- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140885031
感想・レビュー・書評
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NHKスペシャルのために取材した内容をまとめたもの。
最新の調査や研究成果を踏まえて、ストレスの正体に迫り、対処法を示しています。
現代社会では情報が多すぎて、ストレスが増えているのは、誰しも心当たりのあるところ。
ストレスとは、危機に対応するために心身を緊張させたことが始まり。
原始時代には、襲われたときに逃げるか、闘うという必要があったから。言われてみれば納得です。
今は問題が起きている真っ最中でなくとも、過去にあった辛いことを思い出し続けているか、未来に悪いことが起きると予想していると、今もストレスがかかってしまう。
ストレスは、気分の問題では済まない。
脳や体にも、はっきり影響を与えているのだそうです。
ストレスを軽くする方法を100個書き出しておく、というのがコーピング(対処法)というやり方。
うんと小さなことも含むわけですね~。
けっこう笑えて、参考になりますね。
笑いも良いストレス対策になります!
運動の効果、栄養のとり方、なども具体的に。
もう一つの有効な取り組みは、マインドフルネス。いわゆる瞑想を、わかりやすくしたもの。
背筋を伸ばして静かに座って自然に息を吐き、あるがままに呼吸を感じて、雑念を遠ざける。
こういったことで、傷ついた脳が回復していくというのが驚き。
ひと通り知っておいて、損はないでしょう。
興味深く読みました☆詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
序盤のストレスチェックリストで、いきなりストレスない人に判定されたので読む必要が無くなったのですが、これはとても素晴らしい本でありました。
ストレスがどういう風に体に影響を及ぼすのか、科学的な実証を基に書かれているので、漠然とストレスへのモヤモヤした恐怖を煽るのではありません。
ストレスを受けた時に発生する物質が、遺伝子や細胞に直接影響を与え、様々な病気の原因となっていることがものすごーく分かりやすく書かれています。
今まで関係無いと思っていた疾患が、慢性的なストレスが原因で発生した可能性が高かったと分かって、怖いと同時にストレスにしっかり対処する事で可能性の芽を摘むことが出来る希望になりました。
前半はストレスが心と体に与える科学的な実証。そして後半はストレスにどうやって対応していくかの具体的な技術。ストレスを感じている人もいない人もこれを読むと色々考えさせられると思います。ストレスで悩んでいる人がいたら是非勧めたい。そんな本を見つけました。 -
NHKの番組が話題になっていたので新書で読んでみた。新書だけどすごく読みやすかった。医学的な研究から、対応策まで書かれていて、分かりやすかった。悶々するのはマインドワンダリングという状態で、人間的にはおかしくない状態なんだということがわかったし、コーピングという良さそうな対応方法も見つかった。さっそく試してみようと思う。
----- 以下メモ
・マインド・ワンダリング(心の迷走)
過去や未来についてあれこれ考えを巡らせてしまう状態のこと。人間に備わっている「記憶力」や「想像力」によって、ストレスに晒された状態を思い出したり、同じようなことが起こったりしないだろうかと想像したりする。
NPYの差は、遺伝によるもの。ストレスに弱いか強いかは生まれつきある程度決まっている。
生活習慣と運動が大事。運動すると脳が変化してストレスに負けにくくなる。食生活を規則正しくするのも重要(魚がいいらしい)
ストレスには「頑張るストレス」と「我慢するストレス」がある。この2種類に意識的にコーピング、マインドフルネスなどで対応していくのが必要。
・コーピング
認知行動療法から生まれた方法。自分のストレスを観察し、見合った対策をしていく。気晴らしのリストを100個くらいメモって印刷して持っておくとよい。「旅行に行く」とかはすぐにはできないけど、何かを想像する系のだけでもよい。
・マインドフルネス
マインドワンダリングを回避した状態。 -
ストレスとは変化。自分が病気を招くほどのストレス状態と気づかない。ストレスとは太古の昔から人間が身を守る(闘争か逃走か)ため、血圧や心拍数を上げて身体を守る機能。「扁桃体」不安や恐怖に反応せよ→視床下部→「副腎」ストレスホルモン(コルチゾール、アドレナリン等)を分泌→心臓はじめ体の臓器に指令→ex.血管をしめつける、血液が固まりやすくなる、糖分が放出される
現代では、精神的な重圧によって扁桃体が刺激される事態が引き起こされる。
「頑張るストレス」と「我慢するストレス」がある。「我慢する…」が長期間続くと、コルチゾールがとめどなく分泌される=慢性ストレス →海馬(記憶や学習をつかさどる)が蝕まれる →うつ病へ。
「マインドワンダリング(心の迷走)」…過去や未来の事に考えを巡らせる これを続けているとストレス状態が続く。
「レジリエンス(ストレス対処能力)」は人それぞれにより違う。遺伝的要因と子ども時代のストレス(生まれ育った環境や生育歴も)も影響が考えられる。扁桃体が大きくなり、ちょっとしたストレスでストレスホルモンが出るようになってしまう。脳の発達に影響が出やすい時期に海馬にも影響し、記憶や学習の能力や発達を阻害する可能性もある。
コミュニケーション力がストレスに強い人間を育てる。家族始め周りの人間がカギ。
