「調べる」論 しつこさで壁を破った20人 (NHK出版新書)

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  • NHK出版
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レビュー : 34
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140883877

作品紹介・あらすじ

プロの資質としての「しつこさ」は、その調べ方に表れる。科学者、弁護士から、狂言師、漫画家まで、多様な職種の人に聞いた調査の実態は、意外に人間臭いものだった-。彼らがつかんだ「発見」とは。正解のない現実と向き合う構えとは。「調べる」という観点から、仕事のしんどさと光明を鮮やかに切りだしたインタビュー集。

感想・レビュー・書評

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  • 【気になる参考文献】
    <本書インタビュイーの著作>
    本田由紀
    萱野稔人

    <木村俊介おすすめインタビュー本>
    『スタッズ・ターケル自伝』『仕事!』
    フィリップ・ショート『ポル・ポト ある悪夢の歴史』
    ロバート・ゲスト『アフリカ 苦悩する大陸』
    星野博美『謝々!チャイニーズ』
    大崎善生『聖(さとし)の青春』
    半藤一利『日本のいちばん長い日』
    立花隆『シベリア鎮魂歌 香月泰男の世界』
    野田正彰『喪の途上にて 大事故遺族の悲哀の研究』
    デイヴ・カリン『コロンバイン銃乱射事件の真実』

    <<第一章 調査取材で、一次資料にあたる>>
    【鈴木智彦 フリーライター 】
    【出井康博 ジャーナリスト 】
    【栗原俊雄 毎日新聞学芸部記者 】
    【加藤弘士 スポーツ報知プロ野球担当記者】

    <<第二章 「世間の誤解」と「現実の状況」の隙間を埋める>>
    【本田由紀 教育社会学者 】
    ▶︎若者の実態と、若者について語る言説とは乖離していて、後者は幻影であるという議論を私は展開し続けている。「いいかげんなことは言わないでほしい」というのが通底している動機。
    いいかげんだなと感じるのは、社会の問題に対して誰かをモンスターのように仕立て上げて敵にしてみたり、すばらしい価値があるように見えて誰も逆らえないかに見える正論を言ったりもするけれど、問題そのものは放置されていくという風潮に対して。
    ▶︎『教育の職業的意義』は、一歩間違えば社会の歯車としての人材を養成するような旧来型の職業教育になり、別の方に間違えばキャリア教育的な、「やりたいことを考えよう」みたいなものにもずれてしまう。その隙間をつく議論をしているつもりではある。
    すると、どんな立場からも「私とは対立する側に立っている」と思われ、四面楚歌的になる。

    【阿部 彩 貧困問題研究者 】
    ▶︎少し前まで、日本に貧困は「ない」とされていた。
    ▶︎貧困を「ないこと」にしたい人たちと闘う上で、やりたかったことは何か。わかりやすいかたちで、一般市民に問題を提示すること。そのために、数字や表、グラフなどによる国内の貧困に関するデータを作り続けた。...具体的なストーリーを集めることも重要だが、社会的に無視できない規模で起きている現実を伝えるには、それだけでは説得力がない。稀なケースなのか、一般的な出来事なのかがわからない。だからデータを作ることにした。

    【本田美和子 内科医 】
    ▶︎「HIVも個性です」なんて発言も聞きます。言葉の意図はわかるけれど違和感がありますね。HIVに感染していると告げられ、心底落胆して診察に来られる患者さんを見ていると「自分からHIVという個性を持ちたいと思っている人はいない」と思いますから。
    HIVは人生を破壊する危険性を持っている病気。今までの生活がうまくいかなくなるかもしれないし、経済的な負担だって抱える。即死の病ではないけど不治の病ではある。薬を飲み始めたら、自覚症状がなくても、副作用のきつい薬を毎日飲まなければならない。一ヶ月に三回も薬を飲み忘れたら、耐性ができて効かなくなるから。
    ▶︎HIVという病気は患者さんの社会性を喚起させるものでもある。

