セロトニン欠乏脳 キレる脳・鬱の脳をきたえ直す (生活人新書)

著者 :
  • NHK出版
3.19
  • (5)
  • (10)
  • (42)
  • (6)
  • (1)
本棚登録 : 198
感想 : 18
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140880937

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • セロトニンを増やす方法、その効果

    〇セロトニン神経がしっかり働いていますと、不安にもならず、舞い上がりもせずに、平常心で生活できるということになります。
    ☆今回覚えておくべき神経は3つ。
    ①ノルアドレナリン神経 不安やストレスと関連
    ②ドパミン神経 快、報酬、欲望と関連
    この2つを抑制しているのが③セロトニン神経
    セロトニン神経って癒し効果だと思っていたけど、2つの神経を司っていたわけだね。
    そしてこの3つの神経は脳幹にある。

    〇呼吸法(腹筋呼吸)の基本です。ともかく、腹筋を絞って、吐いて、吐いて、吐き切ることからスタートすればよいことになります。(p70)
    ☆いずれにしても、リズム運動は有効。ただし、呼吸もリズム運動も意識することが大事。リズム運動なら、ウォーキング、水泳、太鼓の演奏など、なんでもOK

    〇ポイントを1つだけあげるならば、腹筋を絞るときに、肛門に力を入れると、下腹部中心の呼気ができます。
    ☆やってみよう♪

    〇強い太陽光は短時間に浴びるのが効果的なようです。長時間浴び続けると、セロトニン神経の自己抑制機能が全面に出てしまい、むしろ心身の状態は元気がなくなる方向に作用すると考えられます。(p153)
    ☆なんと。でも、そうだよね。真夏は疲れるもの。長時間外はだめ!!そして太陽光はOKだが、電灯は効果なし。

    〇セロトニン合成の材料はトリプトファンです。トリプトファンは必須アミノ酸で、体内では作られません。したがって、食べ物から摂取するほかありません。トリプトファンを多く含む食物は、バナナ、納豆などの大豆製品、チーズなどの乳製品です。(p154)
    ☆これらの食物を意識して食べると、セロトニンの合成が活発になるので、セロトニン神経がよく働くようになる。

    〇食べ物から摂取されたトリプトファンが、血液を介して脳内へと入りやすくするには、耐水化物中心の食餌がよいとされます。(p155)
    ☆食べ物から摂取したトリプトファンを脳に送るのに、炭水化物を食べると良い。というか、炭水化物が多いと、脳内にトリプトファンが取り込まれにくくなるとも。これは意外だったなあ。タンパク質結構重要視していた。いつ食べるのか、何食べるのか、最適化していきたいね。

  • フォトリーディング後、熟読。
    セロトニン神経というのがあって、これを鍛えることによって高僧のような「動じない心」を得られるとの事。その鍛え方は、日光を浴びる事(30分以上だと抑制が働くので注意)、ガムをかむ事(咀嚼がセロトニンを出す)、リズム運動をする事(呼吸法)との事。100日続けると鍛えられ、その後は3年を目指す、という内容。

    日光浴とビタミンDの形成について調べたかったので購入したが、期待は外れたものの思わぬ収穫を得た感じ。星四つ。

    下記に付箋を貼った個所を要約を載せる:

    42(まで):ゲーム脳やキレる脳は、前頭前野の未発達。前頭前野は感情(情動)をコントロールする腦。

    48-49:セロトニン神経は脳幹にある。オーケストラの指揮者のような脳で、脳全体の雰囲気をつくる。

    80:呼吸法を意識するときは肛門を閉める。すると横隔膜までつながる筋肉が動く。

    91:目を閉じればすぐ出るα波は、リラックスの脳派。一方呼吸法で出現するα波はすっきりとした感覚の脳派。

    94:セロトニン神経が活性された後の尿にはセロトニンが出ている。

    111:セロトニン神経が鍛えられると、全身の抗重力筋が刺激され、姿勢が正しくなり顔にしまりが出る。

    112-113:セロトニン神経が活性化した時の感覚は、丹田に意識が向き、頭の先から足の先まで、ズドーンと柱が立つような感覚になる。

    115-116:セロトニン神経が活性化していない人の状態はちょうど鬱の人の状態。やる気がなくどよーんとし、姿勢も表情も鈍化する。

    148:禅寺では夜明け前に全を組む。夜明けで日光を浴び、一時間たつと抑制効果が出て、セロトニン神経が鈍化するからではないか。

    186-189:はっとした時にはセロトニン神経が止まる。それゆえに海馬が働き、記憶しておかなくても良い事を受け入れてしまう。精神病の人はセロトニン神経が止まって、余計なことをくよくよしてしまう。

