手帳と日本人 私たちはいつから予定を管理してきたか (NHK出版新書 570)
- NHK出版 (2018年12月10日発売)
本棚登録 : 172人
感想 : 22件
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (192ページ) / ISBN・EAN: 9784140885703
感想・レビュー・書評
-
文房具の専門家として著名な著者による、日本における手帳に関する歴史をまとめた一冊。ただ単に手帳の流行りを追うだけでなく、日本人の時間意識や感覚、暦の採用から、日本に持ち込まれた手帳の原型、手帳に求める日本人の思考など、広範囲にわたる考察をしています。
手帳術というのは、書籍や雑誌のテーマになったりするため、よく読む機会が多いのですが、こういう視点はなかなか知ることはできなかったので、興味深い内容でした。流行りの手帳をどこまで取り上げて深掘りするかなど、読む人によっては物足りなさを感じるのかもしれませんが、手帳の活用というものとは異なる視点は新鮮でした。
▼手帳とは「社会に共有される暦と時間軸を前提に、個人の予定記入欄を持ち、主に予定管理に用いられる小型のノート」である
▼手帳をうまく活用するには、3つの要素が重要だと考えている。すなわち、ハードウェアとしての手帳、ユーザーの利用目的、ペンや付箋などの各種ツールだ。いわゆる「手帳術」と呼ばれるものは、この3つで構成されている。
<目次>
第1章 手帳以前の時間感覚
1 日本人はいつから時間にうるさいのか?
2 暦が世界を支配する
3 元号が生んだ時間感覚
4 暦と時刻のレイヤー
第2章 手帳が示す行動規範
1 手帳はいつ生まれたのか
2 軍隊手牒から年玉手帳へ
3 消えていく会社の影
第3章 手帳にあやかる人々
1 自己啓発化する手帳
2 「神社系手帳」の誕生
3 新世代の定番手帳
第4章 手帳大国ニッポンの実像
1 手帳のカンブリア爆発
2 最新ニッポン手帳事情
3 「手帳の日本史」は何を語るか?
4 手帳との正しい向き合い方
第5章 グーグル的な時間からの自由へ
1 アナログな時間とデジタルな時間
2 携帯電話からスマートフォンへ
3 テクノロジーがもたらした時間感覚
4 ライフハックで時間を操作する詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
手帳を通して時間管理の思想について考察した一冊。独自の視点で面白い。一方既存の権力者の時間とグーグル的な時間とはその目的が違うのでは?同じ土俵に乗せるのはどうか?と思いました。共通する権力性をもう少し説明が欲しかったです。
-
なんとも底の浅い本。例えばシステム手帳にしても山根一眞氏の名前も出てこないし、圧倒的に情報量が少ない。その上グーグル的時間とかの著者の主張には説得力ゼロで、考察も甘い。
ただ年玉手帳の頃から同時代を生きてきた自分にとっては懐かしいアイテムがたくさん出てきて、懐古的な面白さはあったかな。 -
題材はすごくおもしろかったのですが、半分ぐらいにまとめられそう。「そもそも…」で歴史をだらだら遡って文章を伸ばしている印象を受けた。読みづらかったし「仮面ライダーが昭和と平成で雰囲気が違う」とかもはや関係ないし。もう少し内容を整理してほしかった。
-
本当に日本人は手帳好きです。デジタルツール全盛
の今でも、年末には手帳特集のビジネス誌や、文具
売場でコーナーが作られます。
なぜこんなに好きなのか。いつからこんな風潮に
なったのでしょうか。
そしてあのバブリー(死語?)サラリーマンの象徴
的存在であったシステム手帳はどこへ行ったのか?
