「できる人」という幻想 4つの強迫観念を乗り越える (NHK出版新書)

著者 :
  • NHK出版
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本棚登録 : 181
レビュー : 13
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140884331

作品紹介・あらすじ

コミュニケーション能力を磨き、即戦力としてグローバルに活躍し、会社が頼りないなら起業しろ-。いったい、日本はいつまで「できる人」という幻想を追い求めるつもりなのか?雇用や労働の常識を問い直し、日本のビジネスパーソンを強迫し続ける幻想の正体に迫る。若者よ、「できる人」を目指すな。社会よ、若者の可能性にかけるな。

感想・レビュー・書評

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  • 文字通り「できる人=意識高い系」をぶった切る一冊。

    著者自体、元意識高い系だったらしく、説得力があった。

  • 若者に即戦力を求める甘え。

  • コミュニケーション能力、即戦力、グローバル、起業といった要件を備えた「できる人」という強迫観念が日本の若者を苦しめている。じゃあこの若者に求められるできる人ってのは何なのかと、入社式の社長訓示や流行語などから時代時代のできる人像を見ていく。バブル期から今まで日本のビジネスの世界でどんな若者が求められてきたか、そしてそれがそのまま経営者に当てはまるもんだという話は勉強になった。
    まぁコツコツ頭使って努力していきますか。

  • 「「強さのインフレ」が起きている」

    即戦力/グローバル/コミュニケーション能力/起業
    最近流行のこれらのキーワードが若者の強迫観念になって、真面目に働こうと考えている人ほど適応しようとする。
     その姿は薄気味悪くもあるけど、企業側もこれからの社会がわからないから、高い能力を持っているからという事で採用する。
     しかし、いざ仕事を始めると上記のキーワードが発揮される職場なんてほとんどなくて、企業からの「採用」という承認を得て自尊心を持った学生は、現実の何でもなさに戸惑う。仕事とはこんなモノだなんて上司もしたり顔で言ったりして。
     そして、そんなこんなで3年ぐらいで仕事を辞めたりする人がでてくる。企業側の不安が強さのインフレを起こして、若者側はそれがインフレだとは気づかずに乗っかってしまう。そんな問題が就活にはあるらしい。

     という感じに読めたけど、本文の最後のところで違和感があったのは、結論じみたものが「中高年よ若者の可能性だけに甘えるな」ってことで、どうもこの本は若者向けに書いた本ではないらしい。
     全体的に、若者自身の問題ではなくて若者をめぐる言葉なり社会に対する常見さんのいら立ちを感じていたけど「若者よ幻想からさめよ」じゃなくて「若者を幻想からさめさせよ中高年」だったようです。
     ならばこのタイトルじゃ当事者の中高年は絶対に手にとらないと思うし、じゃあタイトル変えれば手にとられるのかと言われれば、そんな自省心のある中高年はいないと思うから難しいですね。

     数字関係はグラフにしてほしかったけど根拠データもちゃんと載っていて、いい感じのコピーライティングも随所にあって面白かったんですけど、ギリギリ若者の私からするとやはりグサッと刺さらなかった気がします。
    こういった理想より現実を伝える本は関心を得られにくいかと思いますので、誰に落とし込んでいるのかがもっと明確になっていればなと思いました。

  •  常見洋平が即戦力やグローバル人材、コミュ力、起業家などのできる人に溢れた世相をぶった切る。

     常見陽平さんの本は豊富なデータに加え、痛かった昔の自分をさらけ出していてとても説得力がある。
     『「意識高い系」という病』と内容、スタイルが被り続編という印象だが、この本の重要度は高い。ふわふわした言葉に踊らされ過ぎず生きることの大切さを痛感できる。

     家入一真さんや安藤美冬さん、イケダハヤトさんが好きな人はカウンターとして必ず読むことを勧めたい。

  • 大人が描く若者へのできる人像(「コミュニケーションを磨き、即戦力としてグローバルに活躍し、会社が頼りないなら起業しろ。」)を辛辣に語った書。ここ数年の日本情勢や会社の現状を元に、企業のトップを始め、いはゆる大人が理想として求める姿を述べている。

    そのようなできる人が強烈に必要とされるのは、一部のかっこいい大人がいる一方で、単にできない大人が増えたことが大きな原因であることは疑いえない。ただそうは言っても、それを受けて今の若者がどう感じどう動くかはあくまで若者サイドの領分である。

    私自身はまだまだそのどれもが身に付いてないのが現状ではあるが、自分の人生を自身の選択でコミットしていくために、少なくとも上記のようなできる人としての力をつけていく必要があるように感じている。ただ、それを外からの強迫としてとらえるのではなく、内発的に「なぜ必要なのか?」を絶えず問いながら行動としてうつしていきたいものである。

  • うん、いまの若者に対する「できるひとであれ」という風潮は、社会を繁栄させていくための方便でしかないと思う。
    筆者の「できるひと」観が適格。即戦力、グローバル、コミュニケーション力、起業、と。
    これらはもちろんないがしろにされていいものだとは思わないけど、でもそこに薄っぺらさも感じてしまう。

  • 過去の新聞記事や流行語大賞、ベストセラーのテーマなどのデータ分析が主で、そこから著者の推測による持論が展開されるスタイルの本。
    できる人というのは幻想であるということ、若者にだけ期待するなというのが著者の主張。

  • 常見さんらしい切り口の本。たしかにこの国は若者に何かを求めすぎているとは思っていた。もちろん、可能性を信じてもらえるのはいいが、私のような凡人にはいささか気が重い。

    内容的には、入社式やそこでの社長からの言葉、就活の移り変わりなどから、最近の若者への期待を表すデータをいろいろなところからもってきて、分析している。

    おもしろい本だったが、もっと常見さんは面白い本書けると思う。分析が多く、やけに真面目な本だ。ぜひ次は少しお酒を飲みながら、本を書いていただきたい。

  • 社会よ、若者の可能性にかけるな、というメッセージにとても共感しました。変化を求める際に必要なのは他人に期待することではなく、自分が出来ることをすることだと思います。「新入社員に新しい風を入れてもらう」という考えに違和感を持っていたので、本書を読みすっきりしました。

    変に焦ることなく、目の前の仕事を頑張ろうと思えました。

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著者プロフィール

千葉商科大学国際教養学部専任講師、働き方評論家。1974年生まれ、北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業、同大学院社会学研究科修士課程修了。リクルート、バンダイ、クオリティ・オブ・ライフ、フリーランス活動を経て2015年4月より現職。専攻は労働社会学。働き方をテーマに執筆、講演活動に没頭中。『僕たちはガンダムのジムである』(日経ビジネス人文庫)、『「就活」と日本社会』(NHKブックス)、『「意識高い系」という病』(ベスト新書)、『なぜ、残業はなくならないのか』(祥伝社新書)、『「働き方改革」の不都合な真実』(おおたとしまさとの共著、イースト・プレス)など著書多数。

「2018年 『社畜上等! 会社で楽しく生きるには』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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