登山の哲学 標高8000メートルを生き抜く (NHK出版新書)

  • NHK出版 (2013年5月9日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784140884072

作品紹介・あらすじ

もっとも宇宙に近い場所-そこは、人間が存在してはいけない"死の地帯"だった。日本人初の八〇〇〇メートル峰全一四座登頂を成し遂げた著者が、病弱だった少年時代からの歩みをたどりながら、難局を乗り越えるための哲学を明かす。二度も死の淵をさまよい、なおも挑戦を続けられるのは何故か?生死を分ける「想像」の力とは?息もつかせぬ迫真のドキュメント。

みんなの感想まとめ

人間の限界に挑む登山の世界を通じて、著者が描く哲学は、挑戦することの意義や生き方のヒントを与えてくれます。病弱な少年から、日本人初の8000メートル峰全14座登頂を成し遂げた著者の経験は、柔軟な思考や...

感想・レビュー・書評

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  • 先日、友人に教えていただいた本「登山の哲学」を読みました。とても面白かったです!
    大きなことを成し遂げる人、新しいチャレンジができる人は、頭が柔らかくて創意工夫があり、その考えを実行する勇気と覚悟と行動力とセルフコンフィデンスがあるのだなと、思いました。
    こんな生き方に、少しでも近づきたいなぁと思いました。

  • TV番組クレイジージャーニーに出演した著者の竹内洋岳。小池栄子に「大学教授みたい」と言われた、その本領を発揮して登山の哲学を語る。

  • 8000m峰全14座登頂を成し遂げた日本の登山家による本。そもそもこういう記録があること自体知らなかった。冬山や高所登山ってやろうとは思わないけど、好きな人は好きなんだな。
    登山用語に軍隊用語が使われていたのは英軍が高所登山やっていたからとか、高所登山と潜水との対比、山の天気予報をする猪熊さん、14サミッターである著者の身体が登山に特化し過ぎて他の体力はあまりないとかいなほ保育園の話とか面白い。そして、高所登山は想像のスポーツであること、経験は積み重ねるものではなく広げて並べておき、経験の積み木を想像力で埋めるという考え方は登山だけでなくいろんなものにも当てはまる卓見だと思う。

  • 余談だが、
    かつて登山用具店の登山学校に通ったことを思い出した。アイスクライミング、ロッククライミング、雪中行進・泊・・・。普通の長靴でさっさと岩壁を登っていく講師がいたなあ。なんでもない平坦な道でも自分の足(靴)と足とがぶつからないことが大事だと。

  • 山に挑む人々がどんなことを考え、どのような風景を見ているのか関心があり手に取った。

  • 786-T
    閲覧新書

  • 2021/12/16購入

  • 高いところを登るというのは、人間の本能の一つなんでしょうね。

  • 日本人として初めて8000メートル峰14座登頂を達成した「プロ登山家」竹内洋岳さんが、雪崩に遭遇したエピソードから始まって、標高8000メートルに登って、そして帰還することの意味、決意と覚悟などなどを語るものです。まさに、「哲学」と言えるのではないでしょうか。

  • 登山の哲学はあるのか?そもそも哲学とはなんぞや?で、時間を費やしてしまいそうなのでもう少し簡単に考えよう。

    自分にとっての登山とは何か?自分の場合だと、登山もするし、トレラン もするし、ハイキングもする。正しくは自分にとっての山とは何か?になるだろう。

    山は、社会との、自然との、家族との、じぶんとのつながり。

    山を通しての友人、コミュニティとのつながり。また山を通して見える社会、そしてつながり。

    山の中では、そこ、それ、全てがリアル。人間の作った余計なものを全て削ぎ落としたもの、それらをありのままに感じることができる。
    そして普段の生活と比較することで、ほんとうに大切なものが見えて来るような気がしてる。

    家族とももちろん山で遊ぶ。一緒に山に行く。自分の経験をベースに家族に楽しんでもらう。どこに行けば楽しそうかなとか、この山ごはんはぜひ作ってあげようとか、ついつい山行中はかんがえてしまう。それだけじゃなく、山を楽しんでいる自分を楽しんでもらうようにできたらいいなと思ってる。

    自分が自分につながる場所。考え事をしながら歩いてみたり、何も考えずに本能だけですごしてみたり、、、、みたいなこともそうだし、社会とのつながり、家族とつながり、そうしたいと思って、そうしていること自体が、自分とつながろうとしていることなのかもしれない。

