼むぞ内沼晋太郎。

  • 下北沢で本屋B&Bもいとなむ、内沼晋太郎さんの本屋をやりたい人にむけた一冊。
    取次とお付き合いするには?書店経営のやり方とは?と、わからないことが、丁寧にかかれています。

    出版イベントにも参加したのですが、造本としもおもしろく、めずらしい形だったり、ノンブルもおもしろく仕掛けがあり、本棚においておきたい一冊となっています。

  • TBSラジオ「アフター6ジャンクション」にて、
    筆者内沼晋太郎氏が出演し、まさにこれからの本屋の在り方を語っていた回を聞き、購読。
    購入した本屋には「本屋および本」に関する棚があり、最近のトレンドでもあるのかなと感じた。

    第一章の「本屋のたのしみ」には様々な引用がされながらその魅力が語られる。
    自分も同意する事ばかりだった。

    例えば、一つの本屋には人生で読み切れない量の本が置いてあり、店内を一周するだけで世界を一周することに似ているという筆者の意見に改めて、その途方も無さに本屋に魅力を感じていたのだなと思った。

    「読みきれなくても買う」という部分。
    積読状態の本が増えていくと若干の後ろめたさもあったが、
    本屋で本と出会い、その本から開かれる別の世界に対して一歩踏み出すような気持ちで今日も本を買おうと思う、というくらいにこの個所を読んでいると気持ちを持っていける。

    そもそもちゃんと読んで次に行くというのは不可能だ。
    「本を読む」というのは最初から最後まで読み、完璧に理解するという事ができるという幻想がある。

    佐々木中著『切りとれ、あの祈る手を<本>と<革命>をめぐる5つの話』(河出書房新書)では、もし本を「完璧」に理解し、わかってしまったら気が狂ってしまう、と言っている。
    「本を読むということは、下手をすると気が狂うくらいのことだ」(29頁)と。上述の本の中で「読む」という行為のある種狂信的な側面、信仰ともいえる「読む」という行為の極北を示している。

    一方で「本を読まなく」ても、本について語る事ができるという意見もある。
    ピエールバイヤール著『読んでいない本について堂々と語る方法』(ちくま学芸文庫)では、本はある文脈やその人の環境によって、さまざまに読まれうる、そもそもその本について知っているということ自体がその本を読んでいるという事にも成り得るという主張だった。確か。

    そうした定義の話だけでなく、本の仕入れ方や、本屋になる方法などノウハウとしての部分も非常に面白く、勉強になる事ばかりだった。
    本書は、本屋にも本にも非常に愛があり、これからの可能性に真摯に向き合ってきた筆者の情熱を感じる。
    素晴らしい本だった。

    あと、細かいところで言えば、本書のページの表記(全317ページ)は手書きのフォントだ。
    最後にその部分が筆者の関係者の手によるものが判明する。
    また、判型が家?の形をしていたり、面白い試みをしているなあと思った。
    とはいえ、筆者のこれまでの経緯を知れば、「なるほど」と思わされる。

  • 「本の逆襲」から4年。その間に自分の街でもいろいろと変化があり、一箱は続けているけど自分でもZINEを作ったりと、本業とはまた違う方向で相変わらず「本屋」はやっている。
    これをビジネスにしたいかというと、相当の覚悟と思い切りが必要だが、その一方で本書に挙げられているような本と書店、そして人との関わりの現在については興味深く、今後も注目していきたい。
    ラストに東アジアの書店事情に少し触れられていた。最近台湾でもやっと書店に行く余裕ができたが、台湾や香港の書店は本当に面白いので、次刊の台北の書店レポートは絶対読みたい。

  • この本を読んで(もしくは読まなくたって)、あとは自分で1歩踏み出せば、すぐに本屋になれる。

  • ”内沼晋太郎さんの本屋本 最新刊。「はじめに」の最後の言葉にしびれて購入。
    広義の「本屋」として生きることを考えている身にとって貴重な本。これをもとに実践したい。

    <抄録(抜き書き)>
    ・本屋の書いた本なんてもう読み飽きたよ、という声が聞こえる気もする。けれど、本書はたぶん、網羅性と実用性という点において、過去のどんな本とも違っている。
     不十分であっても、見渡せる地図が、立ち戻れる教科書があるべきだ。若輩者が畏れながらも目指したのは、そういう本だ。(はじめに)

    <きっかけ>
    内沼さんの本屋本は買い!”

  • 本や本屋全般についての考え、具体的な仕入れ方、作者がどうやって本づくりに携わるようになったのかすべてが網羅されていて、とても考えさせられる、かつワクワクする本でした。

  • 本好きにはたまらない一冊

  • ・探求のはじまるちょうど入口のところに、いつもモノとしての本がある。
    ・世界が狭い分、深くて広がりがある。
    ・リアル書店に行かないとできないことの一つは、本に囲まれた空間の中に身を置くこと。訪れる人を大量の本で包み込む。
    ・本をノートとしてみなす。道具として使い倒す。
    ・本とは「問い」をたてる力を養うもの。
    ・どう「本屋」を人生に取り入れるか。
    ・本屋は、他よりも相対的に集客力がある。
    ・自分が街の一部として、話しかけられる側の人間になる。
    ・本をできるだけ誠実に選ぶ。意志をもって差し出せそうな本を選ぶ。
    ・リアルの店で売れば魅力をアピールできる商品はたくさんある。
    ・できるだけ安く仕入れて、高く売る。なるべく余分な経費をかけない。これが商売の基本。
    ・古本を扱う方が、小売業らしいと言える。
    ・本屋は固定費の割合が多く、一番大きいのが、人件費と家賃だ。
    ・ジャンルは狭いが、間口の広い店。
    ・営業時間を短く絞ることも、意志をもった人しか来ないようにするための方法として有効。
    ・本屋B&Bの場合、イベントは基本2時間、前売りチケットは、1500円+ワンドリンク。
    ・手間のかかるわりに、本を売ることで利益をだすのはまず難しい。
    ・本屋はもともと誰でも気軽に入ることができる。これまでその店舗に入りにくいと感じていた層を、新たに取り込むことができる。

全19件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

内沼晋太郎(うちぬま しんたろう)
1980年生まれ。ブック・コーディネーター、クリエイティブ・ディレクター。NUMABOOKS代表、下北沢「本屋B&B」共同経営者。
海城中学校・高等学校を経て一橋大学商学部商学科入学。大学卒業後に入社した企業をすぐに退職し、往来堂書店でアルバイトとして働く。2003年、ネット古書店ブックピックオーケストラを設立。2006年末まで代表をつと、numabooksを設立。以後、小売・アパレル業でのブックセレクト&コーディネート、イベント運営、企画などを担う。2012年、下北沢にビールの飲める書店、B&Bを開業。
著書に『本の逆襲』『これからの本屋読本』など。

これからの本屋読本のその他の作品

これからの本屋読本 Kindle版 これからの本屋読本 内沼晋太郎

内沼晋太郎の作品

これからの本屋読本を本棚に登録しているひと

ツイートする