ビッグ・クエスチョン―〈人類の難問〉に答えよう

制作 : 青木 薫 
  • NHK出版
3.93
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本棚登録 : 468
レビュー : 35
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140817735

作品紹介・あらすじ

人類の未来に挑む、最後の書き下ろし!
天才理論物理学者ホーキング博士が生涯追い求めていたもの、それは誰にも解き明かされていない究極の問の答え(ビッグ・クエスチョン)だった。「人類は地球に住み続けるべきか?」「AIは人間を超えるか?」など10の難問への見解に加え、死の直前まで書き続けた未来を生きる人々への熱いメッセージ。累計100万部突破、世界40か国で刊行決定の話題作!

〈10のビッグ・クエスチョン〉
1 神は存在するのか?
2 宇宙はどのように始まったのか?
3 宇宙には人間のほかにも知的生命が存在するのか?
4 未来を予言することはできるのか?
5 ブラックホールの内部には何があるのか?
6 タイムトラベルは可能なのか?
7 人間は地球で生きていくべきなのか?
8 宇宙に植民地を建設するべきなのか?
9 人工知能は人間より賢くなるのか?
10 より良い未来のために何ができるのか?

感想・レビュー・書評

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  • 2018年に亡くなられたホーキング博士が生前に書きおろされた最後の本。「神は存在するのか」、「宇宙はどのように始まったのか」、「宇宙には知的生命は存在するのか」、「タイムトラベルは可能か」、「人工知能は人間よりも賢くなるのか」、「ブラックホールの内部にはなにがあるのか」等々、10の難問に対するホーキング氏の見解が述べられています。
    ホーキング氏はこれらの問題の「正解」を読者に与えようとするのではなく、敢えてちょっと過激な見解を述べることで、多くの人々にこれらの問題に関心を持ってもらい、自分なりの見解を持ってもらうことを望んでおられるように感じます。
    「ビッグバン以前には”時間”そのものが存在しないのだから、”神”が宇宙を創造する時間もなかった。故に神の存在を問うことは無意味だ」、「コンピューターウィルスは生命であると考えるべきだ」、「核戦争、あるいは気候変動により次の1000年のいずれかの時点で地球は人間が住めない環境になるのは避けられないのではないか」、「人類は地球を離れて宇宙に目を向けなければ絶滅の危険にさらされる」、「人間が制御可能なAIでなければ、増大するテクノロジーの力とそれを利用する知恵との競争に敗れてしまう」など、警鐘を鳴らす見解が多いです。
    AIにしても温暖化にしても、多くの人の無関心が最も危険であり、「科学を理解し、勇気をもって解決に向かて力を注ぐ世代が必要だ。勇気を持とう。知りたがりになろう。確固たる意志を持って困難を乗り越えてほしい」という一節が本書を通じて一番伝えたかった事ではないかと思います。
    非常に広い分野にわたる問題を扱った本書の翻訳は青木薫さん。自然科学系の翻訳だったら、この人しないない!と思える人です。ホーキング氏と青木薫さんという組み合わせの本書、期待通りの内容でした。

  • ホーキング氏の最後の著書。人類が抱える10のビッグクエッションについてのホーキングが理論物理学の観点から答える。一つ一つのクエッションは、「神はいるか」などなんとも哲学的かつ神秘的なものだが、これらに対してのホーキングの回答は、最先端の理論物理学を用いた実に数学的で現実的な回答になっている。自分の頭でクエッションについて考えつつ、良質な回答を得られる良書。

  • 2019/10/22

  • ホーキング博士のチャームポイントはその率直さにある。自らを世界一コネクテッドな人間と表現し、世界で最初に宇宙旅行に行く人間の一人になるといい、神=自然法則、シンギュラリティ=ある、核融合エネルギー待望・・等々、少しもウェットなところがなく原理に則りいともあっさり述べているところが大変面白かった。

    P29 収縮するブラックホールから放出され、ブラックホールが消滅した後に残された放射が、いったいどうすればブラックホールを作り上げたものに関する情報を運べるのかということだ。私が発見したのは、情報は失われないが、役立つような形では取り戻せないということだった。それはちょうど、百科事典を燃やしてしまい煙と灰を取っておくようなものだ。

    P33 私は世界で最も接続された(コネクテッドな)人間だと言ってしまおう。

    P43 私はアインシュタインと同じく、「神」という言葉を人格を持たない自然法則という意味で用いる。したがって、神の心を知るということは、自然法則を知るということだ。

    P45 (宇宙の作り方が書かれたレシピ本があったとして)第一の材料は物質、第二の材料はエネルギー、第三の材料は空間、それもだだっ広い空間だ。

    P82 「無境界(ノーバウンダリー)」の提案によれば、ビッグバンの前に何があったかと問うことには意味がありません。「前」を示すために必要な時間の概念がないからです。

