「絶筆」で人間を読む 画家は最後に何を描いたか (NHK出版新書 469)

  • NHK出版 (2015年9月11日発売)
3.79
  • (15)
  • (44)
  • (20)
  • (2)
  • (3)
本棚登録 : 394
感想 : 34
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784140884690

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • どの画家も 全盛期には

    美術史にのこる名作を描いてますから

    晩年になっても すごい・・・

    とは限らない

    凄い絵を描き続けた人

    つまらなくなった人

    画風を変えたひと

    人生最後に残した作品

    見ごたえありました

  • どんな天才も年齢とともに良い意味でも悪い意味でも変化するのね。凡人の私は好好爺みたいに年齢重ねたい。

  • それぞれの画家を絵を通して深く知ることができる内容。
    各画家の人生の変化、時代に応じて、作品も変化しており、その様子までわかる。
    面白い。
    手元に置いておき、機会がある都度見返して楽しめる。

    • goya626さん
      中野京子さん!いろいろな本を出しているなあ。売れっ子ですね。
      中野京子さん!いろいろな本を出しているなあ。売れっ子ですね。
      2020/03/07
    • ハイジさん
      こんばんは!
      ホントですね
      本を通して美術の楽しさを色々な角度から魅せてくれます♪
      こんばんは!
      ホントですね
      本を通して美術の楽しさを色々な角度から魅せてくれます♪
      2020/03/07
  • 15名の画家たちの名画と「絶筆」で彼らの生き様を探る。
    第一部 画家と神ー宗教・神話を描く
      I ボッティチェリ『誹謗』II ラファエロ『キリストの変容』
      III ティツィアーノ『ピエタ』IV エル・グレコ『ラオコーン』
      V ルーベンス『無題』
    第二部 画家と王ー宮廷を描く
      I ベラスケス『青いドレスのマルガリータ』
      II ヴァン・ダイク『ウィレム二世とメアリ・ヘンリエッタ』
      III ゴヤ『俺はまだ学ぶぞ』
      IV ダヴィッド『ヴィーナスに武器を解かれた軍神マルス』
      V ヴィジェ=ルブラン『婦人の肖像』
    第三部 画家と民ー市民社会を描く
      I ブリューゲル『処刑台の上のカササギ』
      II フェルメール『ヴァージナルの前に座る女』
      III ホガ-ス『ホガース家の六人の使用人』
      IV ミレー『鳥の巣狩り』V ゴッホ『カラスのむれとぶ麦畑』
    関連画家年表有り。
    「絶筆」というより最晩年の作品も・・・だが、所謂彼等の
    名画や幾つかの作品と共に示されると、画家の生涯や遍歴が
    浮かび上がってくる。彼らは「何を描いてきたか」。
    画家となり、簡略ながらも詳しい生涯。
    画家になった者たち・・・何故画家になったのか?生活?栄誉?
    その生い立ちは様々でも、それぞれが歴史に名を残した事実。
    画家たちの視線・・・何を捉えたのか?何を描いたのか?
    神話や信仰、依頼人たちの望み、描かねばならなかった事情。
    そして等しく死は訪れる。
    宮廷に捉わる、主君の代替わり、絵画の流行の変遷、戦争、
    革命等、時代の荒波の揉まれ、最期の時に辿り着く。
    「絶筆」はその画家の生き様の終着点。
    信仰に捉われ、絶頂期とはほど遠い絵を残した、ラファエロ。
    権力欲に捉われ、死ぬまで画家の強靭な姿を残した、ゴヤ。
    死の直前まで手元に置いたという、穏やかな顔の使用人たちの
    ホガースの油彩画は驚き。彼の油彩画をもっと見たくなりました。
    多作の著者の作品の中でも、特に満足感高し!
    手元に置いて何度も読みたいです。

  • 当然なのかもしれないが、死の間際まで絶好調だった人は少ない。画家はその作品で隆盛が語られるものだが、やはり死の間際にはなかなか傑作を残せる人は少ない、と感じた。寂しくはあるけれど、人間とはそういうもので、後生があーだこーだいうのは間違っているのかもしれない。
    最後のページにある年表が良かった。誰と誰が同時代に生きていたのかが、一目で分かる。ヴァンダイクとベラスケスの対比がとても面白かった。またゴヤの執着、生きることに対してなのか、人間に対してなのか、分からないけれど、とりあえず、執着には凄味を感じる。