ストレスホルモン=コルチゾールの値が一日を通して徐々に減っていかず(通常減る)一定の人は、心臓病リスクは二倍。
ストレス状態が続き免疫細胞を刺激すると、癌に対する免疫細胞からの攻撃がストップしてしまう。
運動はストレス対策において重要
ストレス対策
①コーピング …ストレス対処法を列挙して、ストレスを感じた時に実践する。cope…対処する。作成したリストを持ち歩く。自分のストレスを客観的に観察して、効果的なコーピングにつなげる。
②マインドフルネス …1.背筋を伸ばして、両肩を結ぶ線がまっすぐになるように座る。どんな姿勢でも良い。 2.呼吸をあるがままに感じる。コントロールせず体がしたいようにする。感覚に注意を向け、気づきが追いかけていく。「ふくらみ、ふくらみ、縮み、縮み」と実況。 3.湧いてくる雑念や感情にとらわれない。雑念が浮かんだら「雑念、雑念」と心でつぶやき、「戻ります」と唱える。 4.空さ全体で呼吸する。注意のフォーカスを拡げる。吸った息が呼吸の隅々まで流れ、吐く息が体の隅々から流れ出る。「ふくらみ、ふくらみ、縮み、縮み」と実況を続ける。5.体の外まで注意のフォーカスを拡げる。周りに空間の隅々、その場で気づく事の出来る現実のすべてを見守る。空気、温度、広さ、部屋の外。雑念が出てきても漂わせ、消えていくのを見届ける。 6.迷走を終了。瞼の裏に注意を向け、そっと目を開ける。伸びをしたり体をさすったりして、普段の自分に戻る。 -
『キラーストレス心と体をどう守るか』
第1章ストレス度チェック。
実践しやすく守る方法も記述。良書。
シンプルにいえば
1.好きリラックスすること100個リスト化。
100が味噌。
2.やってみる。
3.やる前やった後の爽快感点数化。
→自己認識進↑→負荷大→効果大選択可能へ。 -
ストレスが身体に及ぼす影響と、その対策について書かれている。
1〜3章では命を脅かすストレスと、それによる脳・体への影響について。4〜6章では上記のようなストレスへの対処法について。終章では「ストレスから子供を守る」と題して、幼少期のストレスによって成長してからのストレス耐性が弱くなってしまうことや、それゆえ幼少期のストレスコーピングが重要であることが述べられている。
ストレスは心の問題ではなく、実際に脳や身体にダメージを与えているというのが衝撃的だった。また、幼少期に強いストレスを受けた人が成長してからもストレスに弱くなってしまう理由についても納得できるものだった。しかし悲観的になるのではなく、後半部分では運動やマインドフルネスを用いる事で脳を回復させ、ストレスに強くなることが可能であることが示されている。 -
もう少し救いを求めて本屋をうろうろしたらこの本が。
「キラー・ストレス」とい恐ろしいタイトル。NHKのTVタイトルで見たことがある。
ストレス・ホルモン「コルチゾール」による身体への物理的、化学的影響が描かれている。
自分はまさにこの状態ではないか。これはきちんと対処しないとえらいことになってしまうと思った。
サラリーマンが仕事のせいで病気になっても、誰も褒めてはくれないし、かばってもくれない。同僚には迷惑をかけるし自己管理ができていないと思われるだけ。
後半のストレス・コントロールのテクニックである、コーピングとマインド・フルネスの実践が必要だ。
マインド・フルネスって禅だよなぁ。小池龍之介著「考えない練習」につながった。 -
「ストレス」の怖さ、メカニズム、対処方法などについて、めちゃくちゃわかりやすく書かれた本です❗
非常に読みやすく、グイグイ入ってきます。
ストレスの多い世の中を、楽に生きていく(心を軽くして)方法を身につけましょー‼
ぜひぜひ、読んでみてください! -
ストレスの脳や身体への影響と、その対処方法に関する最新の知見をコンパクトにまとめた本。敵を知り己を知れば百戦危うからず、ストレスがホルモンや自律神経に影響を及ぼし体を蝕むメカニズムの説明が分かりやすい。またストレスへの対処も運動、コーピング、マインドフルネスの三つが挙げられているがどれもすぐに取り組めそうなものばかり。
NHKスペシャル取材班がまとめた本は外れがない。 -
「ストレス社会」という言葉が巷間に流布するようになって久しいものの、自分のストレスへの対処法は、漠然と気分転換をすること、としか考えていませんでした。
この本を読んでストレスが科学的に身体に及ぼす影響と、その対処法を概ね理解することができました。
ストレスが、脳細胞を破壊したり、細菌の活動を活発化させることにより、血管の壁を破ったりと、物理的に身体組織を破壊する力があることが近年の研究により科学的に証明されている、と本書は伝えています。ストレスが文字通り命を削ってしまうダメージを与えてしまう、ということです。
対処法として、笑い、運動による自律神経の興奮を抑制すること、魚、玄米、ナッツや緑黄色野菜の摂取、コーピング行動(自分の気分が上がるちょっとした行為)、などがあげられていましたが、特にマインドフルネス(瞑想)には興味を持ちました。
「今の瞬間」の現実に常に気付きを向け、その現実をあるがままに知覚し、それに対する思考や感情にとらわれないでいる心の持ち方-と本書では定義づけされています。
自分もジョギングしているときに、ふとあれこれと思いを巡らすことがありますが、走っている瞬間の知覚に集中することにより瞑想と同じ効果が得られるんではないかと思いました。
また、ストレスの元となる認知の癖についても自身を省みずにはいられませんでした。自分の認知の基準を改めて見直すことにより、ストレス源を減らすことは、自分自身に向き合うことにもつながる、ということでしょう。