  • Twitterで進めている人がいて、何も考えずにポチッて読んでみました。何か生きる活力を得られ、正月ボケでエネルギーを失っていた私をモチベートさせてくれるには最適な本でした。

    著者は日本のトップクライマーらしく、その著者が幼少期から学生時代の山と出会いと山にのめり込んでいく話。就職からトップクライマーへの過程の話。それと、最後にやや考え(哲学?)の話。大きくは3つに分けることができます。

    やはり、一番引き込まれるのは就職からトップクライマーへの過程の話です。登山に理解のある会社に就職し、長期休暇を多分に取得しながら8000m級の山々に登頂していく中で、2つのことがポイントとなります。

    「山を通じて人との出会い」と「登山で発生するアクシデントの数々とその解決」です。どちらも、自分の会社員としての生活にも当てはめて考えられそうで、その辺りにモチベートさせられました。

    ちなみに、私は登山はハイキングレベルです。なので、この方はどんな方かは全然知りませんでしたし、8000m級の山どころか日本の山々すらロクに知らないレベルです。そんな人でも何か活力が得られる内容でしたし、すごい部分ばかりの羅列ではなく、ダメな部分やサイドストーリーなんかも織り交ぜられており非常に嫌味感もなく、スラスラと読めるので、またモチベーションが落ちた時に読んでみようかとも思っています。

  • ・想像力が大事
    ・登山はひとつの大きな輪
    ・大人数の登山と少人数の登山
    ・高校生くらいまでの記憶は一緒くた
    ・非日常を楽しむ
    ・まっすぐ歩く

  • 洋岳さんとは昨年からよく顔を合わせるのだけど、すごい考えを掘り下げていて、話を聞くとスーッと入ってくる。でも本人は、そんなこと言ったっけ?って忘れてることが多いけど。

  • 登山が好きなので読んでみた。
    哲学というより、著者のこれまでの体験をまとめた内容に近い。
    14座の8000メートル峰を制覇するまでに死に直面する等、読んでいて驚くことが多々あった。

    8000メートル峰を登るにあたり、酸素ボンベ無しで、かつコンパクト(人数、物資)なことが著者の登山の特徴。

  • 日本人として初めて8000メートル峰全14座を登頂した竹内氏がその登山について書いた本。
    竹内氏が登山を想像のスポーツと定義していることを知って、それについて書かれた本かと思って読み始めたので、想像していた内容とは違ったのがやや残念。

  • かつて登山は国家プロジェクト。軍隊の作戦だった。
    登頂に成功すると「制覇」、
    山頂を目指すことを「アタック」と言っていたが、
    今はsummit pushと言わないと笑いものに。
    大けがをして精神的に一番きつかったのは、お見舞いに来てくれた人たちの「運が良かった」という言葉。人生の生き死にまで運で片付けてしまうことはできない。
    ----

    14座までもう2座の2010年のチョー・オユー登頂の際、竹内氏にカメラを提供した。このとき、超低温下でカメラが動作しなかったと聞いた。運悪くなのか、良くなのか、悪天候で登頂を断念した時であった。申し訳ないと今でも思っている。

  • 高所登山って凄さの程度が想像もつきませんが、無酸素で潜水していって底にタッチしにいく感覚っていう表現が分かりやすかったです。
    それでは頂上でゆっくりしようなんて思わないですね。
    そういう極限の状況で、やる事はストイックにやる。だけど、楽しむために山に行くっていうバランスの良さが印象的でした。

  • 世界には高度8000メートルを超える山が14座あり、
    そのすべてがヒマラヤ山脈と、そのとなりのカラコルム山脈にあります。
    ネパールだとかパキスタン、中国の境の山脈です。
    そんな8000メートル級の14座すべてに登頂したひとを、
    「14サミッター」と呼ぶようなのですが、
    日本人としてはじめてその「14サミッター」になられたのが、
    著者の竹内洋岳さんです(世界では29人目)。
    そんな竹内さんの半生を振り返りながら、
    高所登山の魅力や、
    彼なりの高所登山にたいする考えかたなどを綴っています。

    高所登山をつづけるなかで、
    「プロ登山家」を、覚悟を決めて名乗り始めます。
    雪崩で死にかけた経験も、失敗談も、
    隠すことなく紹介されていました。
    それが、竹内流のプロ意識なんですね。