    【浅川芳裕 雑誌編集者】
    ▶︎雑誌『農業経営者』の副編集長をしている。著書に『日本は世界5位の農業大国 大嘘だらけの食料自給率』。
    ▶︎農業雑誌の編集者になるに際しては、都市と農業がわかれば世の中がわかるから農業を調べたい、書きたいという欲求があった。
    都市は世界共通の要素で成立しているから把握しやすい。でも農村地帯ってよく調べないと何なのかわからないもの。植生にしても、自然物と人工物の違いさえ、すぐにわからない。逆にいえば、農業地帯のことがわかれば、自分の世界認識が飛躍的に高まるんじゃないかって。それを人類の多数派になった都市民に文章で伝える役割が自分にあるんじゃないかって漠然と考えていた。

    <<第三章 膨大なデータや現実をどう解釈するか>>
    【佐々木 融 為替ストラテジスト 】
    ▶︎著書に『弱い日本の強い円』
    ▶︎事実や現実を認める地点から考えはじめなければ、「この統計の数字が出ていて、こんなにドルが売られるなんておかしい...今の市場の動きは、どうも変なんじゃないか?」と思うだけで思考停止状態にもなりかねない。つまり、現実が間違いということはないって話。理論なり通説なりから見える架空の世界ばかりを眺めて、現実から目を背けるなんてことになってしまえば、順番が逆になる。...世間ではいろいろと言われているけれども、よく考えていたら矛盾していないか、みたいなことはずいぶんあると思う。

    【渡辺 靖 文化人類学者】
    ▶︎調査がまとまる時期はいつか?不思議なもので、ある瞬間にバッと出てくる。
    意図的に物語を作り込んで調査を進めるのは不誠実。だから最初は断片的に事実を集めざるを得ない。すると、なかなかうまく調査の結論なんて見えてこない。
    でも、たとえば調査を続けている最中の朝起きた時だとかに、ふと、このキーワードやストーリーでこの話題はよりよく説明できるんじゃないか、と思える瞬間が出てくる。
    厳密に言えば、この要素に関してはまだまだ調べたりないなんてこともある時期にでも、その瞬間がくると、もういいんじゃないのかな、となる。そんなうまく言えない「ザ・モーメント」があって、その時に調査はうまくまとまるんじゃないか。
    博士論文の際は、次にこう聞いたらこう返してくるだろう、と大体のことが現実味を持って想像できるようになった時期に、何か同じゲームを繰り返してるように思えて、その時に「もうこのコミュニティは理解できたんじゃないか」と感じられたわけ。感覚的なものだけれど。
    どこまで調査するのか、この膨大なデータから何をどうまとめようかという時には、ふと「降りてくる」ものがある。どこかでそんな「ザ・モーメント」がなければ研究なんて終わるはずがないんじゃないか。