  • プレジデントオンラインで「不倫した妻に土下座する夫」の話が論じられていました。
    その記事を目にした時に一瞬ちょっと良く意味がわかりませんでした。

    不倫した夫が妻に対して土下座するのであれば意味はわかるのですが、今回不倫したのは妻であって、その妻に対して土下座するのは夫なのです。

    想像するに、「私がこうなってしまったのは一体誰のせいなのよ!!」などと大激怒する妻の姿があり、別れられたら困る夫はオロオロして、「ごめんなさい!ごめんなさい!!」といった状況でしょうか。

    私は結婚したことがないので、良くわかりませんが、もしそういう状況に置かれたらあまりかっこが良いこととは思いませんが、私も多分土下座するでしょうね。
    自分が大好きな奥さんが自分を捨てることなど考えたくないものでしょう。

    そうならないために、どうするかということで仮説を立ててみました。
    名付けて、「不倫土下座問題に関するチューインガムの有効性」です。

    結論からご紹介しますと、夫がチューインガムを噛むことにより、そんな状況でも毅然とした態度を取れるというものです。むしろ、毅然とした態度をとれればいいなという願望のニュアンスが強いわけですが・・・

    チューインガム・・・、どうしてでしょうか。

    不倫した妻を離したくない、しがみつきたい心理として大きな問題は行動経済学でいう現状維持バイアスが強い人間なのではと考えました。

    現状維持バイアスというのは現状を維持したいという強い気持ちがある性向で、それは少なからず誰にもあるものです。

    どうして現状にしがみつきたいかというと新しい環境に対する不安が強いからです。新しい環境とはつまり妻が自分のもとを去ってしまった場合の妻なしの夫の人生です。

    現状維持バイアスが強すぎることで妻をリリースできない可能性が強まるのです。

    では、その強すぎる現状維持バイアスをなだめる、あるいは、そこから解放されるために一体日頃どのようなトレーニングをしておくべきでしょうか。

    それが、本書で提案しているチューインガムを噛むことなのです。チューインガムはリズム運動です。
    別にチューインガムでなくても構いません。自転車を漕ぐことでも、ウォーキングすることでも、ジョギングすることでも、ドラムを叩くことでも何でもいいのです。要するにリズム運動であればいいのです。

    ただ、最も手軽に取り組めるものがチューインガムを噛むことではないでしょうか。なので、チューインガムを噛むことを提案したいのです。

    リズム運動を定期的に取り入れることによって、セロトニン神経を鍛えることができます。セロトニン神経はドパミン神経とノルアドレナリン神経のどちらに対しても作用し、暴走した感情のドパミン、不安を強めるノルアドレナリンとのバランスをとってくれるのです。

    セロトニン神経を鍛えられることで、クールに覚醒しているような状態になります。
    とても静かに冷静に落ち着いて頭脳はシャープ。そんな状態で居られるようになるわけです。

    例えば、本文中に頻繁に登場するお坊さんなどはセロトニン神経を良く鍛えられている方々だそうです。

    そういう状態に自分をブラッシュアップしておき、現状維持バイアスをコントロールしてしまおうというわけです。

    ~ 妻に土下座したくなければチューインガムを噛め ~

    以上、読後「不倫土下座問題に関するチューインガムの有効性」の仮説を立ててみました。

  • 引きこもり、うつ、パニック障害。このあたりを知りたかったり何とかしたいと思っていたらオススメ、な一冊。

    セロトニン、ノルアドレナリン、ドパミン。
    脳神経系について詳しく書かれております。
    先日とは打って変わってバリバリの西洋医学本。
    流石に研究結果などしっかりしている。
    しかし。しかしですよ。
    私は腹式呼吸に2種類あるなど初めて聞きましたよ!
    幼き頃から腹式呼吸を学び実践していたのに
    知りませんでしたよ!!

