絶滅の人類史―なぜ「私たち」が生き延びたのか (NHK出版新書)

著者 :
  • NHK出版
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レビュー : 77
  • Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140885413

作品紹介・あらすじ

700万年に及ぶ人類史は、ホモ・サピエンス以外のすべての人類にとって絶滅の歴史に他ならない。彼らは決して「優れていなかった」わけではない。むしろ「弱者」たる私たちが、彼らのいいとこ取りをしながら生き延びたのだ。常識を覆す人類史研究の最前線を、エキサイティングに描き出した一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 山極寿一氏の「暴力はどこから来たか」​は、今年1番大きな衝撃を受けた本だった。ただ、専門外の人類史は説明不足の所があった。よって、本書を紐解いた。ビックリしたのは、著者が山極さんと同じように、ダートやローレンツが提唱し「2001年宇宙の旅」で描かれて世界に伝播した「人類史は殺人・戦争の歴史」「戦争本能説」を、明確に間違いだと断定していることである(241p)。山極さんは京大。更科さんは東大だ。まるきり系統が違う2人が同じ結論を、同じ映画を紹介しながら批判しているのに、私は大いに勇気づけられた。私たち人類にお願いです。私の目の黒いうちに「戦争を無くす道筋」を、何とかつくって欲しい。

    冒頭にある「主な人類生存表」は、実は最もビックリした部分である。本書を読んでいる間、何度もこの表に立ち帰った。6種のホモ属だけで見たとしても、我々ホモ・サピエンスの生存期間はまだやっと30万年間だ。ホモ・ハイデルベルゲンシス(約50万年間)、ホモ・ハビリス(約110万年間)、ホモ・エレクトゥス(約170万年間)よりは短いのである。種属として優秀かどうかの物差しを、その生存期間で測るとしたら、我々はもしかしたら、(このまま環境悪化が続き、戦争が無くならなければ)非常に劣った種属として、後世の歴史に刻まれるのかもしれない。

    この本のテーマは「なぜ我々ホモ・サピエンスが生き延びたのか」というものだ。10万年前は、まだエレクトゥスもフロレスエンシスもネアンデルターレンシスも生きていた。なぜか、我々だけが生き残ったのである。

    SFの世界では繰り返し「人類は宇宙人の遺伝子操作によって生まれた(だからホモ・サピエンスは「特別」なのだ)」という物語が作られて来た。しかし、この人類史を読むと、ホモ属だけで無く、アウトラピテクスもアルディピテクスも全て「特別」だったし、全て「失敗」して来ている。私は、ここまで人類学が進んでくると、今までのSF学説は成り立たないと思う。

    更科氏は、人類史を描くに辺り、「このシナリオは正しいのか?」と繰り返し我々に問いかける。とても勉強になったのは、「筋道が立っているだけでは、それが真実であるとは言えない」ということを、何度も何度も我々に言い聞かせたのである。人類学は、必ずしも真実が明らかにされない推理小説みたいなものだ、と私は思う。だからこそ、読んでいてゾクゾクする部分がある。それでも、事実か発掘されて、ある事柄については真実だと「証明」出来る時がやってくる。その一つの方法が、第6章で展開される「原始形質と派生形質」の見極め方法である。なぜヒトとチンパンジーは類が違って、ヒトとアウトラピテクス・アフリカヌスは同じ人類なのか。それは派生形質(脳の大小)が違っていたとしても、原始形質(頭蓋骨の下側の大後頭孔)が同じだからである。こうやって、次々と「近縁」を決めていって、あのまるで見て来たかのような動物の「系統図」を作って来たというわけだ。

    よって、証明出来ていないことは、キチンとまだ証明出来ていないと書いている。ヒトは「たくさん子どもを産む能力」を持っている。チンパンジーは生涯で6匹、ヒトははるかに多い。マリー・アントワネットの母親マリア・テレジアは16人産んだらしい。これは「共同して子育てする性質を持っているから」で間違いない。それに付随して「おばさん仮説」がある。ヒトだけは、閉経して子どもが産めなくなっても長く生き続けるらしい。これは共同子育ての後に「進化」した性質だというのである。あくまでもまだ「筋道が立っている」だけである。