    【佐藤克文 海洋生物学者 】

    【中田 亨 ヒューマンエラー研究者】
    ▶︎いちばん最初に人間にとって安全というものが大きな命題となったのは、私がこれまで研究してきた中では、おそらく「欧米における猟銃の普及」という200〜300年前ほどの時期だったのではないか。
    つまり、やたら猟銃による事故で人間が死んでしまっているけれども、裁判でどのように捌いたらいいのか、という問題がまず社会で持ちあがる。この時は、まあミスだから無罪にしようということになった。
    自動車が普及しはじめた頃にも同じ問題が起きた。最初は自動車を運転してるやつが悪い、となっていたが、産業界からの要請もあって、まあ「なあなあ」で基準がひっくり返って過失ということになった。これも当時のご時世からくる判断基準。帝国主義の時代において、重商主義を推し進めていた社会の中では、産業を止めてしまうような動きに関しては消極的になるからということで、交通事故という問題も「まあ、それはそれとして」と割り切って処理されたわけ。
    ただ、もちろん、昔から産業界の要請に応えて事故についての基準ができたとは言っても、原子力の事故となれば世界規模の問題を引き起こしてしまうから、交通事故と同列に扱うわけにはいかなくなった。とうとう、人類がみずからの扱いきれる範囲のリミットにまで達した。ここから先はもうないよ、ミスによって人類全体の危機にまで達してしまうよ、というとこまできてしまった。
    ▶︎「ミス」を「不確かさ」として捉え直す
    ミスというのは、もう存在するものだという前提を置いて研究することにした。定常的に、人間というのは揺らいでいるものである、と。しかし、ミスをしても、本当に大変なことになる前に、引き戻すところがあればいいんじゃないか、と考えたら問題が整理された気がした。
    つまり、理由やメカニズムを探り当てようというよりは、本当の危機的な状況を防ぐ、防御を行うという考え方を進めてみた。それなら、頭の中がどんなふうに動いていようがいいわけだから。
    防御時に最も大事なのは、これは変だな、とミスをした後に、本当の危機が訪れる前に気づけること。例えば仕事の進度に関して言うなら、雑然としてる現場と整然としてる現場なら、整然としてるほうがミスが起きた後のおかしさに気づきやすい、と提案できる。
    ▶︎ヒューマンエラーの研究では、心理学を扱うにしても、使うべきなのは近く心理学という、人間はどのように見たり聞いたりしているのかの首根っこを抑えておくことが必要になる。

    <<第四章 新しいサービスや市場を開拓する>>
    【宮川淳一 航空機開発者 】
    【淵邊善彦 弁護士 】

    【高木慶子 悲嘆(グリーフ)ケアワーカー】
    ▶︎2009年に「日本グリーフケア研究所」設立。「悲しみは病気ではなく、正常な感情の発露である。薬などで『解決』するべき対象ではない」というのが悲嘆ケアに携るものたちの基本的な姿勢。
    ▶︎”私の場合は、目の前におられる方の話す内容が、ほんとうであろうがウソであろうが、それで騙されようが何であろうが構わなあいんだというスアtんすで人の話を聞かせていただいているんですね。
    そして、私は経験の内容については何か「面白い」とか「すごい」とか、あるいはその逆の「面白くない」「平凡である」などといった一切の評価は差し挟まないで話を聞くようにしています。別の人の何かと比べて評価をしてしまった途端に、今語られている悲しみの話の渦中に入り込めなくんなりますから、これは重要なところです。
    悲しみを抱えている方に特有のこととしては、話がそのつどコロコロ変わるという現象があります。あるいは、同じことを繰り返し話してしまうって側面もある。そんな時に、前と矛盾することを言っているとか、その話ならもう聞いたとか、チラッとでも思ってしまえば、それは目の前の人にも伝わってしまう危険性が高い。
    でも、はっきり言って、そのつど事実関係の違う話をしたてちいじゃないですか。その方に対して前に話をうかがった時とは、おそらく状況が変わったのだろうと思っていればいいのであってね。そんなのはいちいちほじくり返して整合性を求める必要もなく、受けとめて聞いていればいい。違う話をしようが、同じ話だけをしようが、こちらとしてはどちらにしてもまるごと話を聞き続けるってことのほうがずっと重要なんです。
    しかし、私たちの多くは、生活のほとんどの場面で、人の言うことに対して何らかの評価を与えながら聞いてしまいますよね。面白いとかつまらないとか、その話の要点は何だとか言って。......こうした縮こまったようなやりとりはどうかなぁと思うんです。他人を評価しすぎるあまり、安心して自分自身でいられない側面もあるのではないでしょうか。
    私がケアに入った時に一切の評価をしないのは、つまり、評価というのは話の「伸びやかさ」を奪ってしまうからなのですね。評価されていると感じたら、人は好きなようには話し続けられなくなってしまう。”

