- Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140842225
感想・レビュー・書評
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六朝時代の大詩人・陶淵明の作品集。
NHK漢詩紀行の石川忠久による編集です。
杜甫・李白ら唐代の大詩人や、蘇東坡などそれ以降の高名な詩人たちが挙って讃え、日本でもよく知られた詩人です。
唐代以降の漢詩は、事実上この陶淵明に始まると言っていいでしょう。
中国文学の巨大な流れの一つを作り上げた先駆者です。
宮仕えを潔しとせず、早くに郷里に帰って農に勤しみ、その傍ら多くの名詩を残した晴耕雨読の生涯は、中国人が理想とするものでした。
日本文学においても、奈良時代以降には多数の和歌の題材となり、江戸時代の松尾芭蕉や与謝蕪村の俳句、さらには明治の夏目漱石にまで大きな影響を与えました。
「帰去来兮辞」、「帰園田居」、「桃花源記」、「読山海経」、「飲酒」などの名詩を多数収録。
ただし陶淵明の生き方は、逆に言うと役所勤めを続ける忍耐力が無く、人付き合いも苦手な方だったのが原因のようですね(;^_^A
世間の荒波からトンズラして、気楽な田舎暮らしに逃げ込んだということは、本人も認めていますw
結果的には大文学者として歷史に名を残しましたが、本人は偉大な先祖や立派な一族に対して、自身のぐうたらぶりを恥じていたようです(^O^;
ニン、トン♪詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
先月の話だが、お茶のお稽古に行ったら、床に飾られていたのが「悠然」の軸。先生に伺ったら陶淵明の詩から取られた一語と言う。漢詩は高校でちょろっと習った程度で碌に知らない。で、陶淵明詩選を借りてみた。くだんの「悠然」は『飲酒 二十首』の『其五』から取られた。これが陶淵明の作品を代表する詩の1つであるようだ。中でも有名なのが「菊を東籬の下に采り 悠然として南山を見る」の二句。晩秋の情景をゆったりと切り取って見せたもの。その他、有名なものとして、「帰りなん いざ」の『帰去来』、桃源郷を描いた『桃花源記』がある。官職を投げ打って、隠遁生活を楽しみ、酒に親しんだ詩人。後世にも大きな影響を与えた。この本に関しては、主だった詩について、原文、書き下し文、現代語訳、用語解説がつき、入門書としてはまぁ読みやすいのではないかと思う。*ちょっと漢詩を読むというハードルが高くて消化不足な感じ。とりあえず、頭の中に「陶淵明」というラベルがついた引き出しを作った程度。またどこかで名前を目にしたときにはすぐ思い出せるかな、というとっかかりにはなりました。*なわけで、「すばらしい!」とか「いまひとつ・・・」とかわかる段階でないので、未評価です。