- 本 ・本 (186ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140883327
感想・レビュー・書評
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〈本から〉
「幸せ」
現在を肯定的に見ることができる人は幸せだと思います。
(略)
明るいきもちでいたいのです。
(略)
無理をしているという気持ちなしに明るくしたいといつも心がけています。また、ユーモァのある明るいものを書いていると、私も楽しくなるのです。
(略)
生き物全てにいえることですが、幸せというのは心が穏やかで和やかな時だと思います。
(略)
「トンチンカン夫婦」
「れんしゅう」
「無限のいのち」
「万有引力」
「虹」
(略)
虹は本当に素晴らしい。その真下に赤ちゃんを抱っこしたお母さんがいるとなお素晴らしいなと私は思います。そういう、お母さんが子どもにおっぱいをあげているようなやさしさというのは、人間だれしもが持っているはずです。世の中はいろいろ大変ですが、人間だけが生きているんじゃないんですからね。すべての生き物が生きているんですから、いのちの全部に感謝しながら暮らしていくことで、自分も他の人も幸せになるんじゃないかと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
どこまでも謙虚。
焦っていた気持ちが和らぐ。 -
百年を生きた詩人が見つめた、いのち、自然、宇宙――
NHKスペシャル「ふしぎがり〜まど・みちお百歳の詩」から生まれた本。
「人間は、五感を働かせていることが、生きているということなのでしょう」童謡「ぞうさん」で知られる詩人まど・みちお。老いてなお、果てなく自由な感性の源はどこにあるのか。
身辺の小さな発見を書きとめたノート、入院を機に再び描き出した絵を引きながら、百歳の日々を語る。「れんしゅう」「トンチンカン夫婦」ほか詩17篇を収載。 -
ぞうさんの詩の意味がかいてあって、へぇ!!となりました。
百年生きた方の思いを読めるのって、ありがたいなぁ。穏やかな気持ちになれます。 -
詩人ならではの目線で描かれたまどさんの世界。覗けば、知らず早くなっていた呼吸に気付かせてくれるような、穏やかな本。こんな風に世界を捉えてみたいな、少しでも、と、忙しい日々に小さな魔法をかける術を思い出させてくれます。
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2014年に104歳で亡くなった詩人まど・みちおさんが、100歳の
時に放送されたNHKスペシャルの書籍化。エッセイ風ではある
が、まどさんが語ったことを文章にした聞き書きのようだ。
私は詩の良し悪しは分からないけれど、まどさんが詞を書いた
童謡「ぞうさん」「やぎさんゆうびん」「一年生になったら」「ふしぎ
なポケット」は今でもちゃんと歌える。下手だけど。
「やぎさにゅうびん」は好きだったな。白ヤギさんも黒ヤギさんも、
いつまでたっても相手からのお手紙を読めないのだもの。
凡人の私にはない感性が、100歳となったまどさんにはまだまだ
溢れていた。入院生活の中で語られたお話は、ほんわかとした
雰囲気を漂わせていながら、すーっと一本の筋が通っている。
100歳になっても、入院生活でも、詩を書き、絵を描き、日記を書き、
自然を、宇宙を、人間を、生きとし生けるものすべてを愛していた
まどさん。
「まだどれだけ生きるかしらんけど、生きとるあいだに、自分のやれ
るだけのね、おかしいことをやってみたいと思っております。年を
とっても、しょげたことにはしたくないからね。そういう努力はして
いきます。」
100歳でこう言えてしまうのは凄いと言ったら、まどさんはこそばゆい
と思うだろうか。自然体で、与えられた命を生きていたからこそこん
な言葉が出て来るのかな。
まどさんの言葉を読んでいると、些細なことで腹を立てたり、挫けたり
している自分がとっても小さく感じてしまった。
「生き物のすべてにいえることですが、幸せというのは心が穏やかで
和やかなときだと思います。つらくて胸騒ぎがするようなときはお金や
名誉があっても、きっと不幸なのじゃないでしょうか。」
あぁ、そうだよな。いくらお金があっても幸せそうじゃない人もいる
ものね。
詩人の100歳の日々を読んでいると、こんな風に歳を重ねたいと
思った。ただし、私が100歳まで生きられるかは分からないけれど。
尚、テントウムシを「ひとしずくの涙みたいな生き物」と表現している
のだが、これにはやられた。テントウムシをこんな風に思ったことが
ないので、これは今後どこかで拝借してみたい。
まどさんの本ももっと読みたいね。 -
優しい言葉に力がある
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