予言の日本史 (NHK出版新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140884379

感想・レビュー・書評

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  • もう少し面白いかと思ったら拍子抜け。日本史というほど包括したという印象がなく、エピソードもばらけていて、まとまりがない感じ。
    新書では尺不足なのかもしれません。

  • 予言と言えば、私などにとってはノストラダムスの大予言等が連想されるのですが、本書はその予言、しかも日本社会と予言の関係をテーマにしています。
    内容は古事記から安倍晴明、仏教の弥勒菩薩信仰、幕末の予言獣、聖徳太子の「未来日記」に隠れキリシタンの終末論と言った過去から、内村鑑三の再臨運動や大本及びそこから派生した各種新宗教、高度経済成長期の所得倍増計画にオウム真理教と言った近現代までを取り上げおり、それぞれを予言と言うキーワードで解説しています。
    前半部分は過去を取り上げていることもあってか、予言と言うキーワードと解説している内容がよく合っていたのですが、後半になるにつれ、例えば、新宗教団体について取り上げた章においてはそれぞれの宗教団体の歴史に関する内容が主体となっていたり、所得倍増計画においては若干無理矢理予言に結びつけた印象も受けました。

    この様に、後半になるにつれて内容がぼやけた感じになってきている本書ではありますが、予言と宗教の関係、危機的な社会情勢下における予言の存在等、現在においては迷信でしかない予言が、かつてはとても重要な存在であった事がよく理解できる物となっています。

    ちなみに本書によれば、安部清明ゆかりの安部文殊院仲麻呂堂(もんじゅいんなかまろどう)には安部仲麻呂、安倍晴明の位牌が祀られており、その隣には安部首相の父親、安部晋太郎氏の位牌が置かれているとの事。

    先日読んだ「江戸しぐさの正体」(原田実/著)には、自民党幹部と水からの伝言と言ったオカルト教育を推進していたTOSSとの密接な関係が記されていました。

    また安部政権においてNHKの経営委員に選ばれた長谷川三千子埼玉大学名誉教授が、天皇を現人神とする論文を発表したと報じられた事もあり、安部首相は政治目的を達成する為にオカルトを利用しているに過ぎないのか、それとも首相自身もオカルト的思想の持ち主であるのか気になる所です。

著者プロフィール

島田裕巳(しまだ・ひろみ):1953年東京生まれ。宗教学者、作家。東京大学文学部宗教学宗教史学専修課程卒業、東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。放送教育開発センター助教授、日本女子大学教授、東京大学先端科学技術研究センター特任研究員を歴任し、現在は東京女子大学非常勤講師。現代における日本、世界の宗教現象を幅広くテーマとし、盛んに著述活動を行っている。 著書に、『日本人の神道』『神も仏も大好きな日本人』『京都がなぜいちばんなのか』(ちくま新書)『戦後日本の宗教史――天皇制・祖先崇拝・新宗教』(筑摩選書)『神社崩壊』(新潮新書)『宗教にはなぜ金が集まるのか』(祥伝社新書)『教養としての世界宗教史』(宝島社)『新宗教 戦後政争史』(朝日新書)等多数あり。

「2023年 『大還暦 人生に年齢の「壁」はない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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