ど真剣に生きる (生活人新書)

著者 :
  • NHK出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140883273

作品紹介・あらすじ

京セラを小さな町工場から世界的企業へと育て上げるが、前半生は挫折の連続だった。病気に苦しみ、志望校には不合格、やっとの思いで就職した会社は倒産寸前。いくつもの逆境を乗り越えながら、やがて時代を切り拓いていく。「いかにして自分の歩く道を見出したのか」「成功の扉を開くために必要なものは何か」「厳しい経営現場を通じて得た哲学とは」…。自身の経験から導き出された人生論や経営哲学を語り尽くす。

感想・レビュー・書評

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  • 経営は従業員を喜ばせること、周りの人との絆は大切にして、このきもちが今もあるから超優良企業になっているんだと思った。読んだ後は気持ちがほっこりする。

  • ここまでのことをやってのける人は、必ず哲学をもっていますね。ど真剣こそ、稲盛氏の哲学ですね。

  • 本書は、NHK教育テレビにて2006年6月に放送された「NHK知るを楽しむ 人生の歩き方〜稲盛和夫 ど真剣に生きる」をもとに構成されています
    2010年刊行

    著者の経営哲学である「利他の心」をキーワードに、著者の半生を書き記した
    ・リーダーの条件
    ・挫折だらけの青春
    ・会社は誰のものか
    ・なんのために生きるのか
    の4章構成となっています。
    これまで著者の経営学についての書籍は読んでいたが、本書はそのベースとなる哲学についての本だと感じた

    【引用】
    本当にいい経営をしたいのなら、従業員の人たちを少しでも幸せにしてあげたい、社会に貢献したいといった、公明正大な大義名分をもつことが大事です。 (P16)
    どんな汚れ仕事にも必ず高邁な意義があり、さらには限りない夢が広がっています。経営者がそれを描き出すことで、従業員は「自分たちはその意義に共鳴し、その夢を現実のものとするために、汚れ仕事を一手に引き受けているんだ」と気づき、経営者を信頼して懸命に働いてくれることでしょう。 (P26)
    「努力に勝る天才なし」といわれるように、能力は努力すれば向上していく (P32)
    「理念を愚直に守るもの」
    理念を曲げるくらいなら、従業員ごと会社が潰れなければいけませんね。会社が理念を曲げてまで生き延びても、意味がないんです。 (P48)
    「世の中の不公平を恨んだところで、人生がうまくいくわけではない」 (P62)
    仕事は最初から面白いものではありえないし、好きな仕事につけることなどそうそうあるものではありません。いま目の前にある仕事を、自分から好きになる努力をしなければ、仕事の面白さなど永遠にわからないでしょう。 (P67)
    (不況のとき、大抵の企業はあきらめムードに支配され、不況という嵐が通り過ぎるのを待つだけなので)だからこそ、不況のときにがんばる意味があるのです。周囲があきらめている中で孤軍奮闘、誰にも負けない努力を重ねれば、それがのちに大きな差となって現れるのです。 (P100)
    資本の理論だけを振りかざしても、経営がうまくいくわけではありません。過半数の株式を握れば、法規上は会社を支配できても、社員の心まで支配することはできません。 (P106)
    リーダーがもつべき人間性はまず謙虚であることだと思いますね。 (P112)
    苦労するのは生きている証拠です。死んだら、そんな目にも遭わないのですから、いいじゃありませんか。災難に遭うのは、過去に作った業が消える時です。 (P125)
    善きことを思い善きことを実践すれば、善きことを招来する。悪しきことを思い悪しきことをすれば、悪しき結果を招く。 (P131)
    足ることを知らず、際限なく欲望を募らせ、財産、地位、名誉などを欲しがるのが人間の性です。しかし、そういうものをいくら手に入れても、決して満足することはできません。 (P145)
    もしあなたがすばらしく美しい幸せな人生を送りたいと思われるなら、まずあなたの心を少しでも美しいものにしなさい。そうすれば、その心の反映として、あなたの人生も美しいもの、すばらしいものになっていくはずです。 (P152)

  • (好きなことば)
    ☆人間は世のため人のために何らかの貢献をするために存在する。それは親切な言葉をかけるとか、笑顔で接するとか、些細なことでいい、周囲に『あなたがいて良かった』と思ってもらえる行き方をすることが大切だ、そこに生きている価値がある

    ☆自分の魂を磨き、自分の心を慈悲に満ちた優しい美しい心に変えていくことにこそ、人生の目的がある

    ☆ちょっと鈍でも人間性がいい人は、鈍ゆえに下積みの仕事でも黙々と懸命に取り組む。ある程度の年が経つと、そのような人がいつの間にか能力を伸ばし、仕事ができる、すばらしい人材に成長していくことが多いのです。

    ☆辛抱強く長い時間をかけて人間性を磨くと同時に、能力をも向上してきた人こそが、晩年にすばらしい大輪の花を咲かせる

    ☆会社に勤めた時、与えられた仕事がそんなにおもしろくないのは、みんな同じだと思うんです。だけど人生というのは長丁場なんです。そうであれば、仕事にしろ何にしろ、今やってることを好きになる努力をしなければいけないと思うのです。