    更科氏が何度も強調し、私たちが肝に命じなければならないことがある。進化において「賢くて、強い者が生き残る」わけではないのだ。進化では「子供を多く残した方が生き残る」のである。脳が大きいから、力が強いから、ホモ・サピエンスは生き残ったわけではない。それで言えば、ネアンデルタール人が生き延びらなければならなかった。

    なぜホモ・サピエンスが生き残ったのか。著者は、同時代に生きたネアンデルタール人と「少なくとも集団同士の大規模な争いはなかったようだ」という。著者はネアンデルタール人は、簡単な言語しか話せずに、社会的な基盤がなかったからだ、という。また、身体が大きく燃費が悪かった。氷河期を迎えて寒くなる。ホモ・サピエンスの優れた狩猟技術、細い身体と、防寒の工夫等により、8勝7敗でヒトが生き残った。著者はネアンデルタール人は、異様に記憶力が良かったかもしれないと想像する。現代でも生きていたら、と想像する。それは楽しい想像だ。

    ネアンデルタール人は生息地をヒトに追われて絶滅した。著者は最後にこのように警笛を鳴らす。
    「現在、多くの野生動物が、絶滅の危機に瀕している。(略)最も多いのは、生息地を人間に奪われて、絶滅しそうな生物だ。(略)椅子取りゲームのように、1人が座れば、もう1人は座れなくなるのだ」(244p)これを敷衍して云うと、「人口抑制しか、人類が生き残る道はない」のかもしれない。

    2018年11月読了

  • なぜ私たちが生き残ったのか。
    はっきり言って、たまたまだ。
    かつて、ヒトには多くの種類がいた。
    少し前までは、我々、ホモ・サピエンスは他の人類たちより優れていたから生き残ったのだと考えられてきた。
    しかし、近年はその考え方に変化が訪れている。
    私はこの話を聞いた時、時代は変化しているのだなと強く感じた。
    人類の歴史を見てみると、誰が優れている、誰が劣っている(人種、性別、年代その他全て!)とひたすら想い続け、信じ続け、自分こそが選ばれたのだと思おうとしてきた。
    でも、そうではないことに気づき始めた。
    それは人類が、人類として、「知性」を活かし始めてきた証という気がする。
    互いを尊重し、平等と思える日が、いつかくる(その前に滅んでしまう可能性も捨て切れないが)。

    さて、以前NHKスペシャルで知っていた話をこうして文章として復習してみると、その奇跡に驚かされる。
    完全に滅んだと思われるネアンデルタール人やデニソワ人の遺伝子が我々の中に生きているそうだ。
    以前は場所も限られていただろうが、他人の行き来が激しい昨今では、私や、あるいは隣人が、もしかしたらネアンデルタール人の遺伝子を持っているかもしれない。
    なんだか、SF的だ!
    こうして多様性を高めたことで人は増えた。
    やはり、多様性は強い。

    ミトコンドリア・イブの話も面白い。
    何十万年後に、私が、ミトコンドリア・イブかもしれない。
    うわあ、ロマンがある!
    これは母からしか受け継がれないもの。
    だから男しか生まれないと、そのミトコンドリアはそこで終わりだ。
    ミトコンドリアは完全に女系。
    たった300ページ足らずの本に広がるロマン。
    その間だけ、遥かなる夢を見よう。

    • goya626さん
      本屋で見て、ちょっと気になった本です。面白そうですね。
      本屋で見て、ちょっと気になった本です。面白そうですね。
      2020/01/22
  • 私たちはホモ・サピエンスだが、遺伝子的に1番近しい生物はチンパンジーやボノボだと言う。
    けど、そのチンパンジーと私たちの間にはかつて絶滅した人類がいた。
    それがネアンデルタール人やアウストラロピテクスなど。
    最古の人類は今はサヘラントロプス・チャデンシス。

    チンパンジーと、人類はどのように枝分かれしたのか、そこからホモサピエンスへ行き着くまでに何があったのか。
    後半少し疲れた所もあったが興味深く読んだ。
    私たちが増え続けるには他の生物を犠牲にしなければいけない。それが現実だそうだ。

