キラーストレス 心と体をどう守るか (NHK出版新書)

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  • / ISBN・EAN: 9784140885031

感想・レビュー・書評

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  • NHKスペシャルのために取材した内容をまとめたもの。
    最新の調査や研究成果を踏まえて、ストレスの正体に迫り、対処法を示しています。

    現代社会では情報が多すぎて、ストレスが増えているのは、誰しも心当たりのあるところ。
    ストレスとは、危機に対応するために心身を緊張させたことが始まり。
    原始時代には、襲われたときに逃げるか、闘うという必要があったから。言われてみれば納得です。

    今は問題が起きている真っ最中でなくとも、過去にあった辛いことを思い出し続けているか、未来に悪いことが起きると予想していると、今もストレスがかかってしまう。
    ストレスは、気分の問題では済まない。
    脳や体にも、はっきり影響を与えているのだそうです。

    ストレスを軽くする方法を100個書き出しておく、というのがコーピング(対処法)というやり方。
    うんと小さなことも含むわけですね~。
    けっこう笑えて、参考になりますね。
    笑いも良いストレス対策になります!

    運動の効果、栄養のとり方、なども具体的に。
    もう一つの有効な取り組みは、マインドフルネス。いわゆる瞑想を、わかりやすくしたもの。
    背筋を伸ばして静かに座って自然に息を吐き、あるがままに呼吸を感じて、雑念を遠ざける。
    こういったことで、傷ついた脳が回復していくというのが驚き。
    ひと通り知っておいて、損はないでしょう。
    興味深く読みました☆

  • ストレスとは変化。自分が病気を招くほどのストレス状態と気づかない。ストレスとは太古の昔から人間が身を守る(闘争か逃走か)ため、血圧や心拍数を上げて身体を守る機能。「扁桃体」不安や恐怖に反応せよ→視床下部→「副腎」ストレスホルモン(コルチゾール、アドレナリン等)を分泌→心臓はじめ体の臓器に指令→ex.血管をしめつける、血液が固まりやすくなる、糖分が放出される
    現代では、精神的な重圧によって扁桃体が刺激される事態が引き起こされる。
    「頑張るストレス」と「我慢するストレス」がある。「我慢する…」が長期間続くと、コルチゾールがとめどなく分泌される=慢性ストレス →海馬(記憶や学習をつかさどる)が蝕まれる →うつ病へ。
    「マインドワンダリング(心の迷走)」…過去や未来の事に考えを巡らせる これを続けているとストレス状態が続く。
    「レジリエンス(ストレス対処能力)」は人それぞれにより違う。遺伝的要因と子ども時代のストレス(生まれ育った環境や生育歴も)も影響が考えられる。扁桃体が大きくなり、ちょっとしたストレスでストレスホルモンが出るようになってしまう。脳の発達に影響が出やすい時期に海馬にも影響し、記憶や学習の能力や発達を阻害する可能性もある。
    コミュニケーション力がストレスに強い人間を育てる。家族始め周りの人間がカギ。
    ストレスホルモン=コルチゾールの値が一日を通して徐々に減っていかず(通常減る)一定の人は、心臓病リスクは二倍。
    ストレス状態が続き免疫細胞を刺激すると、癌に対する免疫細胞からの攻撃がストップしてしまう。
    運動はストレス対策において重要



    ストレス対策

    ①コーピング …ストレス対処法を列挙して、ストレスを感じた時に実践する。cope…対処する。作成したリストを持ち歩く。自分のストレスを客観的に観察して、効果的なコーピングにつなげる。

