はじめての宗教論 右巻 見えない世界の逆襲 (生活人新書)

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  • NHK出版
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レビュー : 64
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140883082

感想・レビュー・書評

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  • 近代の終焉というパラダイム転換の認識のフレームワークとしてキリスト教が必要だ。目に見える世界だけでなく見えない世界もあるので近代的合理主義だけでは不足である。宗教とは多様な価値観に基づくものなので土着化したものは自ずと形を変える。
    仏教、カトリック、正教会とプロテスタントの対比による思想の違いや、神道的創世神話と創世記の類似性からキリスト教の受容が進んだというのが興味深い。安土から江戸のキリシタンについては触れられていないのが残念。

  • 流れが分かりやすい。何回も同じことを分かりやすい言葉で繰り返してくれる。

  • キリスト教中心の宗教論。神学というのがどういうものなのか、初めて触れたかも。

  •  佐藤優によるキリスト教神学の入門書。
     まずは金日成の英雄神話とキリスト教的神話の類似性などキャッチーな雑学的にスタートするものの、いざ本篇が始まるとかなり取っつき難いものであった。
     解説はかなり丁寧なんだけど、事前知識が無いと読むのは苦しいでしょう。
     しかしこの人、他の著書もそうなんだけど、「読ませる」筆力が素晴らしいので、その取っつき難い内容を「面白い」と錯覚させてしまうのです。
     特に感じ入ったのは、キリスト教を自らの「主体的問題」と前提したうえで、宗教の意義を語ろうとしている著者の姿勢。
     近代知の相対化から始まった内容が、いつの間にか自己の相対化へと向かう「語り」がやはり「面白い」のであります。

  • メモ
    キリスト教と共産主義の親和性
    特に、共産主義が少数構成員に留まるならば、その親和性は高い。
    過ちは世界規模で共産主義が馴染むとしてしまったところか?

    ライプニッツのモナドロジー概念を導きにし、「類型」の概念から日本のキリスト教を論じた魚木の分析は秀逸。大東亜共栄圏に繋がってしまったことは残念。
    古事記の創造とキリスト教の創世記の意外な類似点

    まだ理解が進まない・・・

  • ⑬1/20-3/1
    良かったけど、再読してみよう。
    宗教というものがおぼろげながら理解できたような。
    先祖代々の真言宗を勉強しようか。

  • 西洋はキリスト教の原理・原則で動いている。海外で無数の教会に行ったが、なぜ彼らがキリスト教を信仰するのか、そしてその教義がわかるにつれ行動パターンもみえてきた。入門者向け良書。

  • 佐藤優の二つのバックボーンである、大学で学んだ神学と職業として従事した外交。後者についてはこれまで散々書かれてきたが、本書では筆者のより深いところにある神学の世界へ進んでいく。難しそうだけど、いよいよ来たか、という期待を持って手に取った一冊。

    筆者は冒頭で、まず近代知を相対化する。近代人は目に見える世界のみを語り、見えない世界を語らない。結果として、宗教のようなものに対するニーズが随所に噴き出してくる。なぜか、それは人間は常に死から逃れられないから、と筆者は明快である。

    そこから宗教論が展開されるのだが、満遍なく主要宗教について議論するのではなくて、本書はあくまでキリスト教神学の入門書。キリスト教は一神教で信仰としては単純なものと考えていたけれど、神学としては千年以上の蓄積があり、本書レベルでも相当難しい。普遍とか類比とか受肉とか、主要なロジックに触れることができたらそれで良しと満足しなければならない。難しいけど、熱のこもった筆致は相変わらずで、面白く一気に読むことができた。

    ヨーロッパの頭のいい人たちが、何でこんなことを数百年も考え抜いてきたのか、それって本当に救済のためなのか・・・と正直疑問にも思うが、西洋で近代知を構築していく前提として、このような宗教神学の訓練があったことは間違いないと思う。スタンスは違えど東洋にも仏教、儒教、道教の蓄積があり、対比的、批判的に読んでいくのも面白そうだ。神学は知の訓練になる。

  • memo
    ・切れ味鋭い語り口で、話が明解であるため、各トピックでの用語や因果関係が理解しやすい。
    ・キリスト教プロテスタントの著者の視点から歴史的経緯を踏まえて、人と宗教の歴史を紐といている。
    ・見える世界と見えない世界に二項対立の図式。
    ・宗教と政治、聖書の正しい読み方、プネウマとプシュケー、キリスト教と国家、人間と原罪、宗教と類型

    新書1000本ノックその4

  •  無神論を説くには、この手の本と関わっていかなければならないのである。ウチの無自覚なカトリック教徒の同居人より、宗教知識がついてゆく?しかし無意識で居ればよいのです。左巻に早くも期待。

著者プロフィール

佐藤優(さとう・まさる) 1960年、東京都生まれ。作家。同志社大学大学院神学研究科修了後、専門職員として外務省に入省。在ロシア日本大使館に勤務し、主任分析官として活躍。著書に『自壊する帝国』(新潮文庫)、『国家の罠』(新潮文庫)、『国家の攻防/興亡』(角川新書)、『国家のエゴ』(朝日新書)、『創価学会と平和主義』(朝日新書)、『佐藤優の「公明党」論』(第三文明社)、『北東アジア市民圏構想』(金惠京との共著/第三文明社)、『ゼロからわかるキリスト教』(新潮社)、『世界観』(小学館新書)など。第10回安吾賞受賞。『十五の夏』(上下巻/幻冬舎)で第8回梅棹忠夫・山と探検文学賞受賞。

「2019年 『希望の源泉・池田思想』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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