  • 年明けからこっち、すっかり人類史に嵌まっています。
    本書は、地球上にはかつて多様な人類がいたのに、なぜ私たちホモ・サピエンスだけになってしまったのか―という謎に迫ります。
    未読の方の興趣を殺いではいけませんので、その謎の答えについては本書をお読みいただくとして、ここでは触れません。
    ところで、私たち人類はどうやって誕生したのでしょうか?
    私たちの祖先は、アフリカの森に住む類人猿でした。
    アフリカは当時、乾燥化が進み、森林が減っていました。
    私たちの祖先は木登りが下手で、つまり個体として弱くて、森では生きられなくなりました。
    それで仕方なく、疎林や草原に出て行きました。
    そして、食料を手で運搬して妻や子に食べさせるために二足歩行を進化させ、人類が誕生したと言われています(最も有力な仮説です)。
    私たちの出自が「弱い」ことに由来していたというのは、何とも示唆に富む話です。
    人類が進化する過程で犬歯が縮小した事実や現生のヒトと類人猿のデータなどを合わせて総合的に考えると、人類は元々、平和な種なのだというのも誇らしいですね。
    冒頭で、「謎の答え」については触れない、と書きましたが、少しだけ。
    実は、既に絶滅したネアンデルタール人は、私たちホモ・サピエンスより脳の容量が大きかったことが知られています。
    ネアンデルタール人の脳の容量は1550ccで、1万年くらい前のホモ・サピエンスは1450cc、ちなみに現在のホモ・サピエンスは1350ccです。
    脳が大きいからといって直ちに頭がいいとはなりませんが、ネアンデルタール人が相当な知性を備えていたのは事実のようです。
    「ネアンデルタール人は何を考えていたのだろう。その瞳に輝いていた知性は、きっと私たちとは違うタイプの知性だったのだろう」(222ページ)
    そんなことを想像するのは、楽しいことですね。
    私たちの祖先と人類の歴史について気軽に知ることができるだけでなく、ロマンもかき立ててくれる良書です。

  • 700万年前に登場した人類は、進化の道を歩み、現在に至る。が、その道は真っ直ぐな一本道ではない。途中でアウストラロピテクスやネアンデルタール人に進化したものは絶滅し、我々=ホモ・サピエンスだけが生き残った。

    本書はホモ・サピエンスの「進化史」ではなく、それ以外の人類の「絶滅史」を推測し、我々が生き残った理由を探る。

    よく言われるのは脳が巨大化したことが人類の繁栄につながったということ。確かに、人類は他の動物より大きな脳を持っていた。が、絶滅したネアンデルタール人の方がホモ・サピエンスより脳は大きかったらしい。

    著者いわく、脳は大きければ良いというものではない。大きな脳を維持するためには大量のエネルギーが必要なため、食事に多くの時間が取られてしまう。しかも、巨大な脳も使い道がなければ、宝の持ち腐れだ。ネアンデルタール人は巨大脳を活用することができず、その高カロリー体質で滅んでしまったと、著者は推測する。

    そして現代の我々も脳は縮小する方向に進化している。言葉や文字、コンピューター、AIなど、脳の機能を補助するモノに囲まれ、脳にはかつてほどの機能を必要としなくなった。今の人類は大きくなりすぎた脳を小さくすることで、進化しているらしい。

  • これは、ある程度の年齢の人には是非とも読んでほしい。
    ヘイトスピーチとかやってる人、読んでますか?

