「あなた」という商品を高く売る方法―キャリア戦略をマーケティングから考える (NHK出版新書 524)
- NHK出版 (2017年8月8日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140885246
感想・レビュー・書評
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売るけど買わない
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書名にあるとおり自分という労働力を「商品」と捉え、市場戦略に則って展開しようというのが本書の主張。
マーケティング用語でいうところのブルーオーシャン、つまりは競合する相手のいない市場で勝負すること。勝てない勝負はしないこと、勝負に敗けない状況を見つけることが肝要だ。
<blockquote>自分の強みをつくるためには、まず自分の才能を活かせるポイントを探し、仕事を好きになることだ。(P.78)</blockquote>
サラリーマンはローリスク・ハイリターンと著者は評している。
そう思える人、そういう状況にいる人にとっては自明だろう。
けれどさ、そう思えない人がこういう本を手にとるんでないの?
そういう意味ではこの本は読者に対して誠実に向き合っているようには感じなかったし、著者のセールス・トークを聞かされている印象を感じながら読み進めた。
著者自信が体験したエピソードを各章の冒頭に持ってきて親近感を出すという狙いがあるのだろうし、それはある程度は成功しているとは思うけれど、反面「自慢話」に響かなくもない。 -
「あなた」と言う商品を高く売る方法
本の帯に「キャリアアップの本です」と書いてあり、今さらキャリアアップもないかと思いつつも読んでみた。
要は各人がいろいろな才能を持っており、それを生かして無理に競争することなしにキャリアアップしろと言うことである。現代では市場は細分化されており必ず才能が生きる場所があると言っている。
そして、自分の強みとは「その仕事が好きか」「その強みを必要な人がいるか」「その強みを誰も提供できないか」「その強みをまねすることが難しいか」がクリアできれば本物だとしている。また、変化に対応することが肝心だとも言っている。
著者の得意なマーケティング理論から自分の失敗の経験も含めてキャリアアップの方法を論じているが、慶応を出てIBMに入社した人である、普通の人には当てはまらないだろう。所詮は運がもっとも重要なのでは。