古生物学者、妖怪を掘る 鵺の正体、鬼の真実 (NHK出版新書 556)

  • NHK出版 (2018年7月9日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784140885567

作品紹介・あらすじ

鬼、鵺、河童、一つ目入道……。誰もがよく知るあの妖怪は、じつは実在した生き物だった!? 遺された古文献を、古生物学の視点から〝科学書〟として読み解いてみると、サイエンスが輸入される以前の日本の科学の姿がほの見えるだけでなく、古来「怪異」とされてきたものたちの、まったく新しい顔があらわれる──。科学の徒が本気で挑む、スリリングすぎる知的遊戯!

感想・レビュー・書評

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  • 「一つ目小僧」のゾウっとするルーツとは? 『古生物学者、妖怪を掘る』 | BOOKウォッチ(2018/9/13)
    https://books.j-cast.com/2018/09/13007925.html

    書籍「古生物学者、妖怪を掘る―鵺の正体、鬼の真実 」(荻野 慎諧 著) | じゃじゃの私設図書館/浜松佐鳴湖近くのボランティア参加型施設(2021/8/2)
    https://bit.ly/3tVix5y

    NHK出版新書 556 古生物学者、妖怪を掘る 鵺の正体、鬼の真実 | NHK出版
    https://www.nhk-book.co.jp/detail/000000885562018.html

  • 古い文献に登場する数々の妖怪たち。それらは人間の頭のなかだけで造られた想像の産物なのか。あるいは、イマジネーションの元となるものがあったのではないか。
    本書は、文献に記された妖怪について、実在の生物の骨格や特徴と照らし合わせ、その正体を推察する。

    現代に生きる私たちは、先人たちが積み重ねてきたさまざまな知識や研究のおかげで、実際には見たことのないものの情報をある程度得ることができる。だが、何の情報もなく、例えばナウマンゾウの頭蓋骨が土から掘り出されたら、今私たちが知っているナウマンゾウと同じ動物を思い描くことは不可能だろう。額の中央にある大きなくぼみが一つ目のように見えても不思議ではない。

    著者曰く、妖怪とは、見たことのない生物を見た時に、何らかのカテゴリに分類できるようになるまでの待機場所、またはごみ箱のようなものではないか、という。
    情報のない時代、人々は恐れと興味を持って想像力豊かな妖怪を生み出した。それらは情報が増えるにつれ、実態を持った生物へと変換されていく。つまり、時代を越えた答え合わせのようなものである。

    著者はこの答え合わせを「妖怪古生物学」という学問分野として提唱する。妖怪古生物学は、確立された他の学問分野と比較するとあいまいな部分が多い。しかしそのあいまいさを非科学的だと切り捨ててしまうのではなく、さまざまな立場の人が自由に討論し、少しずつ検証を積み重ねて実態を持ったものに到達させていくところにこの分野の学問としての面白さと意義があるのだという。