今まで考えもしなかった「手帳とは?」に答える
一冊です。 -
定価に近い金を払って買った割には、いささか期待外れの内容だった。今までの「手帳術」といったハウツー本や「手帳カタログ」といった製品紹介の本とは一線を画した「日本における手帳の文化史」という位置付けで、福沢諭吉が持ち帰った「懐中日記」から始まり、「軍隊手牒」、「年玉手帳」、「能率手帳」を経て、突如として英国から上陸して来た「システム手帳」の影響を受けながら、現在の主流となっている「神社系手帳」や「プレーン手帳」へと変遷を遂げていった日本の手帳と、それを使ってきた日本人に関する考察をまとめた一冊だが、「期待外れ」と言ったのは、二つの手帳についての記述が一切なかったというか黙殺されたことだ。一つは「生徒手帳」で、もう一つは「SD(システムダイアリー)手帳」である。
中学・高校の入学時に生徒全員に配られる生徒手帳は、著者の言うところの「軍隊手牒」や「年玉手帳」と同じ性格や目的を有していると思われるが、それらと決定的に違うのは「ただ配られるだけで、本来の手帳として学校現場や日常生活で全くといっていいほど活用されていない」という点だ。これは単に「生徒が全然使ってくれない」などと学校や教育の関係者が嘆くだけで済む話ではない。原因は至極単純で「手帳の書き方や活用方法を、学校でキチンと教えていない」という事に尽きる。
「SD(システムダイアリー)手帳」の方は、システム手帳が日本に本格上陸する15年以上も前に日本で開発・発売され、国内で既に一定の評価を得ていたにも関わらず、システム手帳のブームを日本でお決まりの「黒船現象」と強調させるために「元々日本には、バインダー式の手帳は存在すらしていなかった」とでも結論付けたいかのような黙殺ぶり。著者をはじめ、日本のメディアの「黒船が来た~!」と騒ぎ立てる「黒船病」も相当ヒドいな相変わらず。
-
「と日本人」とタイトルするなら、もっと歴史に踏み込んでほしかった。手帳の原型を見たかった。
-
日本の文房具屋には年末や年度末になると手帳の山ができ、電子化の流れに逆らうかのように毎年大量の手帳が発行されている。
手帳に書かれた西暦をはじめとする暦や、軍隊手帳から企業が発行する手帳、有名人が発行する手帳へとシフトしている流れから、個人へとFocusしているのは手帳の歴史にも現れている事が興味深い。
その日本の特殊な環境の歴史を順を追って書いてくれている本書は、手帳好きなら一読する価値がある。 -
図書館で借りました。現在の日本人の時間感覚、とりわけ「遅刻厳禁・5分前行動・分刻みで予定管理」などはいつ頃から、どのようにして生まれたのかについて考えたくなり、『遅刻の誕生』と合わせて借り、こちらの方を先に読み終わりました。
私の関心にはバッチリ応えてくれました。
①手帳の誕生(1812年)と同時期に産業革命があり
②明治五年(1872年)に太陽暦に変わり、日本に定時制が導入され
③「軍隊手牒」そして「年玉手帳」によって組織(共同体)の規律を管理しつつ予定も管理する
という流れを押さえられたのは良かったです。
ということは、明治以降の軍隊から高度経済成長におけるビジネスマンに至るまでに規律と時間を徹底的に管理する土壌が培われていったわけですね。まさしく手帳はその流れに寄り添ってきた。
そして、バブル崩壊後の見通しが不安定な時代にも対応しつつ、手帳はさまざまに進化・多様化していったと。まぁ、私は手帳ユーザーではないので最新の手帳事情については割とどうでもよいのですが。
ともかく、日本人の時間意識の変化と日本における手帳の誕生・進化・多様化が対応していることを教えてくれたのはためになりました。
ちなみに、これを読んでて思い出したのは中学と高校で配られた「生徒手帳」ですね。メモ欄やカレンダーに付け加えて、校則とか校歌とかが書いてあるやつ。特に、校則とか誰が律儀に読むんだろうって思ってましたけど。アレは軍隊手牒由来、年玉手帳由来だったんですねぇ。 -
手帳という文化の歴史について。
普段何気なく使っている手帳という道具について、いつから使われていたのか、どのように進化してきたのか…なんとなくは知っていたけど、改めてまとめて知ることができたのは興味深かった。そういえば大学時代に毎年手帳が配られたなあ、なんて思い出したりして。 -
手帳そのものだけでなく自分との付き合い方という面でも歴史が書かれている。他にあまりない切り口だと思う。googleカレンダー等のクラウド化の便利さを実感。
-
東2法経図・6F開架:007.5A/Ta94t//K
-
日本における手帳の歴史を振り返り、今の世の中にこんなにもの種類の手帳がある理由を考察してゆく。これほど種類が多い国はどうやら他にはあまりないらしいが、そこには明治時代頃からの歴史の流れがあるという理由を付けて行く。確かに面白い考察ではあるが、内容に対して本が長すぎるような気もする。
-
ジュンク堂
いろいろな先行文献を,きれいに整理している。
ただ,山根一眞のシステム手帳がぽっかり抜けていたり(立ち読みなので,気づかなかっただけかもしれませんが,,,,)とかを考えたら,ちょっと物足りないところもありますが。
この著者の本は,まさにインターネット時代の執筆というのを,毎回,痛感させられる。
ネット上で,情報を集めて,あたかも自分のアイデアのようにしてコンテンツを再構成。
最近は,出典の明示がだいぶなされるようになってきたが,欲を言えば,個人のホームペーヂやブログから得たアイデアも,きちんと明示したほうがいいのでは?と思っている。
これはこれで,一つの,サーベイ論文的扱いとしては,面白い一冊だと思う。 -
前半部分の日本の暦、手帳の歴史は面白かった。それ以外はダラダラしていてあまり楽しめず。
-
手帳の種類や歴史を俯瞰した書。
手帳と時間の観念を関連させて記載されたりしており、興味深い。 -
これほど手帳にバリエーションが豊かな状況は、おそらく海外にはなく、日本独自の文化ではないかと思われる。手帳というジャンルに次々と新しいものを盛り込んで、「発明」してしまう様は驚嘆に値する。
(P.120)
舘神龍彦の作品
