声のサイエンス―あの人の声は、なぜ心を揺さぶるのか (NHK出版新書 548)
- NHK出版 (2018年4月6日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140885482
感想・レビュー・書評
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もう、最高に面白かった。
一年ほど前に自分の興味がある分野を徹底的に考えて、3つ出した分野のうち1つが「声」の分野である。
声と言うニッチな分野をどのように探求、研究していこうかと一年ほど前からいろいろな本を読んだがこの本はその中でも1、2を争うぐらい私に響いた本である。
いわゆるテクニック的な声の出し方ではなく、声の本質に迫る内容が網羅されており非常に納得感とともに参考になった。
1点少し残念に感じたのが、自分の声を本来の自分の声に近づけていくプロセスがあまりにも漠然としていることだ。
自分の声を録音し、それを聞きながらこの声が好きと感じる声だったときのシチュエーションを思い出しその声を出せるようにひたすら練習を繰り返すと言うものだ。
ここの部分があまりにも体育会系というか科学的では無いように感じた。そのため私はこの方が実施している声のトレーニングに関しての申し込みは一旦リリースをした。
ただこの考え方やアウトプットに関してはものすごく参考になったため何度でも読み返していきたいと思っている。 -
目的 自分の声を好きになるため
自分の行動 自信を持って意志を伝えられるように客観的に自分の声を聞く -
このところ にオー している米国発の音声SNS (会 |自交流サイト) のClubhouseクラブハウス)。さまざまな人が仮想空間の部屋に集まり、自由に会話を交わす先週末、あちこちの部屋をのぞいた。一番心に残ったのは 「選手と事業部でジュビロの進むべき道を 考える会」だった。Jリーグ磐田の事業部 社員や選手が、サポーター約200人と、 Jクラブの地域貢献について真剣に討議していた。クラブハウスは会話の書き起こし がご法度。多くは記せないが、MF山田大 選手の理知的な言葉選びと議論の進め方 に驚いた。何より、落ち着いた声と話法が 説得力を高めていた声にはさまざまな情 報が含まれる。音楽。音声ジャーナリスト山崎広子さん著書「声のサイエンス」(NHK出版新書)によると、体質や性格、生 い立ち、心理状態などほぼ全ての人格が表 れる。中国には、それを読み取る「声相」 という学もあるそうだ。
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発声や構音については考えたことはあっても、声色についてそこまで深く考えたことはなかったので、興味深く読めた。
中盤以降、論理が飛躍し過ぎに感じた。 -
声が表すものの広さを感じさせる。
途中で飽きたが、視点としては新鮮。 -
声から真理に近づいている、、興味深い著者。
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本書のキーワードは「聴覚フィードバック」。
自分が出した声を瞬時に分析し、次に出す音を調整する能力のことらしい。
人には発声専用の器官がなく、他の機能を駆使し、全身を共鳴させて声を出しているため、声に体の状態が如実に出る、という。
例えば、ストレスを抱え、浅い呼吸をしている人は、それが声に出てしまう。
感情なんかも。
ああ、そうなのか、と思ってしまうけれど・・・。腑に落ちない自分もいたりする。
体の恒常性を向上させるのに効果があるのが、この本でのいい声の定義。
作り声ではないとのこと。
よく響く声は、人にも伝わる。
そういう声を見出すには、自分の声を録音して、嫌ではない声を自分で見つけることだという。
やってみたいような、何だか怪しいような。 -
声が他人に与える印象や影響については予測がついたが、自分自身に与える影響には驚いた。多忙な脳がたくさんのことを処理するために、考えなくていいことを省くくだりとかふむふむでした。自分でネガティブなイメージを脳に植え付けるのはやめないとな
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自分は、ビジュアルより人柄よりとにかく声で好き嫌いが決まる人間のため、書評で興味をもったが、著者は学者ではないので精度を期待して読んではいけない・・サイエンス、ではあまりない。だが読み物としては面白く、特に自分の声が自分に対して及ぼす力、という切り口はユニーク。
[more]<blockquote>P6 声はいつでもどこでも使える有用な道具であり、どんな困難のなかにあっても自分で人生を切り開いていくための最強の武器であり、あなたの心身の健康を協力にサポートする治療師でもあります。
P22 聴覚は視覚に比べるとはるかに無自覚な器官なのです。
P64 環境音フィードバックというものは、生活環境から聴覚が取り込んだすべての音によって一人一人の声の個性を作ることと同時に、民族や国家という大きなくくりでの声の特性もつくり出します。
P104 まばたきは声のピッチを下げて不安定にするので、フレーズの途中でしないのは鉄則なのです。
P139 なぜイヤーモニターで機能性発声障害になるかというと、聴覚フィードバックが阻害されるからです。聴覚フィードバックとは、自分の出した音を瞬時に取り込み次の音を出すために音程や発声や声量を調節する、正常な発語のために必要な機能のことです。自分の声が聞こえない場合はもちろん、わずかに音がずれるだけでも正常に話したり歌ったりすることはできなくなります。
P179 ほとんどの人がロクヲんを聞くと嫌だと思うのは、作り声であったり変に装っていたりこびたり自分のコンプレックスや弱いところが出てしまっているからです。でもその嫌な声のなかに、時折、あれこのこえは嫌じゃない、と思う声があるはずです。それがあなたの恒常性にかなった声、つまり本物の声です。他の人に聞いたりしてはいけません。自分の本物の声は「自分の脳」にしか判別できないからです。
P190 耳が良い演奏家ほど素晴らしい演奏をする、というのは音楽の世界の常識ですが、この「耳がよい」というのは、音の細かなニュアンスなどを完治する能力が高いということだけでなく、何よりも自分が出した音を客観的に正しく聞くことができるかどうか、脳内テンプレートの上書きにだまされずに音を聞き取れるかどうか、ということでもあるのです。
P198 恥ずかしがらずに声を出しては録音し、よく聞いてその中から好きな声を探し、そこに意識を持っていく。
P208 緊張を一瞬でおさめる方法は、咳払いです。
P228 本物の声は自分でしか見出すことができません。トレーニングするようなものではなく、まず自分の脳の認識から始まるのです。
P237 「○○できなければ、○○しなければ、目標にはたどり着けない」という刷り込みで、人間は前方に目標がみえているのにわざわざ後ろにすすんだり横にいってみたりぐるぐるまわったりしてしまうのです。</blockquote>
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https://www.newsweekjapan.jp/stories/lifestyle/2023/01/erica_1.php