    P85 生物には二つの要素がある。一つは生きて繁殖する方法をその生命体に教えるための一組の指示(遺伝子)もう一つは、それらの指示を実行に移すためのメカニズムだ(代謝) それらの要素が生物学的なものである必要はないということだ。コンピュータウイルスは生命体の定義に合っている。

    P94 人類の登場とともに、進化はDNAの発生に比肩する決定的に重要な段階に入った。言語、特に書き言葉が生じたのだ。書き言葉が生じたということは、DNAによる遺伝的なもの以外にも、情報を世代から世代へ伝えられるようになったということだ。[中略]本またはインターネットを介して伝えられる情報量は、DNAに含まれる情報量の十万倍になる。

    P96「進化」という言葉を内的に伝達される遺伝物質に対してだけ用い、外的に伝達される情報に対して用いることに異議を唱える人たちもいる。しかしその考えは視野が狭すぎると思う。わたしたちは単なる遺伝子以上の存在だ。私たちと彼ら(先祖)とを区別するものは、過去一万年間に、とりわけ過去300年間に蓄積された知識なのだ。

    P169 私は、非常に複雑な化学物質の働きが人類を知的にしているのなら、それと同じくらい複雑な電子回路がコンピュータに知的なふるまいをさせることは可能だと思う。そしてもしもコンピュータが知性を持てば、おそらくは自分自身よりもはるかに複雑で高い知性を持つコンピュータをデザインでいるようになるだろう。

    P198 私は宇宙旅行を楽しみにしていて、最初にチケットを買う人間の一人になるでしょう。

    P222 地球外生命がまだ接触してこないのは、私たちぐらいのレベルに到達した文明は不安定になって自滅するからだという説がある。

    P228 クリーンエネルギーを際限なく供給する核融合の発電が開発されてガソリン車から電気自動車に切り替わるのを見てみたい。

    P250 ホーキングは、様々なビッグクエスチョンに対する自分の答えを、世界に向かって発信した。後々間違いだったじゃないかと批判されることを恐れず、今の自分に言えることを勇敢に述べた。(解説)

    P253 どのビッグクエスチョンに対するホーキングの答えも、その基礎のところには何らかの原理的考察があり、それが彼の言葉に力を与え意見を魅力的に指定いるように思われるのである(解説)

  • ホーキング博士の人類、というか、地球の未来に対する期待や不安が詰まった本。科学好きの子供たちが増えてほしいと切に願いたい。ただ、帯にあるように、人類の疑問に答えようとか、そういうセンセーションな内容とはちょっと違って、ホーキング博士の遺言、というとちょっと重いけど、アドバイスだと思って読むといいんじゃないだろうか?

  • ・ホーキングは、間違いを恐れずにビッグ・クエスチョンに答えようとした。

  • 青木薫さんの訳が読みやすい。理解しやすく書かれているので、若い人は特に読んでほしい。

  • 学問の本質を再認識させてくれた。
    まるで物知りな近所のおじさんの話に夢中になる少年のような気持ちになった。
    分野が多岐に渡るのでそこまで深掘りされていないのが物足りなかった。私たちの知識欲を駆り立てるために敢えてそうしているのだろうか。

    「私たちは生まれながらの探求者だ。好奇心に駆り立てられて探求をする。」

    私の人生の軸の一つと言葉に巡り会えた。

  • こういったことを常日頃考えている人にとってはそこまで深い内容ではなかったが、読み終わると心が豊かになる本。

  • 宇宙のことは知らないことだらけで、それらの現状の回答が得られるのは非常に面白い。
    何年かしたら、解明される問題が増えていくと思います。

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著者プロフィール

スティーヴン・ウィリアム・ホーキング
1942年1月8日-2018年3月14日
イギリスのオックスフォードで生まれ。1957年、物理と化学を学ぶためにオックスフォード大に入学。その後ケンブリッジ大学大学院、応用数学・理論物理学科に進学。大学院在学中の1963年に「筋萎縮性側索硬化症」(ALS)と診断され、当時あと2、3年の命と宣告されたが、途中から病の進行が弱まったこともあり、精力的に活動を続けてきた。
1963年にブラックホールの特異点定理を発表し世界的に名を知られた。1967年論文「特異点と時空の幾何学」でアダムズ賞受賞。1974年に 「ブラックホールの蒸発理論」発表し、同年に史上最年少でイギリスの王立協会会員(FRS)となった。1977年ケンブリッジ大学の教授職を務め、1979年にはケンブリッジ大学のルーカス記念鋼材教授職に就任。1991年にタイムトラベルの不可能性などを説いた「時間順序保護仮説」を提唱。
1990年、1993年、2001年と度々来日して大きく報道されており、日本で最もよく知られる世界的科学者の一人でもあった。
代表作に、『ホーキング、宇宙を語る』。

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