父として考える (生活人新書)

  • NHK出版
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レビュー : 54
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140883242

感想・レビュー・書評

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  • この二人が「父親」として語るとは。
    関係ないけど、子一人親と子二人親の違いが、実感として読み取れておもしろい。

  • 前半は子育ての話だけど、後半は両者の展開するいつもの持論。両社会学者の子育て論は意外にも普通。だけどそこが逆に良いのかも。両者とも教育する家族には絶対にならないって述べてるし。東先生の書斎で娘さんが微笑んでいる写真を見て嬉しくなりました。

  • 東浩紀と宮台真司の対談本。
    父親の視点から家族・教育・社会等、
    様々な意見を交わし合っている。

    特に最近よく思う、
    フラット化した社会における、
    ダイバーシティ(多様性)の問題が指摘されていたのが興味深かった。

    やっぱり、
    「豊かさ」って「多様さ」だよな。

    業田良家の
    「人類の代表」という短編漫画に、
    「渾沌とは豊饒のことである」
    というようなことが描いてあるのだけれど、
    コミュニティの中に金持ちもいれば貧乏人もい、
    ヤクザもいれば坊主もいる、
    みたいな「無秩序」で「渾沌」とした環境が、
    豊かさの証左なのだと思う。

    こういった豊かな環境が作れる器は、
    日本では「学校」である。

    そして、
    学校にいるのは子供だ。

    つまり、
    子供を中心としたネットワークの形成が、
    豊饒な地域社会を作っていくためには大切なのだろう。


    あとは、
    子育てや教育のベクトルが、
    子供自身や親に向き過ぎているのも気になる点。

    というのも、
    俯瞰して考えれば、
    「社会の成員を作る」というのが、
    子育てや教育の本意だと思うのだけれど、
    それが今は近視眼的な自己利益の達成に、
    多くのリソースが使われているように見える。

    こういった個人主義が行き過ぎると、
    いずれ社会が持たなくなるのは目に見えている。

    だからこそ、
    この本にも書かれている、
    「社会のための子育て」という視点は、
    よりよい社会環境を作る上でも欠かせない要素だと思う。


    などなど、
    最後らへんの、
    宮台真司の選民思想的な発言は少々鼻につくが、
    全体としてはとても面白く読んだ。

  • 宮台が父親然としていて、よいリア充。

  • 2階書架 : 304/AZU : 3410151805

  • 最初はいいが、途中からよくわからなくなってくる。
    頭が良い人が頭が良い人と、どうでもいいことを話しているだけにしか聞こえない。
    この対談の中で紹介されている、実際に行動を起こしている人をよく調べたほうが役に立ちそうです。

    以上

  • 東浩紀氏、宮台真司氏による対談集。

    テレビから非常にエキセントリック印象を抱いていた両氏ですが、読了後 印象は変わりました。
    実に良い「お父さん」してます。

    学生の頃、どうしようもなかった友人が、結婚後ちゃんとお父さんになっているのを見かけた時と同じ気持ちになりました。

    私の方が若輩者ですね。
    失礼しました。


    参考になった意見です。

    ①同質性の高いコミュニティは子育てに向いていない。

    収入や価値観、世代が近いと同質性が高くなり、そういったコミュニティは些細な違いで他者を差別しがち。これは私も経験上同意する。いろんなタイプの人間がたくさんいる方が、お互いの欠点を助け合うようになる。

    ②競争動機よりも感染動機。

    誰かに勝とうという競争動機では、集団のアウトプットがそれほど上がらない。それよりもああなりたい、お礼をしたいといった感染動機の方が集団のコストパフォーマンスは向上する。

  • 新進気鋭の二人。思想家と学者の「家庭観」について。

    まえがきにあったように、東氏は明らかにアウェイ感の否めないダイアログが続いていて、それはそれで読んでいて楽しい。

    どこか「絶対感」的言動が多い東氏が、こと家族観になると、一歩引いて話しているところが、彼もやはり人間(笑)と思わせる。氏の他作と会社経営などの多角的活躍を考えると、これはアウェイでも仕方ないのかもしれないけれど。
    娘について真剣に考える一人の人間になっていた。

