絶滅の人類史―なぜ「私たち」が生き延びたのか (NHK出版新書)

著者 :
  • NHK出版
3.81
  • (8)
  • (10)
  • (14)
  • (0)
  • (0)
  • 本棚登録 :168
  • レビュー :18
  • Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140885413

作品紹介・あらすじ

700万年に及ぶ人類史は、ホモ・サピエンス以外のすべての人類にとって絶滅の歴史に他ならない。彼らは決して「優れていなかった」わけではない。むしろ「弱者」たる私たちが、彼らのいいとこ取りをしながら生き延びたのだ。常識を覆す人類史研究の最前線を、エキサイティングに描き出した一冊。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 年明けからこっち、すっかり人類史に嵌まっています。
    本書は、地球上にはかつて多様な人類がいたのに、なぜ私たちホモ・サピエンスだけになってしまったのか―という謎に迫ります。
    未読の方の興趣を殺いではいけませんので、その謎の答えについては本書をお読みいただくとして、ここでは触れません。
    ところで、私たち人類はどうやって誕生したのでしょうか?
    私たちの祖先は、アフリカの森に住む類人猿でした。
    アフリカは当時、乾燥化が進み、森林が減っていました。
    私たちの祖先は木登りが下手で、つまり個体として弱くて、森では生きられなくなりました。
    それで仕方なく、疎林や草原に出て行きました。
    そして、食料を手で運搬して妻や子に食べさせるために二足歩行を進化させ、人類が誕生したと言われています(最も有力な仮説です)。
    私たちの出自が「弱い」ことに由来していたというのは、何とも示唆に富む話です。
    人類が進化する過程で犬歯が縮小した事実や現生のヒトと類人猿のデータなどを合わせて総合的に考えると、人類は元々、平和な種なのだというのも誇らしいですね。
    冒頭で、「謎の答え」については触れない、と書きましたが、少しだけ。
    実は、既に絶滅したネアンデルタール人は、私たちホモ・サピエンスより脳の容量が大きかったことが知られています。
    ネアンデルタール人の脳の容量は1550ccで、1万年くらい前のホモ・サピエンスは1450cc、ちなみに現在のホモ・サピエンスは1350ccです。
    脳が大きいからといって直ちに頭がいいとはなりませんが、ネアンデルタール人が相当な知性を備えていたのは事実のようです。
    「ネアンデルタール人は何を考えていたのだろう。その瞳に輝いていた知性は、きっと私たちとは違うタイプの知性だったのだろう」(222ページ)
    そんなことを想像するのは、楽しいことですね。
    私たちの祖先と人類の歴史について気軽に知ることができるだけでなく、ロマンもかき立ててくれる良書です。

  • 例え話が多いので分かりやすく、それでいて仮説も検証を交えながら説明しているので説得力もあります。
    手に取ったらやめられなくなりあっという間に読み終えてしまいました。
    冒頭の森の中に棲んでいた王様と家来の例え話は、王様が人間かと思いきや反対で、類人猿が王様で人間は家来でした。弱い人間たちは環境の変化で、棲みやすい森を出て草原へと向かわなければならない存在でしたというお話。
    ゴリラやチンパンジー、オラウータンなどの人間に近い存在とされる大型類人猿と人間=ホモ・サピエンスの共通祖先から枝分かれした種は、何とかつて25種類がいたといいますが700万年の間に絶滅し、ホモ・サピエンス1種のみになりました。それは何故なのか?という疑問を解き明かしていきます。
    ヒトの脳が何故大きくなったのか?ただ大きいだけなら絶滅したネアンデルタール人の方が大きかったとは驚くべき事実もありながら、スマホのアプリ使用の例え話で使いこなせなければ不要と説明しています。
    森を出なければならなかった人類は、直立二足歩行になった。それは手を使えるので食糧運搬をもたらし、一夫一婦的な関係性は発情期を失くし、オス同士の闘いを減らした。そして子どもをたくさん産むことが出来るようになり、ヒトの子育ては家族の協力関係が必要である。また、道具を工夫して使うことにより狩りの効率もあがり、二足歩行の利点である長く歩くこともできるようになる。肉をたくさん食べることによるエネルギーの増大は脳の容量を増やし、食事や消化に時間をかけなくてよい分、余暇の時間をもたらした。集団行動はコミュニケーションを必要とするから言語が生まれる・・・
    著者は、様々な環境の変化それは、最初の例え話に出たように必ずしも有利な条件でなくとも、それに対応できるように生き延びてきたのが今の私たちの祖先であるということを述べています。
    地球という限られたパイの中にあって、最近までといっても、4万年前まで共存していたネアンデルタール人は、どんどん増えてしまったホモ・サピエンスとは共存できなかったのではと推測しています。ヒトの繁殖力が勝った結果ということになりますが、これからこのまま何万年も繁栄するとは思えない今の地球の状況です。
    著者が最後につぶやくネアンデルタール人が今でも生きていたら・・どんな会話をしてくれるかなあ・・という夢想に何だか胸が痛みます。

  • 人類マジすごい

  • 生き残ったものが、優れていたわけではなく、優れていたから生き残ったわけではない。

  • 図書館で借りた本。
    世界中で見つかっている、いろいろな人類の化石から、わかること、予測されることなど。私たち、ホモ・サピエンス以外の人類はいなくなり、ホモ・サピエンスだけが生き残った。ホモ・サピエンスが優秀だったからなのか?という話。難しいことがたくさん書かれていたけど、興味深く読み終えることができた。同じ生態地位を占める2種は同じ場所に共存できない法則について、もっと知りたい。

  • 過去に多種な人類が出現し、絶滅していった。結局ホモ・サピエンスだけが生き残った。夢をかきたてる。

    多産な生物が生き残る。

  • まあまあ 少し軽い

  • 文化人類学の本のなかでもかなり読みやすい。

  • ネアンデルタール人に会いたくなる本です。

全18件中 1 - 10件を表示

絶滅の人類史―なぜ「私たち」が生き延びたのか (NHK出版新書)のその他の作品

更科功の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ヴィクトール・E...
又吉 直樹
J・モーティマー...
リンダ グラット...
ピエール ルメー...
有効な右矢印 無効な右矢印

絶滅の人類史―なぜ「私たち」が生き延びたのか (NHK出版新書)はこんな本です

絶滅の人類史―なぜ「私たち」が生き延びたのか (NHK出版新書)を本棚に登録しているひと

ツイートする