おとなの教養 私たちはどこから来て、どこへ行くのか? (NHK出版新書)

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  • NHK出版
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レビュー : 275
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140884317

感想・レビュー・書評

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  • 2016年7月24日購入。

  • 読んでおいて損はないものだと思った。
    好みもあるが、頭には入りにくいので何度も読んでも面白いです。

  • <目次>
    序章 私たちはどこから来て、どこへ行くのか?
    -現代の教養七科目
    理系と文系の間の溝
    東工大教授の職を引き受けた理由
    解体された教養部
    「リベラルアーツ」が見直された背景
    日本のリベラルアーツ教育
    すぐ役に立つことは、すぐに役に立たなくなる
    現代の自由七科

    第一章 宗教
    -唯一絶対の神はどこから生まれたのか?
    風土によって異なる宗教が生まれる
    ユダヤ教とはどのような宗教か?
    ユダヤ教とキリスト教の違い
    「旧約」「新約」とはどういう意味か
    かつてキリスト教のシンボルは魚だった
    ムハンマドが聞いた天使の声
    ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の神は同一
    イスラム教の終末観
    ゴータマ・シッダールタの出家
    「輪廻」と「解脱」
    宗教は変化する
    キリスト教、仏教の変化
    宗教紛争の本質
    現代人にとっての宗教

    第二章 宇宙
    -ヒッグス粒子が解き明かす私たちの起源
    天動説から地動説へ
    キリスト教は地動説を認めなかった
    宗教と科学は切り離されたのか?
    ハッブルの大発見
    「ビックバン」は悪口だった!?
    ヒッグス粒子はなぜ大発見なのか?
    宇宙、そして地球の誕生
    たかが仮説、されど仮説

    第三章 人類の旅路
    -私たちは突然変異から生まれた
    進化=進歩ではない
    突然変異とはどういうことか
    ダーウィン進化論の衝撃
    はるか昔の年代の調べ方
    人類はアフリカから始まった
    人類移動のルート
    地域によって肌の色が違う理由
    マラリアにはかかりにくく、貧血を起こしやすい遺伝子
    ネアンデルタール人とホモ・サピエンスの違い

    第四章 人間と病気
    -世界を震撼させウイルスの正体
    吸血ダニとの格闘から花粉症は生まれた
    現代的な生活がつくる病
    細菌とウイルスの違い
    抗生物質はウイルスに効かない
    「インフルエンザ」の語源を知っていますか?
    スペイン風邪の猛威
    スペイン風邪が第一次世界大戦を終わらせた
    スペイン風邪の正体
    ウイルスの突然変異
    中国農村部で新型ウイルスが生まれる理由
    鳥から直接感染するインフルエンザ
    世界を震撼させた豚インフルエンザの真実
    豚インフルエンザの患者数が一番多かった国は?
    病気が人類の歴史を大きく変えてきた

    第五章 経済学
    -歴史を変えた四つの理論とは?
    近代経済学の父アダム・スミス
    「見えざる手」とは何か
    カール・マルクスの「労働価値説」
    社会主義の失敗
    常識をくつがえしたケインズ革命
    「ケインズは死んだ」
    フリードマンの新自由主義
    新自由主義は格差を拡大させた
    経済学は変わる

    第六章 歴史
    -過去はたえず書き換えられる
    歴史として残るもの、残らないもの
    進歩史観の確立
    なぜ四大文明は歴史に刻まれたのか
    記録の蓄積が愚行を遠ざける
    歴史観は一つではない
    「歴史の真実」は変わる
    歴史は権力によって書き換えられる-北朝鮮と韓国の例
    政治的意図による歴史づくり―中国の例
    「東京裁判史観」と「大東亜戦争」
    歴史とどうつきあっていくべきか

    第七章 日本と日本人
    -いつ、どのようにして生まれたのか?
    「日本」という名前の由来
    ニッポンかニホンか
    「日本人」は一八七三年に誕生した
    時代を貫く日本人のアイデンティティは存在しない
    国家意識はいかにつくられるか
    健全な愛国心とは何か
    メイド・イン・ジャパンは「安かろう、悪かろう」の代名詞だった
    海外で愛される日本
    韓国・中国と東南アジアの違い
    他者との関係から自分・自国を認識する

    おわりに
    文献案内

    ***

  •  一神教であれ多神教であれ、世界のいずこに行っても、人間の理解を超える超自然的な存在への畏怖の念を持つ人たちがいるのです。これが宗教というものでしょう。
     熱帯である南アジアのインドに行くと、大変な暑さのなかで、多くの生き物があっという間に死んでしまう。でもその一方で、自然が豊かなので、次々に新しい生き物が生まれてくる。そこからヒンズー教や仏教の基本的な考え方である「輪廻転生」という発想も生まれてくるのでしょう。輪廻とは、あらゆる生き物が死んでも別の生き物に生まれ変わり、それをずっと繰り返していくことです。輪廻の思想もまた、熱帯に属するインドだからこそ生まれた考え方ではないでしょうか。
     このように各地で生まれた宗教を見ていくと、世界の宗教はそれぞれの地域の風土にあった特徴を持っていることがわかります。つまり、各地の自然条件によって、いろいろなタイプの宗教が生まれてきたわけです。(p.44)

     もともとは「この世界に人間の力が及ばない存在がある。それは何であろうか」というところから、宗教は生まれました。
     科学が発展した現代の目から見ると、宗教のさまざまな教えにはちょっと無理なところも出てきます。しかし、いくら科学文明が発展しても、私たちには思い悩むことがいくらでもあります。
     (中略)結局、人間は弱い存在です。どうしても人間だけではすべてのことはできません。だから、人間の力を超える超自然的なものに頼ってしまうということは、どんなに科学が進歩したとしても起こりうることでしょう。(p.76)

