幕末単身赴任 下級武士の食日記 (生活人新書 165)

  • 日本放送出版協会 (2005年12月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (200ページ) / ISBN・EAN: 9784140881651

みんなの感想まとめ

江戸時代の幕末を舞台に、単身赴任した紀州藩の下級武士、酒井伴四郎の日記を基にした作品は、彼の江戸での食生活を中心に描かれています。伴四郎は、国元に妻子を残しながらも、江戸の町での生活を楽しみ、仲間との...

感想・レビュー・書評

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  • 江戸藩邸に単身赴任した紀州藩の下級武士、伴四郎。
    彼の日記を基にした江戸ライフ、特に食生活を紹介。
    第一章 江戸への旅立ち・・・伴四郎、中山道の名物餅を食べまくる。
    第二章 江戸の日々・・・伴四郎、勤務し、食べ、江戸の町歩きする。
    第三章 男子厨房に入るー江戸の食材と料理・・・伴四郎、自炊する。
    第四章 叔父様と伴四郎・・・伴四郎、叔父の食い意地に憤る。
    第五章 江戸の楽しみ・・・伴四郎、遊興し名所と名物を巡る。
    第六章 江戸の季節・・・伴四郎、行事に季節の味を愉しむ。
    コラム有り。主要参考文献有り。
    時は幕末、桜田門外の変の後。そんな時勢の中、
    江戸藩邸に単身赴任した紀州藩士、酒井伴四郎の日記には、
    江戸生活、特に食生活が詳細に綴られていました。
    同じ紀州藩の侍医による「江戸自慢」等の当時の史料も加え、
    伴四郎の江戸ライフと当時の江戸の様子が紹介されています。
    国元に妻子を残しての単身赴任、右も左もわからぬ大都会江戸。
    さぞや意気消沈・・・どころか、しっかり江戸ライフを満喫。
    料理男子で安い食材を使って節約、それでも江戸の食を、酒を、
    名所巡りを愉しみ、三味線を習う日々。で、勤務はちょっぴりと。
    読み易い文章で当時の食文化、江戸の町の様子等が描かれています。
    コラムも含め、江戸と上方の違いがわかるのも、一興。
    薬食いと称して豚肉を結構食べていたのには、驚きました。

  • 江戸勤番を命じられた紀州藩士・酒井伴四郎の江戸生活日記をもとに幕末の食を見る本。
    28才にして妻子を残し、慣れない土地で単身さびしく生活することを思うと同情を禁じ得ない。だが実態は叔父含む同郷の藩士と長屋に住み、少録ゆえに倹約はしつつも江戸勤番の特別手当があるため、そこそこ優雅によく出かけ、よく食べ、よく飲み日々を過ごしている。
    男子厨房に入らずという言葉はかなり大昔からあったそうで、解釈は諸説あるが、ともかく言葉の通りの習慣はあったそうな。しかし日記の主たる酒井伴四郎は料理が得意な様子で、よく料理を作っては仲間に振る舞ったり叔父につまみ食いされたりしている。伴四郎が特殊だったかどうかは定かでないが、「信頼できる」史料に基づき、時代も人も定型化して見るよりも、こういう人間もいたんだと知ることのほうがより時代を身近に感じられる。

  • ブラタモリでタモさんが話していたので読んでみた。

  • ↓利用状況はこちらから↓
    https://mlib3.nit.ac.jp/webopac/BB00028238

  • 下級武士がつけていた日記をもとに、江戸時代の食について主に解説した本。日記の主の江戸での生活ぶりは単身赴任のサラリーマンを思わせますが、思っていたより豊かな食生活を送っていたことに驚きました。紹介されてない部分の日記の詳細が気になります。

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  • 2005年刊行。著者は㈱虎屋、虎屋文庫研究主幹。幕末江戸に在住・単身赴任していた紀州藩士。彼の日記から、江戸における大名所属の下級武士の生活実相を明らかにしようとする。読みやすい文体で、江戸の生活模様が描かれるのはいいところ。なお、日記の著者酒井伴四郎の仕事内容は余りに軽く、身分制に縛られた役務の制限や過少な労働時間・日数には言葉もない。これでは無駄が多く、非効率だっただろうし、幕府あるいは幕藩制が倒れたのもむべなるかな、とも。