    ホモ・サピエンス以外にもたくさん人類はいて、それぞれ特徴があり、今私たちが唯一の人類として生き残っているのは、有能だったからというよりは、環境に合っていたことと、生き残る子どもの数が多かったから。生き残る子どもの数が多いのは、賢くて医学が発達していたからではなく(そんなのは最近の話)、乳離れまでが短く、授乳中でも妊娠できたから。
    レイシストの皆さんは、もっと大きく物事を見てください。ホモ・サピエンスとネアンデルタール人程の差もない人たちとの間に優劣があるはずもない。
    しかもホモ・サピエンスとネアンデルタール人は交雑してる、ってことは私たちの中にもネアンデルタール人の遺伝子が入っているわけでしよ。人種(科学的には人種というものはないと知っているけど)の差なんて、ハナクソ以下ですよ、ほんと。
    あと、印象深かったのは、人類が言葉や文字を手に入れて、記憶を外に出せる(記憶しなくても残せる)ようになると、脳は小さくなるというところ。
    これからAIが発達してますます記憶しなくてもよくなり、調べたり考えたりしなくてもよくなったら一体どうなるんだろうと。AIがAIを作るようになったら、人間の脳はどんどん小さくなって、SFみたいに、支配するのはAIで、人間は少数派になって、『タイムマシン』の「エロイ」みたいになっちゃうんじゃないか、とか。まあ、私が生きてる間は大丈夫だけど、人類がここまで来る道のりよりはずっと早くそういう時代がやって来るかも、と思ってしまった。
    また、天皇制を論じる人に男系男子でないと、という人が必ずいる。しかし核にあるDNAは両親の遺伝情報を等しく受け継いでいるが、ミトコンドリアDNAは母親からしか伝わらない、ミトコンドリアDNAは核ゲノムの20万分の1しかないが、核は細胞に1つしかないがミトコンドリアは多数あるということを知るとむしろ女系女子の方が科学的には正しい気がする。
    それから、この本に繰り返し、肉食によって消化にエネルギーを割く時間が減り、ものを作ったり考えたりする時間ができたというのを読むと、自分がヴィーガンだからって子供にもさせる人は考え直した方がいいんじゃないかと思った。野菜と果物だけで必要なエネルギーを得るためには、ずっと食べて消化し続けなければいけないわけで、つまり消化器を動かすことにエネルギーを使ってしまうわけでしょう?子どもを賢く逞しくしたいなら逆効果では?

    それはともかく、この本のいいところは、優れているから残ったんじゃない、ネアンデルタール人と戦って殺して絶滅させたわけではない、ということを豊富なデータを読み解いてきちんと説明していること。
    ネアンデルタール人が隣人としてまだ生きていたら、という空想が何度か描かれているが、読む度切ない気持ちになった。「同じ生態的地位を占める2種は、同じ場所に共存できない」というガウゼの法則からすれば、仕方なかったのかもしれないが。

    いい本を読んで、いつも虚しいのは、どんなに素晴らしい内容でも、だんだん忘れていくこと。忘れるのは人間の能力のひとつらしいが、素晴らしいことは、忘れなきゃいいのに。こういう本を丸ごと頭の中に入れて、折に触れ考えを深めていけたら、私ももう少しましになるのに。
    そんな気持ちになる本だった。

  • 日常の認識では人類=人間だが、本書で定義されているのは、700万年前にチンパンジーの系統から分かれてヒトの系統になった種をいう。その人類には25種以上の系統がありヒトは最後に残った種で、最も近しいのが有名なネアンデルタール人だという。
    このテーマを扱った本は多いが、わずか250ページ足らずの新書ながら濃い内容がコンパクトにまとまっている。
    ヒトは最も強かったのではなく、最も賢かったわけでもないが協力し合い、偶然に恵まれたことで今に生き延びている。
    改めて今に至る偶然に驚くとともに自然に対して少し謙虚になることができる。

  • 読了。
    最近ネアンデルタール人ネタに嵌っている私は、この手の本を見つけてはポチってるわけだが、流石にそのコンテンツは被っており、どの本がどの内容だったか、些か混乱している。
    そんな中で日本人の学者が日本語で叙述した本書は、数多あるこのカテゴリーの著作をうまく分かり易くサマライズしてくれているような気になった。
    惜しむらくは、本書の帯にある「ホモ・サピエンスがネアンデルタール人を殺した(絶滅させた)?」という命題には、明確に回答していないところか。
    そんなこと誰も知る由無いのはわかっているのだが、私はやはりタイトルや帯に惑わされる一凡人なのであった。

  • 人類の祖先について、知識がない人でもわかるように丁寧に解説した良書。
    数万年以上前の人類の生活に思いを馳せ、とてもロマンを感じた。

  • 歴史の本はどの分野でもどの地域のものでも読むのは好きですが、人類誕生から古代史につながるまでの人類がどのような経緯を辿って今があるのか、それを解説してくれた本に初めて出合った気がします。

    人類は他の哺乳類、大きな体をもつ爬虫類、空を飛ぶ能力のある鳥類と比べて、小さかったし弱かったと思います。それでも最後に生き延びて、今では動物の頂点に君臨しています。何がそれを可能にさせたのか、それに思いを巡らせることのできる、私にとっては新しい体験をさせてくれた本でした。

