おとなの教養 私たちはどこから来て、どこへ行くのか? (NHK出版新書)
- NHK出版 (2014年4月9日発売)


- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140884317
作品紹介・あらすじ
いま、学ぶべき教養とは何か?現代人必須の7科目とは、「宗教」「宇宙」「人類の旅路」「人間と病気」「経済学」「歴史」「日本と日本人」。この7つを貫くのは、「自分がどういう存在なのか」を考えようとする問題意識だ。7科目のエッセンスを講義形式で明快に説く決定版。現代人の「生きる力」=教養の本質が一気に身につく!
感想・レビュー・書評
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駆け足で学ぶべきことに触れることができました。
内容は広く、浅く、ですけど、その分気軽な気持ちで読める良い本だと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「宗教」「宇宙」「人類の旅路」「人間と病気」「経済学」
もう、メッチャクチャ面白くて
「池上さんと一緒に暮らして、毎晩飲みながらお話を聴けたらどんなに楽しいことか!!」
と本気で思いました。
(おそらく翌日にはほとんど忘れているであろうことを考えると申し訳ないのですが…。)
しかし「歴史」「日本と日本人」で
テンションがどーんと下がりました…。
歴史好きで本をたくさん読んできたけど
「どこまで鵜呑みにしていいものなのだろうか」と。
そして私は中国韓国と仲良くやっていきたいと思っていて
ヘイトスピーチの類は無視してきたけど、
池上さんからこのような話をきかされてしまうと
(もちろん池上さんがヘイトスピーチを薦めているわけではない)
ヘイトスピーチする人たちに共感するほうにググッと近づいてしまいそう。
私はわりと恵まれた環境にいるので、
「イヤな気持ちになるものには極力かかわらない」で日々過ごしています。
でも池上さんは、そういうことからも決して逃げないで、
すべてを理解してうえで冷静におだやかに解説する。
いつかそういう人間になれたらいいなと思う。 -
リベラルアーツがどういうものなのかがコンパクトにまとめられています。「現代の自由七科」は中高生も参考にしてもらいたいと思いました。
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教養とは何ぞや。知らないで身につけないでのほほんと生きてこれてしまった30年…。ここ最近のほほんとしていられないぞと…教養がないと、知識も意見も、話題も何も膨らまないんですよね。記事読んでても知識が薄いとこって読むの遅くなるし…。
ということでプライドなど捨ててこつこつお勉強してる30歳目前。
とかぐだぐだ言いつつ、この本は純粋に「へぇ」「ほぉ」と唸ること多し。大人に撮っては当たり前の教養かもしれないですが…特に宇宙とか、宗教の章ね。おもしろい!宗教は最近興味があっていろいろ読んでいることもありますが成り立ちとか、その経緯とか、社会とのつながりとか知れば知るほど「社会は宗教で成り立っている部分が大きい」という発見があっておもしろい。
こんな興味を持つことや理解できたのは、分かりやすい文の賜物です。ありがたやありがたや -
この本をきっかけに様々な分野について学び続けなければならないと改めて感じた。
目に見えない力に頼りたくなってしまう人類は宗教を作った。
なぜ神がこの世界を作ったのかを知ろうとして科学が生まれた。
ビッグバンによって生命は誕生し、突然変異と奇跡の積み重ねによって人類は生まれ、アフリカ東部からやってきて、文化の程度が高かったから存在している。
病気を知ることで人類の歴史を知ることができる。
アダムスミスの自由競争、カールマルクスの資本論、ジョンメイナードケインズの乗数効果と累進課税、ミルトンフリードマンの新自由主義を経て、今では行動経済学がトレンドになっている。
現存する歴史はそれを形に残すことのできた文明や勝利国からの視点によって記されている。また、新たな発見や政治的思惑によって歴史は常に変えられていく。
違うところで生まれ、違う生き方をしてきた人たちと関わることで自分や自分の国のことを意識するようになる。
すぐには役立ちそうにないものを積み重ねていく。 -
相変わらず分かりやすい池上さんの本。特に宗教のくだり。ユダヤ教もキリスト教もイスラム教もすべて同じ神様を信仰しており、誰が伝承するかで形態が変わっているという事実。鳥インフルエンザに始まり、ケインズの経済理論。確かに知っていると知っていないではものの見方が変わってくる知識。教養とはかくも重要ということなのか。
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若い人にすすめる本
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現代の教養とは?
