子どもの脳を傷つける親たち (NHK出版新書 523)

著者 :
  • NHK出版
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レビュー : 40
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140885239

作品紹介・あらすじ

マルトリートメント(不適切な養育)が子どもの脳を"物理的"に傷つけ、学習欲の低下や非行、うつや統合失調症などの病を引き起こすことが明らかになった。脳研究に取り組む小児精神科医が、科学的見地から子どもの脳を解明し、傷つきから守る方途と、健全なこころの発達に不可欠である愛着形成の重要性を説く。

感想・レビュー・書評

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  • 時折、親になることを「資格制」にするべきだと思うことがあります。
    子供の虐待に関するニュースを聞くたび思います。
    野球やサッカーが「能力制」であるのに、
    なぜ「親の能力」も、「親になること」を
    できる、できないで分けることはできないかと。

    多くの善良な人は知っています。
    世の中には、どうしようもないクズがいること。
    一定数は反社会性のパーソナリティを持っていること。
    また暴力をするのが快楽と感じる輩もいること。
    こういう者が果たして親になる資格があるのか。
    子供を真夏の車中に置いて、パチンコ、スロットにふける「親」
    夜中の10過ぎても居酒屋で、子供の前でプカプカとタバコを吸う「親」
    果たして、「親の資格」があるのかと思います。

    また私達は、そういう善良ではない人の少なくない人が、
    プログラムや教育では、改善できないことも知っています。

    ※性犯罪の再犯率を見れば、すぐにわかります。
    また、監獄内での、囚人達が話す内容が到底更生しているとは思えない主旨の、
    資料は、腐るほどあります。

    虐待された子どもの、成人以後の精神疾患に罹る比率は、
    そうでない子に比べて明らかに高い。
    一生苦しむことになります。

    日本は、今、親になることができる人と、そうではない人が
    はっきり分かれていっているような気がします。
    相当、不謹慎であることは重々承知の上で言いますが、
    年々増える、虐待件数を防止する上で、「親の資格性」導入は、
    最も合理的なように思います。

  • 子どもの対する不適切な養育(育て方や接し方)が子どもの脳を傷つけ、学習意欲の低下や非行、うつなどの精神疾患を引き起こすことが、最近の(というか長年のかも?)研究からわかってきたとのこと。

    以前からも同様のことは言われていましたがそれは、身体的な虐待やネグレクトのみをさしているようなイメージがありましたが、親が自覚しない精神的・心理的な虐待でも同様もしくはそれ以上の傷つけ方をしているかも・・・ということが書かれてあり、真っ青になりました。

    親が自覚しづらい虐待・・・というか不適切な養育にはこんなものも含まれるとのこと。思い当たる方もいるのではないでしょうか。私はあります。だから青くなりました。

    ・子どもの失敗を頭ごなしにしかりつける。
    ・「ぐっずり眠っているから」と下の子を寝かせたまま、下の子を一人にして上の子の幼稚園のお迎えに行く。
    ・子どもの前で夫婦げんか
    ・上の子と下の子の勉強やスポーツの出来などを比較する。
    ・できなかったテストの点を本人の前で他人に話す(本人の尊厳を傷つける行為となるそう)。

    こういう話が出てくると気になるのが、
    ・どんな行為が不適切な養育(著書ではこれを「マルトリートメント」と言っています)にあたるのか
    ・子どもに対するそのような行為が子どもの脳に与える影響がいかほどのものか
    ・子どもが受けた脳の傷は治るのか。治し方は。年齢を重ねるごとに難しくなるのか。まだ間に合うのか。
    といったところでしょうか。

    本書にはそれらの答えとさまざまなヒントが書かれています。

    そして最後にちらっと触れてありましたが、ケアの必要があるのは子どもだけではなく、親に対するケアの必要性についても書かれています。こういう本は、親側から見るとつい「自分が責められている」という感覚になりがちですが、そんな心配はしないで一度手に取っていただけるといいと思います。

    私も読了後、大いに反省。

  • どうしたら、親になる方に知って貰えるのかなぁ
    先ずは、ゆとりある生活が出来る社会が必要。色々なところから手が差し出されるような、、、

    NHK出版のPR
    脳が損傷するという衝撃の事実
    不適切なかかわりが、子どもの脳を変形させる脳科学が明らかにした驚くべき事実
    「子どもの前での夫婦喧嘩」、「心ない言葉」、「スマホ・ネグレクト」に「きょうだい間の差別」──。
    マルトリートメント(不適切な養育)が子どもの脳を「物理的」に傷つけ、学習欲の低下や非行、うつや統合失調症などの病を引き起こすことが明らかになった。脳研究に取り組む小児精神科医が、科学的見地から子どもの脳を解明し、傷つきから守る方途と、健全なこころの発達に不可欠である愛着形成の重要性を説く。

