NHK100分de名著ブックス アンネの日記 言葉はどのようにして人を救うのか
- NHK出版 (2022年9月24日発売)
本棚登録 : 347人
感想 : 30件
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784140819166
作品紹介・あらすじ
苦難の日々を支えたのは、自らが紡いだ「言葉」だった。
第二次世界大戦下の一九四二年、ドイツからオランダに一家で移り住んだアンネ・フランクは、十三歳の誕生日に父親から贈られた日記帳に、思春期の揺れる心情と「隠れ家」での困窮生活の実情を彩り豊かに綴った。そこに記された「文学」と呼ぶにふさわしい表現と言葉は、コロナ禍に見舞われ、戦争を目の当たりにした私たちに静かな勇気と確かな希望を与えてくれる。
【以下「はじめに」より】
本書では、『アンネの日記』が本来持っている文学的な豊かさについて、真正面から考えてみたいと思います。思春期の少女が、なにを考え、それをどのように表現したのか。ここにはみずみずしい青春の息吹がみなぎっています。(略)これほどリアルな少女の声が胸に響いてくる文学を、わたしは他に知りません。
みんなの感想まとめ
苦難の中で言葉を紡いだ少女の物語は、ただの悲劇ではなく、深い文学的価値を持っています。『アンネの日記』を新たに読み解くことで、思春期の揺れ動く心情や、困難な状況下での自己肯定感、ユーモアを忘れない姿勢...
感想・レビュー・書評
-
『アンネの日記』は、ほぼ強制収容所に送られた悲劇の少女の話として、曖昧な記憶の中にあります。
しかし、「世界記憶遺産」「世界で最も読まれた10冊」として有名な『アンネの日記』を、あまりにも狭く浅い読み方をしていたなと、愕然としました。
小川洋子さんに、単なる暗く可哀想なだけの話ではない優れた文学で、作家を目指す原点とまで言わしめた『アンネの日記』。小川さんの分かりやすい文章は全て腑に落ち、『アンネの日記』と出会い直すきっかけをいただいた気がします。
特に、「架空の友人に宛てて書く構図をとり、客観的な視点を確立したことで、この日記は文学にまで昇華した」というくだりが、胸深く刺さりました。
本書は、10年前のTV放送時のテキストを底本とし加筆・修正、特別章等を追加、NHK「100分de名著」ブックスとして2022年に刊行されました。
改めて、13〜15歳の少女の生の声やその瑞々しい息遣いに、そして決して絶望せず、強い自己肯定感にあふれ、悲惨な状況下でユーモア精神を保っていた様子など、感心することばかりです。
『アンネの日記』がもつ奥深い世界‥‥この中に、困難な時代を生き延びていくヒントが隠されていそうです。再読の覚悟以上に、私的には、小川洋子さんの解説文章に陶酔してしまった感があります。
あまりの名解説ぶりに、日記そのものはもちろん、中学生に本書を読んでほしいと切に願います。
この機会と思い、NHKオンデマンドにて『100分de名著』 25分×4回分の番組を視聴してみました。巧みな構成と演出でアンネの実像に見事に迫っています。
伊集院光・武内陶子の司会、満島ひかりの朗読、アニメーションの活用等もよかったのですが、やはり講師の小川さんが、付箋だらけのご自分の『アンネの日記』を脇に置き、慈しむようにアンネを語る生の声に、引き込まれました。
※本書に今年巡り会ったのは偶然でしょうか‥‥
1944 アンネ最後の日記(80年前)
1994 小川洋子さんアンネを辿る旅(30年前)
2014 NHK 「100分de名著」で、「アンネの日記」放送
(10年前)
2024 (勝手に運命を感じ)本書読了・番組視聴 -
「NHK100分de名著」で作家の小川洋子さんが解説され、まとめられたものです。解説というか、小川さんの『アンネの日記』への熱い思いがあふれた本でした。
小川さんは『アンネの日記』には、文章の奥に宝石があると書かれています。その宝石は掘っても掘っても尽きることがないと。
ご自分が「死の床についてもなお、この一冊は手の届く場所に置かれれるでしょう。」とも書かれていました。
本書は、本とコさんのレビューで知りました。ありがとうございます。
