本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (448ページ) / ISBN・EAN: 9784140817797
作品紹介・あらすじ
その「つながり」が大量殺戮を引き起こす!
SNSは戦争や政治のあり方を根底から変えた。個人の「いいね!」「シェア」は瞬時に拡散され、それによる憎悪の連鎖は世界各地で紛争や虐殺を起こしている。軍事研究とSNS研究の第一線で活躍する著者が、誰もが戦争の当事者となり得るリアルな恐怖を突きつける衝撃作。
解説:佐藤優
みんなの感想まとめ
SNSがもたらす新たな戦争の形を描いた作品で、個人の「いいね!」や「シェア」がどのようにして世界の紛争や虐殺に影響を与えているのかを探求しています。著者は、ポスト・トゥルース時代におけるフェイク・ニュ...
感想・レビュー・書評
-
原著にあった膨大な注がまるっとなくなっているのは辛い。原著の注も大概対照させにくいが。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
面白かったけど似たような話が繰り返し続いて長い。
-
第81回アワヒニビブリオバトル「きずな」で紹介された本です。オンライン開催。チャンプ本。
2021.11.21 -
事実誤認や裏付けのない情報を基にしたフェイク・ニュースの方が多くの人の感情を揺るがしているというポスト・トゥルース時代の到来について人類の通信手段の発展から説き起こす。今や「平和な国」の読者には荒唐無稽としか思えない世界の有り様を豊富な実例をもって語り、ISIS、トランプ大統領、ロシア国などを糾弾するのではなく、ソーシャル・メディアのここ10年間の急激な「発展」から現在のネット界の惨状が必然的に生み出された、という冷徹な事実を述べている。
-
ソーシャルメディアによる新たな紛争事例や社会撹乱現象を具体的に語る骨太な一冊。
-
こう、なんでも「戦争」と言ってしまうのは紛らわしくて好きじゃない。
バーチャルな世界から現実に致命的な影響を及ぼすと言う意味での、ソーシャルメディアの兵器化の実態を、豊富な実例とともに説明している。
似たテーマのものに、パトリカラコスの「140字の戦争」があり、こちらは文字通りの「戦争」におけるソーシャルメディアの用いられ方を書いているのに対し、本書は「戦争」と言う言葉が本来イメージさせるものよりもっと広い文脈におけるソーシャルメディアを扱っている。 -
いいね戦争というタイトルより、原題どおりの"兵器化するソーシャルメディア"の方が的確。インターネット黎明期からの出来事を振り返りつつその影響力と意味をとりまとめた書とすれば有益
-
【感想】
読みづらい。ただそれに尽きる。
具体例が悪い意味で多い。
本の内容のほとんどがソーシャルメディアで起こった動乱の説明だが、具体例を並べるだけで「結局何が言いたいのか」というのがまとまっていない。文体自体は平易で理解しやすいのに、議論があっちこっちに取っ散らかりまくっているため、相当に読みづらくなっている。
一応9章に結論は書いてあるが、それも漠然としており、目新しいものではない。今の時代に生きている人ならば「まあ、そうなるよな」と直感できるものである。「ここまで詳細に書きながら結論がこれか……」と少しゲンナリしてしまった。
幸いにも具体例そのものは面白いため、そのエピソードだけを楽しむという読み方のほうがいいかもしれない。
以下は1章の「開戦」と9章の「結論」をまとめたもの。
【本書のまとめ】
ドナルド・トランプ、ISIS、ギャング。
彼らはすべてソーシャルメディアの提供するフィードバックループに病みつきになる。自分達のメッセージを世界に広め、そのスピードが情報操作とプロパガンダとなり、争いの火種になるのだ。
今ではオンラインの情報が戦争を左右する。言葉が暴力を生み、言葉が人々を死に追いやっている。そして、それは世界のどこに住んでいようと直接降りかかる。
インターネットの5つのコア原則
(1)インターネットは思春期を過ぎた
(2)インターネットは戦場と化している
(3)インターネットの戦場は戦いかたを変える
(4)オンラインの戦闘は「戦争」の意味を変える
(5)誰もがこの戦争の一部だ
○情報争奪戦の歴史
電信、電話、ラジオ、テレビ。
様々な技術は、出現してからすぐに政治や戦争のために利用された。特にラジオが出現した後の世界大戦では、世界中で24時間、人間の思考、感情、考え方を掌握するべく、絶え間ない電波争奪戦が繰り広げられた。テレビは人々の投票行動を変え、政権への支持率すら操ることができた。
そしてインターネットとSNS、スマホが生まれる。
それまで、インターネットが完璧でも、ユーザーは二者択一を迫られた。現実の世界でインターネットから遠ざかるか、デジタルの世界で現実から遠ざかるかだ。しかし、スマホの登場でその壁がなくなった。ポケットの中からスマホを取り出してSNSを見れば、二つの世界に同時にいられるようになったのだ。
○秘密はどこにもない
人類史上初めて、誰にも気づかれないことがほぼ不可能になっている。私達に関することが私達によって送り出されている。誰もがニュースの一部になり、常に自分から共有しすぎる状態になっているのだ。
○「いいね!」戦争のルール
(1)現代の情報環境は変動して見えても安定してる