    ☆幸せな人生にするかどうかは、社会に出て最初に与えられた仕事を自分から進んで好きになる努力をしたかしないかで決まる気がしますね。

    (感想)
    一生懸命やってれば良いことがある、いつも誰かのために貢献できるような仕事や生き方をしたいな。

  • 最近奥屋のマスターに勧めてもらってから著者の本も濫読しています。
    今日本的経営が否定される中で仮に日本的経営が全て間違いなら戦後復興はなかったと思います。
    賢しらに人口増加カーブと合致していたと後付けで語るのは簡単です。
    なぜ焼け野原から復興できたかを考えるのが失われた◯十年と言われるこのデフレを克服することにつながるのかなと思います。

    著者の本を読んでいつも反省する点は自分が仕事に対して真剣に向き合っているかと言うことです。
    「ど真剣に生きる」と言う題名はストレートに今の自分に刺さってきます。
    仕事は別として子育てにはど真剣に取り組んできたと思います。
    如何に自信を持って社会にお返しするか。
    自信を持って旅立ってもらえるか
    子育てはこればかり考えます。
    著者は今まで得てこられた富を如何に社会に還元するかを腐心されてます。
    大きさは違えども同じように考えておられると思って少し嬉しく思いました。

  • 京セラ社長 稲盛和夫さんの業績をインタビュー形式と言葉でまとめたもの。
    まっすぐな人だと思った。
    (P67引用)
    「近年、やりたい仕事、好きな仕事が見つからないと悩む若者たちが増えていると聞きます。仕事は最初からおもしろいものではありえないし、好きな仕事に就けることなどそうそうにあるものではありません。いま目のまえにある仕事を、自分から好きになる努力をしなければ、仕事のおもしろさなど永遠にわからないでしょう」
    (引用終わり)
    このことばは印象に残りました。
    稲盛さんも、ご苦労をされてきたことは本書でわかります。
    若いころはいいことがあまりなかったと書かれてました。真剣に向き合ったからこそ、見えてくるものがあるのかもしれません。

  • 稲盛和夫さんの問題や障害が発生したときほど、そのことに正面からぶつかっていきく直球勝負さに心をめっちゃ打たれました。逃げたくなることもあるけれども、『一日一日ど真剣に生きる』『誠実さ』が大切なんだということを感じました。自分自身もうまくいくことばかりではないが、真剣に取り組む姿勢を学び、活かしていきたいと感じました。『KDDI』、『京セラ』、『JAL再建』などの実績は稲盛さんの人生観や生き方によってもたらされたものなんだなと感じました。

  • 2016/01/19

  • 僕は一度、転職を経験しています。
    正直なところ、前の仕事は嫌で嫌でたまらなく、今の仕事に就いたときはホッとしたものでした。
    それが今になって、前ほどではないにしても、そういう気持ちが出てくるのです。

    前の仕事と今の仕事、どちらもど真剣に取り組んでいなかったと反省しました。
    嫌々やっていれば、結果がついてくるはずがないのです。
    仕事以外にもいえることでしょう。

    とにかく目の前の仕事に打ち込み、仕事を好きになること。
    書くのは簡単ですが、行動に移すのはもちろん難しいことです。
    歯を食いしばってやるしかないと思いました。

    「コンパ」と呼ばれる京セラ式飲み会なら、すぐにできるかな?…と思っていたのですが、ただの飲み会ではないいろいろな形があるらしく、まだまだだなと思います。
    「ただ面白おかしく、ただ酒をくらって己を忘れてしまうような、酒に飲まれるような酒は『下の下』です」

  • 稲盛和夫の生き方、信念が一冊にまとまった本。

    誇りを持って仕事に取り組むことの大事さ。リーダーの人間性はまず、「謙虚」であること。苦労するのは生きている証。

    名言が多く散りばめられた本。

    特に、「利他の心」という教えに感銘を受ける。言うは易し行うは難しではあるが、「他人のため」と意識し続けることの重要性を認識させられた。

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著者プロフィール

1932年鹿児島県生まれ。鹿児島大学工学部卒業。59年、京都セラミック株式会社(現京セラ)を設立。社長、会長を経て、97年より名誉会長に就任。84年、第二電電(現KDDI)を設立し、会長に就任。2001年より最高顧問、2010年には日本航空会長に就任する。代表取締役会長、名誉会長を経て、15年より名誉顧問となる。84年、稲盛財団を設立し、「京都賞」を創設。毎年、人類社会の進歩発展に功績のあった人々を顕彰している。2022年8月逝去。その他著書に、『稲盛和夫の実学』『アメーバ経営』『稲盛和夫のガキの自叙伝』『高収益企業のつくり方』『人を生かす』『従業員をやる気にさせる7つのカギ』『成功への情熱』『生き方』等がある。

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