    ぼくはEテレの対談番組ではじめて彼のことを知って、
    それからこの本を購入し、
    14座登頂という偉業についても知ったようなひとです。
    登山家といえば、植村直己さんの名前しか知なかったです。
    それゆえなのか、登山の話が新鮮でした。
    クレバス(氷の地表の亀裂)だとか、
    以前『岳』という映画を見たこともあったために
    知っていることもありました。
    でも、少しずつ高所に体を慣らしていくだとか、
    登山に慣れてるならすぐに登るわけでもないのだな、
    とド素人的に思ったりもしたのです。
    そういうレベルでもとっつきにくさのない本です。

    最後のほうで、
    登山とはいかなるものなのか、という
    著者流の答えが書いてあります。
    何度も山に登っても、
    それが同じ山であるとしても、
    気候や季節などが違うし、
    まったく違う顔を見せるのが登山である、と。
    だから、登山はすべて、いつもゼロからのスタート。

    これは、小説を書くのにも同じことが言えると思いました。
    書けば技術は磨かれるし、鍛えられる部分はあるけれど、
    書いた経験がそのまま次回に役に立つどころではなく、
    想像力を奪ってしまうことになる。
    そのため、経験は道具の一つくらいのものであり、
    想像力こそを豊かにもってゼロから組み立てていく。
    ほんとうにこれは、登山と小説の執筆の共通点だと思います。

    それにしても、酸素や水蒸気のうすい8000メートルの世界って、
    夜はすごく星がきれいなんですって。
    すべての星が、瞬きもせずに強い光を浴びせてくる。
    星座もわからないくらいに満天の星が輝くのだそうです。
    そして、写真や動画ではなかなか伝わらない、
    その場にいるからこその見え方がするそうなんです。
    ぼくは一生、そういう体験はできないだろうから、
    目いっぱい想像してみることだけにしますかねえ。
    たまに雑誌なんかで満点の星の写真がありますが、
    ああいうのに近いのだろうなあ。

  • 著者の竹内洋岳は1971年生まれで、2012年に日本人初の14サミッター(世界の8,000m峰14座の登頂者)となった世界的クライマー。
    題名は「登山の哲学」と少々堅苦しいが、著者は「一人のプロ登山家として、少しでも高所登山の魅力を知ってもらいたい。そして、本来は誰もが持っているはずの「挑戦を続ける喜び」をもう一度取り戻してもらいたい」と願って書いたと言い、心臓疾患を抱えて生まれながら、学生時代に登山の面白さに目覚め、アルパイン・スタイルの登山を指向してプロの登山家となっていく半生、大雪崩などで生死の境をさまよった経験、登山についての様々な思いなどを、綴っている。
    「私にとっての経験とは、積み重ねるものではなく、並べるものなのです。経験が増えれば増えるほど、数多くのディテールが知識となって記憶にインプットされます。そのディテールとディテールの隙間を埋めていく作業が“想像”です。だから、経験の積み木のすべてが見渡せるように、テーブルの上に広げておく。そして、並べてある位置を移動させたり、順番を入れ替えたりしながら、隙間を埋め尽くすほど想像を膨らませていく・・・想像できることが多ければ多いほど、登山は面白くなり、危険も回避できる」というフレーズは、数々の修羅場をくぐってきた著者の言葉として印象に残る。
    (2013年7月了)

  • 高所登山の面白さは、色んな想像をしてルート選択や意思決定を経て、それを完成させるクリエイティブな活動にある。

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著者プロフィール

プロ登山家、14サミッター。1971年、東京都生まれ。立正大学客員教授。ハニーコミュニケーションズ所属。アルパインスタイルもとり入れた速攻登山で8000m峰に挑みつづけ、2012年に14座目となるダウラギリ登頂に成功。日本人初の8000m峰14座完全登頂を果たす。2013年、植村直己冒険賞を受賞。現在は、未踏峰への挑戦を続けながら、野外教室や防災啓発などにも取り組んでいる。著書に『標高8000メートルを生き抜く 登山の哲学』(NHK出版新書)、『頂きへ、そしてその先へ』(東京書籍)、聞き書きによる書籍に塩野米松『初代 竹内洋岳に聞く』(ちくま文庫)など。

「2020年 『下山の哲学 登るために下る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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