  • 紀州藩の下級武士・酒井伴四郎の日記を中心に、『守貞謾稿』『江戸自慢』などの史料も用いつつ幕末期の江戸における下級武士の食生活を活写。同居の叔父に貴重な「おかず」を半分食べられて悔しがったり、飯炊きに苦労する伴四郎の様子を読むとある種のおかしみを感じる。また三味線を熱心に習ったり、障子代の支払いを少しでも安くしようと苦慮する様子は、生活感あふれる描写であった。

    2005年の出版だが手元のものは9刷で、武士の生活に関心がある人はけっこういるのだな、と改めて感じた。

    これも一種の「社会史」ということになるのだろうが、さて「全体史」との関係となると、よくわからなくなる。おそらく著者は「全体史」といった「(文学部の)歴史学」に関心があるわけではないだろう。

    そうだとすると、果して「全体史」って本当に必要なのか、多くの人にその重要性をどのように(中身も含めて)伝えることができるのか、というのは(文学部の)歴史学のひとつの課題のような気がする。いや、もちろん色々な人が色々なかたちでやっているのだが…「歴史学」のもつ社会的意味をいっそう伝える努力が必要だよね、と思ったのだった。本書の内容とは関係ないけど。

  • 主人公・伴四郎さんは紀伊藩の下級武士。江戸藩邸勤務になって、単身赴任ライフを詳細に日記につけていました。それに解説を加えたのが本書。

    タイトル通り、食に関する事に注目した内容ですが、日記に記された伴四郎さんの言動から、その人柄や生活が浮かび上がり、幕末のお侍さん像がリアルに感じられました。

    同僚と「あほ咄」をしたり、叔父さんにおかずをとられて悔しがったり、いい着物を着て出掛けたのに雨に降られて台無しになったり、捨て子の話を聞いて国元に残して来た家族を思い出して落涙したり。

    まめに自炊をして、節約上手な一方で、名所を見物し、たまには寄席や芝居見物、あるいはちょっとしたごちそうを食べたり、常磐津を習ったり、なんだかんだいってエンジョイしてたんでしょうね。

    そうそう、落語「王子の狐」に出て来る料理屋の扇屋に行ってるのが興味深い。洒落た店だった様子。外国人客が来ていたらしい。いい店だったんでしょうね。

    楽しく読めましたが、読み足りない!という気持ちを込めて★3つ。
    (現に本書の内容は日記の前半部分のみらしい)

  • 紀州藩の勤番侍・酒井伴四郎が単身赴任で暮らした江戸でのグルメ日記。

    桜田門外の変の直後で、不穏な空気漂う紀州藩でありながら、伴四郎は、どこ吹く風といった感じで、叔父や仲間と四ツ谷や浅草界隈に出没し、美味い団子や寿司を肴に酒を呑み歩く。

    実際の伴四郎の日記に対する解説がとても面白く、江戸のリアルな食文化を学べる優れた一冊。

  • あちこち食い歩きしたり、同居のおじに作りおきの食べ物を取られて嘆いたり、長屋の同輩と塩などを融通したり。
    江戸時代に単身赴任した下級武士伴四郎の食生活を中心に、江戸の食も紹介されています。
    堅苦しくなく、面白く読める本。載っているのは日記の前半までらしいので、後半も読んでみたいところ。

  • 20111108読みたい
    20140524読了
    幕末、和歌山から江戸に単身赴任していた下級武士・伴四郎の生活を食中心に綴ったもの。●昔は肉食が禁忌とされ肉を食べる習慣はなかったと言われるが、滋養や健康のために猪や鹿、豚を煮て食べることはあった(薬食い)。肉を売る店は「ももんじ屋」といい「山鯨」の看板を出した。また、からだを温めるためなのか、風邪のときよく酒を飲んでいる!伴四郎も風邪を理由に豚肉と酒を食している。●炊飯事情。江戸・上方ともに昼食のおかずに重きがおかれた。上方:昼に一度炊き、おかずや汁物と食べる。夜や翌朝は冷や飯を粥や茶漬けで。江戸:朝に一度炊き、味噌汁と食べる。昼は冷や飯と野菜や魚などのおかず。夜は茶漬けに香の物。ただし、大店など家によっては日に二回、三回と炊飯することもあった。●大阪の名店「虎屋伊織」は明治以降閉店し、鶴屋八幡が衣鉢を継いでいる。※京都の「虎屋」とは別の店。●そばもうどんも菓子屋が作り始め、のちに専業の店が登場する。うどんは江戸時代以前。その頃、そば粉を使ったものはそばがきが一般的で、細長いそば切が生まれたのは江戸時代初期。●上菓子は17世紀後半に京都で誕生。当時、江戸では京都に本店をもつ店は「下り京菓子屋」として別格だった。●出世魚「ぼら」。はく→おぼこ→すばしり→いな→ぼら→とど。これ以上大きくならない「とどのつまり」。●京都・大阪は蒸し芋屋が多く「ほっこりほっこり」と巡り売る。江戸は焼き芋。●陰暦(旧暦)に興味あり。いまの暦は旧暦とほぼ1ヶ月のずれがあり、季節感や節句に大きく影響を与えている。