  • 第1部 画家と神─宗教・神話を描く
    Ⅰ ボッティチェリ『誹謗』─官能を呼び起こせし者は、消し去り方も知る
    Ⅱ ラファエロ『キリストの変容』─バロックを先取りして向かった先
    Ⅲ ティツィアーノ『ピエタ』─「幸せな画家」は老衰を知らず
    Ⅳ エル・グレコ『ラオコーン』─新しすぎた「あのギリシャ人」
    Ⅴ ルーベンス『無題』─「画家の王」が到達した世界

    第2部 画家と王─宮廷を描く
    Ⅰ ベラスケス『青いドレスのマルガリータ』─運命を映し出すリアリズム
    Ⅱ ヴァン・ダイク『ウィレム二世とメアリ・ヘンリエッタ』─実物よりも美しく
    Ⅲ ゴヤ『俺はまだ学ぶぞ』─俗欲を求め、心の闇を見る
    Ⅳ ダヴィッド『ヴィーナスに武器を解かれた軍神マルス』─英雄なくして絵は描けず
    Ⅴ ヴィジェ=ルブラン『婦人の肖像』─天寿を全うした「アントワネットの画家」

    第3部 画家と民─市民社会を描く
    Ⅰ ブリューゲル『処刑台の上のかささぎ』─描かれたもの以上の真実
    Ⅱ フェルメール『ヴァージナルの前に座る少女』─その画家、最後までミステリアス
    Ⅲ ホガース『ホガース家の六人の使用人』─諷刺作家の心根はあたたかい
    Ⅳ ミレー『鳥の巣狩り』─農民の現実を描いた革新者
    Ⅴ ゴッホ『カラスのむれとぶ麦畑』─誰にも見えない世界を描く

  • 1日もあれば読み終えられるくらいのボリュームですが、途中から読了するのが勿体無く思えてしまい、ルブランから先はだらだら読んでました。有名画家の絶筆をまとめて見たことがなかったので新鮮。p191に日本における絵画の見方の勘違いの根源に関する解説が良かった。図書館で借りたが、買って手元に置いておきたいかも。

  • ゴッホより普通にラッセンが好き。
    そんな人もゴッホがどんな想いで絵を描いたのか、どんな人生を送ってきたのかを知れば、ゴッホのほうが好きになるかもしれない。

    後世に名画を残した画家が、人生の最後にどんな絵を描いたのか。
    それを元に画家の心境や時代背景の変化を読み解く一冊です。
    絶筆作品だけでなく、教科書にも絶対のってる人気絶頂のころの作品を詳細な解説とともに比較することで、絶筆に至るまでにどんな変遷を送ったのかを解説しています。

    たとえばゴッホ。
    「アルルの跳ね橋」とか、黄色を中心とした明るい色調の農村風景が知られていますが、絶筆となる「カラスのむれとぶ麦畑」は、なにもない麦畑にカラスの群が飛び交う風景を描いた作品。観ているだけですごーく不安になります。
    アルルではようやく作家活動に希望を見いだせたのに、その後、友人のゴーギャンに愛想を尽かされ、自堕落生活一直線。女性にも逃げられ(かっれの場合、今に始まったことではないが)、酒とクスリにおぼれたうえに最期はピストル自殺。
    そんな中でかかれた絶筆作品は、これまで培った技法や色調(やっぱり黄色が大好き)を駆使しつつ、不安感がMAXに込められたものになっています。

    取り上げられた作家に共通していえるのは、どれだけ人生が変化しようと、彼らは一貫して絵を描き続けた、ということ。

    画家の人となりとか逸話とかで、その絵の価値が変わることはないし、名がはいつみても名画だ。
    だが、画家の人生や、その絵に込められた想いを理解することができれば、その絵を鑑賞するときの深みが増す(ワインと同じだ)。