本とコさんが、胸に深く刺さったと書かれて、引用されている小川さんの文章「日記は文学にまで昇華した」に、わたしは強く惹かれました。
わたしは「文学」がイマイチよくわかりませんが、知りたい気持ちがあるからでしょう。
「昇華」とは、文学でないものが文学に状態変化することなのでしょうか。それが起きたことに驚きました。
小川さんの文章を読むと、わたしは書名を知っているだけで、『アンネの日記』の本当のことは何も知らなかったことがよくわかりました。
わたしはただ、ナチスの理不尽なユダヤ人迫害の犠牲となった少女の、辛く暗い悲しい話であり、その日々を「記録」した日記だと思っていました。
しかし、小川さんは、悲劇的な状況は事実としてありながらも、『アンネの日記』はそれだけではないといいます。
アンネは日記を書き始めて約1ヶ月後、自由が制限された隠れ家生活に入ります。その時、アンネはまさに思春期をむかえ、心と体が大きく変化し、両親との関係も微妙に。そして、隠れ家の外ではナチスによる死の恐怖がありました。このような、何重もの困難な状況に彼女は直面していたのです。
このような何重もの困難のため、隠れ家のなかでアンネは、のんきな普通の少女から、否が応でも大人になってゆきます。
それとともに、リアルタイムで記された彼女の日記は、気楽な少女の日記から、自らを救うための文学作品に変わっていった、と小川さんは述べられています。
本書にも載っていますが、アンネの写真は、すべて隠れ家に入る前のものだそうです。隠れ家を出ざる終えなかったときの彼女の姿はどんなだったのでしょうか。この事実に胸が痛みます。
本書を読んで、作家アンネ・フランクルと文学作品『アンネの日記』が生まれたことは歴史的奇跡とも呼べるようなものであったと感じました。
わたしも小川さんの熱いメッセージにふれ、アンネの「声を聴き」たいと思いました。
ブクログを始めたわたしが、まさか『アンネの日記』を読もうと思う日がくるとは、自分でもびっくりです。-
けよしさん、こんばんは♪
レビューの温かな文章を拝読し、また感動が
呼び起こされました。ありがとうございます(^^)けよしさん、こんばんは♪
レビューの温かな文章を拝読し、また感動が
呼び起こされました。ありがとうございます(^^)2024/10/30 -
本とコさん
コメントありがとうございます!
すばらしいレビューのおかげで、よい読書ができました。本当にありがとうございます。アンネを知り、...本とコさん
コメントありがとうございます!
すばらしいレビューのおかげで、よい読書ができました。本当にありがとうございます。アンネを知り、また読書の幅が広がって、一歩すすめます。
\(^o^)/2024/11/01 -
本とコさん
コメントありがとうございます!
すばらしいレビューのおかげで、よい読書ができました。本当にありがとうございます。アンネを知り、...本とコさん
コメントありがとうございます!
すばらしいレビューのおかげで、よい読書ができました。本当にありがとうございます。アンネを知り、また読書の幅が広がって、一歩すすめます。
\(^o^)/2024/11/01
-
-
言葉は、人の心を救い、生きる支えになるもの
そのことを強く感じた
アンネにとって隠れ家での生活は、不安と恐怖に満ちた毎日だった
その中で日記は、誰にも言えない本音を打ち明けられる大切な存在であり、アンネの心を救っていたのだと思う
ユーモアを忘れず、時には厳しい言葉で感情をあらわすアンネの姿から、彼女が必死に生きていたことが伝わってきた
また、反抗期の影響で母親とうまくいかなかったことなど、人間らしい一面を知ることができた
私はアンネの話は知っていたが、実際に日記をきちんと読んだことがあったのだろうかと考えさせられた
アンネが日記を書き残したからこそ、私たちは彼女の気持ちを知ることができる
しかし、姉のマルゴーや、隠れ家で共に生活していたペーターが日記を書いていなかったため、彼らの思いは分からない。そのことから、言葉として残すことの大切さを感じた
アンネは「わたしの望みは、死んでからもなお生きつづけること」と書いている
この言葉を読んだとき、私はアンネが自分の未来を予言していたのではないかと不思議に思った