  • 子どもに対する不適切な関わり方が、子どもの脳そのものを変えてしまうという事実に衝撃を受けた。子どもへの不適切な関わりといえば「虐待」というキーワードがまず浮かぶが、本書では、より広い概念として「マルトリートメント」という言葉が使われている。このマルトリートメントには、言葉による脅し、威嚇、罵倒、あるいは無視する、放っておくなどの行為のほか、子どもの前で繰り広げられる激しい夫婦げんかも含まれている。本書では、それらの行為が行われたときに、子どもの脳にどのような影響があるのかを明らかにするとともに、そういったマルトリートメントを受けた子ども、そして加害者側である大人に対してどのような対処や療法が必要なのかが具体例とともに紹介されている。子どもたちを助けるとともに、親(をはじめとする養育者)を助けることが重要であるという著者の意見に強く賛成したい。

  • お盆休暇、2冊目。やっぱり子育てをやり直したくなりました。マルトリートメント(不適切な養育)、私の子育ての中にも何度もあったと思います。自分でもエッというほどきつい言い方をしていたことがあります。特に小学校高学年から中学生の間。勉強を見ている中でです。仕事なら抑えることができますが、我が子となると我慢がきかない。アンガーマネジメントがなってない。自分はそんな風に育てられなかったのに。我慢のできる子になってほしいなんて理由をつけて、泣いているのをかなりの時間放っておいたこともあります。子育てにはふつう以上にかかわったのに、それがかえって良くなかったのか。自己肯定感のかなり低い人間に育ってしまいました。脳のどこかに傷があるやも知れません。いまからでも修復できるのではと、いろいろほめられるところを探すのですが、見つからない。子どもたちももうすぐ成人。いい人間関係を築いていきたいものです。

  • 親からの虐待=マルトリートメントで、子供の脳は萎縮するというのが、衝撃的だった。

    虐待と言っても、身体的なものだけでなく、暴言により子供を傷つける心理的なものもあるので、日頃の言動に気をつけなければと思った。

  • 虐待の結果子供の脳まで傷つけているとは衝撃的だ。
    虐待=身体的・性的虐待をイメージされる事が多く
    虐待のニュースでも暴行により子供が亡くなったという事件ばかり。しかしこの本では夫婦間でのDV、ケンカを見た子供もマルトリートメントにだと書かれていたのは救われた。
    目に見えず一人抱え込み問題視されないまま大人になってしまい愛着障害になる。全ての人に一度は読んでもらいたい。
    一度だけなら… しつけだから… この気持ちからもうマルトリートメントは始まっている。
    表面化せずとも脳(心)は傷ついているのは紛れもない事実

  • 子共への虐待の実情とメカニズムと対策に関する本です。第1章は虐待に関する総説で、個人的には目新しい内容はありませんでした。頭の整理にいいと思います。第2章は虐待により脳が変化するという脳画像研究内容を紹介しています。最近の形態画像や機能画像の進歩で今まで変化がないとされた精神疾患において変化が捉えられるようになっており、個人的にはさもありなんと思いますが、多くの人には衝撃的なのではないかと思います。ただこの分野は何とでも解釈できる点があります。脳が小さくなっていても虐待が原因、大きくなっていても虐待が原因、活動が低下していても虐待が原因、亢進していても虐待が原因となって、その中間にある機序が想像になってしまうのが難点のように思います。そのため、画像の知見は3章以降の対策にまだ生かされていません(療法は画像の知見があってもなくても関係ない)。今後さらにメカニズムや対策が進むことを期待したいです。個人的には叱らず、褒めるのは常識となっているように思いますが、子供が間違ったことをした時に、いつも途方に暮れてしまいますので、虐待にならないように叱らずに導く方法も書かれているともっと良かったと思います。

  • Kindle

  • こどもはおとなから学ぶ。

    身近なおとながその子の常識になる訳だから、接し方には気をつけなきゃくらいには思ってた。でもそれ以上に接し方によっては、その子の潜在的な能力そのものを低くしてしまうんだということに驚愕した。

    とっても為になった。こどもいないけど。

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著者プロフィール

友田明美(ともだ あけみ)
日本の研究者で、専門は小児発達学、小児精神神経学、社会融合脳科学。福井大学子どものこころの発達研究センター教授・副センター長。代表作に『子どもの脳を傷つける親たち』、『虐待が脳を変える--脳科学者からのメッセージ』、『いやされない傷』など。
ハーバード大学との共同研究で、児童虐待が脳を委縮させることを明らかにした。
熊本大学医学部卒業後、同大博士(医学)。熊本大学病院発達小児科准教授を経て、現職。

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