無気力なのにはワケがある 心理学が導く克服のヒント (NHK出版新書)

  • NHK出版 (2013年9月10日発売)
3.29
  • (4)
  • (15)
  • (20)
  • (9)
  • (0)
本棚登録 : 173
感想 : 20
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (216ページ) / ISBN・EAN: 9784140884164

みんなの感想まとめ

無気力の原因とその対策について深く掘り下げた本書は、現代人が抱える心の問題に光を当てています。特に、自己の状況をコントロールできていると感じることの重要性や、学習性無力感のメカニズムについて具体的に解...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ・人間というのは意外に暗示に弱い
    ・アメリカなどの先進国でうつ病が増加している理由は、「自己評価の増大」と「共通の認識の衰退」にある。
    ・かつては食べてゆければよいとされていた職業においても、やりがい、名声、退職後の保証までなければ満足できなくなっている
    ・服装の選び方ひとつでも自分の評価に繋がっている。
    共通の認識とは、挫折したときに精神的な支えになるなにか例→家族、神、社会への信頼感
    ・ちょっとしたボランティア活動、慈善団体への寄付
    ・失敗したときにどうなるかを考えてみて、その被害が大したことなかったら楽観主義でいけばよい

  • [雑感]
    ■タイトルどおり無気力の原因について書かれており,
     その対策(第7章 )についてはおざなり感を感じた。
    ■既知のことばかりではあったが,全体としては悪くない。

    [備忘録]
    ■無気力にならないために重要なのは,状況を自分で
     コントロールできていると思えていることだと言えよう。
     (p58)
    ■予測不能であるということは,コントロール不可能である
     ことと同様に学習性無力感を引き起こす主要因になり得る。
     (p66)
    ■コントロール不可能な原因をどう考えるかには個人差があり,
     それを一番深刻な方向(内的,持続的,全体的)に帰属
     させやすい人が,学習性無力感になりやすいというわけだ。
     (p141)

  • 最初は動物に学習性無気力が発生する話で、後半は人間が学習性無気力(うつ状態)を回避する方法。現代人は生存に必要不可欠でないことも自分の選択で決める必要があり、また神などの絶対的存在に依存できないことで精神を削られやすい。自分にとって重要度の低いことには楽観的になるという視点が大切と書いてあった。

  • 自己の内発的動機づけが弱い場合に、ヘイトクライムや移民の排斥思考が、増幅していくのだろうな。

    安穏と既存の自己の立場を不変と考え、予測不能の事態を許容する気概を持っていない生活者にとっては、脅威だろう。

    愛が足りないってことかな。優しさ、強さ、そして配慮も。競争だけが、遂行目的だけが生き甲斐になってしまいそうだ。

    カーストの維持にだけは、向かいうるのかな。そりゃ、無気力にもなるわさ。ああ、これも自己家畜化の一種か。自縄自爆、南無。

  • タイトルだけ見ると、やる気を出すためのハウツー本に思えなくもないが、いざ読んでみるとサブタイトルどおりちゃんと心理学の本。しかも臨床の方ではなく、実験心理学の方。新書でコンパクトにまとまっているので、心理学を勉強している人には知識の確認にも役立つと思う。私もそうさせていただきました。

  • 本の大部分が「心理学の実験の内容•結果•解釈の詳細な説明→そこから得られる教訓、示唆」で構成されています。
    紹介される実験の数がかなり多いので、そこでついていけなくなる読者が結構いるのではないかと推測します(私もそうです)。
    多くの読者は、実験の詳細な理解ではなく、そこから得られる示唆、教訓を得ることを読書の目的にしていると思うので、実験説明パートは読み流していいと思います。

    個人的には最後の「第7章 無気力にならないために」だけでも読む価値があると思いました(だからこそ実験パートで離脱しないでほしい!)。
    幼少期の経験が重要としつつも、大人になった読者に向けても無気力にならないための方法がいくつか提示されています。

    主観でざっくりまとめると
    ①なるべく失敗しないよう、心がける、対策する(失敗経験が無気力に陥るきっかけ)
    ②失敗したときには、その原因を、一時的•可変的なものと捉える
    ③②のように捉えるためには、暗示が有効、オプティミズムも有効

    紹介されていたセリグマンのポジティブ心理学にも興味が出てきました。

  • レビュー省略

  • 440
    コントロール不可能性については心理学の本ならたいてい載っているがその先にある予測不可能性や健康へ与える影響、随伴性といった概念の視点は新鮮に感じた。ただ、学術面のテイストが強く実用的な面は少ない。

  • 無気力に陥る心理的仕組みを解説

  • 学習性無気力…実験心理学…
    心理を科学的に考えるってこういうことなのかと思った。実験で裏付けされたこと、根拠があるとされたことってちょっとしかないんだな
    よく分からんかった

  • 科学的に無気力の原因を探っているのですが
    なんだか同じような実験を繰り返しているだけのような気がして途中からなかなか読み進まなくなってしまいました。無気力には具体的にどうすればいいというようなことはあまり詳しくは書いておらず、実験結果から汲み取らないといけません。現在その分野を勉強している学生さん向きの本

  • 無気力になるのはどういう時か。自分でコントロールできる場合とできない場合、どちらが無気力に陥りやすいのか。
    その答えにも、性格や立場によって結果は違う。
    動物実験で複数のパターンを実験し、無気力な状態はどうやって起こるのかを検証する。
    また、鬱になりやすい人の考え方、鬱になりにくい人の考え方にも決定的な違いがあった。
    失敗をしたときにはどういう考え方をすれば、その事に折り合いをつけて先に進めるかなど。
    すぐに憂鬱になってしまったり、なんとなく最近無気力だな~と考えている人におすすめです。

  • コントロール不可能性にぶち当たると、人間は無気力になる。当然といえば当然かな。
    そのことをきちんと本書で言うてくれただけでも、ありがたかった。
    ただ、実験結果の羅列部分は、読みづらかったです。

  • 学習性無力感の研究成果を概観する本。

    タイトルにはないが、現代のうつ病の増大についても言及。「自己評価の増大」「共通認識の衰退※1」 がその原因とする説を紹介している。

    無気力者の脳に起きている生理的な現象を解説する章は、精神論になりがちなうつ病について、それが病気なのだということを思い出させる。

    ※1 信仰や共通の価値観・イデオロギーの没落ともいえる

全14件中 1 - 14件を表示

著者プロフィール

大芦 治(おおあし・おさむ) :1966年、東京都生まれ。1989年、早稲田大学第一文学部心理学専修卒業。1996年、上智大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。倉敷芸術科学大学講師、千葉大学助教授などを経て、現在は、千葉大学教育学部教授。博士(心理学)。心理学および教育心理学専攻。主な研究テーマは、動機づけ、無気力に関する理論的研究、教育心理学の成立過程。著書に、『無気力なのにはワケがある――心理学が導く克服のヒント』(NHK出版新書、2013年)、『心理学史』(ナカニシヤ出版、2016年)、『タイプA行動パターンに関する心理学的研究――研究の展望と統合的な発達モデルの検討』(風間書房、2019年)、『新・動機づけ研究の最前線』(共編著、北大路書房、2019年)などがある。

「2023年 『心理学をつくった実験30』 で使われていた紹介文から引用しています。」

大芦治の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×