収容所では日記を書くこともできず、どれほど苦しかったのだろうか
しかし、アンネの日記は今も世界中で読まれ、彼女の言葉は生き続けている
アンネの日記は、言葉が人を救い、そして人を死後も生かし続ける力を持っていることを教えてくれた -
アンネの日記を小川洋子さんの視点から解説してくれている本。
大体のことを「へぇ〜」と「ふぅん」で右から左へ受け流す傾向があり、そんな薄っぺらな自分を変えたいけれど、「感性」なんてコントロールしようと思って出来るものでもなく、自分の人としての浅さを残念に思ってしまう。私のような底の浅い皆さん!そんな人たちに是非読んでほしい。
アンネの日記の一節が、小川洋子さんの感性を通すとこんなに広がっていくものかと驚き感心してしまう。同じ本を読んでも人によってこんなに得るものが違うのかと惨めな気持ちにもなる。(小川洋子と比べるなという話ですが)。
自分だけでは物語の世界をここまで広げられないので、本の読み方指南書的な位置付けとして良い本だと思う。
小川さんが、隠れ家同居人のペーターの心境に心を寄せているところと、「アンネは日記を書くことで苦しい現実を物語化し、なんとか心の均衡を保ってきた」という解説が心に刺さった。
小川洋子さんの美しい言葉選びと豊かな感性に、熱烈なファンがいる理由が少しわかった気がする(すみません今ごろ…) -
とても良い本だった。
2ヶ月前にオランダ・アムステルダムへ行き、アンネ・フランクについて触れたことをきっかけに、帰国してからホロコーストについての本・映画・ドラマ・ネット記事を読んだり見たりし続けている。アンネの日記をきちんと読む前にこの本を手に取った私ですが、読む前でも読んだ後でも楽しめる1冊だと思う。アンネの日記に惹かれ人生を通して助けられてきた小説家が、あの日記に対しての尊敬の念と愛情をたっぷりこめて紹介し解説してくれて、読んでいてとても楽しかった。 -
私も読んで触れてみたかった…!
閉塞感ある隠れ屋の中でも
生きる希望を失わず 真っ直ぐに
世界を観ていたアンネ
アンネから観た世界はどのように
映っていたんだろう…
8月中に1冊は 戦争の作品に触れてみようと思い
今年はこちらの作品を読むことに決めました
あの時代 あの限られた人たちの中で
日記を通して 少女から大人へと
成長していったアンネ
日記で綴った自分自身の言葉に
時には励まされながら
決してユーモアを忘れなかったアンネ
小川洋子さんの感性で 抜粋された
アンネの日記の言葉に何度もウルウル…
私も自分自身を見つめるきっかけになりました
この本に出会えたことに感謝です!! -
10代の少女の文章から伝わる、生活とそのときの空気。
文学の力。
読み返すほどに深まる、戦争というものの恐ろしさと、どんな困難な最中にあっても文学や学びを求める気持ちや、人が人を守ろうとする姿。
人の尊厳や、尊厳を守るということについて深く考えさせられる一冊でした。
-
自分の置かれた状況がどうにもならない時に、文章や言葉にすることで、思わぬ気付きや救われることがあるのだと思いました。
アンネの感性の豊かさに敬服です。
-
◆自分の人生にとって一大事が起きている最中にも、自分以外の世界を観察している。
◆日記と向かい合ったとき、彼女は大人になったのです。「言葉を探す」という作業が、彼女を年齢以上に成長させたのだと思います。
◆真理を描くとき、そこに必ずユーモアが生まれます。人間が一生懸命に生きている姿は、やはりほはえましい。
◆隠れ家にあって肉体的には外へ行けないぶん、観察と考察の対象は自分へと向かいます。内側へずっと深く降りていく。逆にいえばこの環境が、彼女を普通の女の子より早く大人にさせたのだと思います。
◆彼女たちは隠れ家で徹底的に静かな生活を余儀なくされていたにもかかわらず、静謐さが貴重だという。外に出て思いっきり走り回りたい欲望より、ペーターと二人、無言で自然の光を静かに浴びる喜びの方が勝ると感じているのです。
◆ペーターは恋をしてどんどん視野がアンネだけに集中します。一方アンネはむしろ視野が広がり、さまざまなことが見えてくる。
◆ペーターも、アンネと同様、生き延びるために急いで大人になったのです。