    ②マインドフルネス …1.背筋を伸ばして、両肩を結ぶ線がまっすぐになるように座る。どんな姿勢でも良い。 2.呼吸をあるがままに感じる。コントロールせず体がしたいようにする。感覚に注意を向け、気づきが追いかけていく。「ふくらみ、ふくらみ、縮み、縮み」と実況。 3.湧いてくる雑念や感情にとらわれない。雑念が浮かんだら「雑念、雑念」と心でつぶやき、「戻ります」と唱える。 4.空さ全体で呼吸する。注意のフォーカスを拡げる。吸った息が呼吸の隅々まで流れ、吐く息が体の隅々から流れ出る。「ふくらみ、ふくらみ、縮み、縮み」と実況を続ける。5.体の外まで注意のフォーカスを拡げる。周りに空間の隅々、その場で気づく事の出来る現実のすべてを見守る。空気、温度、広さ、部屋の外。雑念が出てきても漂わせ、消えていくのを見届ける。 6.迷走を終了。瞼の裏に注意を向け、そっと目を開ける。伸びをしたり体をさすったりして、普段の自分に戻る。

  • NHKの番組が話題になっていたので新書で読んでみた。新書だけどすごく読みやすかった。医学的な研究から、対応策まで書かれていて、分かりやすかった。悶々するのはマインドワンダリングという状態で、人間的にはおかしくない状態なんだということがわかったし、コーピングという良さそうな対応方法も見つかった。さっそく試してみようと思う。

    ----- 以下メモ

    ・マインド・ワンダリング(心の迷走)
    過去や未来についてあれこれ考えを巡らせてしまう状態のこと。人間に備わっている「記憶力」や「想像力」によって、ストレスに晒された状態を思い出したり、同じようなことが起こったりしないだろうかと想像したりする。

    NPYの差は、遺伝によるもの。ストレスに弱いか強いかは生まれつきある程度決まっている。

    生活習慣と運動が大事。運動すると脳が変化してストレスに負けにくくなる。食生活を規則正しくするのも重要(魚がいいらしい)

    ストレスには「頑張るストレス」と「我慢するストレス」がある。この2種類に意識的にコーピング、マインドフルネスなどで対応していくのが必要。

    ・コーピング
    認知行動療法から生まれた方法。自分のストレスを観察し、見合った対策をしていく。気晴らしのリストを100個くらいメモって印刷して持っておくとよい。「旅行に行く」とかはすぐにはできないけど、何かを想像する系のだけでもよい。

    ・マインドフルネス
    マインドワンダリングを回避した状態。

  • ストレスが身体に及ぼす影響と、その対策について書かれている。
    1〜3章では命を脅かすストレスと、それによる脳・体への影響について。4〜6章では上記のようなストレスへの対処法について。終章では「ストレスから子供を守る」と題して、幼少期のストレスによって成長してからのストレス耐性が弱くなってしまうことや、それゆえ幼少期のストレスコーピングが重要であることが述べられている。
    ストレスは心の問題ではなく、実際に脳や身体にダメージを与えているというのが衝撃的だった。また、幼少期に強いストレスを受けた人が成長してからもストレスに弱くなってしまう理由についても納得できるものだった。しかし悲観的になるのではなく、後半部分では運動やマインドフルネスを用いる事で脳を回復させ、ストレスに強くなることが可能であることが示されている。
    全体として内容が具体的でありながら、文章が冗長になりすぎないようにうまくまとめられており、非常に読み易かった。また、取材先の大学や研究者の名前、データの引用元などもきちんと示されていた。

  • もう少し救いを求めて本屋をうろうろしたらこの本が。
    「キラー・ストレス」とい恐ろしいタイトル。NHKのTVタイトルで見たことがある。

    ストレス・ホルモン「コルチゾール」による身体への物理的、化学的影響が描かれている。
    自分はまさにこの状態ではないか。これはきちんと対処しないとえらいことになってしまうと思った。
    サラリーマンが仕事のせいで病気になっても、誰も褒めてはくれないし、かばってもくれない。同僚には迷惑をかけるし自己管理ができていないと思われるだけ。
    後半のストレス・コントロールのテクニックである、コーピングとマインド・フルネスの実践が必要だ。

    マインド・フルネスって禅だよなぁ。小池龍之介著「考えない練習」につながった。

  • 厚生労働省が発表した統計によると、
    躁うつ病にかかる患者は94年時では43.3万人、
    14年時では111.4万人と、
    20年で2.6倍になっています。
    認知件数が増えたというよりも、やはり社会環境の変化によって
    、絶対数が増えたと思います。
    日本社会は、ますます利便性を追求していますが、
    その歪みが、個人が受けるストレスとして、
    多くの日本人に精神疾患の増加として、現れています。