→インターネットが世界でも傑出した情報メディアなのは変わらない。
(2)インターネットは戦場である
→平和と理解をもたらすわけでは無い。
(3)インターネットの戦場は情報そのものについてどう考えるべきかを変える
→出来事の影響力は実際に発生する必要はない。偽情報であっても、それを信じるだけで力を発揮する。逆に、真実はたやすく覆い隠せるものとなる。
(4)政治と戦争がこれほど密接に関係する状況は過去に例が無い
→政治や戦争は情報戦になった。オンライン上の言論の攻防にますます影響されるようになる。
(5)誰もが戦闘に参加している
→共有する物、人全てが火種になる。
アメリカがいい例であるように、どの国も諸外国からのプロパガンダ攻撃を避けられない。その結果、情報リテラシー教育はもはや教育上のものだけでなく、国家安全保障上の急務になっている。基本的な保健教育と同じように、オンライン上で自分の身を守るスキルを身に着けるのは、家庭にも学校にも同様の責任がある。
同様に、ソーシャルメディア企業は自社のサービスの予期せぬ政治的・社会的・道徳的な影響について、先を見越して検討しなければならない。 -
-
野放図と化したSNSの現状を、これでもかというほどに生々しく見せつけられる一冊。SNSに対する距離感を、日常生活における位置づけを、今一度考えさせられる。SNSを一切使わないことが社会的な死を意味するのもまた事実であり、こういった二律背反の現状に、今後に対してどうするべきなのか、私たちは考えて議論していくしかない。
-
本当に戦争の本だった。より正確には、兵器としてのソーシャルメディアについて論述した本。キャッチーなタイトルだが、現実に差し迫った危機について書かれた本で、テーマは深刻。
-
副題のとおり、ソーシャルメディアの兵器化について論じた本。著者の一人P.W.シンガーは[ https://booklog.jp/item/1/4140811161 ][ https://booklog.jp/item/1/4140810106 ]等、新しい時代の戦争について興味深い本を書いている。
2000-2010年代頃、ソーシャルメディアは市民が権力と戦い、個々人が情報発信を介してフラットにつながる、社会を変える手段としてもてはやされた。その一つの頂点が、「アラブの春」。この運動においてはFacebookやTwitterが大きな役割を果たした。しかし振り返れば、それはまだ社会の大勢が新しい武器の可能性に気づいていなかっただけだった。
現在は各国の政府や組織が、ソーシャルメディアを使った戦いを繰り広げている。イスラエルとパレスチナは現実の戦争を戦いながら、同時に双方ともソーシャルメディアでの情報発信を続けた。こうした情報戦の効果により、現実の軍事行動にも影響が出たという。
一方で草の根活動が活躍できる余地もまだある。ベリングキャットもそれにあたる。誰もが記者となり、情報発信できる。しかしそれは本当に草の根なのか。ロシアがアメリカの大統領選挙において世論操作を行ったような、ソックパペットの可能性もある。また検閲もある。中国に限らず、すでにインターネットは自由な空間ではない。
ソーシャルメディアという戦場の武器は色々ある。バイラル性と物語性。物語はシンプルで分かりやすく、感情に訴えかけることが求められる。これらの多くが、沈着な判断や、粘り強い議論の末の相互理解とは相いれない。恐ろしいのは、p342-343で触れられる「騎虎難下」の問題。政府がソーシャルメディアを使って自国民を極端な愛国主義に誘導した結果、国際社会のわずかな挑発にも怒りを爆発させやすくなっており、党幹部自身も止めることができない。ソーシャルメディアが原因で現実の戦闘が引き起こされる可能性もある。もちろん、中国に限った話ではないだろう。
その上で著者は、ソーシャルメディア企業の責任に触れる。こうした企業の創業者の多くは、政治に関心を持たないテックマニアだ。しかし運営企業は、「中立」のふりをしてヘイトやフェイクニュースの氾濫に無責任でいることはできない。インターネットは思春期を過ぎた。
そして個々のユーザもまた、この戦争の一部である。何を発信し、何を信じ、何をシェアするかについて無責任ではいられない。 -
-
4chanはこのテーマで話題が上がるほどのサイトなんだな。
-
私たち(一般市民)自身、既に無自覚のうちに「戦争の当事者」となっている。
メディア関係者は、自らが戦争当事者であるとの自覚を持っているか。戦時国際法(Law of War)、交戦規定(Rules of Engagement : ROE)等について、自らの課題として学んでいるのだろうか。 -
あらためて、自分の住んでいる世界の変化、身近ではないところで起こっているたくさんの知るべき事実を知りたい人にオススメしたい。
タイトルの通り、これまでの世界にSNSが登場したことで、誰もが最新の情報に触れられるようになったこと、そして、そこには客観的事実よりも「個人の目」が決めた正義が溢れており、正しい・正しくないの基準が受取手次第となったことから始まる様々な争いに、SNSが使われるようになった事例が多く記載されている。
見聞きしたことで、記憶にあることが沢山書かれているだけだろうと思って手にし、分量に「しんどいかな」と思っていたが、思いのほか新たに気づかされる背景や、その詳しさに、非常に面白みを感じた。
本棚登録 :
感想 :
