- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140817735
感想・レビュー・書評
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ホーキングが生涯の最後に、次の世代に向けて書き残したかのような印象をうける。分量は体裁はかるい読み物だが、ホーキングは科学に対する信頼や底抜けの楽観主義とでもいうべきものによって、まさにビッグ・クエスチョンに真正面から取り組んでいる。
時空の始まりやブラックホールに関する章は、さすがに専門分野だけあって、噛み砕かれて書かれているものの難しい。一方、専門外のところはいたって読みやすい。ナノ宇宙船をレーザーでかっ飛ばして恒星間飛行をするプランは面白かった。アルファ・ケンタウリまで20年で行けるとか(止まれないのでフライバイするだけだが)。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
知識が足りなくてわからないことがたくさんあるけど、極力一般の人にも分かるように説明してくれていると思う。
宇宙にはすごく興味があるんだけど、宇宙について考えると死を感じることが多くて、怖くてなかなか読み進めることができなかった。 -
ホーキング博士が生前に残していた資料から作り上げた本。専門的な内容は個人的に分からないことが多かったが、広く見ると哲学的で面白かった。
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とても壮大で想像しきれない世界だった。
無神論者で宇宙開闢や進化論についてもギリギリと宗教界と切り結んでいた。
そこにブラックホールの研究が合わさると彼の業績は偉大なものだった。
六つの問い(神は存在するのか? 宇宙はどのように始まったのか? 未来を予言することはできるのか? ブラックホールの内部には何があるのか? タイムトラベルは可能なのか? より良い未来のために何ができるのか?)に対するスティーヴンの回答は、彼の科学に深く根ざしている。 -
ビッグ・クエスチョンとは、人間が問い続けてきた根源的な問いや、人類の未来を左右する課題など、人類にとっての難問のこと。
→「私たちはどこから来たのか?」「人工知能は人間より賢くなるのか?」など。
ホーキング博士は、理論物理学を使うことで、ビッグ・クエスチョンのいくつかに答えようとしてきた。
例えば。。。
■神は存在するのか?
・昔、宇宙は神が創造したとされていたが、今では全てを自然法則によって説明できる。
・宇宙は、エネルギーと空間からなる。これらは、ビッグバンと呼ばれる宇宙誕生の際に生じた。
・原子サイズ以下の小さな世界では、陽子などの粒子が、何もないところから現れる。
かつて宇宙はとても小さく、陽子と同様、何もないところから出現したと考えられる。
・宇宙の中で空間と時間は絡まり合っている。ビッグバンの瞬間、空間とともに、時間そのものが始まった。
・ビッグバン以前に時間は存在しないため、神が宇宙を創る時間もない。だから「神は存在しない」といえる。
■人工知能は人間より賢くなるのか?
・人工知能(AI)が人間よりうまくAIを設計し、自ら改良できるようになれば、人間より賢くなる可能性がある。
・AIの短期的な影響は、誰がそれをコントロールするかにかかっており、
長期的な影響は、AIはそもそもコントロール可能かどうかにかかっている。
・人類にとって良い社会を作るには、どんなAIにするのか、失敗が許されないため確実に人間が計画するようにしなければならない。 -
本を読む前にスティーヴンが主人公となっている映画「博士と彼女のセオリー」を見たため、スティーヴンの人柄などが少し分かっていた状態から、本に入った。
だが、科学に疎い私にとっては理解に苦しむところも多々あった。専門的な知識があるとよりわかるし、おもしろいのではないか。
だが、わからないと言って全てから目を背けてはいけないのだなと同時に感じた。
一つのことに対して追求し続けることができる人間は、強い。そして自分の周りにいてくれる人たちへの感謝、思いやりは常に忘れてはいけないと改めて思い知らされた。 -
ホーキング博士が、神はいるのか?などのビッグ・クエスチョンに答えてくれる本。
論理的というよりは、もう少しだけ大胆に飛躍した答えを出してくれているのが興味深いです。未来と人類の進化を見据えての回答に感じます。
なので、人類は宇宙に出るべきだし、AIなども活用して科学文明を進めるべきだという、大きな問いに対して大きな答えを出しているのではないかと思います。
おそらくそれは、博士がご自身の残り時間を考えて、我々に託した思い、希望なんだと思います。
訳者の青木氏には「フェルマーの最終定理」を面白く読ませてもらいましたが、本作も博士の特徴がよく分かる本になっています。 -
わたしには難解すぎる内容だったけれども、自分がいかに無知だったか、空の向こうに広がる宇宙に想いを馳せるのってわくわくするっていう、新しい感覚。科学のリテラシーの必要性は今まで考えたこともなかったけれども、勉強してみたい。想像力とやむなき探究心の大切さを知った。いつか読み返して、半分くらいは理解できるようになりたい。
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ホーキング博士の人類、というか、地球の未来に対する期待や不安が詰まった本。科学好きの子供たちが増えてほしいと切に願いたい。ただ、帯にあるように、人類の疑問に答えようとか、そういうセンセーションな内容とはちょっと違って、ホーキング博士の遺言、というとちょっと重いけど、アドバイスだと思って読むといいんじゃないだろうか?