    ストレスで、うつ病になる。
    (ある見方では)うつ病は、慢性ストレス性精神疾患と言います。
    よって自分にふりかかるストレスが何なのか、見極め、そして
    日々の生活習慣を見直す必要があります。

    この著作では、まずストレスチェック(ライフイベントにおける)
    を行うように勧めています。
    このチェック表は、かなり使えると思いました。

    項目によって、ストレス指数が全然違います。
    不謹慎ですが、配偶者の死などは、感じるストレスの中で、
    最も高い部類に入っています。(また不謹慎な言い方ですが)これを知っていれば、
    似たような状況になった場合の対策を講じることができます。

    そして、ストレス対策として、
    コーピングや運動
    マインドフルネス
    を取り上げています。

    コーピングなら(一つの方法として)、自分にとって、
    気分が上がる行動をリストアップし、
    実際に行動して、10点満点で採点する。
    得点が高ければ、それは自分にとって、ストレスを軽減できる、
    行動となる。

    そして、そのリストを意識的に増やしていくようにする。
    自分のストレスを「観察」する習慣、そして、
    「対応」するという意志と行動を徹底的に行なう。

    ストレスキラーの背景にあるのは、
    もはや、誰も自分も守ってくれない、
    自分の身は自分で守らなければいけないという
    社会状況になっているからだと思います。

    職場などで発生するパワハラ(いじめ、いやがらせ)などは、
    増加し続けています。

    いついかなるストレスが来るかわからない。
    カラダの健康に気をつけて、
    バランスの良い食事を心がけるように、

    普段から精神の健康を保つために、いかにストレスと付き合うか、
    という、今の日本人の誰もが考えなければいけないことへの、
    対処療法が、分かり易く書かれています。

  • NHKで放送したストレスに関する番組の内容に、加筆して書籍化した本。ストレスは「変化」であるとか、支配している人の方がストレスが低いとか、ストレスが実際に体を変化させる(脳を退化させる、血管が詰まる等)とか、子供の時にいじめられると大人になってストレス過敏になるとか、運動をすると自律神経の興奮が減るとか、ストレスに対する知見の山で面白い。
    また、実際にストレスを減らすためには何が必要なのか(軽い運動と、マインドフルネスと、コーピング)にもきちんと言及されており非常に実践的な本だな、と思ったりした。。ストレスに苦しんでいる人は読んでみると良いと思う。
    ちなみに、コーピングとは「自分がやると気分が良くなることをリストアップし、それを実践すること」なので、自分が楽しくなることを色々とリストアップして実践してみたい。

  • ストレスは体にも影響を与える。特に免疫系。
    対策として、
     1.ストレスの原因を避ける
     2.笑い
     3.友人や家族のサポートを得る
     4.運動
     5.瞑想
    がある。
    自分なりの気晴らしの具体的な方法を100個用意しておくのも効果的。

  • ストレスがもたらす悪影響と対処法であるマインドフルネスについて。
    子供の時に負った脳の傷は大人になっても残り続けるが、治せるものである。

    自分は運動、整体、鍼灸を習慣にすることでストレスをマネージしようと心がけているが、強い負荷がかかる時期ほどそれらの時間が取れないことが多い。本書で触れられている通り、大小問わずにストレス発散法を書き出して、やれることからやるのが大事かなと思った。

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著者プロフィール

キラーストレス(PART.1)監修。ストレスが原因の突然死、慢性病、精神疾患の増加が注目を浴びる中、ストレスに苦しむ人たちに有効な対処法を伝えようと企画を立ち上げる。2016年にNHKスペシャル「シリーズ キラーストレス」を放送、大きな反響を得た。

「2017年 『「キラーストレス」から心と体を守る! マインドフルネス&コーピング実践CDブック』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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