レイヤー化する世界 テクノロジーとの共犯関係が始まる (NHK出版新書)

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  • NHK出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140884102

感想・レビュー・書評

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  • 社会の支配構造変化を指摘し、今がまさに変革の時代である、ということが書いてあります。
    社会学的なものはあまり読まないのですが、佐々木俊尚さんは文章が読みやすく、ケースタディもふんだんなのでので好きなんです。

    中世は帝国。
    多民族がある程度の土地を支配。

    近代は国民国家。
    一つの民族が一つの国家。ウチとソトがしっかり分けられる。国の為に!ということで戦争がやたら強くなり、攻撃的。巨大企業化。

    そして、現代、レイヤー化。
    土地や国民性や言語による境目がなくなり、場が支配。属性による横の繋がりによる社会になる。例えば音楽はiTunesという場が支配する。生産だけでなくデザインなども人件費が安い国に動く。Appleは税金を抑えるために税金が安い国に金を移す。

    そこで生きるためには、自分の属性を理解し、場を使いこなすこと。

    …なんか話がまとまっていませんが、思ったことは、会社という小さな社会も変わっていると。
    斎藤徹氏がBe!ソーシャルで規律から自立へ。など、主にsnsによる情報の拡大によって各個人が考えて動く会社になっていくことを述べていますが、そういうことがどこでも起きるよな、と。

    その中で自分はどうすべきか。
    今までのような情報を守るだけの人間では、情報を持った若者に場を奪われる。
    自分の立ち位置を理解し、現状を活用する。世界の中で。

    ……諸先輩たち、場を奪わせて貰います!

  • ウチソトで分断されていた社会が「場」に呑み込まれていく。「場」が権力者になり、その「場」を支配するものと大多数の利用するものに分断される。そこでは各人が「レイヤー」という横の境界のなかで、その立ち位置を明らかにすることが求められる、と著者は説く。個人はさまざまなレイヤーに属し、webテクノロジーを媒介し、ありのままの自分のポジショニングを定義するのだろう。とはいえ、属するレイヤーはいつまでも変質しない固定的なものでは,なく、個人の想いに関わらず、時々に変異を重ねるわけで、それにあわせて立ち位置を見直したり、さらには属するレイヤーを抜けたり、変えたりすることも発生するということだろうか。それぞれのレイヤーのなかでいかに光を放てるのか、それがこれからの未来に求められる資質なのだろう。

  • モンゴル帝国、ローマ帝国からはじまり、片田舎のヨーロッパがなぜ繁栄したか、その後の欧米、日本の繁栄、そしてこれから先、国民国家にとってかわるものは何なのか。
    目から鱗な表現がてんこ盛り、おもしろかった♪

    この本によるともう国民国家という概念は崩れ去ると、、、、

    アメリカ自身も「2030年にはアメリカが世界のリーダーではなくなってる」とレポートしているらしい。
    それは中国がとってかわるのではなく、「ひとつの大きな国家が支配するのではなく、権力は分散されるであろう」と、、、、
    それは国民国家が一致団結して猛進する時代の終焉を伝えているのですが、、、、、


    それでもやはり地球上から戦争はなくならないのでしょうか。
    国家間の戦争はもはや存在しないけど、国家を超えたテロリスト集団間の戦争はきっとずっとずっとなくならないんでしょうね。

  • ウチとソトから場へ
    お金の流れも、<場>へ変わっていく。
    様々な情報を公開し、民間の企業や個人はその情報を使って様々なサービスを作り、公開し、皆に使ってもらおうという考え方

    レイヤー化する社会では境界があいまいになっていく。 

  • 書評を真面目に読んでいなかったので、歴史から説き起こす本だということを予期していなかった。よく整理されていて同感だが、主張を表す表題に「レイヤー」を持ってくるのは疑問。「場」の方が重要に思えるし、「レイヤー」であれ「層」であれ、もっと的確な言葉をみつけられそうな気がする。まだ思いつけていないが。

  • 25.8.20読了。
    映画イベントでゲストの堀江貴文氏が薦めていた。
    中世から未来までの流れが平易な文章で書かれている。「ソト」に目を向け世界の流れを意識し、自分の立ち位置を考えることができる。

  • これからは個として自覚的に生きていかなければならない、という感覚を、「レイヤー」と「場」という概念から説明している。いろいろな説明の仕方があるが、その中の一つという感じ。むしろ、その前の中世から現代までの歴史をどう読み解くか、国民国家の形成の意味とは、など、事象の本質の捉え方の方に、新しい見方があるように感じ、面白く読んだ。

  • 歴史の勉強になりました。前半はかなり面白かったです。後半は言われなくても日々感じてることが多く、新鮮味はありませんでした。
    帝国、国家がどんな経緯で形成されていったのか歴史書として読む分にはとても良いです。学のないダメ大学生な自分でも理解しやすく、説明が丁寧だと思いました。

  • 国民国家の成り立ちを歴史的に追っていくことから始まる。国民国家の特徴としては、ウチとソトが分断されているという意識を持っていること。しかしそれが、テクノロジーの進化(インターネットの登場)によって壊されていく。そこで広がった世界が「レイヤー化する世界」。
    あらゆるレイヤーが、ウチとソトという概念関係なしに広がっており、いくつもの層をなしている。その層を貫くプリズムこそが個人のアイデンティティであり、そう定義される以上、同じアイデンティティをもつ人間は二人としていない。みたいな感じ。

    歴史の知識が皆無のため、歴史を学ぶ書籍としても楽しめた。社会システムとしての話は、まあそうだよねって感じでインパクトには欠けた。しかし、これを言語化出来るってこと自体に価値があるんじゃないかな〜とか思った。イメージとしては理解していたけど、説明は難しそうなことを、うまく説明してくれた。

  • だんだん曖昧になる組織と国と。これからは様々なレイヤーの重なりとして、僕らは生きていくんだろうな〜。

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著者プロフィール

佐々木 俊尚(ささき としなお)
1961年生まれ、兵庫県出身。早稲田大学政治経済学部政治学科中退後、1988年毎日新聞社入社。記者として勤めたあと、1999年『月刊アスキー』の編集部デスクに転身。2003年退職後、主にIT分野やメディア業界に関わるフリージャーナリストとして活躍。大学非常勤講師なども担当している。
代表作として、2010年度大川出版賞を受賞した『電子書籍の衝撃 -本はいかに崩壊し、いかに復活するか?』、『キュレーションの時代』など。近年は『家めしこそ、最高のごちそうである。』といった自宅料理についての著作もある。

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