レイヤー化する世界 テクノロジーとの共犯関係が始まる (NHK出版新書)

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  • NHK出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140884102

感想・レビュー・書評

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  • 1,2部の世界史・政治史のお勉強部分はわかりやすくまとまっており参考になった。が、3部の未来の話が個人の生き方系の話になってしまった。1,2部は様々な参考文献からの要約であるのに対し、3部は著者の個人的な経験談・雑感でしかないし、結構言い古された話で目新しさもないのでいきなりテイストが変わり話が小さくなる。結局未来を社会科学的に論じる力量がないという事だろう。3部からレイヤーが数段落っこちてしまったという印象。国民国家の衰退は間違いないだろうから、その後の世界を他の人がちゃんと書いてくれる事を期待したい。

  • ちょっと強引。ツッコミどころが多く賛同しかねる
    あとレイヤーて例えはあまりマッチしてない

  • 前半の世界の歴史の変遷はわかりやすくて、すごくよかった。しかし、肝心の「レイヤー化」の話については、正直、どうとでもとれる内容でがっかりした。何でもレイヤーで語ってしまうのなら、これから「レイヤー化」するのではなく、昔からレイヤー化していたのじゃないのかと。

  • レイヤーとは、その人を構成する要素の事である。 共有せず、自分だけのものとするなら要素という言葉で事足りるが、レイヤーというのには訳がある。

    それは、インターネットの普及により会社・国家といった従来の『ウチとソト』の関係がなくなり、世界がフラット化しているという背景だ。

    フラット化した世界では、従来通用していた、個性を決める概念が通用しない。超国籍企業も出現し、日本人やA会社の人 というのは定義が大きくなり、それ自体で個性を指すことは難しくなる。

    そんな世界で自分を定義するのが、レイヤーの重なりだという。

    読書が好き、テニスが好き、千葉出身、商社勤務…と要素を重ねる事で、そこを貫くプリズムができる。これが『私は何者か』を定義するものになっていく。そして、読書が好き、テニスが好き、といった要素単位では、インターネットを通じて多くの人と簡単に繋がっていくことができるのだ。


    レイヤー化した世界で繋がりをつくり、そこでの体験を通じて自分の立ち位地を確認する。この行為を繰り返すことで、自分へのいとおしさ、居場所が育まれると著者は説く。


    面白い本だった。フラット化する社会のマイナス面でなくプラス面に焦点を当てた本。 現状の世界観に縛られず、自由に生きよと言われた気がする

  • 世界史をざっと振り返ってからの、これからの未来について書かれた本。レイヤーとは、透明のシートを指し、さまざまな自分の「一部分」をレイヤーに投影して積み上げたものが自分である、と。この概念は別段新しいものではないが、企業人としての自分、趣味人としての自分、または家庭人としての自分等、これまでの自分のレイヤーはそれほど多くはなかったが、これからはレイヤーごとに人はコミュニティを形成し、そしてそれは国家を飛び越える性質を持っている、ということが主張したいのだと思う。まさしく、将来はそうなると思う。

  • この本の内容が様々な箇所でキーワードとなっているので、読んでみました。

    情報技術の革新、所謂IT革命により、世界の構造がどう変わったのかを、宗教や帝国などの歴史を十分に踏まえた上で、説明してくれます。

    グローバル化で語られる言葉もこの本を読むとよりスッキリするかも。
    「世界が変わる」というのは恐ろしいことのように思えます。でもitunesやamazonyという「場」の出現で我々の生活は確実に便利になっている。
    あとはそれをどう受け入れ、生かしていくか、の問題であり、その上でヒントになる一冊だと思います。

    「社会の変化についていけていない」という恐れを持つ人こそ、読むべきです。

  • 佐々木俊尚さん、色々面白い発言や考え方をしてる人だったのと、過去にゼミでたまたま『キュレーションの時代』という佐々木さんの著書を読んだのがきっかけでこの本も読もうと思い、買いました。

    考え方が正しいかどうかは置いておいて、「世の中の人が何となく感じているけど、『○○だよ』って言い切れないこと」を言い切れているなーと感じ、私は読んでて面白いと思いました。