  • 江戸時代、幕末のころに江戸に単身赴任した武士のグルメ日記
    昔のことや外国のことについて書かれた本を読みながらどんな生活をしていたかを想像する。
    こういう日記が残っているから一部であれ、昔の人に共感できるのかな。

  • 読む度に美味しそうだな〜と。単身赴任している主人公は本当楽しそうに江戸の生活を謳歌していました。いいなあ。

  • なにげなく見た新聞の書評欄にあった本なのですが、なにかピン!とくるものがあったので買ってみました。

    紀州から江戸への単身赴任を言い渡された妻子持ちの武士・酒井伴四郎(28)の江戸での単身赴任生活(おじさんと同居だけど;)がつづられた日記から江戸での下級武士の生活を覗いてみようという本。
    著者が引用しながら解説してます。

    中には雑学程度に知られた解説もありますが、実際生活していた人の日記なので、今で言うブログ並のおもしろさ。

    お出かけ日記や、食事について、近所づきあいなどなど結構マメに書かれてるんですよね。
    作り置きしておいたおかずをおじさんに食べられちゃってめちゃくちゃ文句たれてたりとか、出先で何か食べちゃ酒飲んでたりとか、いつの世の中も単身赴任のお父さんってこんなもんなんですか?(笑)

    地味な本ですがかなりオススメします。

  • [ 内容 ]
    時は幕末、万延元(1860)年。
    紀州和歌山藩の勤番侍・酒井伴四郎が、江戸での単身赴任中に書き記した詳細な日記帳を元に、江戸のグルメを紙上再現!
    安価ないわしや豆腐で節約しつつも、宴会ではかつお相手に腕をふるい、中秋の名月には月見団子を手作りする。
    時に王子権現の料亭に贅沢し、浅草で寿司、麹町で牡丹餅に舌鼓。

    [ 目次 ]
    第1章 江戸への旅立ち
    第2章 江戸の日々
    第3章 男子厨房に入る―江戸の食材と料理
    第4章 叔父様と伴四郎
    第5章 江戸の楽しみ
    第6章 江戸の季節

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 当時の人々の生活は自然をありのままに享受していたであろう。食べ物はその素材の味が濃厚に感じられたであろうと想います。今はあまりにも人工的すぎて、素材本来の味がきっと忘れられてしまっているでしょう。

  • 江戸時代も、薬喰いと称して肉を食べていたという事実に驚きました。「生の豚肉を店から買ってくる」なんて、想像もしませんでした。
    叔父さんへの愚痴も面白い。

  • 5月14日読了。幕末に江戸へ単身赴任した下級武士・伴四郎の日記から、当時の食生活・文化・風俗を読み解く。自炊して倹約に努めたり、友人の調理の腕や調子のいい叔父のつまみ食いに愚痴をもらしたり、風邪ひき体調が悪くても日本酒で飲んだくれ、江戸と上方の菓子の違いに驚いたり・・・と、几帳面に日記をつける伴四郎の人柄が見えてきて面白い!海・河が近く寿司や新鮮な魚が安く手に入り、ファーストフードとしてうまい蕎麦をスパッと食べることができ、浅草や吉原では常に祭り騒ぎで歩き回るだけでも楽しい都市、江戸。楽しい時代・場所だったんだろうな~。

  •  これはよい!
     江戸の諸文化に触れるのは大好きですが…
     書き手の方が楽しそうなのが一番良い!

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著者プロフィール

1954年、東京生まれ。立正大学大学院博士後期課程研究指導修了。立正大学文学部助手などを経て、1989年株式会社虎屋に入社、虎屋文庫研究主幹として和菓子に関する調査・研究に従事。2013年同社を退職、現在は日本菓子専門学校、東京学芸大学、立正大学などで非常勤講師をする他、時代劇ドラマなどの考証を行なう。他の著書に『幕末単身赴任下級武士の食日記  増補版』(ちくま文庫)など。

「2017年 『図説 和菓子の歴史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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