スポーツニュースは恐い 刷り込まれる“日本人” (生活人新書)

  • 日本放送出版協会 (2007年9月8日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784140882320

みんなの感想まとめ

マスメディアが描くスポーツの報道や日本人観について深く掘り下げた一冊で、特にサッカーや野球を通じて日本社会のステレオタイプが浮き彫りにされています。著者は、スポーツニュースにおけるキャスターの同じ喋り...

感想・レビュー・書評

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  • スポーツニュースは基本的に見ない。
    というかスポーツ番組もあまり見ない。

    スポーツコーナーに出てくるキャスターはなぜみんな同じ喋り方をするのか?
    選手にインタビューする時、なぜ質問が疑問形でないのか?
    選手やチームになぜいちいちあだ名をつけるのか?
    国際試合で日本がこてんぱんにやっつけられても、なぜアナウンサーも解説も日本の批判はせず、肯定的なことしか言わないのか?
    特定の人気がある選手ばかり報道し、なぜ実力がありランキングも上位の選手はスルーなのか?

    「絶対に負けられない」というフレーズが苦手。
    試合の最中ずっと流れ続けるサポーターの歌も苦手。
    選手の技術面より人間性中心にお届けする中継も苦手。
    国際試合に出てくるジャニーズの歌を全部流しておいて、試合そのものを大幅カットする編集も苦手。

    そんなスポーツニュースをアカデミックにワールドワイドに分析している本。
    著者の言いたいことには賛同するが、野球とサッカー中心の内容なので、それ自体に興味があまりない私は進みが遅かった。

  • 『文献渉猟2007』より。

  • 【感想】
     楽しく読んでいる。個人的には議論をもう少し詰めてほしいが、論旨には賛成。
     言われてみれば、スポーツニュースはどの局も男性目線(オッサン目線)で紋切り型だ。しかも型が少ない。  
     ナショナリズムと国民性を扱った部分は、再読する予定。しかし脳科学云々は怪しい。
     刊行から11年経ったが、筆者の指摘はまだ古くなっていない。そして、東京オリンピックの年になっても変わらないのだろう。

    【版元】
    『スポーツニュースは恐い――刷り込まれる〈日本人〉』(生活人新書)
    著者:森田浩之
    発売 2007年09月08日
    価格 定価:756円(本体700円)
    判型 新書判
    ページ数 208ページ
    商品コード 0088232
    Cコード C0236(社会)
    ISBN 978-4-14-088232-0
    https://www.nhk-book.co.jp/detail/000000882322007.html

    【目次】
    目次 [003-007]

    第1章 本当はこんなに恐いスポーツニュース 009
    みんなが楽しみなスポーツニュース/スポーツニュースは「オヤジ」である/サブリミナルに蓄積される価値観/「忘れさせない」ナショナリズム

    第2章 女子選手に向けるオヤジな目線 019
    スポーツニュースがやっている「無意識のセクハラ」/女子にだけ気安く「ちゃん」づけするオヤジ/女子選手のプライベートが気になる/私生活に関心を向ける歴史的理由/「ママさんボランチ」宮本ともみの主婦な生活/「授乳柔道家」谷亮子の衝撃/強調される「男の支え」/高橋尚子と小出監督の「擬似父娘関係」/スポーツニュースが好きな「女子種目」の秘密/「なでしこジャパン」という愛称の意味/スポーツは男の「最後の砦」

    第3章 スポーツニュースは〈人間関係〉に細かい 046
    スポーツニュースは「スポーツマンニュース」/乱発される最年長記録/スポーツニュースが本当に語りたがっていること/とりあえず「謙虚」な感じにしておこう/「事実」と「物語」のはざま/巨人・上原、「恩返し」のストッパー/小笠原道大、「努力」の果て/「長続けることはすばらしい」/ヒーローは社会のシンボルになる/つまらなくても意味があるヒーローインタビュー

    第4章 スポーツニュースは〈国〉をつくる 072
    スポーツニュースがやっている大仕事/ジョホールバルで山本浩アナが吐いた名ゼリフの意味/〈日本人〉はイメージされたもの/〈時間〉と〈空間〉を共有する感覚/木村和司のFKがワールドカップのたびに流れる理由/スポーツニュースは〈未来〉も考える/「祐ちゃん」「マーくん」が定着した意味/甲子園代表校マップが描く〈空間〉/「本場」アメリカと日本列島

    第5章 日本人メジャーリーガーが背負わされる〈物語〉 089
    「やっぱり日本人は日本がいちばん」/ 松坂大輔が「落ち着ける場所/日本食の呪縛/レッドソックス、日本食導入の決断/試練としての英会話/城島健司は英語で「チャック開いているよ」と言っていた/「日本人の物語」はなぜつくられる

