マルクス・ガブリエル 欲望の時代を哲学するII 自由と闘争のパラドックスを越えて (NHK出版新書 620 620)
- NHK出版 (2020年4月10日発売)
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感想 : 16件
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784140886205
作品紹介・あらすじ
人気沸騰の哲学者,ニューヨークで自在に語る!
NHK「欲望の時代の哲学」「欲望の哲学史」がテレビで大きな反響を呼び,これを書籍化した『マルクス・ガブリエル 欲望の時代を哲学する』が哲学書としては異例の大ヒットとなったマルクス・ガブリエルが帰ってきた!今度の舞台はニューヨーク。「資本主義」「民主主義」という自由の理念の「実験場」とも言うべきアメリカの中心地で、ドイツ哲学のホープであるガブリエルは何を見、何を思い、何を語るのか?!
近年とくに自由と倫理の危機を語るガブリエルは、米国発のものの見方が危機の根源にあると見る。Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ章では、一見離れた「資本主義」「民主主義」「SNS社会」と「哲学」の関係を洞察、「哲学」を実践のツールとして、平易な言葉で読者に示す。
まずⅠ章で、高層ビルやブランドショップの並ぶ目抜き通りを望み、「自由」という概念のもたらすパラドックスについて、カントからシェリングまで引用しつつ、その「逆説」の飛び越え方が示される。SNSがもたらす「破壊性」がヨーロッパ哲学の伝統で検証される時、「自由意志」というカントの基本理念はどうそこに関わるのか?自らを守る術はどこに?
次にⅡ章では、ともすれば社会を、物質的な生産、消費のサバイバルゲームとして、単なる生存のための限られたパイの取り合いとなっているアメリカ的資本主義を批判、その見方から脱する思考が語られる。「新実在論」の多元的な視点を生かす時、どんな捉え方がありうるのか?そしてⅢ章では、資本主義の新たなエンジンとなりつつあるAI=人工知能について、これが「現実を意味あるものとして認識させない」危機を指摘、警鐘を鳴らす。そうした思考から脱するために、大胆な仮説が示されるのだが、果して?引き裂かれた社会を救うアイデアとなるか?最後のⅣ章は、ガブリエルの議論を収録した話題書『未来への大分岐』で見事な議論を展開した気鋭の経済学者・斎藤幸平との白熱の対話。ガブリエルは日本へも言及し、待ったなしの問題についても語り、日本社会へのある提言も行う。「社会は変わらない」というニヒリズムの蔓延を痛烈に批判し、さまざまな活動の持続可能性を説く、その行方は?
全篇にわたり、「欲望」シリーズの企画開発者であり制作統括のプロデューサー・丸山俊一が前著『マルクス・ガブリエル 欲望の時代を哲学する』に続いて番組のリライトを手掛け、ガブリエルの語りを簡潔に構成して、彼の思考の”息遣い”を的確に伝える。序章と終章では丸山がガブリエルの言葉を解題、時代と結ぶ思考の補助線を示し、読者へのガイドとする。
読者は、全章を貫くガブリエルの「闘志」にシビれ、共鳴していくはずだ。彼は何に怒り、どう戦おうとしているのか? 「新実在論」の旗手として世界哲学の先頭に立つ若き天才が、加速する世界経済の中心地で語る言葉にいまこそ耳を傾けよう!!
みんなの感想まとめ
現代社会の根本的な価値観に挑む内容が魅力の一冊で、特に「自由」と「欲望」に関する深い洞察が光ります。著者は、資本主義やSNSがもたらす影響を批判的に捉え、我々が直面する倫理的な危機を明らかにします。特...
感想・レビュー・書評
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シンギュラリティはありえないということをはっきりと言語化して説明している。
行き着くところは、我々人間とは何者であるか、ということだろう。
特に1章のSNSについては納得。もっと警戒心を持った方がいい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
僕が評価を高評価としたいポイントは
この社会と呼ばれる世界の設計者は
西洋的価値観に基づいた大人だけ
と宣言している点である◎
植民地政策を始めた産業革命以降
ずーっとこの世界はその価値観設計のみで
営まれてきた。
が、僕は今それが変わりつつある。と言う直感に
襲われ、強くそれを信じている。
この直感が間違いではない。
と言うのを本書にて実感することができた◎ -
翻訳がかなり雑。直訳もいいとこ。九鬼周造についてマルクス・ガブリエルが言及しているところ、もっと掘り下げて欲しかった。あくまでテレビの企画ものか。
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前作から連続して読みました。民主主義についての話が興味深かったです。ヘーゲルを民主主義との関係で考えたことがなかったにで、新鮮でした。斉藤幸平さんとの対談もおもしろかったです。
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個マルクス・ガブリエルと斎藤幸平の対談は、個人的に注目している2人なので、とても興味深かった。
SNSに中国、自由主義。
混沌とする世界だからこそ、科学だけではなく哲学。 -
SNSに対する見方を哲学的観点から述べている。これらは全てプロパガンダだと。一方で、中国共産党に対して、共感を示しているところに、左派全体主義の闇を感じざるおえない。
つまり自由主義が悪の根源であり、再教育が必要だと。 -
多くの感想にあるように、前半は非常にわかりやすいが、後半の章は、まだ著者が?聞き手が?明確に言語化しきれていないせいなのか、少々意味がわかりづらい。肝心なことを言っていそうなのだが…
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20/05/07。
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p.2020/4/30
著者プロフィール
丸山俊一の作品