    レイヤーとか、島宇宙とか、呼び方は人それぞれだけど、これからの人間関係の在り方みたいなものが、何となくイメージし易かったので、タメになりました。

  • 歴史が苦手なので第一部・第二部はなかなか進まずだれてたけど、
    第三部を読んですっきり。
    普段わたしはamazonで買い物し、本はkindleで読み、音楽はiTunesで買う。
    そんな何気なくしている生活をするなかで感じていたことが
    わかりやすくまとめられた一冊やった。
    インターネットに接続するすべての人々に開放されている<場>、
    <場>を利用し利用される共犯関係を結び、
    国というレイヤーを飛び出して自分の立ち位置を考えること。
    個の力の可能性が無限大になる時代がもうすぐ先にあるからこそ、
    居場所を探し続けないといけない。
    早く海外に飛び出そう。

  • 意外とゆるくそして広大だった帝国の統治から、近年のきっちりウチとソトに線引きされた国家への遷移についての説明を例えに、やがて人は物理的な距離や境界を越え、レイヤー化した繋がりを持つようになるであろうといった話。
    低年層を意識した文体になっており、読みやすい。

    これからの個人とは、これからの国家の形とは。
    佐々木さんが言うように一部の人間はかろやかに世界をまたぎゆるやかなレイヤーを形成し、また一部は外壁を強化し内に留まろうとするものと、世界は二分化されていくのだろうと感じた。

  • 「フラット化する世界」と似て非なる概念。
    本書で社会がどう変わるかについて学べるわけだが、前半に描かれている世界の歴史を読むとまず目から鱗が落ちた。
    今、我々日本人が当たり前と思っている社会や経済はヨーロッパの歴史に最適化された世界。しかしそれ以前にはイスラムの世界が実は世界最先端であった。それを野蛮な人種であるヨーロッパが覇権し、アジアやアフリカにその経済力と軍事力のリソースとなる資源を求めた。これを「ウチとソト」という概念で説明。
    「ヨーロッパの民主主義というのは、ソトに不利を押し付ける事で成り立ってきた」というロジック。
    そしてインターネットによって世界の壁が崩れ、ヨーロッパ型の「ウチとソト」による社会が一緒に崩れる。
    確かに経済を見ても強いアジアが立ち上がって来たことに対比してヨーロッパは混迷状態に陥っている。
    筆者の論理を簡単に記述すると、円の内側と外側で成り立ってきた社会はインターネットなどの復旧によってその境界が崩れる。それに変わって人や社会を形成するのは国境を超えた「レイヤー」。それぞれの個性が一つのレイヤーとすると、それが多層的に積み重なったもの。
    たとえばFacebookは個人個人の趣味や嗜好が現れるので、この多層的なレイヤーを見るプリズムのようなもの、と。
    国や人種を超えてそれぞれのレイヤーでつながる。そして個人はそのレイヤーの組み合わせで個性が決まる。
    私のレイヤーはたとえば「日本語」「ギターを弾く」「旅行好き」「スポーツ」「ワイン」なんて感じで、これは日本を飛び出してもおそらく同じ嗜好の人はそれぞれのレイヤーでいるはず。
    日本という島国はそういう捉え方をするとかなり不利にも思える。単一民族で同じ価値観を持った日本人。
    世界は多様化する。これに対応できるのか。

    なお、新書であるにもかかわらず参考文献がすごいですね。数えたら59冊。世界の歴史を短く的確に360度の視点で記載するのは必要なのでしょう。

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著者プロフィール

佐々木 俊尚(ささき としなお)
1961年生まれ、兵庫県出身。早稲田大学政治経済学部政治学科中退後、1988年毎日新聞社入社。記者として勤めたあと、1999年『月刊アスキー』の編集部デスクに転身。2003年退職後、主にIT分野やメディア業界に関わるフリージャーナリストとして活躍。大学非常勤講師なども担当している。
代表作として、2010年度大川出版賞を受賞した『電子書籍の衝撃 -本はいかに崩壊し、いかに復活するか?』、『キュレーションの時代』など。近年は『家めしこそ、最高のごちそうである。』といった自宅料理についての著作もある。

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