    【北村明子 演劇プロデューサー】

    <<第五章 自分自身の可能性を調べて発見する>>
    【野村萬斎 狂言師】
    【国広 正 弁護士 】

    【萱野稔人 哲学者 】
    ▶︎私自身は流行と関係なく「そもそも何なのか」ということを理解したくて哲学をしている。
    もともと、哲学はジャンルを問わない学問。哲学には(経済学や物理学と違って)「これ」という対象はない。だからこそ、社会の現象に関しても、自然科学に関しても、あるいは人間の知性や生き方などについても、哲学者は全てに対して発言できる。
    では哲学が哲学たるゆえんはどこにあるのか。それは、哲学が物事を考える時の道具にしているもの=言葉にある。言葉を使ってとことん考えることが哲学の営み。言葉を使うという方法の部分にこそ哲学の特性がある。だとすると、哲学は色々な分野と対話すべき学問なのではないか。
    哲学は、概念や言葉を武器にして「それはどういうことなのか」と問う対話を行うことができる。今のように専門分化が進み、各専門の枠を超えた対話がない時代では、世界全体を俯瞰するような知性はなかなか生まれない。そうした知的状況のなかで、俯瞰できる知性を作り上げていくことこそ、分野を横断して対話を行える存在である哲学者がやらなければならないこと。
    哲学は、固有の対象をもたないが、言葉を道具にしている学問で、物事を概念的に理解する点にこそ本質がある。概念的に理解できれば応用が効くので、他分野との対話も哲学者ならできなければならない。前提を共有した同じ専門の人とだけしか話ができないというのでは、そもそも本当の意味で哲学をやっていることにはならないのではないか。
    言葉を使って概念的に考えるという、だれでも多少なりともやってることと哲学は地続き。
    ▶︎ドゥルーズやフーコーなどの哲学者は、自分の頭で理解して、考えて、自分の言葉で勝負する、というスタイルをとっていて、文章も明晰。デリダやラカンは晦渋な文章を角が、難しい文章の割には大したことを言っていない。スピノザも、数学の定理を証明するように、考えたことを明晰に書かなければならないという新年を持っていた。そのような先人に影響を受けてきたので、明晰に書くことができなければ、ちゃんと考えたことにならないと強く思う。
    ▶︎知性の本質は、言葉をアウトプットすることにある。学生たちには、とにかく喋ることからはじめて、最終的には文章にして書くことでアウトプットの能力を高めなさい、と言っている。言葉を使ってアウトプットすることで、はじめて自分の考えていることが明確になったり、ちゃんと物事を理解していなかったことがわかったりする。哲学が知性の根本に関わっている理由がここにある。

    【田島 隆・東風孝広 漫画家】
    ▶︎共作で『カバチタレ』など執筆。
    ▶︎田島(原作者):起きてから数時間は、できるだけ漫画のアイデア、特にその回のキモになるアイデアを出すことに集中する。この時間帯には、打ち合わせも会話もせず、ほかの作業もやらず、ただただアイデアの発想をする。
    というのも、ぼくが作品のアイデアを効率よく出せるのはどうやらそのタイミングだけで、たとえ30踏んでも別のことに集中してしまうと、その日一日何も考えつかなくなることが多い。特に論理的な思考が必要な作業をしてしまうと、てきめんにアイデアの出が悪くなる。

    <<終章>>インタビューを使って「調べる」ということ
    ▶︎普通の人たちの声を聞くことで時代の大問題を考えるという方法は、特にインタビュアーのスタッズ・ターケル氏の手による「口述の歴史」と呼ばれる一連のインタビュー集で丁寧に提示されてきた。村上春樹著『アンダーグラウンド』のあとがきにもターケル氏とボブ・グリーン氏による取材の方法を参考にしたとある。
    ▶︎取材の仕事をしている方に「ずっと周囲との嘘っぽい人間関係が嫌で悩んでいたけど、ある時から『一所懸命に何かをやっていれば、どこかで同じように何かをしている誰かに会えるんじゃないか』と試しに信じてみたら、多くはないけど、ほんとうの友達に会えるようになった」と聞いたことがあった。その方は「今もその延長線上で、どんな人かはわからないけどどこかにいるはずの『誰か』に会いたくて取材の仕事をしているのかもしれない」みたいにも話していた。
    ▶︎私は、世間的には無名とされる、普通の人たちの話を時代の証言としてまとめたいとも考えている。......
    私は以前に6年8ヶ月間、おもに読者とのメールのやり取りを掲載するメルマガを、通算で1200号ほどほぼひとりで編集・配信させてもらっていたこともある。その際も「ふだん、会社で会う人とは違う人たちに会えるような」と言われる普通の人たちのメールこそが反響が大きかった。

