ジェロントロジー宣言 「知の再武装」で100歳人生を生き抜く (NHK出版新書 560)

  • NHK出版 (2018年8月9日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784140885604

みんなの感想まとめ

高齢化社会の課題に焦点を当て、未来を見据えた提案がなされる作品です。特に、選挙結果が国の明暗を左右する中で、世代間の利害対立や意思決定のあり方について深く考察されています。高齢者層の豊かさを追求し、社...

感想・レビュー・書評

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  • 民主制をとる国家において、最近異変が生じている。たとえば、英国におけるブリジットの問題のように、ギリギリEU残留を国民が選ぶだろうという多くの予想を裏切る選挙結果になる。これは、投票権をもつ若年層がEU離脱に反対であるのに対して、比較的多数である高齢者が優位にたったためではないか、といわれている。その結果、EUに残った場合に得られたであろう利益を英国は失ったかもしれない、というのである。
     民主制そのものにおいて、選挙という制度は選挙の結果において、国民の意思の総体という擬制がされていて、よくもわるくも実は国民の総体における意思決定は正しいはずだ、という擬制がそこではされることになる。
    ところが、国の明暗を左右する選挙のような場面で国民の意思決定が、比較的多数においてこれから未来を担っていく層の利害を害する形でなされることは、それが多数決だからといって問題がないのか、という悩みがこの本の根底にはある。
     実は、日本でもその傾向はないとはいえないからである。
     そもそも、選挙において、自由な意思決定がなされているか、どうかははなはだ疑問である。簡単に煽られ、操られるあやうさが絶えずある。しかし、それを繰り返していくと、社会を成り立たせている力をだんだんと削いでいくことにもなっていく。
     この本では「知の再武装」をとき、「高齢化によって劣化する人間」とういう見方を共有しない。どのように高齢者層を豊かにしそれによって社会を豊かにするか、の提案の書である。
     社会の構造がAIや、気候変動、人口問題、…
    などによって揺さぶられ続けている。生き抜く力をどのように手に入れるか、という志向の本でもある。
     

  • ●ジェロントロジーとは、高齢化社会の様々な課題を解決することを目的とする学際的な学問。
    ●老化による身体能力の衰えを直視する必要はある。だが人間の知能の潜在能力は高い。
    ●人間と機械の違いについては「認識」と「意識」を分けて考えてみるとわかりやすい。認識能力については機械は人間をさらに凌駕していくに違いない。しかし意識については別。

  • 【目次】(「BOOK」データベースより)
    序 ジェロントロジー宣言/第1章 異次元の高齢化社会とは/第2章 最大の課題・都市郊外型の高齢化ー戦後日本の帰結として/第3章 知の再武装ーなぜ必要か、そして何をどう学び直すか/第4章 ジェロントロジーへの新たな視界ーからだ・こころ・おかね/第5章 高齢者の社会参画への構想力ー食と農、高度観光人材、NPO・NGO/資料編

  • 18.9.22
    報道ライブ インサイドoutで本人が紹介

  • 【ジェロントロジー宣言 「知の再武装」で100歳人生を生き抜く】寺島実郎著、NHK出版、2018年

    「今度、札幌に行くから食事をしよう」
    と誘っていただき寺島実郎さんと本当に久しぶりにご飯をご一緒した。

    初めて会ったのは早稲田を卒業する年だった。
    三井物産のオフィスに緊張して行ったのを覚えている。

    それから10年以上お会いすることはなかったが、再会したのはソフトバンク社長室の時。様々な会合でご一緒し、グッと距離が縮まった。復興支援財団の評議員もお願いして就任してもらった。

    校長になってからは初めての機会だった。

    「荒井くんが頑張っているのは各方面から聞こえてくるよ」とおっしゃっていただいて驚いた。

    普段なら寺島さんの話に耳を傾ける一方だったが、気がついたら教育のこと、高校のこと、を沢山話していた。

    あれだけアウトプットされる方は、インプットの量も質も桁違いにすごいのだ、と別れてから思い至った。

    本書のタイトルになっている「ジェロントロジー:Gerontology」とは「老年学」と訳される。高齢者にまつわる学問領域で、身体、心、生活、社会などを分析している。

    本書で、団塊の世代が社会のお荷物にならないためには「知の再武装をすることだ」という寺島さん。

    同時に、僕達団塊ジュニアのこともすごく心配されていた。どの組織でも中堅マネジメントになった40代が今の変化に対応できていないそうだ。

    僕は小学校まで昭和の教育、中学校から平成の教育を受けたが、日本の教育の一つの帰結のような気がしている。

    では、令和の教育とはどうなのか。

    寺島さんは多摩大学の学長でもあり、沢山の示唆を頂きました。

    本当にありがとうございます。
    今後ともよろしくお願いします。

    #ゆたか読書

  • "ジェロントロジーという言葉を初めて本書で知った。英和辞書では老年学と訳される。
    今後日本の人口構成が大きく変わることは、周知の事実だ。超高齢化が進み、人口は減少していく。医療の発展から元気に暮らせる老人が増える一方、社会保障制度は制度構築時代の思想のまま運用され、時代との適応が図られていない。
    だからこそ、我々は知の再武装が必要なのだと呼びかけている。

    年老いて社会とどうかかわって、健康に幸せに生きていくには、どんな工夫が必要なのかを改めて考えるきっかけとなった本。

    巻末に知の再武装のためのブックガイドがある。"

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著者プロフィール

1947年生まれ。早稲田大学大学院政治学研究課程修了後、三井物産入社。調査部、業務部を経て、ブルッキングス研究所に出向。その後三井物産ワシントン事務所所長、三井物産常務執行役員等を歴任。現在は日本総合研究所会長、多摩大学学長。著書に『人間と宗教』『日本再生の基軸』(岩波書店)、『ユニオンジャックの矢~大英帝国のネットワーク戦略』『大中華圏~ネットワーク型世界観から中国の本質に迫る』(NHK出版)、『若き日本の肖像』『20世紀と格闘した先人たち』(新潮社)他多数。

「2022年 『ダビデの星を見つめて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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