    ラッセンさんのほうがどんな人生を送ってきたのかは知らないが、美術館にいったときに作者の系譜をちゃんと読もう、頑張って図録も買おう、そんなモチベーションをあげてくれる一冊です。

  • 美術史に名を残す画家の人生と最後に書かれた絵。
    作家の人生とともに代表作が掲載され、最後に絶筆となった作品が掲載されているのですが人生を生き切ったような迫力のある絵や精彩を欠いた抜け殻のような絵とさまざまでした。

    ボッティチェリには何がどうなってこうなってしまったの!と衝撃を受けました…。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/691707

  • 723-N
    閲覧新書

  • 人生最後の作品を集めた珍しい本。視点が面白い。

  • ミレーの鳥の巣狩り 衝撃です

  • 成功した画家達は最後に何を描いたのか。
    画家達が人生の終わりにさしかかり、どのような心境の変化に至ったか。
    絶頂期の作品と比較しながら、その画家の歴史を辿ってそれを紐解く一冊。

    取り上げられている画家達は下記。

    ルネサンスからはボッティチェリ、ラファエロ、ティツィアーノ、
    北方ルネサンスからはブリューゲル、マニエリスムからはエルグレコ、
    バロックからはルーベンス、ベラスケス、フェルメール、ヴァンタイク、
    ロココからはホガース、ヴィジェ・ルブラン、新古典主義からはダヴィット、
    ロマン主義からはゴヤ、ホガース、写実主義からはミレー、そして後期印象派からはゴッホ。

    画家それぞれ、貧困や、自らの性格が災いして苦労したり、ゴッホやフェルメールのように夭折してしまったり。ゴヤのように、人格に問題があってもしぶとく生き抜いて最後に新境地に挑戦したり。
    また逆にルーベンスのように(中野さんは、ルーベンスのことを他の本でも「天からえこひいきされた人物」と述べている)仕事の才能にも家族にも恵まれ、幸せな人生を最後まで全うするものもいたり。

    そしてその人生を経て、終盤でどんな絵を描いたのか。
    その道筋が一人一人描かれていて、こういう視点も面白いな、と思った。

    今回気になった画家はこちらの人格の良さそうな3人。

    まずは、当時では珍しい女性画家のヴィジェ・ルブラン。
    女性が芸術の分野で活躍するのには苦労したようだが、自らの美貌を武器に自画像を沢山描いて、その画力をプロモーションした。
    晩年も家族に支えられ幸せに過ごしたという。

    次に、ルネサンスの三大巨匠として知られるラファエロ。
    先輩達の技術を吸収しようとする素直さと、優雅な物腰で、最後まで愛される画家だったという。
    ラファエロ。ファンになりそうです。

    そして、イギリスのホガース。
    知らない画家でした。音楽と絵画が長らく不毛地帯だったイギリスにようやく現れた画家。
    人物の個性を描き分ける観察力が武器。愛する妻と愛犬と、幸せに暮らした。

    中野さんは本当に色んな切り口から西洋美術を語ってくれる人。
    しかも、個人の感情を極力抑えて客観的に述べているところも、読みやすいポイント。

  • 歴史の教科書ではその時代の最後にちょこっと
    芸術史が入ってきてそのときに名前を覚える画家たち。
    しかし本書を読むと一人一人その歴史の中で翻弄され
    生き残るにはかなりの苦労をしていることが分かります。

    時代によって、主題も、聖書→神話画、肖像画→
    日常的な絵画、とテーマも変わっていくため
    本書では「画家と神」「画家と王」「画家と民」と
    項目が分けられており、最後になにを描いたか、が
    取り上げられています。

    時代の要求に合わせられなかったり、絶筆なのかと
    驚くほどにまったく能力が衰えていなかったり、
    逆に全盛期ほどの能力はもうその絵には見られなかったり…。

    個人的には80歳を超えたゴヤの自画像、タイトルは
    「俺はまだ学ぶぞ」がとても印象に残りました。

  • 著名な画家たちの絶筆。あるいは晩年の作品。それらのすべてが名画だとは限らないけれど、そこには彼らの生きた足跡のようなものが見える。どんな風に生き、戦い、苦悩し、描いたのか。絵画を見ただけでは、なかなかわからない裏側が中野さんの見事な解説で書かれている。本を読んで改めてまた作品を見直したくなる。