    冒頭のノリが軽すぎて、読みはじめは消化不良状態だったが、読んでいくうちに著者の意外に真面目な思いが垣間見えて、妖怪古生物学に対する興味がぐんと深まった。

  • 古生物学の科学的見地から、妖怪のルーツを探る。
    第1章 古生物学者、妖怪を見なおしてみる
    第2章 古文書の「異獣・異類」と古生物
    第3章 妖怪古生物学って役に立つの?
    参考文献、図版の出典一覧有り。
    古生物学的視点で、古い文献に記載された不可思議な生物や
    怪異について、読み解き、その謎や正体について、探る。
    ツノのある生物は、ほぼ草食。では何故、鬼にツノ?
    『平家物語』や『源平盛衰記』に登場する、鵺の正体は?
    一つ目の妖怪、竜骨、大蛇骨の正体は?
    『信濃奇勝禄』を読み解き、特徴の詳細な記述から生物を考察。
    『雲根志』『怪石志』から化石を考察。
    なるほど~。
    日本列島って広いし、大陸と繋がっていた太古もある。
    ゾウの化石があれば、クジラの化石だってある。
    化石や実物を見たこともない骨って、当時の人々からすれば、
    わからないから、妖怪とか化け物の骨と考えてしまうかも。
    遠い過去に渡ってきた大型のレッサーパンダが山奥深く棲み、
    里に下りてきて、わけわかんないから妖怪?なんてことも、
    もしかしてあるかもしれない。
    現代だって、ある生物の絶滅が話題になることから、
    遥か過去に存在し、時代を経て絶滅した生物もいるかも。
    その妖怪の姿が詳細に記された古文書の数々や骨、化石の
    正体を探る、江戸時代の本草学者や文化人たちのように、
    現代の古生物学の科学的見地で探っていくのは、面白い。
    更に、異文化の専門家も巻き込み、妖怪を掘る妙味。
    「荒俣宏妖怪探偵団」の一員だけあって、
    知的遊戯と嘯いても、ガチに本気な研究になっていますね~。

  • 才能の無駄遣いーー著者にはこの言葉を進呈したい。
    文章はユーモアが散りばめられ、素人でも大変読みやすかった。古生物学に憧れながらその道に進まなかった者ゆえ、この手の噛み砕かれた読みものはとても素敵! 学問って面白いなと改めて噛み締める。

  • 2016年、大阪大学総合学術博物館で開催された著者の講演会を聞きに、猛暑の中出かけた。が、会場が狭く予想を上回る観客が押し寄せたために、中に入れなかった。講演会が終わるのを待ち、展覧会の解説はなんとか聴くことができた。

    「妖怪」を古生物学者が科学的見地から解明する。老若男女が興味を持つとても面白い視点だ。本書は、昔の人々が妖怪をどのようにみてきたかという民俗学的、歴史的な視点もあって、切り口が実に多様で、読み手を飽きさせない。読み物としての完成度も魅力のひとつだと思う。
    小学生の頃の夏休みの自由研究ではものたりない、中学生になって何をしようか考えているそこの君に読んでほしい。

  • 妖怪や民話の類は、当時の人なりにわからない事象を理解しようとした足跡でもあり、ユーモアでもあると思う。
    一欠片の真実が含まれているかもしれない浪漫と、わからないなりにわかろうと工夫した結果生まれた話の面白さ、この二つの魅力がある。

    筆者は真面目に全力で遊ぶタイプの方のようだ。
    本作では、古生物学者の視点から丁寧に可能性を拾いつつ荒唐無稽で夢のある仮説を披露している。
    この点が、非常に面白かった。

  • X(旧Twitter)のタイムラインでたまたま見かけて面白そうだなと思って読んでみました。
    鬼からツノについての考察、鵺の正体は巨大レッサーパンダ説、一つ目とゾウの関係など、古文献を材料として古生物学的見地から真剣に導き出される仮説。
    とても面白かったです。

  • この本の著者が監修を務めた「怪異古生物考」と同じような
    主旨の本。古生物学者がその知識で妖怪とその起源を考えて
    みる、という本だ。「怪異古生物考」が古生物学で妖怪を
    考えることを通して読者を妖怪の世界に導こうとしている
    本だとすれば、この本は逆に古生物学の方へ導こうとして
    いる本だと感じた。

  • 真実は確かめようもないからこその面白さがあった。ヤマタノオロチを始め、なるほどそうかも!ということの連続。現在の科学の立ち位置について考えさせられた。

  • 挑戦的なタイトルだが、中身は実は『手がかりが少なくて、解らない事は、あえて白黒つけない』真面目な学術的態度の本。
    新書の文章量なのに、上手く古生物学の立ち位置、博物学との関係、妖怪の記述に見る
    『当時の人なりの、できるだけ正確を期した書き方』
    の分析などなど。
    面白い話がぎっしり詰まっている。

