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Amazon.co.jp ・本 (316ページ) / ISBN・EAN: 9784140840436
みんなの感想まとめ
日本人の「あの世」観を深く掘り下げるこの作品では、縄文時代から続く独自の死生観と、仏教の浄土思想との関係が探求されています。著者は、縄文文化に根ざした「あの世」観が、時代を経て浄土教に受け継がれた経緯...
感想・レビュー・書評
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「あの世」観を以って日本人の心に刷り込まれたプリミティブな思想を考察する。テレビ番組で講義した内容を書き起した文とのことで、強引に纏めると、八百万の神から、神仏一致を経て、無阿弥陀仏で成仏するという「あの世」観の変遷が解説されている。特に法然と親鸞により培われた浄土思想に紙面を割いていて、なんだかんだ言っても、聖徳太子以来の日本の主流信仰は仏教なのかと思わせられた次第だ。
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今でこそ、日本の文化の基層には、一万年以上続いた縄文文化が根づよく横たわっているという説は、ほぼ認められたといっていいが、このような説が受け入れられていく過程で著者・梅原猛の果たした役割は大きい。するどい直観と洞察力をもとにアイヌ語と沖縄古語の比較などにより、学問的な裏づけも行い、また考古学者など各分野の専門家との対話を通して、この説を説得力あるものにしていったのである。
著者は、日本人の「あの世」観は、縄文時代以来の「あの世」観が連綿と受け継がれているという。太陽や月、そして生きとし生けるものすべてが、この世からあの世、あの世からこの世へと、永遠の循環の旅を続けている。これが日本文化の根底をなす、縄文時代からの日本人の世界観であり、死生観であるという。
一般に、日本人の「あの世」観に深い影響を与えたのは仏教の一派・浄土教だといわれる。確かに浄土教は、日本の主流仏教となったが、浄土教が主流となったのはほぼ日本だけであり、なぜ日本で浄土教が主流となったのかという謎がのこる。著者は、仏教伝来以前から日本に存在した縄文的な世界観にその理由があるのではないかという。魂の不死とその永遠の循環という縄文時代以来の信仰が、無意識のうちの浄土教へと流れ込んでいったからこそ、浄土教が日本の主流仏教となったのである。
一万年以上も続いた土着の文化は、外来思想が入ってきたからといって、かんたんにどこかへ消えてしまうものではなく、少しずつ形を変えながらも文化の底流となって生き続けていく。個々の具体例を通して、そんなことが実感され、縄文時代人が急に身近に感じられたりする本だ。
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