なぜ日本のフランスパンは世界一になったのか パンと日本人の150年 (NHK出版新書)

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  • NHK出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140885017

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  • なぜ日本のフランスパンは世界一になったのか パンと日本人の150年。阿古真理先生の著書。日本のパンの歴史なんて考えたこともなかったけれど、それがわかりやすくわかる良書。私はパンが大好き。自分が大好きでよく食べている食べ物の歴史くらいは理解しておいたほうが良いかもと改めて思いました。

  • 日本の食生活にパンがどのように受け入れられてきたか。明治以来の日本での製パンのパイオニアである店や人物に取材して、本場の感覚のまま受け入れられた部分と日本化した部分を分析する一方で、日本人と小麦の関係、西洋におけるパン食文化もふりかえり、日本でパンがうけいれられた必然性を明らかにしたり、日本化したパンが外国人にはどう映るかを調べ、米にしろパンにしろ、「主食」の消費量が世界的に減ってきている食生活事情を指摘している。パンに限らずさまざまな外国文化を進取の精神で折衷してとりこみ日本化してしまう日本らしさをたどる一冊になっている。

  •  「パンと日本人の150年」とあるように、日本人とパンの関係は深いものになり、パンのない生活なんて考えらないという方もいるくらい親密なものになっている。


     パンの世界も昔からあるアンパン、クリームパン、メロンパン、カレーパンと言った日本で作られて今も人気のあるパンから、フランスのパンも食べられるというパンが好きな人にとってはたまらない状況になっている。


     パン好きな街として知られる神戸。その神戸で、重要な役割を果たしていたのがドイツ人だったとは知らなかった。知らなかったと言えば、デニッシュを導入したのがあのアンデルセン。たまに買って食べるが、サクサクした生地と甘いクリームの組み合わせがたまらない。


     日本のパン事情のみならず、西洋のパン食文化にも触れていて読んでいて腹いっぱいになる。文庫本にしては盛りだくさんな内容だ。


     コンビニ、スーパー、デパ地下、商業施設の店、個人経営の店などパンを打っている店がたくさんあり、しかもパンの種類が豊富にあり迷うくらいだ。これからもパンがどのようになっていくのか気になる。

  • 日本におけるパンの発展が分かりやすくまとめてあります。

    【こんな人におすすめ】
    日本のパンの歴史に興味のある人

  • ふむ

  • 皮の固いフランスパンが欲しくなりますね。

  • 幕末辺りから日本でパン作りが始まり、実はそれなりの歴史をもった食べ物であると知る。そこから現在に至るまで日本のパン職人達が努力を重ねて改良してきた歴史を知るといつか日本の主食はパンになるんじゃないか、いや、それはないわ。
    ご飯かパンかと言えば圧倒的に前者な私でもこれ読むとフランスパン、そうハード系のパンが食べたくなる。バゲット、バタール、クーペ、カンパーニュ、ああ、皮の食感と香り、噛み締めるほど口の中に広がる淡い塩味、さらにそれぞれ個性のあるパンにマッチしたソースを付けて…ムハムハと…
    でもやっぱサンドウィッチだよな!
    いや寿司食いてえー!
    日本食万歳!!

  •  パンが日本の食文化の中に取り入れられ、独自の発展をしていく過程が述べられているところが面白い。パンの普及過程に兵士の食料としての役割があった事実は知らなかった。白米が普及し脚気に悩まされていた明治の人々にとってパン食は薬効すら感じるものであったらしい。
     柔らかさや程よい弾力を追求し、アンパンをはじめとする独自のパンがつくられていく様はどこかで読んで知っていたが、さらにフランス人も認めるフランスパンがつくられるなど日本職人たちの心意気も描かれている。
     

  • ‪日本の食文化におけるパンの歴史を紐解いた一冊。パンこそ純粋な洋食と思っていたのであれほど和食化が進んでいたとは驚いた。あんパンの皮の柔らかさに着目した考察やカレーパンのような具材を包むパンが日本で誕生した背景など目から鱗の内容ばかりで知識欲(と食欲)を刺激されまくりでした。‬

  • 某有名ホテル直営のフレンチレストランで、フランスから輸入した小麦で焼いたという説明を何度も聞き、日本のフランスパンも美味しいのにと思ったり、「俺の」が恵比寿に「俺のベーカリー&カフェ」ができたりしたので、ポチる。日本人は皮の柔らかいパンが好きだと。いつどこからそれが始まったのかの論など興味深い話題が多い。「パンと日本人の150年史」とあるように、日本にパンが上陸したころの話からホームベーカリーまでの歴史などもおもしろかった。

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著者プロフィール

作家・生活史研究家。1968年兵庫県生まれ。食のトレンドと生活史、ジェンダー、写真などのジャンルで執筆。
著書に『日本外食全史』『家事は大変って気づきましたか?』(以上、亜紀書房)、『ラクしておいしい令和のごはん革命』(主婦の友社)、『昭和育ちのおいしい記憶』『うちのご飯の60年 祖母・母・娘の食卓』『「和食」って何?』『昭和の洋食 平成のカフェ飯 家庭料理の80年』(以上、筑摩書房)、『料理に対する「ねばならない」を捨てたら、うつの自分を受け入れられた。』(幻冬舎)、『料理は女の義務ですか』『小林カツ代と栗原はるみ』(以上、新潮社)、『なぜ日本のフランスパンは世界一になったのか』(NHK出版)など。

「2023年 『大胆推理! ケンミン食のなぜ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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