  • 様々な職種、学者、医者、狂言師、漫画家、雑誌編集者など20人の方を著者がインタービューしたものをまとめたもの。取材者の言葉は消してあり、一人一人の思いが伝わりやすいように構成されていて読みやすい。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「調べる」論って、調べ方の話ですか?
      漫画家や雑誌編集者は調べ倒すだろうと思うのですが、狂言師って、、、
      「調べる」論って、調べ方の話ですか?
      漫画家や雑誌編集者は調べ倒すだろうと思うのですが、狂言師って、、、
      2014/04/28
    • komi333さん
      調べるというよりそれぞれの仕事の接し方という感じです。
      調べるというよりそれぞれの仕事の接し方という感じです。
      2014/04/29
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「それぞれの仕事の接し方」
      ナルホド。。。
      「それぞれの仕事の接し方」
      ナルホド。。。
      2014/05/02
  • PDF
    調べる力

  • 著者: 木村俊介

    【版元】
    発売日 2012年09月11日
    価格 929円(本体860円)
    判型 新書判
    ページ数 288ページ
    商品コード 0088387
    Cコード C0236(社会)
    ISBN 978-4-14-088387-7

    スゴイ人の「調べ方」は、意外に泥臭かった
    プロの資質としての「しつこさ」は、その調べ方に表れる。科学者、弁護士から、狂言師、漫画家まで、多様な職種の人に聞いた調査の実態は、意外に人間臭いものだった――。彼らがつかんだ「発見」とは。正解のない現実と向き合う構えとは。「調べる」という観点から、仕事のしんどさと光明を鮮やかに切りだしたインタビュー集。

     
    木村俊介
    1977年東京都生まれ。インタビュアー。東京大学在学中に立花隆氏のゼミに参加。糸井重里事務所を経て独立。著書に『変人――埴谷雄高の肖像』(文春文庫)、『仕事の話』(文藝春秋)、『物語論』(講談社現代新書)、『料理の旅人』(リトルモア)など。2012年4月よりNHK「NEWS WEB 24」に出演。
    ツイッターアカウントは@shunsukekimura 
    https://www.nhk-book.co.jp/detail/000000883872012.html


    【簡易目次】
    はじめに [003-008]
    目次 [009-014]

    第一章 調査取材で、一次資料にあたる 015
    「一次情報を、引いた視点で集めたくて」  鈴木智彦 フリーライター 017
    「選挙活動って、やっぱりいやなものでしたよね」  出井康博 ジャーナリスト 026
    「罪深い取材をするからには,まっとうなものを書きたい」  栗原俊雄 毎日新聞学芸部記者 038
    「一五分間で一〇〇〇字を書かなければならない時もある仕事です」  加藤弘士 スポーツ報知プロ野球担当記者 048

    第二章 「世間の誤解」と「現実の状況」の隙間を埋める 059
    「現実の解決策は、面倒な作業の後にしか見つからない」  本田由紀 教育社会学者 061
    「少し前まで、日本に貧困は『ない』とされていたんです」  阿部彩 貧困問題研究者 071
    「情報の流通が、病気への誤解を深める場合もある」  本田美和子 内科医 081
    「本当の話は、何回言っても嘘にならない」  浅川芳裕 雑誌編集者 089

    第三章 膨大なデータや現実をどう解釈するか 099
    「流れに逆らうと、非効率的なお金の使い方になる」  佐々木 融 為替ストラテジスト 101
    「調査は、降りてくる瞬間に一気にまとまるもの」  渡辺 靖 文化人類学者 110
    「世界初の調査ができても、意味を捉えるのが難しい」  佐藤克文 海洋生物学者 117
    「私の役目は、企業が改革を進めるための触媒です」  中田 亨 ヒューマンエラー研究者 135