  • 中野京子さんの文章は硬いのに、画家への愛と賞賛に溢れていてとても読んでいて熱くなる。
    題材としてはゴッホが一番面白かった。これほどまでに書簡が訳されたり、小説、舞台、映画になった画家はいないと書かれていて、いままで考えたことがなかったけれど確かにピカソやダヴィンチ、日本の画家よりもゴッホ本人にもスポットがあたってるのは興味深い。幸福な黄色。
    その人自身が豊かで優雅で努力を怠らず自己肯定感があると、作品にも反映される。逆に、何をやってもダメだったり人としては悪漢だからこそ、作品が味わい深いものになる。もっと美術館に行きたくなる!

  • 中野京子さんの本19冊目になりました。
    おかげでここに出て来る画家さんは、もうおなじみの皆さんばかりです。
    そして超一流の顔ぶれです。

    その一人一人の人生や関わってきた人たちなどを紹介。
    最後にその画家の絶筆、あるいは晩年の作品でしめくくります。

    しばしば中野京子さんが紹介した絵をブログにのせてきましたが、今回は本を見て、その都度驚いたり感心したりしたほうがいいと思うので、ふれません。

    私がこの中で誰に肖像画を描いてもらいたいか、といったらヴィジェ・ルブランですねー。
    ときどき休憩して、お茶(お酒じゃないよ!)を飲みながら、いろいろお話したいです♪

    でも一番好きなのはベラスケス。
    彼と会ったら…、彼に肖像画を書いてもらうとしたら…、想像するだけで胸がドキドキします。
    でもちょっと残念なのはイタリアに愛人と子どもがいたこと…。
    奥様はベラスケスの一週間後に亡くなったのですが、「そのことを知らないまま亡くなったならいいなあ」と思っています…。

    そうそう、この本で面白いなと思ったところをコピーします。

    >傑出した、あるいは悪名高い君主が、同時代の優れた画家に肖像を描かせることができた例は、思いのほか少ない。エリザベス一世、ピョートル大帝、エカテリーナ大帝、マリア・テレジア女帝、フリードリヒ大王といった強烈な個性は、残念ながらそれに見合うだけの肖像画を残していない。
     一方、せっかく力量ある画家がいるのに君主の側が残念な例としては、ベラスケスとフェリペ四世、ヴァン・ダイクとチャールズ一世、ルーベンスとマリー・ド・メディチ、ゴヤとカルロス四世があげられる。画家・君主とも歴史に大きく名を刻印しているのは、わずかにデューラーとマクシミリアン一世、ティツィアーノとカール五世及びフェリペ二世、ホルバインとヘンリー八世、そしてこのダヴィッドとナポレオンくらいだろうか。

    http://nagisa20080402.blog27.fc2.com/blog-entry-371.html

  • これもまた、筆者の傾向かが現れてます。中野さんは絵を物語にして読ませてくれるので、分かりやすくて大好きなのですが、よく出てくるのはスペインハプスブルグ家と印象派かなぁ。いや、いいんですけどね。私は私でもっとしっかり分野開拓していきたいと思いました。

  • 絶筆作品の解説だけだったらつまらなかっただろうが、全盛期との比較がおもしろい。作品ではなく画家の解説だった。

全28件中 1 - 20件を表示

著者プロフィール

早稲田大学、明治大学、洗足学園大学で非常勤講師。専攻は19世紀ドイツ文学、オペラ、バロック美術。日本ペンクラブ会員。著書に『情熱の女流「昆虫画家」——メーリアン』(講談社)、『恋に死す』(清流出版社)、『かくも罪深きオペラ』『紙幣は語る』(洋泉社)、『オペラで楽しむ名作文学』(さえら書房)など。訳書に『巨匠のデッサンシリーズ——ゴヤ』(岩崎美術社)、『訴えてやる!——ドイツ隣人間訴訟戦争』(未来社)など。

「2003年 『オペラの18世紀』 で使われていた紹介文から引用しています。」

中野京子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×