「生きがい」と出会うために: 神谷美恵子のいのちの哲学

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  • NHK出版
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本棚登録 : 85
感想 : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140817995

作品紹介・あらすじ

喪失の時代、私たちを支える「他者」との邂逅

古今東西の哲学者、宗教家、詩人、作家、そして無名の人々の言葉を引用し、「生きがい」とは何かを論じた神谷美恵子の『生きがいについて』。刊行から50年以上読み継がれるこの一冊は、神谷美恵子の生涯や他の作品に照らすとき、作家自身の精神的自叙伝としての姿を現す。誰かのために、何かのために必要とされることこそが「生きがい」であると考えた神谷は、一度は見失った「生きがい」をいかにしてふたたび見いだしたのか――。東日本大震災という「大きな喪失」を経験し、新型コロナウイルス禍という試練のなかにあって、わたしたちが「生きがい」を回復する方法について考える。

感想・レビュー・書評

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  • 〈本から〉
    社会を離れて自然に帰るとき、そのときにのみ人間は本来の人間性にかえることができるというルソーのあの主張は、根本的に正しいに違いない。

    自然の声は、社会の声、他人の声よりも、人間の本当の姿について深い啓示を与えうる。

    人間に生きがいをあたえるほど大きな愛はない。

    一個の人間として生きとし生けるものと心を通わせるよろこび。ものの本質をさぐり、考え、学び、理解するよろこび。自然界の、かぎりなく豊かな形や色や音をこまかく味わいとるよろこび。みずからの生命をそそぎ出して新しい形やイメージを作り出すよろこび。ー こうしたものこそすべてのひとにひらかれている、まじり気のないよろこびで

    いかに生きるかではなく、いかに生かされているか

    わたしたちが生きることからなにを期待するかではなく、むしろひたすら、生きることがわたしたちからなにを期待しているかが問題なのだ、ということを学び、絶望している人間に伝えねばならない。

    生きがいを失ったひとに対して新しい生存目標をもたらしてくれるものは、何にせよ、だれにせよ、天来の使者のようなものである。

  • とてもいい本でした。
    わたしの生きがいは何なんだろう…

  • 東日本大震災や新型コロナウイルス禍といったさまざまな困難のなか、失われた「生きがい」をいかに取り戻すか―。岡山県のハンセン病療養施設・長島愛生園で精神科医として働いた神谷美恵子が、『生きがいについて』等の著作で描き出した「極限状況を生きる患者たちの姿に見出した希望」をヒントに、私たち自身にとっての生きて行く意味を考える一冊。【目次】
    はじめに―「生きがい」との出会いを求めて
    第1章 「生きがい」とは何か
    第2章 名無き賢者たちとの協同
    第3章 避けがたい試練と向きあう
    第4章 生きる希望はどこにあるのか
    第5章 生きがいをつなぐ
    おわりに―平凡な心のくみかえの体験
    天来の使者

  • “神谷が精神医学を志したのは、真の意味で「人間」の姿に出会うためだった。しかし、いつしか、精神医学そのものを目的としてしまい、最初の志を忘れてしまったのではないのか”
    私も鍼灸そのものを目的としてしまい、志をつい忘れがちになる。

  • 2021I048 289.1/Wa
    配架場所:A3 東工大の先生の本

  • 神谷美恵子さんの「生きがいについて」の解説を、東工大の若松先生が著したもの。「生きがいについて」はそんなに難しいものではないが、やはり専門家の解説があると理解が深まる。「生きがいについて、失うことと、見失うことは違う」「生きがいを見つける人生は、旅行ではなく「旅」である。決まった目標地も日程もない」「生きがいは到達すべき一地点ではなく、旅を進める一歩一歩」「ハンセン病患者という特殊な人間がいるのではなく、それを生きている個々に人間だけが存在する」「生きがいは、しばしば心の熾火となって存在している。消えているわけではない」「生きがいとは「朝」のようなもの。毎日夜が来て朝が巡ってくるが人々はそれに気づかない」

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著者プロフィール

1968年新潟県生まれ。批評家、随筆家、東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授。慶應義塾大学文学部仏文科卒業。2007年「越知保夫とその時代 求道の文学」にて第14回三田文学新人賞評論部門当選、2016年『叡知の詩学 小林秀雄と井筒俊彦』(慶應義塾大学出版会)にて第2回西脇順三郎学術賞受賞、2018年『詩集 見えない涙』(亜紀書房)にて第33回詩歌文学館賞詩部門受賞、『小林秀雄 美しい花』(文藝春秋)にて第16回角川財団学芸賞、第16回蓮如賞受賞。その他の著書に『悲しみの秘義』(文春文庫)、『種まく人』『詩集 美しいとき』(亜紀書房)、『詩と出会う詩と生きる』『14歳の教室 どう読みどう生きるか』『考える教室 大人のための哲学入門』(NHK出版)など。

「2022年 『NHK出版 学びのきほん はじめての利他学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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