    第四章 新しいサービスや市場を開拓する 149
    「営業の業務を調べなければならなかった」  宮川淳一 航空機開発者 151
    「M&Aの仕事って、結構、人間臭いですよ」  淵邊善彦 弁護士 161
    「人の話は、評価しながら聞いてはならない」  高木慶子 悲嘆ケアワーカー 175
    「業界の常識を調べ、別の常識を作り上げた」  北村明子 演劇プロデューサー 183

    第五章 自分自身の可能性を調べて発見する 195
    「過去を調べなければ、美しさは生まれない」  野村萬斎 狂言師 197
    「同じ方針を取り続けたら、時代の変化がよくわかりました」  国広 正 弁護士 206
    「知性の本質は、アウトプットに宿るもの」  萱野稔人 哲学者 214
    「調査や経験を、作品にまで高めるために」  田島 隆・東風孝広 漫画家 222

    終章 インタビューを使って調べるということ 243
    人の肉声を使って歴史を記録する 245
    「偉そう」でないのが、聞き書きの魅力 253
    「ほんとうの話」がしたくて 258

    おわりに(二〇一ニ年八月 木村俊介) [276-277]
    初出一覧 [278]

  • 図書館

  • 【要約】


    【ノート】

  • なんだか本全体的に、読んだことがある雰囲気だな〜と思ったら、糸井事務所から独立した方の本でした。
    人との対談がなんとなくほぼ日に似ているのだと思う。
    それはさておき、全体としては、調べる論というよりは、
    職業論のような内容(ほぼ日のはたらきたいを思い出した)
    それもまた面白かった。

  • 002.7

  • ◆研究者や漫画家、弁護士やジャーナリスト、「正解のない現実と向き合う」さまざまな人たちは、どのようにして現実と向き合うことになったのか。そしてそこからなにを得たのか。刺激に満ちたインタビュー集です。

    ◆全体的に、一次情報にあたる大切さが強調されていました。ただそれだけでは当たり前のことなのですが、この本では、彼らが一次情報から引き出したもの、あるいは引き出した方法といった、過程のドラマに焦点が当てられています。足で調べまわることもあれば、じっとデータを見ていて、なにかの拍子にそのデータが意味するものがみえてくることもあるようです。そしてそうした発見によって、関係の無いように見えることが思わぬところで関連していることが分かったりして、通説と異なる現実の姿がみえてくるのですね。

    ◆この本は、さまざまな分野での調査の方法を説明するような本ではありません。むしろ調べる(答えのない問いを立て、答えを探す)人たちの人間的なドラマに関心がある方が楽しめる本だと思います。

  • 読了。

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著者プロフィール

木村俊介 (きむら しゅんすけ)
1977年、東京都生まれ。インタビュアー。著書に『インタビュー』『善き書店員』(ミシマ社)、『漫画編集者』(フィルムアート社)、
『料理狂』(幻冬舎文庫)、『漫画の仕事』(幻冬舎コミックス)、『仕事の話』(文藝春秋)、『変人 埴谷雄高の肖像』(文春文庫)、
『物語論』(講談社現代新書)、『「調べる」論』(NHK出版新書)、『仕事の小さな幸福』(日本経済新聞出版社)、
聞き書きに『調理場という戦場』(斉須政雄/幻冬舎文庫)、『デザインの仕事』(寄藤文平/講談社)、『芸術起業論』(村上隆/幻冬舎)、
単行本構成に『西尾維新対談集 本題』(講談社)、『海馬』(池谷裕二・糸井重里/新潮文庫)、『ピーコ伝』(ピーコ/文春文庫PLUS)、
『イチロー262のメッセージ』シリーズ(ぴあ)などがある。

「2018年 『衣・食・住・音 音楽仕事を続けて生きるには』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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