社会にて、生きる力を身につけること。
すぐに役に立つことは、世の中に出て、すぐに役に立たなくなる。
すぐには役に立たないことが、実は長い目で見ると、役に立つ。
つまりは、
「自分がどういう存在なのか」を見つめていくこと、「自分自身を知ること」ことこそが現代の教養だろうと、池上さんは著書で唄っています。
「自分自身を知ること」が、社会にて生きる力を身につけることにつながるかどうかは、パッと言葉を聞いただけではよく分からない。
池上さんが、現代の教養を7つとするならば、この7つであると、自信満々で、列挙し解説している理由もよく分からない。
けれども、著書を読んで、確かに気付きはあり、それが直接結論に結ばなくても、得た知識のどれかはいつか役に立つ、そういうものが教養であるのだろうと思った。
また、教養とはなんぞやについて、実感できるのも、もっといろんな知識や経験を得てからなのであろう。
教養を身につける上での入門書となる1冊だ。
1.宗教
ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の神は同じであるという事実は知らなかった。そして、同じ宗教でも、それぞれの気候風土や文化によって中身が大きく変わってくるという視点も、自分にとっては改めてハッとさせられた。同じ神を信じているならば、互いに争わないように出来ないものかなと思うけれども、土地や資源をめぐって争いが起きているのである。神様はこの状況を嘆いてはいないだろうか。
2.宇宙
私たちは、ビッグバンによって誕生した。
3.人類の旅路
私たちは、文化の程度が高いから、存在する。
4.人間と病気
第一次世界大戦終結のきっかけ、スペイン風邪の流行である。ヨーロッパ人のアメリカ及びアフリカへの進出は、病原菌を広め、先住民を死に至らしめた。
私たちを知ることは、病気を知ること。病気を知ることは、私たちを知ることである。
5.経済学
現代は、合理的経済人→感情や心理が経済活動に大きな影響を与えている、すなわち行動経済学が注目を集めている。
経済学についても、私たちはどこにいて、どこに行こうとしているのか、という探究心に基づいている。
6.歴史
「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」とは聞いたことがあるものの、文字を持つ勝者が歴史を作ってきたという視点にハッとさせられた。ヨーロッパ中心の世界史、近畿→関東中心の日本史。主流でない地域の歴史や、語り手が違う史実を読むことも理解を深める上で、必要なことだと思ったし、もともとある程度歴史に理解があれば、単純に面白いと思う。
7.日本と日本人
他者が、つまりは他国があってこそ、私たちは日本ということを自覚できるし、日本人としての誇りもまた生まれてくるのであろう。
「自分は日本人である」というのは、絶対的なものだと感じていたが、実は極めて概念的なのだなぁということに気付かされた。
だからこそ、韓国や中国において、事実とは違ったとしても、日本人に対する嫌悪感を恣意的に国民へ身に付けさせることが出来たのだろう。
私たちは、融和のために、どこへ向かって行ったら良いのだろうか。
最後に、池上さんは言っています。
過去を見直すことによって、学問は発展し成長している。知識を単に受け取るだけではなく、それを現代に生かし、より良い社会をつくり、より良い人生を築いていく。それがリベラルアーツというものの価値なのだ。
是非、子供に読ませて、
将来の指針の一つとして貰いたい。 -
東工大特任教授としての顔を持つ著者の、リベラルアーツ(教養)に対する情熱が感じられる。宗教、宇宙、進化論、病気、経済学、歴史、日本と日本人について語られた講演会の記録。テーマが多岐に亘る分、広く浅い印象も拭えないが、議論の深まりや展開を許されるスペースが足らなかっただけで、いずれもバランスの良い大事な視点をコンパクトに提供してくれる。特に歴史については勝者が歴史を作る点について近代の近隣諸国の事例による説明はそういうことだったのかとコロンブスの卵的な印象を持った。良識あるジャーナリズム代表としてとにかくバランスよく情報・知識・問題意識を提示してくれる。
著者プロフィール
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