◆不自由な中で自由を得る方法が書くことであるーー。 -
-
『アンネの日記』は歴史の授業で習ったりと存在は知っていましたが内容までは全く知りませんでした。最初の入り口として分かりやすそうな本書を手に取りました。
10代とは思えない、大人も舌を巻く文章力や表現力、何より人生の価値観がありありと溢れている内容だと言うことがわかりました。
好きな言葉は本書のp105に出てくる、
「じっさい自分でも不思議なのは、わたしがいまだに、理想のすべてを捨て去ってはいないという事実です。(中略)いまでも信じているからです―たとえいやなことばかりでも、人間の本性はやっぱり善なのだということを。」
というアンネの言葉です。差別的な扱いを受け、学校にも通いたくても通えない、隠れ家生活を余儀なくされる、そんな原因を作ったのはまごうことなきナチスドイツ軍なのに、同じ人間なのに、そんな相手にも性善説を信じて希望を見出だしているのが、アンネのすごい所だと思います。
そんな『アンネの日記』の魅力を私に教えてくれたのは100de名著を記した小川洋子さんです。まとめ方や伝え方がとても分かりやすかったです。
いつか、完全版を読んでみようと思います。 -
100分de名著をたくさん読む。を目標にしました。記念すべき一冊目。
原書は有名だけど読んだことないし、けっこうネガティブな評判を聞いていたこともあり、読もうという気持ちもなく。。
泣きました。号泣。
いろいろ考えさせられたけど、感銘を特に受けたのは、迫害を受けている中でもユダヤ人たちがなにかを学ぼうとする、その尊い力。
大人から子供まで、未来があると信じて学ぶ意味を見出し外の世界とつながろうとする。
ユダヤ人が優秀で成功者が多いその一端を見た気がしました。
-
すばらしかった
「紙は人間よりも辛抱強い」
言葉は心を外に放つ通路
ことばは、希望あり光であり宝 -
アンネは自分と年が近いので共感する部分が多かった。時代が違えば彼女は幸せになってただろうと思うと切ない。
-
辛かった時期に読みたかった。言葉にすることで人はこんなにも救われるのだということを、希望が持てるのだということを、もっと早く知りたかった。
-
小川洋子さんの拠り所のような本である「アンネの日記」
「アンネの日記」はまだ人生で完読してないので、こちらを読んでみた。アンネが日記を書くことを通して自分を客観的に捉えていたり、過酷な状況下でもユーモアを交えて文章を書いている早熟さを感じた。 -
小川洋子さんの綺麗な文章で世界的有名なアンネの日記について文学的な視点から説明していて非常にためになる解説本であった。
-
知ってるけど読んだことのない、アンネの日記。
読んだあと、今世界で起こっている戦争を思うと、複雑な気持ちになった。
自分は同じ場合に、こう強くあれるか、とも思う。 -
小川洋子さんといえばアンネの日記。
時代背景も踏まえて日記の記述を紐解きながら、アンネ・フランクという一人の才能ある少女が生きた軌跡を丁寧に追う作品。
久しぶりにアンネの日記の文章に触れたけど、大人になってから読むと確かに印象が違うなあと感じたので改めて読み返したくなったし、ホロコースト文学にも興味を抱いた。
当時の時代背景についても平易なことばで簡潔に分かりやすく説明されており、小川洋子さんのさすがの文章力を感じる。
これ、NHKの番組として放送されてたということ?観たかった………!! -
邦語訳も素晴らしいのかも知れませんが、15歳のアンネのイキイキとした表現、時にドキッとする文学表現は正に名作です!
この本が好きな人におすすめの本
著者プロフィール
小川洋子の作品

こんばんは♪
ご紹介いただき、ありがとうございます。
この日記は文学にまで昇華した、にとてもひかれました。
わたしも...
こんばんは♪
ご紹介いただき、ありがとうございます。
この日記は文学にまで昇華した、にとてもひかれました。
わたしもぜひ読みたいと思います(^^)/
コメントありがとうございます!
『アンネの日記』の名作たる価値を探り、さらに
高めた小川洋子さんの功績は大きいと思...
コメントありがとうございます!
『アンネの日記』の名作たる価値を探り、さらに
高めた小川洋子さんの功績は大きいと思いました。