    一方、宮代氏は通常通りというか、家庭第一主義。言動は結婚し、子どもを持ってずいぶん変わってきたことを裏付ける結果になっている。

    もともと東大大学院でテレクラ研究者と揶揄されるほど通俗的な世界にどっぷりと嵌って研究していた、ある種「偏向的」だった学者が、やはり家庭というものの中で変容を遂げ、人間としての違うフェイズを手に入れたのが伺える貴重な面が見えた。

    おたくと学者といえども、家庭観について語りだすとはっきりいって通俗的な一般論にどうしても向かってしまうというところが面白かった。

    内容としては子どもを持つ親としてのごく当然の思想についてと、社会の中で「子どもを持つということ」が実際どんな不利益と利益をもたらしているか。社会制度として(主に制度の話としてみるほうがわかり易い)何が足りしていて、何が足りていないか。
    親は何を考えて、何を考えるべきでないか。

    などを押し付けがましくはなく、淡々と学者たちが語っているというところ。

    昔、大江健三郎も教育や子育てと社会のすり合わせについて語っていたが、あれが確か70年代。あれから社会構造というものや、子育てに対しての社会意識というものは大して変わっていないのかもしれない。

  • 東浩紀と宮台真司の対談本。
    小さな子どもを持つ父親、という視点から、子どもを通じて現代社会を考察する。
    育児本ではない。

    二人の言ってることはどれももっともなことだと思う。
    でも対談本だから「言論人の本音」に近いところがあからさまに出ていて、
    それは少しいやだ。
    言論人は基本的に選民思想というか、自分たちが「デキル人間」だと強く思っている。(実際彼らはデキル人間だし、それを否定するつもりはない)
    そして、意識的なのか無意識的なのかは知らないけれど、そういう「デキル人間」ではない人たちのことをあからさまに見下した発言をすることがある。
    宮台の「幸せになれない人間」とか。
    「基本的なソーシャルスキルがない子どもたちをどうすればよいのか?
    →宮台「「分断」です。いま申し上げたことがわかっている人間同士で相互扶助のネットワークを
    つくってリソースをシェアしていくしかないということです。」p215-216一部
    言いたいことはわかるし、その上流階級でまず実績を積み上げたあと、外部へ~という
    彼の論も分からなくはないけれど、なんだか嫌悪感。
    できない側の人間のただのコンプレックスかもしれない。


    それはおいといて。



    ・子どもができて驚いたのは、新住民が本当に子どもがきっかけで旧住民ネットワークに入れることです p40
    ・子どもにとっては根無し草という概念はありえません p42

    ・託児室をめぐる悪循環 p91
    ・ノイズ耐性のない親子 p118
    ・学区的共同体の再構築 p168

    あたりが目についた。
    さらっと読む本。

  • [ 内容 ]
    娘ができて初めて見えた日本社会の問題点とは?
    若者の非婚や少子化をいかに乗り越えるか?
    育児体験の比較から、教育問題や男女のパートナーシップのあり方までを論じ、「子ども手当」など保育支援策を検討。
    ツイッターなど新メディアを利用した民主主義の新たな可能性まで、今日の知的課題をも浮き上がらせる白熱の討論。

    [ 目次 ]
    第1章 親子コミュニケーションのゆくえ―家族を考える(時間感覚の変化;宮崎アニメへの反応 ほか)
    第2章 子育てを支える環境―社会を考える(ロスジェネ系議論の問題点;専業主婦願望の背景 ほか)
    第3章 均質化する学校空間―教育を考える(グループワークができない子どもたち;なぜ班活動は衰退したのか ほか)
    第4章 コネ階級社会の登場―民主主義を考える(運命の出会いと必然性信仰;バックドア問題 ほか)

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著者プロフィール

東浩紀(あずま ひろき)
1971年東京生まれ。批評家・作家。ゲンロン代表。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了(学術博士)。専門は哲学、表象文化論、情報社会論。
著書に『存在論的、郵便的』(サントリー学芸賞思想・歴史部門)、『動物化するポストモダン』、『クォンタム・ファミリーズ』(第23回三島由紀夫賞受賞作)、『一般意志2.0』、『弱いつながり』(紀伊國屋じんぶん大賞2015受賞作)ほか多数。『ゲンロン0 観光客の哲学』は第5回ブクログ大賞人文書部門、第71回毎日出版文化賞受賞作。

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