    第6章 世界中で刷り込まれる〈国民〉 108
    ■アメリカ つくられるロールモデル/「成功した労働者」「よき父、よき夫」/苦難を乗り越えた物語/■アルゼンチン あの華麗なサッカーはスポーツニュースが生んだ/「男らしさ」を定義しなおす/■ヨーロッパ 炸裂するステレオタイプ/ステレオタイプが示す「中心」と「周縁」/■イギリス 大衆紙の見出しにおどる“We”/ふたつの戦争、ひとつのワールドカップ/透けて見えるコンプレックス/イングランド‐アルゼンチン戦という大河ドラマ

    第7章 ワールドカップでつくられた〈日本人〉 141
    〈国〉が最も見えるイベント/無意識に描かれる〈日本〉の姿/なぜか地球の端っこにいる「私たち」/「列島」は祈り、叫び、悲鳴をあげる/永遠に「世界」に挑戦しつづける国/「日本」と「世界」を行き来する監督/中田英寿がまとっていた「世界」/「組織力」は本当に日本の強みなのか/高い身体能力は「アフリカ勢特有」/「決定力不足」は日本社会のせいなのか/「日本人は自由が苦手だ」/議論の前提に使われるステレオタイプ/新聞にあふれる「ひきこもりナショナリズム」/読者の頭はスポンジではないけれど

    第8章 イビチャ・オシムはなぜ怒ったか――むすびにかえて 184
    「物語」を拒否した監督/「オヤジ性」を本能的に感じとる/イチローはなぜ「物語」を背負わないか/私たちが〈私たち〉を規定する/すでに刷り込まれている自分からの出発

    あとがき [196-198]
    参考・引用文献 [i-vii]

  • 2014/7/10 スポーツニュースが国を作る、それをネガティブに感じているようだけど、必要なことじゃない?

  •  盛り上がっている方々には大変申し訳なく思うのだが、大きなスポーツイベントの時期における暑苦しさは何度経験しても慣れない。あらゆる媒体でお祭り騒ぎ。各々のトピックスでは他の政治経済社会などでよっぽどの出来事が起こらないかぎりトップ。

     もちろんスポーツ自体は見てもおもしろいしやってもおもしろい。選手は偉大だし応援したいし責任があるわけでもない。しかし「見ても見なくてもいいし応援してもしなくてもいい」という態度は表面的には許容されるが推奨はされないのはもちろん、場合によっては非難の対象となる。さらにこんな不満を大きな声で口にしようものなら人間性を疑われるか呆れられる。

     強制する空気の構造を著者のスポーツ取材経験を踏まえて論じているのが本書。少々被害妄想的な記述もあるが、大した見識を持ち合わせていない「なんちゃってファン」とは違ったスポーツに対する強い愛情が感じられる。スポーツは一例に過ぎない。多彩な形で現れる人間の欲求は、油断すればいつの間にか利用されるということ。これは間違いないのではないかと思う。

  • 言いたいことはわかるし、今までいろいろな形で言われてきたことでもある。ただその論証の仕方は雑。著者が批判する、都合のよい部分だけを切り取って自説を展開するメディアの姿勢に、著者自身も陥っている。著者が世の中に訴えたい趣旨には賛同するので星3つとしたが、本当は星2つにしたい気分。イギリスのタブロイド紙がW杯ドイツ戦についてどのような書き方をしているか、という話はおもしろかったけれど。

  • スポーツジャーナリストの玉木正之氏がNHKの「週刊ブックレビュー」で勧めていたので、森田浩之著『スポーツニュースは恐い——刷り込まれる〈日本人〉』(NHK生活人新書)を手に取りました。

    スポーツニュースの何が「恐い」のでしょう? スポーツニュースに接するとき、私たちはたいてい現実の憂さを忘れようとしており、意識は弛緩しています。スポーツニュースは、そんな私たちの無意識に、競技の結果やアスリートの人間ドラマに事寄せて、たとえば男女のあり方についての固定観念や、ステレオタイプな日本人らしさを刷り込んでくる、と著者は言います。たとえば次のような刷り込みです。

    ・男勝りの女性アスリートもやはり女。女らしい一面がある(なくてはならない)。彼女たちはアスリートである前に女であり、妻であり、母である。彼女たちが活躍できるのは夫の理解と支えがあるからこそ。