    以下は気になったポイントです。


    ・人類はチンパンジー類とやく700万年前に別々の進化の道を歩み始めた、脳が大きくなり始めたのは250万年前のこと。最初に進化した特徴は、1)直立二足歩行、2)犬歯の縮小である(p24)

    ・直立二足歩行の最大の欠点は、短距離走が苦手な事、つまり走るのが遅い。遅いといわれるライオンやカバでも人間最速以上で走れる(p33)

    ・ラテン語では、形容詞が名詞の後にくるので、ホモ(人間)サピエンス(賢い)となる。種名が、ホモ・サピエンスである(p43)

    ・直立二足歩行を進化させたのは、おそらく食料を手で運んで子を育てるためである。身の守り方として、1)体を大きくする、2)早く走る、3)大きな犬歯、4)集団を作る、があるが、人間は集団を作る方法を選んだ(p101)

    ・ヒトは、他の個体に子育てを手伝ってもらうことで、他の類人猿よりも子供をたくさん作れる(p107)

    ・進化において「優れたものが勝ち残る」と思ってしまうが、実際はそうではなくて、進化では「子供を多く残した方が生き残る」である。優れたものが勝ち残るケースはただ1つだけ、「優れていたせいで「子供を多く残せた」ケースだけ(p114)

    ・脳は燃費の悪い器官、これだけ燃費の悪い器官を維持するには、どんどんカロリーの高い食物を食べなくてはならない。それは肉で、肉をしょっちゅう食べることになったので、脳が大きくなることができた。肉を食べるには石器が必要、石器をつくるようになったので頻繁に肉を食べられるようになりさらに脳が大きくなった、人間は少しずつ脳を大きくしていった(p126,128)

    ・大きな脳というものは、たくさんダウンロードしてしまった有料アプリのようなもの、大きな脳があるだけで、どんどんエネルギーが消費され、どんどんお腹が空く。脳の大きさがいろいろなライオンの群れがいた場合、餌が捕まえられなかったら、脳が大きいライオンから死んでいく(p127)

    ・肌が黒くなった時期は、体毛がなくなった時期に一致する、紫外線を含んだ日差しを守るためにメラニン色素が増えて肌が黒くなる。高緯度地域に住んでいると肌のメラニン色素が減って色が白くなりたくさん紫外線を吸収できるようになる(p137,179)

    ・ヒトの細胞の中でDNAがある場所は2か所、核とミトコンドリア、ミトコンドリアにあるDNAは核と比べればほんの僅か、20万分の1だが、母系遺伝をする。核DNAは父母両方から伝わる、従って私たちのミトコンドリアDNAは、母方の祖母からだけ受け継いでいる(p186,187)

    ・ネアンデルタール人は、寒冷な環境と、ホモサピエンスの進出という2つの出来事が原因となって絶滅した(p217)

    ・孤立した島では、しばしば大きな動物が小型化したり、小さな動物が大型化する、このような現象を「島嶼化」という。食料が少ないとき、大型動物は大きな個体が不利、小型動物はもともと食べる量が少ないので、大きな個体でも不利にはならない(p328)

    ・人類において仲間への攻撃が増えるのは、農耕が始まってから、狩猟生活のときは仲間を殺しても得るものは少ないが、農耕が始まれば食料や財産をたくさん持った仲間が現れる(p241)

    ・人間はびっくりするほど何も持っていない、牙もなく、早くも走れない、それでも「みんなで力を合わせた」から生き延びてこられた(p247)

    2019年8月11日作成

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著者プロフィール

1961年、東京都生まれ。東京大学教養学部基礎科学科卒業。民間企業を経て大学に戻り、東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。博士(理学)。専門は分子古生物学。2019年1月現在、東京大学総合研究博物館研究事業協力者、明治大学・立教大学兼任講師。『化石の分子生物学――生命進化の謎を解く』(講談社現代新書)で、第29回講談社科学出版賞を受賞。著書に、『宇宙からいかにヒトは生まれたか』(新潮選書)、『爆発的進化論』(新潮新書)、『絶滅の人類史――なぜ「私たち」が生き延びたのか』(NHK出版新書)など。

「2020年 『理系の文章術 今日から役立つ科学ライティング入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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