ルポ 電王戦 人間vs.コンピュータの真実 (NHK出版新書)

著者 :
  • NHK出版
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本棚登録 : 202
感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140884362

作品紹介・あらすじ

将棋のプロ棋士がコンピュータに敗れる。つい十数年前まで、そんな話は絵空事にすぎなかった。しかし、いま-。日本中を熱狂の渦に巻き込んだ電王戦の裏には、どんなドラマが潜んでいたのか。開発者や棋士たちの素顔を描きながら、戦いの全貌を伝える迫真のルポルタージュ。将棋とは?知性とは?人間とは?「二一世紀の文学」とも評された決戦の記録。

感想・レビュー・書評

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  • 面白かった。
    作者としてはもっと頁が欲しかったんじゃないかなぁ。
    あと、図面なしの縛りは意味あるのか疑問。
    62玉の局面だけだって入れれば臨場感でそうなものだが。
    数学読み物の「数式入れれば売れなくなる」定跡と同様、眉に唾をつけておきたい。数学ガール売れてるんでしょ?
    是非、コンピュータシミュレーションで検証してもらいたいものだ。
    笠井さんの登場の仕方は意外性溢れてた。

  • kindle unlimitedに入っていたので読んだ本。
    ルポ、とありますが、将棋ソフトの黎明期からの進化をソフト作者に注目しながら同時期を体験した人の視点で描き出してました。
    電王戦の一局ごとの記述は観戦記のダイジェストのような感じで(何しろ作者は観戦記者)、これはちゃんと観戦記として読みたい。

    2014年に書かれた本なので、プロ棋士よりソフトが強くなってしまった今後に対する不安で最後は終わりますが、2018年の今から見ると、結局ソフトの強さは横において、プロ棋士の勝負での思考過程自体を楽しむような観戦が主流になって、不安は杞憂で終わった気がします。

  • プロ棋士とコンピュータとの戦いの歴史。既にプロを打ち負かせるほどに進歩していたとは驚いた。チェスが勝つのはありと思っていたが、まさか将棋までもとは思っていなかった。また、ルポと称していることもあり、将棋対コンピュータの話を越えた何か哲学的なものも感じた。将棋に少しでも興味があるならば一読を勧める。今後、コンピュータはどこまで進化するのか、興味深い。

  •  佐藤は頭を下げ、投了の意思を示した。それはきっと、歴史的瞬間であったのだろう。いつかは棋士がコンピュータに敗れるときがやってくる。そう多くの人間がどこかで漠然と思っていたはずである。しかしその瞬間が訪れるのは、意外なほどに早かったのではないか。この現実に、どう向き合えばいいのか。とまどいを隠せない棋士や関係者も多かった。
     大盤解説の聞き手を務める女流棋士の山口恵梨子は、一局を振り返って駒を並べ直す際に、思わず泣き出していた。p.133

  • 松本博文氏(1973生、東大将棋部OB、将棋観戦記者)の「ルポ電王戦 人間vsコンピュータの真実」、2014.6発行です。羽生善治が七冠を独占した年(1996年)、「コンピュータがプロ棋士を負かす日は? 来るとしたらいつ」というアンケートへの回答は次の通りです。羽生善治七冠「2015年」、谷川浩司九段「私が引退してから」、加藤一二三九段「来ないでしょう」、森内俊之八段「2010年」、村山聖八段「来ない」、佐藤康光八段「分からない」、三浦弘行五段「分からない」。答えは「2013年」でした!

  • 20160826読了。
    ソフト開発者の方々の話ももっと読んでみたい。

  • 将棋の知識はほぼないものの、家人につきあって将棋番組を見ているうちに、棋士の方々に親しみを感じるようになりました。電王戦のことも知っていたので、臨場感たっぷりに描かれた棋士の方々と電王戦との関わりを、とても興味深く読みました。将棋ソフト開発の歴史からも、将棋の複雑さ奥深さが感じられて面白かったです。

  • 《教員オススメ本》
    通常の配架場所:開架図書(2階)
    請求記号 796//Ma81
    【選書理由・おすすめコメント】
    将来、人間の仕事の多くが機械に置き換えられるといわれている。例えば車の運転も自動化される見通しと言えばその現実味がわかるだろうか。そんな未来の現実に今の時点で矢面に立っているのがプロの将棋棋士であり、彼らは機械学習により格段に進歩した人工知能と対決しているが、旗色は良くない。機械が人間を上回る将来、人間は何を学んでどう生きるべきかの示唆を与えてくれる良書。(化学科 宇和田貴之先生先生)

  • これ一冊で将棋とコンピュータの関係性の歴史がほぼわかる。入門書としては悪くない。

  • 本編最後に紹介されている升田幸三の「見る人を楽しませなければ、棋士の存在理由が無い」という言葉は、いつかは羽生渡辺といった最強のタイトルホルダーが、コンピューターと戦わざるを得ないという宿命を示唆している。本書はその入口までの過程を追った内容。電王戦の結果を知らずに読むと尚面白い。

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著者プロフィール

1973年、山口県生まれ。将棋観戦記者。東京大学将棋部OB。在学中より将棋書籍の編集に従事。同大学法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力し、「青葉」の名で中継記者を務める。日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継にも携わる。著書に『ルポ電王戦 人間 vs. コンピュータの真実』(NHK出版)。

「2015年 『ドキュメント コンピュータ将棋』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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