- Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140884829
感想・レビュー・書評
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吉田茂は、ワンマン、秘密主義、貴族趣味というイメージでとらえられ、パージされ脳卒中で倒れた鳩山一郎をメディアは同情的な視線で映し出した。二人ともメディア対策は考えていなかった点では共通。次のことは、新しい発見でした。池田勇人には、格別の統治論や政策論があるわけではないから、大平と宮澤で「寛容と忍耐」というキャッチフレーズを合作した。
田中角栄がキングメーカーになったことをメディアは、二重権力だと厳しく批判したが、今のメディアには、橋下なら、またひと騒動起こすに違いないというムードがある。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
政治家の生態の変遷を記した本書。
オーラル・ヒストリー(口述歴史)に携わる著者が、その立場から生身の政治家を記している。
結局、政治家も時代に対応せねばならず、「昔と比べ云々」等の言説は少々酷かな、とも思ってしまう。 -
戦後政治史をスピーディーになぞりつつ、昔と今でどのように政治の在り方が変容していったか、そしてこれから国民は政治とどのように向き合い、どのように政治を盛り上げればいいかを説いている。「政治の話は難しくてめんどくさい」と思っている人(つまり私だが)に向けた語り口で、まず「なぜ難しくてめんどくさいのか」から解きほぐしてくれるのが親切。新聞の共に最適である。
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興味深く読めたが、昔の政治家の方が良かったように取れる懐古的な書き方が少し残念。
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御厨先生ならではの考察期待するも、目から鱗がこぼれることもなく、膝をたたくこともなく、頭を振ることもなく、淡々かつ粛々と読み終える。強いて挙げれば、田中角栄に対しては辛口評論。昨今吹き荒れる角栄礼賛に棹差す見方は中々良かった。カリスマ政治家の登場で、成熟日本が一新されるような幻想を抱かせる箇所が無かったのがせめてもの救い。こういう凪のような読書もありますな。
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政治家のキャラクターの変遷と現在の状況及び課題について。
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自ら筆をとって敢えて語りかけ調に書いたのか、それとも語りおろしをライターが文章化したのか? 学者だから自分で文章を書くとは思うが、オーラルを手法として宣伝する意味で、あえてインタビューされる体でやったのかも知れぬ。
吉田茂から中曽根くらいまでの時代に比べ、今の政治家はマスコミに支配され、プレゼンやイメージばかり重視し、情報洪水に為す術もなく絡めとられ、仲間内でのケータイでの情報交換に明け暮れ、経綸を語らず、TVではお勉強したことしか語らない・・とのこと。
爺さんの放談にも聞こえるが、確かに、そうだ。