    結果として、セロトニンなんですが
    セロトニンじゃない感じなんです。
    勿論セロトニンを刺激させるのですが
    他にも大切なトコロ使っているよね?という。
    だからやはり、脳だけではなく。
    そう感じました私は。

    個人的には14章『透明な心』が面白かった。
    マラソンに例えた心の彩り。色の扱い方がスバラシイ!

  • 勉強になりました。

  • 心の平穏を司るセロトニン神経。
    現代の日本社会は、生活スタイルの変化によってセロトニン神経が弱っている人が増えており、それによって極端な感情の露出による異常な事件が増えている。
    そういったことを防ぐため、座禅の呼吸法に見られるようなリズム運動や、朝日をしっかり浴びることによって、セロトニン神経を強くしましょう、というのが本書の主張。

    弓と禅のような本を読むと、呼吸法の継続が、心に大きな影響を及ぼすことは確かだと思うし、それを脳科学の視点から解明しようというアプローチは面白かった。
    ただ、本書の主張は仮説であると序盤で言及しながら、心に関する事象に関して、セロトニン神経のみに原因を求めすぎていて、突っ込みどころが多くなっているのが非常にもったいない。
    釈迦や社会問題とセロトニンを絡めた推測もある程度は面白いが、かなりくどくて、これではうさんくさい印象しか残らないと思う。
    書かれた時期もあるのだろうが、ゲーム脳の説を全面的に支持してしまっているのも気になる。
    ここまで確信を持って話が展開するからには、臨床での治療効果もある程度確認されているのでは、と思われるので、その辺の事実を多めに聞かせてほしかった。

    で、最近の本だとそうでもないのかな、と電子書籍で数冊前書きを読んでみたが、順調にセロトニンおじさん化が進んでいるようで、なかなかに不安を覚えた。

  • セロトニンという神経について
    そのはたらきと仕組みが書いてあった。

    呼吸法やリズム運動、釈迦の話など様々な角度から
    構成されていて読みやすかった。

  • 意識的なリズム運動が大切(腹筋呼吸)。
    セロトニン合成の材料はトリプトファン
    (バナナ、納豆、乳製品)。
    早朝に座禅を約100日。

  • 20〜30分間、リズム運動を継続する。ウォーキング、ジョギング、水泳、呼吸法、太極拳など。
    セロトニン神経は太陽の光で活性化される。30分くらいが適当。
    セロトニンの材料はトリプトファンで、バナナ、大豆製品、乳製品に多く含まれる。

  • [ 内容 ]
    キレる子どもや鬱の大人の脳では、セロトニン神経が衰弱し、脳内物質が欠乏している。不安や恐怖、興奮を適度に抑え、覚醒時のクールな意識(とらわれない心)を演出するセロトニン神経の不思議な働きを明らかにする。
    リズム運動できたえ、昼夜逆転した生活習慣を見直すことなどで、弱った脳と心に静かなパワーをとり戻す方法を、脳科学研究の最前線から提案する。

    [ 目次 ]
    キレる子どもが増えていく
    うつ症状に悩む人へのメッセージ
    オーケストラを束ねる指揮者
    セロトニン神経をきたえるコツ
    α(アルファ)波が現れる
    釈迦は壮絶な実験家
    セロトニン神経が弱ると…
    キレる子どもたち
    太陽の光
    サプリメントには手を出すな
    パニック障害
    只管打坐
    石の上にも三年
    平常心
    透明な心
    セロトニン神経を鍛える一〇か条
    呼吸ニューロンと潮騒と坐禅

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

全18件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

特別寄稿:東京大学医学部卒業後、東海大学病院で臨床に、筑波大学基礎医学系で脳神経系の基礎研究に従事、その間、米国ニューヨーク州立大学に留学し、現在、東邦大学医学部統合生理学教授。「セロトニン研究」の第一人者。


「2014年 『教師と指導者のための実践ガイド はじめてのドラムサークル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

有田秀穂の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×