    ・日本チームの強みは努力、粘り、チームワーク、組織力にある(根拠も証明もなく当然視される断定)。

    ・「やっぱり日本人は日本がいちばん」という結論で落ち着く海外進出選手のニュース。

    ・ヒーローに必要なのは謙虚さ(謙虚さを確認するだけの、お約束のやりとりで終わる、無内容なヒーローインタビュー)。

    「あとがき」でタネあかしされていますが、この本は、デイスコース・アナリシス(言説分析)の手法でメディア・リテラシー(メディアの発する情報をうのみにせず、批判的にみていく姿勢のこと)の必要性を説いた本です。そう言うと小難しそうですが、分析されている言説(談話)が、毎日読むスポーツ欄の記事であり、スポーツ中継の実況アナウンスや選手のインタビューなので、スラスラ読めます。

    正直なことを言うと、たかがスポーツニュースに目くじらを立てなくてもいいじゃないかと、いささか斜に構えた姿勢で読み始めました。しかし読み進むうちに、スポーツニュースに批判的に接することの必要性がわかってきました。つねに疑心暗鬼で裏を読むということまではしなくとも(やりたくてもできません)、「危険」が潜んでいることを頭の片隅に置いておくぐらいのことは必要かもしれません。

    この本とは別の視点からですが、私がスポーツニュースに感じる問題は「手のひら返し」です。昨日の人気者が今日は鼻つまみ者になります。持ち上げておいて落とします。また、現実の複雑さから私たちの目を逸らしてしまいます。このあたり、送り手にその意図はなくても、スポーツニュースには私たちを、物事を深く考えることをめんどうくさがる、気分に流されやすい存在にしてしまう危険性が潜んでいるかもしれません。そういえば最近、政治や社会のニュースがスポーツニュース化しているような気がするのですが……。

    「こんなスポーツ中継は、いらない!」もぜひ、あわせてお読みください。

  • おもしろい。

  • 決まった型にはめてポンと出すオヤジ仕事は気楽でいいよな。
    でも仕事で疲れてほんの少しの娯楽、といった時に
    そんなものしか周りにないのはひどいと思う。
    http://takoashiattack.blog8.fc2.com/blog-entry-780.html

  • 20100911読了

  • [ 内容 ]
    スポーツニュースは日々、特定のメッセージを発している。
    そのメッセージとは“私たちは日本人である”というものだ。
    しかし、その日本人とは、メディアのとらえた日本人であるだけでなく、サブリミナルなレベルで私たちの中に浸透する―。
    本書ではスポーツニュースのメカニズムを丹念に解きほぐし、その新たな読み方を提示する。

    [ 目次 ]
    第1章 本当はこんなに恐いスポーツニュース
    第2章 女子選手に向けるオヤジな目線
    第3章 スポーツニュースは“人間関係”に細かい
    第4章 スポーツニュースは“国”をつくる
    第5章 日本人メジャーリーガーが背負わされる“物語”
    第6章 世界中で刷り込まれる“国民”
    第7章 ワールドカップでつくられた“日本人”
    第8章 イビチャ・オシムはなぜ怒ったか―むすびにかえて

    [ POP ]


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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 10年01月10日開始
    10年01月10日読了

     いわゆるメディアリテラシー関連本。まずまず面白かった。女性アスリートのメディアでの扱い方についての論考は納得。

  • スポーツニュースや報道に関する不思議を元NHK記者が語ります。長年の経験から得た多くの疑問である事から説得力はあります。みなさんもぜひこの本を手に取り、違った視点でスポーツニュースを見てみてください。

  • 女性蔑視はスポーツに蔓延っていた!

    スポーツニュースを注視するきっかけとなった。刷り込みを続けるスポーツ紙は、読み続けると知らぬ間に、相手の意図が組み込まれてしまう。

    コントロールされるのって怖い。

  • スポーツニュースの根っこにある「おじさん視点」がわかりやすく理解できる。「なでしこジャパン」「アフリカ勢特有」など知らず知らずに常套句に陥りがちですが、そこに本質はないですね、確かに。

  • 女子スポーツ選手が妻・主婦・母とかの目線で語られたり・・・・。おもしろい切り口で語ってはいるが、いかんせん学問としての部分が薄いのを感じる。雑誌のコラムくらいならいいがね。

  • スポーツニュースを中心に書かれているが、基本的にはメディア論。いかにジャーナリズムは自分たちの主張を一般的事実のように報道しているか、スポーツの現場を例に述べている。

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著者プロフィール

森田浩之(もりた・ひろゆき)
東日本国際大学客員教授
1966年生まれ。
1991年、慶應大学文学部卒業。
1996年、同法学研究科政治学専攻博士課程単位取得。
1996年〜1998年、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン哲学部留学。
著書
『情報社会のコスモロジー』(日本評論社 1994年)
『社会の形而上学』(日本評論社 1998年)
『小さな大国イギリス』(東洋経済新報社 1999年)
『ロールズ正義論入門』(論創社 2019年)

「2021年 『コロナの倫理学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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