    ちなみにこれ読んだあと、東京化学同人の『イグノランス 無知こそ科学の原動力』を読んでいて、めっちゃ面白い読書体験ができた。コンビネーションの妙である。

  • 自分は歴史には明るくないが、
    生物好きなので妖怪を昔の生き物の記録としてみるという発想には惹かれるものがあった。

    恐らく歴史をもっと勉強し、でてきた書物について理解してから再度読むともっともっと面白く読むことができる一冊になるのだろうと思った

  • 書名のみで買ってみたものの副題の内容は僅かで肩透かし。これが講演などであれば面白く聞けると思うが、話がころころ変わってどこに向かうかわからず書籍としては読みづらかった。
    ただ古文書における妖怪や異類の記述は単なる想像の産物ではなく、なんらか見聞したものを精緻に描こうとした結果と考えてみるのは案外盲点。読者が行うには知識が足りないので、やはりこのあたりをもっと上手く幅広く書いてくれればと残念である。
    ツノのある生物は草食というのも言われてみればって思ったけど、イッカクやら海棲生物はどうなんだろ。

  • 妖怪を具体的に古生物と比較することにより古生物学への興味をひこうとする本のよう。面白そうな書名だし掴みはいいんだけど残念ながら文章力と構想力が伴っていないよう。話があちこち飛んだりわかりにくい文章。もうちょっと何を言いたいかまとめてから書いてほしい。著者は監修的な立ち位置のほうがいいのかも。
    なお、「掘る」といっても実際に発掘するというのではなく、深掘りする的な意味。

  • 鵺ってレッサーパンダだったのか・・・かわいいな・・・

  • 読みやすいけど、サブカル味のある本。
    妖怪を実際の生物だと何にあたるか考えてみた、というのを生物学者か行っている。
    読んでいると、実用性はあるのか?と感じてしまうのだけど、生物学の入り口としては面白い。
    そして創作物を見る時に、例えば歯の形に注目する人もいる、ということ。歯の形で肉食性か草食性かわかるから。
    創作する時に観察と勉強をするように肝に銘じられる一文であった。

  • 古生物学者が文献から妖怪の正体を読み解いてみた本。事実かどうかは分からなくても想像してみるだけで十分に面白い。註釈にちょいちょい笑いました

  • まえがき
    第1章 古生物学者、妖怪を見なおしてみる
    第2章 古文書の「異獣・異類」と古生物
    第3章 妖怪古生物学って役に立つの?
    あとがき
    参考文献
    図版の出典一覧

  • 面白かった!時々入る著者の考えや実生活も含めて笑。鬼のツノや鵺、一ツ目を古生物学の観点から考えている。今まで空想上のものは空想上のものとだけ結びつけていたから(東洋の単眼と西洋の単眼の製鉄による関連性的な)、現実的な分析は自分の中で新しく、面白い考え方だった。途中のマイナー妖怪の部分は読むのが遅くなったけど…。最後の、当時の科学では説明できず、不思議であっても曖昧ではないため、当時の分類に収まったもの。という部分が人と神様、動物と妖怪の微妙なすれ違いを感じてなんか良かった。

  • ふむ

  • 鬼、鵺、河童、一つ目入道…。誰もがよく知るあの妖怪は、じつは実在した生き物だった!?遺された古文献を、古生物学の視点から“科学書”として読み解いてみると、サイエンスが輸入される以前の日本の科学の姿がほの見えるだけでなく、古来「怪異」とされてきたものたちの、まったく新しい顔があらわれる―。科学の徒が本気で挑む、スリリングすぎる知的遊戯!(袖)

    タイトルの勝利。
    実際に‘掘る‘わけではなく、文献を含めた史料や遺骨と呼ばれる資料から、考えられる推測を提示している。著者はあくまで一例と断っているが、なるほどと思わせる考察が読んでいて楽しい。
    ただ、新しい考え方だけに、第三章はその意義の取り繕いに終始していて、退屈に感じてしまった。ぜひもっと一章を掘り下げてほしい。

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