     ケインズが画期的だったのは、財政で赤字を出しても構わないと考えたことです。供給が多くて、需要が不足しているから景気が悪くなっている。そういう状況では、民間企業は萎縮してしまうので、雇用を減らしていくでしょう。だったら、国が借金をしてでも、世の中に新しい仕事をつくったほうがいい。つまり、国債を発行して、国が公共事業をすればいいと考えたわけです。(p.164)

     四大文明のように歴史に刻まれているのは、文字やパピルスなど、さまざまな記録手段を持つことができた文明です。つまり、文字と紙が発明されることによって、知見の蓄積が生まれ、その蓄積にもとづいて、文明が発展していったのだと思います。(p.184)

     健全な愛国心というのは、上から押しつけられるものではなくて、みんなが自然に持つものです。オリンピックのときみんな日本を応援するのも、別に誰かに押しつけられたわけではない。普段は日の丸を意識しなくても、オリンピックのような場では自然日の丸を意識し、みんなで日本を応援するという意識が生まれてくる。(p.216)

  • 内容は結構知っていたことも多かったが、系統立てて考えたことがなかった。リベラルアーツって大事だよなと改めて思った。いつもながらわかりやすい文章が良い。

  • 教養とは、心の豊かさのこと。人生のなかで、自分のルーツは何で、どこに向かっていくのかを考えるということ。その手掛かりとして、宗教、宇宙、人類の旅路、病気、歴史、経済、日本人を学ぶ。

  • わかりやすく、とてもためになる本。
    社会人として必要な教養を7科目として講義形式で語っています。

    宗教
    宇宙
    人類の旅路
    人間と病気
    経済学
    歴史
    日本と日本人

    池上さんが考えるリベラルアーツは自分自身を知るということ。そのための7科目になります。
    前書きにも書かれているとおり、「もう知ってる」という内容もあれば「そうだったのか!」という内容もあって、楽しめました。
    また、リベラルアーツを語るにあたって、MITの考え方がすばらしい
    「社会に出て新しいものが出てきても、それを吸収し、あるいは自ら新しいものを作り出していく、そういうスキルを大学で教えるべき」
    なるほどなぁと思います。
    「すぐに役立つこと」は専門学校で教え、「すぐに役立たなくてもいいこと」をエリート大学が教えるという考え方。ちょっとびっくりします。

    さて、本書の中で興味深かった内容を2つ
    韓国・中国と東南アジアの違いについて。
    戦争中、韓国・中国にも東南アジアにも侵略して多くの人々を殺害した歴史を持ちながら、東南アジア諸国では反日とはならず、韓国・中国だけが反日感情を持ち続ける。この背景には、韓国・中国の建国神話に基づく反日教育があるためと解説しています。反日を強調して自国のアイデンティティを作り出す必要があったとのこと。
    根が深いなぁっと考えさせられます。

    あともうひとつ面白いのは「ニホン」と「ニッポン」。国の呼び方が2通りあるのですが、2009年の閣議決定で公式にどちらでもよいと決まったこと。
    このあいまいさが面白く、日本っぽい!

    ということで、さまざまな話題がたくさん盛り込まれています。大人の教養というよりまさに日本人としての教養が盛り込まれている本です。
    学生から社会人まで幅広く読めるものです

    お勧め

  • 私たちはどこから来て、どこへ行くのか?を主題に、宗教、宇宙、人類の旅路、人間と病気、 経済学、 歴史、日本と日本人と7つのテーマを取り上げる。池上氏の文章は平易だし、入門編の域はでないが、取り上げる材料も時機に適切で、何かに偏ることなく、広く大局的に論じているのがイイと思う。深く学ぶ前の取っ掛かりとしては最適だ。

  • 評論を読む際の基礎知識にもなりそう。

  • 現代の教養7科目として
    1 宗教
    2 人類の旅路
    3 宇宙
    4 人間と病気
    5 経済学
    6 歴史
    7 日本と日本人

    これまで趣味として宇宙には興味を持っていましたが、
    教養と言われるとなんだか更に詳しくなりたいなと
    思います!

    娘と上野の国立科学博物館に訪れるようになって、2年目、こんなに楽しい場所があったなんてと大人の私が夢中になってみたほど、生活にはなんら関わりのないと思っていた宇宙も地球を俯瞰してみると宇宙の一部なんだなぁと実感し、なぜ宇宙が生まれ、地球が誕生し、私たちがこの場所にいるんだろうと一生をかけての問いが教養の問いの一つなんですね。 

    他にもたくさんの深堀をしたい科目があり、
    生活を良くするにはお金を稼ぐだけではない
    教養も大切だし、必須と言っても良い内容
    ばかりです。 

    池上さんの著書は話し言葉で書かれているので、
    理解しやすいです。

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著者プロフィール

池上 彰(いけがみ あきら)
1950年、長野県生まれのジャーナリスト。東京工業大学特命教授、京都造形芸術大学客員教授、名城大学教授、信州大学・愛知学院大学特任教授、特定非営利活動法人日本ニュース時事能力検定協会理事を兼任する。
慶應義塾大学経済学部卒業後、1973年から2005年までNHKで記者として勤める。以降、フリーランスのジャーナリストとして活動。ニュース番組で人気になった。2012年から2016年までは東京工業大学リベラルアーツセンター専任教授を勤め、定年退職後も学生教育に関わっている。

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