「イギリス社会」入門 日本人に伝えたい本当の英国 (NHK出版新書)
- NHK出版 (2011年7月7日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140883549
感想・レビュー・書評
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私自身は10年ほど前までロンドンに住んでいて、イギリスは第2の故郷と呼びたいほど好きな場所なのですが、イギリス人が日本人向けに書いたイギリス本は実はあまり出回っていないので、本書を軽い気持ちで手に取りました。著者も冒頭やあとがきで断っているように、そもそも深いところを学術的に研究するような本とは違い、軽いエッセイ集だろうなと思って読み始めましたが、そういう意味ではとても満足しました。本書を読み終わって、またイギリスに住みたいという強い思いが湧いてきた本でした。
特に共感したトピックとしては、パブとパブリック・フットパス(私有地も含めて自然の中を歩ける遊歩道のようなもの)、そしてイギリス人の英語表現がありました。ロンドンで私が通っていた大学近くにあった「オールド・バンク・オブ・イングランド」(本書にも登場します)というパブ、雰囲気がすごく好きで、何度も通いました。またイギリス滞在中に一度だけ歩いたマン島のパブリック・フットパスは、私がこれまで訪れた場所の中で最高の場所でした。本書内ではイギリスの田園風景をカズオ・イシグロの本からの抜粋で「品格」「偉大さ」という表現で紹介していますが、私からするとイギリスの自然は包容力と素朴さのある温かい母親的印象があります。(余談ですがスイスの自然は私にとってはスーパーモデル的な美しい女性という感じでした)。本書を読み終わって無性にイギリスに戻りたくなりました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
大変楽しい語り口で書かれていて、イギリス文化を学ぶのにすごくよいと思います。
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著者はイギリス以外の国(日本とアメリカ)にも長く居住しており祖国に対して冷静に分析して解説していますが、所々にイギリス愛が滲み出ていてそこが良かったです。階級・住宅事情・ロイヤルファミリー・食べ物・お茶・歴史・パブ等々知りたかった事が沢山掲載されていました。
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来年イギリス旅行をする下調べ。イギリスは9ヶ月住んで、2回旅行しましたが、この本読んでから行きたかったですw
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とて面白くて読みやすい万人向けの本で、一気に読めた。
これは英国に興味が持てるようになる本だ。
訳者もすばらしい。
イギリスの歴史、文化、階級の微妙な差異を感じるところ、不文律など、あちらの事情がよくわかるようだ。
島国であり、日本と似ていると思うところもあるが、感覚がかけ離れているところもある。
『ヘタリア』のイギリス好きの方にもお勧めです^^
イングランド男性の伝統舞踊「モリスダンス」を是非観たい。
描写を見るだけでほのぼのしてる。 -
以前読んだ「ニッポン社会」入門の著者の最新作である本書。
(本書の後書きによれば)1992年から2010年までの18年間のほとんどを外国で暮らしてきた著者が、浦島太郎的な視点から母国イギリスを見つめて書いた19ものエッセイが載っているエッセイ集です。
"#尚、AERA English 2011年 10月号に載っていた記事によると、本当のカルチャーショックとは、異文化に最初に出会った時ではなく、異文化になじんだ後、帰国し、当たり前のように感じていた自国の文化・習慣を当たり前とは感じられなくなった時に感じる物との事。"
本書で取り上げられているテーマは、階級社会とも言われているイギリスにおける階級から始まり、天気や国旗、王室、紅茶、パブ、歴史、イギリス人の表現方法等、多岐にわたっています。
個人的に特に面白かった点は、
日本人ならば気にするであろう王室が外国人(=ドイツ系)と言う事が、逆に「外国人でも王になれる開かれた国」と評価されている事や、
階級によりHの発音が違う(労働者階級はヘイチと発音するが、教育を受けた層はエイチと発音)事。
そして、"オタク"は「nerd」と英訳されるが、著者はこの訳が好きではなく、イギリスの"鉄ちゃん"がまるで制服のように着ている安くて頑丈なコートの名前から取った「anorack」(アノラック)と訳する方がよいと主張したり。
と言った所でしょうか。
ブレア元首相大嫌い、1984の著者であるオーウェルが大好きな著者独自のひねりの効いた文章にぐいぐいと引き込まれ、最後まで一気に読破。
本書は親書形式で字も詰め込んでいませんし、1章あたりのページ数も妥当な上、各章毎に独立した内容。
私みたいに一気に読破も良いですが、就寝前のちょっとした読書タイムなどにも良いかもしれませんね。
ドーバー海峡に霧が立ちこめた事を伝えた新聞の見出しが「海峡に霧、大陸が孤立」であった等(日本人から見た場合)少しひねた感じのあるイギリス人。
彼らに興味のある方は一読をおすすめします。